リトバス妄想スレPart11
- 1 :名無しさんだよもん:2009/02/22(日) 23:07:41 ID:OuX4sqa30
- ここはリトルバスターズの妄想やSSを書き込むスレです。
リトバスであればジャンルやエロ・非エロ、キャラは問いません。何でもどうぞ 。
電波を受信したり、思いつきでも構いません。ぜひ文章にしてみませんか?
リトバス妄想スレPart10
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1220111840/
- 2 :名無しさんだよもん:2009/02/22(日) 23:08:41 ID:OuX4sqa30
- ■過去すれ
リトバス専用エロ妄想スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1186992700/
【エロも】リトバス専用妄想スレ【歓迎】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1188314788/
リトバス専用エロ妄想スレ2週目
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1189282572/
リトバス専用妄想スレ 4周目
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1191613236/
【しっぽり】リトバス妄想スレ 5周目【むふふ】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1192632294/
【むひょっス】リトバス専用妄想スレ 6周目【ハァハァ】
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1194443032/
【エクスタシー】リトバス妄想スレpart6【18禁化】
http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1198691144/
【18禁】リトバス専用妄想スレ 7周目【化?】
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1198285793/
リトバス妄想スレ Part9
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1205488619/
■みらー
http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=leaf&key=1186992700&ls=1-100
http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=leaf&key=1188314788&ls=1-100
http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=leaf&key=1189282572&ls=1-100
http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=leaf&key=1191613236&ls=1-100
http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=leaf&key=1192632294&ls=1-100
http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=leaf&key=1194443032&ls=1-100
http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=leaf&key=1198285793&ls=1-100
- 3 :名無しさんだよもん:2009/02/22(日) 23:09:33 ID:OuX4sqa30
- リトルバスターズ!投稿小説
ttp://participation.clannad-tv.com/lb_ss/
リトルバスターズ!SS情報サイト
ttp://link.dreamcafe.info/littlebusters!/
リトルバスターズ!呼称相関図、リトルバスターズ!呼称辞書@IME辞書
ttp://hsf.s59.xrea.com/ime_dic.shtml
(∵)葉鍵版SETTING.TXTの書き込みに関する設定
BBS_LINE_NUMBER=16
BBS_MESSAGE_COUNT=2048
から、1レスの最大改行数は32、最大バイト数は2048
timecount=12
timeclose=5
から、最新12回の書き込みのIPを記録し、
その中の5個が同一IPからの書き込みだったら連続投稿注意画面へ
- 4 :名無しさんだよもん:2009/02/22(日) 23:11:15 ID:t1g4treO0
- 乙
- 5 :名無しさんだよもん:2009/02/22(日) 23:44:45 ID:sxFTXrsP0
- いちょつ
- 6 :名無しさんだよもん:2009/02/22(日) 23:59:16 ID:MERjAddUO
- 乙デスヨ?
- 7 :名無しさんだよもん:2009/02/23(月) 00:48:01 ID:FHbbWsvK0
- いちもつ
さて、一発目として盛大に沙耶ネタでも書くかね
- 8 :名無しさんだよもん:2009/02/25(水) 01:38:19 ID:GidCsyaSO
- 俺は>>7が降臨するのをあきらめていない。
- 9 :名無しさんだよもん:2009/02/25(水) 02:30:39 ID:G8Dg+XGx0
- 案の定誰もいねーじゃねーか
ムダにスレ立てやがって
責任とって使えよクソが
- 10 :名無しさんだよもん:2009/02/25(水) 10:47:30 ID:Sw4eX7VKO
- 本スレ(笑)の無駄遣いぶりに比べたらどうでもいいと思うよ。
っつーか過疎スレなんてそこら中に有るのに何でここに執着するんだかw
- 11 :名無しさんだよもん:2009/02/25(水) 13:48:32 ID:UGRPrx+7O
- どうせ前スレで本スレ統合本スレ統合騒いでた奴だろ
- 12 :名無しさんだよもん:2009/02/26(木) 00:30:53 ID:e92z2VCOO
- それでも俺は>>7の降臨を信じてる
- 13 :名無しさんだよもん:2009/02/26(木) 17:33:27 ID:Ep+cFBR90
- 俺も信じてる
- 14 :名無しさんだよもん:2009/02/26(木) 23:48:50 ID:iky8uw900
- あげんなカス
- 15 :名無しさんだよもん:2009/02/26(木) 23:55:13 ID:uLhjFBAX0
- ageろー^^
- 16 :名無しさんだよもん:2009/02/27(金) 05:35:36 ID:oi4roKjN0
- ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
- 17 :名無しさんだよもん:2009/02/27(金) 07:54:50 ID:8F252wLc0
- 今日も 曇り 以上有り
- 18 :名無しさんだよもん:2009/02/27(金) 22:58:19 ID:HYX4AJCmO
- 俺は>>7が…(略)
- 19 :名無しさんだよもん:2009/02/28(土) 13:15:49 ID:MYrdIRdi0
- >>7(ry
- 20 :名無しさんだよもん:2009/03/01(日) 13:11:03 ID:qvqRHAbx0
- マジキューのリトバスEXの新作で、かなはるを匂わせる4コマがあった
- 21 :名無しさんだよもん:2009/03/01(日) 23:42:54 ID:9ghgWUap0
- で?それがなにか妄想すれと関係が?
- 22 :名無しさんだよもん:2009/03/02(月) 01:02:53 ID:UFVttI7FO
- >>20
匂わせるってか、まんまはるかなだったなwww
- 23 :名無しさんだよもん:2009/03/03(火) 11:37:22 ID:qQGrWK2s0
- 今日はひな祭りです。
- 24 :名無しさんだよもん:2009/03/03(火) 19:05:03 ID:x6vVPw7vO
- (´Д`)
- 25 :名無しさんだよもん:2009/03/03(火) 19:10:29 ID:4hsN4pozO
- ひな祭りだったか。忘れてた
毎回季節もの書いてるからあと5時間以内に書けたら投稿するよ
- 26 :名無しさんだよもん:2009/03/05(木) 01:44:15 ID:zG7EoInyO
- >>25
…あれか?釣りか?ワクワクしてた俺を釣ったのか?
- 27 :名無しさんだよもん:2009/03/05(木) 02:22:35 ID:zbeKo7FVO
- とりあえず何か書こうぜ。過疎すぎてやってられん
- 28 :名無しさんだよもん:2009/03/05(木) 15:43:48 ID:w/W+H+QoO
- >>26
すまなんだ、3月3日に間に合わなかった・・・・・・
期限過ぎてるしもうちょいかかるけど完成したらひな祭りネタを投下してもいいかな?
- 29 :名無しさんだよもん:2009/03/05(木) 20:05:38 ID:zG7EoInyO
- >>28
もちろん。よろしくお願いします。
- 30 :名無しさんだよもん:2009/03/05(木) 21:32:37 ID:CDOenyERO
- 俺からもよろしくお願いします
- 31 :名無しさんだよもん:2009/03/08(日) 05:39:46 ID:rdCKuFUGO
- 此処迄一件の書き込みも無し
結局必要ねーじゃねーか
どうすんだよコノスレ
- 32 :名無しさんだよもん:2009/03/08(日) 10:50:30 ID:uSVyJQd5O
- 相変わらず必死で見苦しい奴だなw
- 33 :名無しさんだよもん:2009/03/10(火) 06:53:53 ID:+bnrROyeO
- そうですね
- 34 :名無しさんだよもん:2009/03/10(火) 23:18:10 ID:diqkZu4MO
- とりあえず書き込みは三十数回あるけどね
- 35 :1/12:2009/03/11(水) 10:44:20 ID:8dKq5onx0
- 朝、急に放送が入ったと思ったらあーちゃん先輩に呼び出された。
「えー、二木佳奈多さん、二木佳奈多さん、至急寮長室まできてください。あーちゃん先輩が待ってまーす」
どうしてあんな恥ずかしい放送ができるのだろう。
思わず頭を抱えてしまったものの、呼び出された以上行ったほうがいいだろう。
もう風紀委員会はやめてしまったものの、寮会の手伝いだけは続けていた。
特別やることもないし。クドリャフカの持ってきてくれる料理やお茶もおいしいし。
そういえばあの子もまだ家庭科部を続けているみたいだ。今度様子を見に行こうかしら。
ぴーんぽーんぱーんぽーん。
「はやくしてねー」
ブツン。
…そんなこと言わなくてもいきますよ。
はあ、と軽くため息をついてわたしは席を立った。
「…あーちゃん先輩?これはどういうことですか?」
少しでも落ち着いているように見えせようと、にこにこと笑顔を作りながら言った。それでも雰囲気は伝わってしまうらしい。
「まあまあ、そんなに怒らなくてもいいじゃない。少しくらい手伝ってよ」
まったく悪びれた様子もなく、あーちゃん先輩は言った。
いつもと変わらない寮長室。ただ、違うのは今日が文化祭だということだ。
その類のものなのだろう、机には大量のプリントやら資料やらが散乱していた。
そしてなによりも不自然なのはあーちゃん先輩の格好だ。
- 36 :2/12:2009/03/11(水) 10:45:08 ID:8dKq5onx0
- 「どうして体がパンダになってるんですか?」
もちろん本物ではない。ただの着ぐるみだ。
白黒の、ぽっちゃりとしたそれを身につけたあーちゃん先輩は、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
…なんというか、すこし不気味だ。
「寮会の仕事。文化祭の間は一般の人も入ってくるからね。寮の見回り」
「寮母さんがいるでしょう?」
「午前中は用事でいないらしいの。だから、その時だけお願いって言われちゃって。かなちゃんも手伝って?」
あはは、と笑うあーちゃん先輩。頭にもパンダの被り物をつけているので声が聞き取りにくい。
なにより薄ら笑いしているパンダがかなり怖い。
「で、なんでそんなもの着てるんですか?」
「だって、文化祭だよ?」
「理由になってません」
「えー、直接楽しめない分、こうやって気分だけでも味わおうとしてるんじゃない。わからないかなあこの気持ちが」
少なくとも着ぐるみを着ただけで楽しめるのはあーちゃん先輩だけだと思う。
というか、話が進まない。
「手伝うのはいいですけど。ほかになにかあるんですか?」
「おーそれそれ。実はこの着ぐるみもう一着あるんだよねー」
パンダの丸い手が差したほうを見ると、そこには同じようなうさぎの着ぐるみがたたんでおいてある。
「…まさか、これを着ろと?」
「うん」
「どうしてですか?」
着たくない、といっても無駄だろうから、とりあえず理由だけきいておくことにする。
- 37 :3/12:2009/03/11(水) 10:45:42 ID:8dKq5onx0
- 「だって、文化祭だよ?もう午前中参加できないだけでもかなりの損失になると思わない?」
「それはそうですけど。でも、着ぐるみを着る理由にはなってません」
「いや、だから雰囲気だけでも味わっておきたいじゃない?」
この着ぐるみが文化祭らしいだろうか…
「まあ、とりあえず着てみようよ、ね?」
結局着ることに。
十月だから熱くないけど、これが夏だったら大変でしょうね。どちらにしても、わたしは長袖なのだけど。
「いやー、いいね、似合ってる似合ってる」
着ぐるみに似合ってるも何もないだろう。中は見えないんだから。
ここには鏡がないから、今自分がどういう姿をしているのかさっぱりわからない。
ただ、あーちゃん先輩がかわいい、かわいいと繰り返すだけ。
…なんというか、やっぱりやめたくなってきた。
「あーちゃん先輩」
「あ、しゃべっちゃダメだよ?」
「…はあ?」
「いや、だって普通うさぎは話さないでしょ?だからその着ぐるみを着ている以上、なにも話してはいけません」
「そんなこと言ったって」
「だからしゃべっちゃだめだって」
口を押さえられる。
いや、あくまでうさぎのだから、わたしの声は聞こえるんだけど。
「どうせ見回りだけだし、緊急時以外は特に指示することもないしね。基本二手にわかれてやるから話す機会もないだろうし」
そう言って、自分もパンダの被り物をつけて、なにか妙な動きを始める。
- 38 :4/12:2009/03/11(水) 10:46:45 ID:8dKq5onx0
- 「…なんですか、それは?」
「ジェスチャー。話せないから、こうして意思を伝えること。わかった?」
どうやら疲れる仕事になりそうね…
そんな風に思いながら、わたしは寮のほうへ向かった。
手洗い場の鏡の前に立つ。
わたしはなにをしているのだろう。
鏡を見ると、うさぎの着ぐるみがこちらを見ている。つまり、わたしがうさぎになってる。
いまさらだけど、虚しくなるわね…
外からはずいぶんと賑やかな声が聞こえてくる。きっと、一般客の入場が始まったのだろう。
その中を歩いているならともかく、一人でこんな格好してるなんて…いや、ばれないだけましかもしれない。
葉留佳やクドリャフカたちに知られたら恥ずかしすぎる。
どちらにしても、特に予定もなかったし。風紀委員会を辞めてなければ、そっちの仕事がはいっていただろうけど。
せっかく予定がないんだから、葉留佳とでもまわる約束をすればよかったかな。仲直りしたんだし。
それとも、直枝たちといっしょにまわるのだろうか?
いや、そういえば教室にいなかったような気がする。確かに起こしたはずなんだけど…部屋に行ってみようかしら。
もう一度自分の格好を見る。
…これじゃ、行きたくても行けないわね。
というわけで、再び見回りを再開する。
そういえば、さっきからあーちゃん先輩を見ないわね。あまり広くないのだから、階段あたりですれ違ってもいいのだけれど。
耳をすましても、足音すら聞こえない。ああ、着ぐるみきてるからどちらにしてもあまり音は出ないか。
ちょっと探してみようかしら…と思っていると、なぜかどこかの部屋からあーちゃん先輩が。
「あーちゃんせんぱ…」
- 39 :5/12:2009/03/11(水) 10:48:24 ID:8dKq5onx0
- あ、話してはダメだった。なんとかジェスチャーで伝えるしかない。
とりあえず、頭の上で大きく手を振ってみると、あーちゃん先輩も手を振り返してきた。
走って近づく。…うさぎが2足歩行で走るのもおかしいが。
あーちゃん先輩が出てきたのはどうやら葉留佳たちの部屋のようだった。
中に誰かいるんですか?
ドアのほうをうさぎの丸い手でさす。ああ、なんで律儀に言われたことを守ってるんだろ。
あーちゃん先輩のほうも、わたしのジェスチャーの意味が伝わったのか、こくん、と頷いた。
本当にしゃべらないつもりらしい。
まあそれはともかく、やっぱり葉留佳は部屋にいるみたいだ。
どうしたんだろう。やっぱり確認しておこうかしら。
そう思ってドアノブに手を伸ばすと、あーちゃん先輩にそれを遮られた。
どうしたんですか?
そう思ってあーちゃん先輩のほうを見ると、パンダの顔が今度は横に振られる。
どうやらはいってはいけないらしい。
おとなしく手を引く。そのかわりにドアをノックすると、向こうからもコンコン、と叩く音が聞こえた。
問題はないらしい。なにをしているか気にはなるけど、あーちゃん先輩が中を確認したのだから悪いことはしていないだろう。
具合が悪いわけでもなさそうだし。
そう思っていると、トントン、とあーちゃん先輩に肩を叩かれた。
なんですか?
- 40 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 10:54:14 ID:7eZJmXoWP
- 支援
- 41 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 10:57:32 ID:bBI2jKSwO
- 支援
- 42 :6/13:2009/03/11(水) 11:08:48 ID:8dKq5onx0
- 見ると、外にのほうを手でさしている。何かあるのだろうか?窓から見てみるが、特別変わったものがあるわけではない。
まあ、いつもと違って出店とかがあるのだけれど。…あ、外に出ようってことかもしれない。
見回りはもういいんですか?
これもジェスチャー。さっきからよく会話がつながっているものだ。いや、どこかで勘違いしているのかもしれないけど。
あーちゃん先輩はそれに頷くと、わたしの手をとって歩き出す。
ああ、やっぱり外に出るらしい。しかもこの格好のまま。
もう抵抗するのも面倒になったわたしは、そのままあーちゃん先輩に引っ張られていく。
引っ張られながらも、葉留佳のことを考えていた。
やっぱり直枝たちとまわるのかな?少しでも時間が空いていたら、わたしとまわってくれるだろうか?
そもそも、本当に部屋においてきて大丈夫だったのだろうか…?
…ああ、少し考えすぎかもしれない。葉留佳と仲直りしたばかりだからかな。
今でも、わからないことがある。
いや、そのわからないこと自体に靄がかかっているのだろうか。でも、そのわからないことがあったからこそ、葉留佳と仲直りできたのだ。
- 43 :7/13:2009/03/11(水) 11:10:06 ID:8dKq5onx0
- 唯一覚えていることと言えば。
わたしと葉留佳が、お互いに仲直りすることを願ったということ。
「ありがとうございましたー」
ふいに聞こえてきた男子の声に、はっとなって見ると、あーちゃん先輩がくじ引きをしていた。
なにをしてるんだか。学生が用意したものなんて、大したものはないでしょうに。
実際、あーちゃん先輩がもらったのはなんだかよくわからないキーホルダーで、どう見ても手作りのものだった。
まあ、それがくだらないものだとはいえないんだけど。あーちゃん先輩はそれを受取ってこちらを向く。
パンダがカエルになっていた。
いや、ただカエルのお面をかぶってるだけなんだけど。なんというか、さらに不気味になった。
よく見ると、あーちゃん先輩の手にはほかにもいろいろと握られている。わたしが考え事をしている間に大量に買いこんだらしい。
でも、なぜかあーちゃん先輩の手にはお面やくじ引きでもらったキーホルダーなどがあるだけで、食べ物はいっさいない。
あーちゃん先輩にしては珍しいわね。焼きそばとか、食べられないほど買いそうなのに。
あ、着ぐるみを着ているからだろうか。食べる時ぐらい脱げばいいのに。
まあどちらにしても、お昼の分はなにか買っておいたほうがよさそうだ。そう思って、近くにあった焼きそばを買うことにする。
うさぎの被り物をとって、焼きそばをひとつ注文する。せっかくだし、ほかのもどうせ買うのだから、とりあえずはこれひとつでいいだろう。
そうして、焼きそばをつめてもらっているのだが…なにか、視線を感じるわね。なぜかしら?
それを少し気にしていると、向こうのほうからクドリャフカが走ってくるのが見えた。
- 44 :8/13:2009/03/11(水) 11:10:52 ID:8dKq5onx0
- 「佳奈多さーん!」
あんなに走って転ばないかしら?
でも、その心配は無用だったらしい。クドリャフカはわたしの前にくると、にっこりと笑いながら言った。
「こんにちはです」
「こんにちはクドリャフカ。でも、あまり走ると危ないわよ?今日はこの人ごみだし」
「あ、すみません。佳奈多さんが見えたのでつい。それにしてもすごい人ですね、話には聞いてましたがびっくりしました」
「クドリャフカはこういうお祭りごとは初めてなの?」
「はい。だから今日はとても楽しみにしていたのですが…」
「面白くないの?」
「あ、いえ楽しいですよ。ただ、文化祭といっていたので、もっと日本らしいのかと」
「着物とか?」
「そうですね、日本のお祭りは着物や浴衣を着ていくとおじい様から聞いていましたから」
「確かに夏祭りや初詣とか、そういった時には着ていくかもしれないけど、こういう学園でのお祭りに着てくる人はいないと思うわよ」
「わふー、せっかくもらった着物を着れると思ったのですが…」
「あら、別にそういった場所だけで着るものではないでしょう?」
「でも、着付け方もよくわからなくて」
「わたしが教えてあげるから、今度着てみましょう。クドリャフカの着物姿も見てみたいわ」
「わふー!いいんですか!」
「はいはい、嬉しいのはわかったから、あまり騒がないの」
まあ、そういっても回りもずいぶん騒がしいから、誰も気にはしていないようだけど。
どうぞ、という声に振り向くと、どうやら焼きそばが詰め終わったらしい。代金を払い、うけとる。
- 45 :9/13:2009/03/11(水) 11:26:28 ID:8dKq5onx0
- 「わふー、焼きそばですか?」
「ええ、そろそろお昼だしね。せっかく学園祭だから、学食じゃつまらないでしょう?どちらにしても、そんなことあーちゃん先輩が許さないだろうから」
「寮長さんと回ってるんですか?」
きょとん、というか、少し驚いたような表情でクドリャフカは言った。
「なに?そんなにおかしいかしら?」
「あ、いえ、ただ…」
クドリャフカがあーちゃん先輩のほうを見ると、先輩は手を振ってこたえた。
それを見たクドリャフカもにっこりと笑い、佳奈多さん、と声をかけてきた。
「なに、クドリャフカ」
「楽しいですか?」
楽しいですか、か。
どうなんだろう。わたしは楽しんでいるのだろうか。
そう言えば、わたしもあまりこういうものにはいったことがなかったっけ。せいぜい今日みたいに学校の行事ぐらいだろう。
「…そうね。こういう雰囲気は苦手だけど、嫌いではないわよ」
「そーですか。ならよかったです」
「ところでクドリャフカ。あなたは誰と回ってたのかしら」
「え…ああー!みなさんがいません!完全に迷子です!」
「…なにやってるの。みんな探してるわよきっと」
「す、すみません、ちょっと探してきます!」
- 46 :10/13:2009/03/11(水) 11:27:00 ID:8dKq5onx0
- 止める間もなく、クドリャフカは人ごみの中に紛れていった。
携帯で呼べばいいと思うのだけど。そう思ったが、もう遅い。
まったく、そういうところがあるから、なかなか放ってはおけないんだけど。
と思ったら、今度は向こうから直枝が走ってきた。
「二木さん、クドを見なかった?」
「あっちに行ったわよ?」
「ありがとう」
そのまま通り過ぎようとする直枝の肩を掴んで止める。
「え、なに?」
「あなたたちは本当に…」
こんなことを言うのは失礼かもしれないけど、どこか抜けているというか。
寮会の仕事を手伝ってくれるときはちゃんとこなせるのに、どうしてこういうところで頭が回らないのだろうか。
「携帯で連絡すればいいでしょう?」
「ああ、そうか」
本当に思いつかなかったらしい。なるほど、という顔をして、メールを出した。
「うん、これで大丈夫かな。クドは小さいから、人ごみに流されないといいけど…」
「まあ、そういうときはストレルカ達が助けてくれるわよ」
- 47 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 11:29:05 ID:ecrkXMoL0
- クドどうしたんだ。気になる
- 48 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 11:43:08 ID:bBI2jKSwO
- 支援2
- 49 :11/14:2009/03/11(水) 11:55:21 ID:8dKq5onx0
- 「そうだね…ところで二木さん」
「なに?そんなにあらたまって」
そうきくと、直枝は答えにくそうにこちらをチラチラ見ながら言った。
「えっと…に、似合ってるね」
「はあ?」
「はあって…そのウサギの着ぐるみ、自分で着てたんじゃないの?」
直枝の指が、わたしを指す。
自分の姿を見ると、なるほど、確かにウサギだ。
…って、そうだった、わたし着ぐるみを着たままじゃない!
さっきから視線を受けていたと思ったらこれか。耳を澄ませばひそひそと話し声も聞こえてくる。
あああ、なんで忘れてたのかしら。
慌ててウサギの顔を被る。
「いや、何やってるの二木さん」
違う、わたしは二木佳奈多ではありません。ウサギです。
そういう意味を込めて首を横に振る。
「いやいやいや、そんな首振られても…ほ、ほら、似合ってたんだから別にいいじゃない。二木さん、可愛かったよ?」
「な!?い、行きますよあーちゃん先輩!」
「あ、ちょっと二木さん!」
直枝の声を背中に受けながら、わたしはあーちゃん先輩の手を引いてその場を走り去った。
- 50 :12/14:2009/03/11(水) 11:56:47 ID:8dKq5onx0
- はあ…なんでこんなに走ってるんだろう。
結局寮長室まで戻ってきてしまった。秋といっても、こんなに走ったら暑くなってしまった。
もう見回りも終わったし、これは脱いでいいわよね。そう思って着ぐるみを脱ぎ、たたんで元の場所に戻しておく。
何をやっているんだか。もうこんなものは着ない。そう思った。
きっと顔が熱くなってるのは暑いからだけではない。鏡があれば、真っ赤に染まっていることだろう。
もう一度ため息をついて、ひとつしか買えなかった焼きそばのふたを開ける。
これを食べて、すこし落ち着こう。
「これしかないですけど、あーちゃん先輩も食べましょう?」
ふるふる。首が横に振られる。
「確かに物足りないかもしれませんけど、これ食べてもう一度買いに行けばいいじゃないですか。温かいうちに食べちゃいましょう?」
ふるふる。やっぱり首は横に振られる。どうしても食べないつもりらしい。
「…なら、わたしひとりで食べちゃいますよ?」
こくん。今度は縦に振られた。
まったく、いつまで話さないつもりかしら。
焼きそばを口に運びながらあーちゃん先輩のほうを見ていると、なにかそわそわした様子で、こちらを見ている。
…ほんと、さっきから何を考えているのかしら。
聞こえないふりをしてはいるが、さっきからおなかの音がずっと鳴っている。
あーちゃん先輩は焼きそば嫌いだっけ?いや、それはないか。
おそらく10回目であろうその音で、さすがに我慢できなくなった。
「あーちゃん先輩、見回りは終わったんですからもう脱ぎますよ」
半分食べ終わった焼きそばを置いて、あーちゃん先輩のほうへ行くと、また首を横に振って後ずさる。
どうしても脱がない気らしい。
端のほうに追い詰めて、問答無用でパンダの頭に手をかける。
- 51 :13/14:2009/03/11(水) 11:58:20 ID:8dKq5onx0
- 「はいはい、もういい加減にしてください。取りますよ」
抵抗してくる手を払いのけ、パンダの被り物をとった。それと同時にぴょん、と何かが飛び出してくる。
ふたつのおさげ。
そして、ふたつの髪飾り。
間違えようもない、わたしの妹だった。
「やはは、実ははるちんなのだー!」
「…え、葉留佳?いつの間に入れ替わったの?」
「いやー、寮の部屋でちょっと野暮用を片付けてたら寮長さんに見つかってしまいましてネ。なんか面白いもの着てたから借りてみたわけですヨ。
そしたら罰として寮の見回りよろしくーとかなんとか言われて押し付けられて、せっかくの文化祭なのにこんなところで見回りなんてしてられるかー!と思ってたら
お姉ちゃんも見回りをしていたようなのでこうしていっしょに遊びに出てみたわけですよ。二人でサボれば怖くないしね」
やはは、とすこし困ったように笑う葉留佳。
あーちゃん先輩は、まあ、確かに面倒くさがりだけど、仕事を途中でやめたりはしない。きっと葉留佳が貸してくれるように頼んだのだろう。
それはなぜ?わたしと、回りたかったからなの?その答えにいきついて、ため息が出る。
本当に、葉留佳は不器用なんだから。
「馬鹿ね、ちゃんと言えばいっしょに回ってあげるわよ」
「…え?」
「ほら、行きましょう?」
手を取る。
その行為に葉留佳は驚いたようだけど、すぐに笑ってくれた。
子供の頃とは違うんだ。
こうして、葉留佳の手を引いて歩ける。二人で出かけることも。笑いあうことも。もう迷うこともない。
- 52 :14/14:2009/03/11(水) 12:05:34 ID:8dKq5onx0
- 「来週、誕生日だね」
「そうね。いっしょに買い物にでも行く?」
「うん、行きたいな。二人でプレゼント交換でもしよっか。あ、夜はみんなでお祝いしてくれるから、お姉ちゃんもいこう?」
「…それは、わたしもでていいのかしら?」
「うん、みんなきっとお祝いしてくれるよ?」
楽しそうにいう葉留佳の笑顔を見ながら、わたしも小さく笑う。
少しだけ、恥ずかしい思いもあるけど、葉留佳がそういうなら行ってもいいかもしれない。
妹の頼みだ。断るはずがないじゃない。
だってわたしは、葉留佳のお姉ちゃんなのだから。
二人で誕生日の計画を話しながら、文化祭のにぎわいの中に戻った。
以上です。
支援どもでした。
- 53 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 15:43:09 ID:Yi3TLxc50
- いきなり伸びていたと思ったら長編投下があったか
乙!
- 54 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 16:34:48 ID:KAKCoBBl0
- 乙
やっぱはるかなはいいねえw
- 55 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 21:03:16 ID:d/Ckj+yQO
- 乙
おもしろかったよー
- 56 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 22:09:24 ID:jQjq6PAgO
- ツマラン5点だな
- 57 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 22:49:33 ID:zQspoWz50
- 乙
はるかなはいいなぁ
- 58 :名無しさんだよもん:2009/03/11(水) 23:33:16 ID:KP7jtM8tO
- >>52
乙、と言いたいんだけど一つだけ聞きたいことがある。
これどっかで読んだことがあるような気がするんだがコピペか?
- 59 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:00:08 ID:zCyvlKnX0
- それが本当なら最低だな
- 60 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:07:04 ID:L7VDvrcXO
- >>59
最低とまでとは言わないけど、コピペならコピペって最初に言うべきだと思うよ。
- 61 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:21:33 ID:v3psfICb0
- http://participation.clannad-tv.com/lb_ss/index.cgi?log=&page=30&key=20080919232728&action=html2
- 62 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:29:22 ID:zCyvlKnX0
- ひょっとしてそのまんま転載?
- 63 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:37:04 ID:zCyvlKnX0
- 無断転載禁止になってるんだけど・・・
一応向こうに報告しておいた
- 64 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:38:04 ID:+x2DH3Jn0
- どこかで読んだと思ったが、転載だったのかw
- 65 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:41:38 ID:fAfJVdAy0
- まて、本人という可能性も・・・
- 66 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 00:53:05 ID:v3psfICb0
- このスレの読んでないからわかんないけどまんまっぽいね。
- 67 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 01:01:04 ID:9+X4k4qBO
- >>65
いや、本人ならあらかじめ言うはずだろう
つまり転載だな
- 68 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 13:28:46 ID:YHMNr+Ly0
- 勝手に転載したんだろうねえ
作者から回答があればいいんだけど、9月に投稿したものだから
なかなか難しいかもしれないな
- 69 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 17:43:11 ID:L7VDvrcXO
- とりあえず、ここに書いたやつは出てくるべきかと
- 70 :名無しさんだよもん:2009/03/12(木) 19:41:57 ID:YHMNr+Ly0
- ここまで騒がれたら出てこれないんじゃね?
荒らしみたいなものかもしれんし
- 71 :名無しさんだよもん:2009/03/14(土) 14:26:21 ID:XE4lS/OM0
- ホワイトデーとかそういうのまったく期待してないんだからな
- 72 :名無しさんだよもん:2009/03/14(土) 17:08:12 ID:cjZ6aBpB0
- とりあえずこの雰囲気で投下してくれるなら何でもいいよ
- 73 :遅ればせながらひな祭り:2009/03/17(火) 15:26:28 ID:qrB+8FtOO
- 鈴「なあなあ、馬鹿兄貴」
恭介「今マンガ読んでるから後でな」
鈴「真人真人」
真人「ふっ、ふっ、筋肉、筋肉」
鈴「おい、謙吾」
謙吾「今は理樹の為にリトバスジャンパーを縫っているから後にしてくれ」
鈴「と、言うわけだ」
理樹「いやいやいや、意味わかんないんだけど」
鈴「理樹、今日は何の日だ?」
理樹「3月3日・・・・・そうか、ひな祭りだったのに相手にされなかったから僕のとこに来たのか」
鈴「う、うるさい!そういえばひな祭りって何をするんだ?」
理樹「一応、人形を飾って女の子を祝うんだけど・・・」
鈴「人形?そんなものは持ってないぞ」
理樹「そうだよね。じゃあ適当にパーティーみたいなことでもしようか」
- 74 :名無しさんだよもん:2009/03/17(火) 15:27:08 ID:qrB+8FtOO
- 鈴「みんなを呼んできたぞ」
理樹「ありがとう鈴。こっちは準備できてるよ」
クド「わふ〜、じゃぱにーずひな祭りなのです〜」
小毬「お菓子持ってきたよ〜」
来ヶ谷「(準備は?)」
美魚「(バッチリです)」
葉留佳「理樹くん理樹くん、クラッカー頂戴」
理樹「はい、用意してあるよ」
鈴「理樹、まだ乾杯しないのか?」
理樹「よし、じゃあ・・・」
来ヶ谷・美魚「ちょっと待った(待ってください)」
理樹「どうしたの?二人とも。コップ足りなかった?」
来ヶ谷「なに、ふと思ったんだが理樹くんは男なのにひな祭りを祝うのか?」
理樹「え?いきなりそんなこと言われても・・・」
鈴「そういえばそうだな。理樹、どうするんだ?」
理樹「どうするんだって言われても・・・・・」
美魚「そんな直枝さんに名案があります」
理樹「どんな・・・・って、嫌な予感しかしないのは気のせい?」
美魚「これを着れば女の子になれますよ」
来ヶ谷「おっと、逃がさんぞ」
理樹「うわあああああぁぁぁ・・・・・・」
- 75 :名無しさんだよもん:2009/03/17(火) 15:28:14 ID:qrB+8FtOO
- 5分後
理樹「もうお婿に行けない・・・・・」
美魚「実に素晴らしいです。違和感無しですよ」
来ヶ谷「西園くん、後で焼き増し頼むぞ」
クド「わふー、リキが女の子になってしまいました〜」
小毬「今日1日だけリキちゃんだね」
葉留佳「みおちん、お姉ちゃんに見せるから私にも1枚頼みますヨ」
理樹「見ないでえええぇぇぇ」
鈴「あ、逃げてったぞ」
理樹「はぁはぁ、ここまでくれば・・・・・・」
理樹「・・・・・・うわあああああ!着替えてない!」
相川「一目惚れしました!付き合ってください!」
理樹「いやあああぁぁぁぁぁ!!!」
- 76 :名無しさんだよもん:2009/03/17(火) 15:33:52 ID:qrB+8FtOO
- 期待していた人はほとんどいないでしょうが、かなり遅れましたがひな祭りネタを書いてまいりました
オチが弱いし短くてスイマセンorz
べ、別にホワイトデーを忘れてたわけじゃないんだからね!
スイマセン、ホワイトデー忘れてましたorz
また遅れますがまた書いてるんで期待している人はしばしお待ちを
要望があれば感想と共に書いてくださいませ
では、今回はこれにて失礼させていただきます
- 77 :名無しさんだよもん:2009/03/17(火) 15:59:04 ID:0kjXjIAmO
- これはGJ
女装いいよね
- 78 :名無しさんだよもん:2009/03/17(火) 16:49:09 ID:TOkEQp8eO
- 相川くんwwww
- 79 :名無しさんだよもん:2009/03/18(水) 00:23:34 ID:9wsB+9CQO
- 理樹くんハァハァ…GJだ!
- 80 :名無しさんだよもん:2009/03/20(金) 16:37:16 ID:ItO0UQnV0
- GJ
今、理樹を含めてリトバスヒロイン人気投票やったらどうなる事やら……
- 81 :名無しさんだよもん:2009/03/20(金) 23:21:35 ID:oTEAvscy0
- >>80
え?理樹の圧勝だろ?
- 82 :名無しさんだよもん:2009/03/27(金) 03:29:36 ID:3Ep2mSaUO
- 過疎ってるな…時期的に 恭介卒業後のネタ考えたが見るヤツいるか?
- 83 :名無しさんだよもん:2009/03/27(金) 08:44:16 ID:wmq8p8DgO
- YES
- 84 :名無しさんだよもん:2009/03/27(金) 09:36:04 ID:nRuc5abB0
- YES
- 85 :名無しさんだよもん:2009/03/27(金) 15:12:10 ID:3Ep2mSaUO
- じゃあ書くかな
タイトルは
゛引き継いだ物゛だ
シリアス系ではない
- 86 :名無しさんだよもん:2009/03/28(土) 22:26:21 ID:M+fEnuPO0
- 期待
- 87 :名無しさんだよもん:2009/03/29(日) 01:51:30 ID:BqfcP9SlO
- age
- 88 :引き継いだ物作成中:2009/03/29(日) 02:26:48 ID:BqfcP9SlO
- アクセス規制って何?
携帯から書けても
PCから書けないって なんじゃああ
詳しい人教えて
- 89 :名無しさんだよもん:2009/03/29(日) 02:31:39 ID:ac/D98Yh0
- >>88
簡単に言えば同じ通信会社と契約してるどっかの誰かが2chを荒らしてそれが報告されたので
そのISPからの書き込みができなくなってる、
携帯は当然ISPが違うので書き込める。
アク禁になった人の為にレス代行するスレ★101
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/accuse/1238215589/
こういうとこで代行してもらうか、モリタポとかを入手するしかない
2ch批判要望
http://ex24.2ch.net/accuse/
ここでおまえさんのISPと同じ名前のとこいけば仲間が沢山いるよ
ISPがわからん?
ここ踏め
http://qb6.2ch.net/_403/madakana.cgi
- 90 :引き継いだ物:2009/03/29(日) 04:42:07 ID:E5DXjnds0
- 「理樹、泣きそうな顔するなよ」
「だって…寂しいよ……」
ひらひらと桜舞う今日、卒業式があった。
そう、恭介が卒業したんだ。
恭介は大学に進学する。『俺が最高のマンガを作るんだ』
そう言った恭介は出版社を目指すべく文学系の所に決めた。
「これからは強く生きるんだろ。だったら笑って送り出してくれよ」
「う、うん。そうだよね」
僕は誓ったんだ。これからは強く生きると。
だから、涙は見せちゃいけないよね。
「そうだ、理樹。お前に渡したい物があるんだ」
「僕に…渡したい物?」
「ああ、この寮生活の間を共にしてきた物だ。お前に…引き継いでほしいんだ」
恭介は紙袋を差し出し、僕はそれを受け取った。
「よし、じゃあ…そろそろ行くぜ」
「ねえ恭介、また会えるよね?離れても僕たち友達だよね?」
恭介はニッと笑い、
「当たり前だろ。リトルバスターズは…永久に不滅だ!」
そして僕の拳に、拳をゴツンと合わせ背を向け歩き出した。
「…そうだよね。リトルバスターズ、最高!」
「おう、リトルバスターズ最高!」
僕の声に恭介は背を向けたまま右腕を上げて応えた。
その手に卒業証書を高々と掲げて――
- 91 :引き継いだ物2:2009/03/29(日) 04:42:36 ID:E5DXjnds0
- 「おう、理樹。戻ってきたな」
「二人とも、見送りに行かなくて良かったの?」
部屋に戻ったら、すでに謙吾と真人が待っていた。
二人とも恭介の見送りに誘ったのだけれど…
「ああ、湿っぽいのは性に合わなくてな…それに俺達は離れても―」
「リトルバスターズ、だろ?」
「ふっ、まさかお前に言われるとはな」
三人で顔を合わせて笑いあう。そして実感する。
僕たちには離れても確かな絆があるんだ。
「ところで理樹、お前何持ってんだ?」
「俺も気になってたんだ。何だそれは?」
二人の視線が恭介に貰った紙袋に集まる。
そういえば僕も中身をまだ知らない。
「恭介がくれたんだ。恭介が寮生活を共にしてきた物って言ってたんだけど…」
「なあ、開けていいだろ」
真人は僕の返事も待たずにビリビリと乱暴に紙袋を破る。
「真人、丁寧に開けてよ!」
だが、時すでに遅し。もうぐちゃぐちゃだ。
そこに謙吾は手を伸ばす。
「中身は…本、みたいだな…って、なナ!」
取り出した中身に驚愕した。
「「「何じゃ、コリャー!!!」」」
- 92 :引き継いだ物3:2009/03/29(日) 04:43:08 ID:E5DXjnds0
- 「『妹、禁断の果実 お兄ちゃん、イケナイこと教えて』
恭介、まさか鈴のことこんな目で見てたのか…?」
「ま、まさか…こっちは『巨乳天国 オッパイがイッパイ』だって…」
「これは『お姉さんが教えてア・ゲ・ル』だとよ…
やっぱりこれってよぉ…」
間違いない。間違いようもない。紛れもないエロ本だ…
恭介、何て物を残して…
バタン!!
「さっきの叫び声は何ですの!?うるさいですわよ!」
「うわあぁ!さ、ザザメグワさん!」
「さ・さ・せ・が・わ、ですわ!あなたまで間違えないで下さい!」
ごめんなさい…慌てるとその名前は噛んでしまいます…
「あーちゃん先輩も卒業し、今日からは私が寮長ですわ。これからは厳しくいきますわよ」
「でもよ、お前は女子寮のであって男子寮は相川…」
「よ・ろ・し・い・で・す・わ・ね!?」
「「「はい…スミマセン…」」」
- 93 :名無しさんだよもん:2009/03/29(日) 21:14:16 ID:jlzvGSmS0
- ちょ…そこで終わり!?
- 94 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 00:24:29 ID:6F5rMz+jO
- いまいち締まりがないな
Kanonネタなら書けるんだけどなぁ
- 95 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 00:38:02 ID:yr+vfJZR0
- せっかく書いてもらったがなんかつまらんな・・・・・・
こりゃ他の人に期待するしかないか
そういや季節ネタでバレンタイン云々とか言ってた人はどこいったんだろ
けっこう期待してるんだが
- 96 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 00:49:46 ID:Fv2Mn4LIO
- バレンタインネタって、今書いても大丈夫なのか?
- 97 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 00:54:40 ID:eQ1IHy1A0
- >>96
どうぞどうぞ
- 98 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 01:07:05 ID:Fv2Mn4LIO
- …ふむ。ならば気が向いたら書くとするかな
- 99 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 01:18:09 ID:HLCp2cfZ0
- シチュ:姉御が佳奈多にあるものをもってきたようです
「佳奈多君、さっそくだがこれを着たまえ」
「は?」
ノックもせずに入ってきた来ヶ谷さんの第一声はこれまたワケがわからないものだった。
手に持った紙袋を私に突き出してくる。
「…なんです、これ?」
「チャイナ服だ。無論佳奈多君のサイズに合わせて作ってある」
―――なんで、私のサイズを…
はぁ、とため息をついてから一言。
「嫌です」
「まぁ、そういうな。気が向いたら着てみるといい」
「ちょっと、持って帰ってくださいよ…ってもういないし…」
押し付けられた紙袋を覗き込む。
赤色に花の模様の入ったチャイナ服と柄が龍の形をした模造刀が二本入っていた。
「はぁ…来ヶ谷さんの考えることはよくわからないわ…」
こめかみの当たりを押さえて呆れかえる。
だが、押し付けられたとはいえ、このまま無碍にするわけにもいかずベッドにとりあえず放置して出ていた課題に取り掛かった。
- 100 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 01:19:40 ID:HLCp2cfZ0
- 「っん…終わった…」
強張っていた筋を伸ばしながら時計を見る。思ったより早く終わったようだった。
ルームメイトのクドリャフカもまだ帰ってきていないようだし、とりあえずベッドに横になろう、と思ったがそこにはあの紙袋。
少しだけ、興味がわいてきて中からそのチャイナ服を取り出す。
「…ほんとにサイズぴったりじゃない…」
姿見の前で体に当ててみてみると本当に私にあつらえたようなサイズだった。
―――ちょっと、着てみようかしら…?
- 101 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 01:20:37 ID:HLCp2cfZ0
-
こんな服、今の今まで知識としてはあったものの、実際に着る機会なんてないと思っていた。
おしゃれもしてみたい、新しい自分を見つけたい。
そんなちょっとした興味が、私の背中を押した。
「あら? これ…ちょっと着にくい…じゃ…あ、入った」
「この手袋…ちゃんと隠れるみたいね…背中も…うん…大丈夫…」
「なによ、片方しかないじゃない、このソックス…」
- 102 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 01:22:06 ID:HLCp2cfZ0
-
途中まで着替えて鏡を見てみると、そこにはすっかり変わってしまった自分が映っていた。
―――意外と…似合うじゃない…って何考えてるのよ!
鏡の前でいやいやと顔を振る。
ここまで着たんだからこの剣も使ってみよう。両手に持ち、自己流で構える。
「こんな感じかしら? もっとこう…こう?」
鏡の前でポーズを決める。うん、結構様になってる。ちょっと悪乗りしてセリフも決めてみようかしら
「おねーちゃん、今日の課題見せてー」
「ここから先は…私を倒してから行くことねっ」
………
……
…
「…えーっと…その…お邪魔しました」
パタン、と葉留佳が扉を閉める。
固まってしまって身動きが取れない私。
また、扉が少しだけ開くと葉留佳が携帯を取り出して
パシャ
「おねーちゃんのコスプレ写真ゲットー♪」
「いやああぁぁあぁ! 葉留佳あぁーーー!!!!!!」
- 103 :名無しさんだよもん:2009/03/30(月) 10:31:47 ID:yr+vfJZR0
- バレンタインじゃなくてホワイトデーだったorz
- 104 :引き継いだ物4:2009/03/31(火) 03:08:04 ID:4WqJuAjs0
- 「それで、あなた達どうしましたの?」
その声で今の状況を思い出す。アレは絶対見つかっちゃいけない!
「な、なんでもないよ…」
「お、おう。ただ筋肉がこむら返っただけだ…」
そう言いつつ、アレを背中の方にまわす。
「…?あなた達、今何か隠しませんでしたか?」
一気に血の気が引く。背中に冷たい汗が流れる。
「な、なんでもないから」
「…何か怪しいですわね」
疑り深そうな目で部屋に入ってきた。
(お、おい理樹、どうすんだよ)
(どうするって言われても…)
「すまない、笹瀬川。本当に大した事ないんだ」
「け、謙吾さま…」
「だが、大きな声を出して、迷惑を掛けたのは事実だ。申し訳ない、この通りだ」
そう言って謙吾は深々と頭を下げた。
「…わかりましたわ。謙吾さまがそこまでするなら不問といたしますわ」
やっぱり笹瀬川さんは謙吾には弱いみたいだ。
「それからもう男子の入浴時間ですから早く入って下さい」
- 105 :引き継いだ物5:2009/03/31(火) 03:09:41 ID:4WqJuAjs0
- バタン…
「ふーっ、助かったぜ謙吾」
「ああ、危ない所だったな」
「で、どうするの、コレ…」
「下手に捨てるわけにもいかないな。それで見つかる可能性もありうる」
「じゃあどうすんだよ!」
「「「……………」」」
「な、なあ風呂に入らないか?剣道の鍛錬で汗をかいてな」
「そ、そうだよな、俺も筋肉を休めさせたくてよ」
「だ、だよね。僕もサッパリしたくて」
僕たちは現実逃避することにした。
「とりあえずソレ隠しとけよ」
「そうだね、とりあえず見えない所に…」
- 106 :引き継いだ物6:2009/03/31(火) 03:11:58 ID:4WqJuAjs0
- 「理樹ー!遊びに来た…なんだあいつらいないのか」
そういえば男子の入浴時間だ。そうか、あいつら風呂に行ったのか。
キョロキョロと辺りを見回す。ふと理樹のベッドが眼に入る。
「ん、理樹の匂いだ…」
そのまま理樹のベッドに身を投げ出す。
ほのかに理樹の温もりが残っている気がした。
「…何だ?ゴツゴツしたものあるぞ」
気になったあたしはそこへ手を伸ばした。
「…本、か?コレ……って」
「何だコレはーーー!?」
- 107 :引き継いだ物7:2009/03/31(火) 03:12:30 ID:4WqJuAjs0
- 「どうした、鈴君。私達みんな呼び出すなんて?」
「…さっき理樹のところに遊びに行ったけど、誰もいなかったんだ」
「ふんふん、それで?」
「そしたらこんなの見つけたんだ」
「これ、本?………ふぇぇぇぇぇえ!?」
「わふー!え、えっちな本ですぅ!」
「……BLものは無いのですね」
「…わふー、BLってなんですか?」
「はい、BLというのは……ふぐっ」
「よ、余計なコト教えなくていいですヨ!」
「ふむ…こ、こんな体勢で!?…ななな、こんな大きくなるのか…!?」
「ゆ、ゆいちゃん!?なんで読んでるの?」
「…単なる興味だ。君達も興味あるだろう?」
「それは少しは……姉御…この本の中の人より、おっぱい大きいですネ…」
「ふぇぇ、ほんとだ。ゆいちゃんおっきいぃ…」
「こ、こら!私の胸をそんな目で見るな!」
「ずぷずぷと根元まで入り、いきなり激しく動いて…」
「み、美魚君!音読するんじゃない!」
- 108 :名無しさんだよもん:2009/03/31(火) 11:45:08 ID:uzmZ0WguO
- 完結したら投下しよう、な?
- 109 :名無しさんだよもん:2009/03/31(火) 19:50:20 ID:PXbXpub10
- (´'ω'`) n
⌒`γ´⌒`ヽ( E) ちんぽーるT世
( .人 .人 γ ノ
ミ(こノこノ `ー´
)にノこ(
- 110 :名無しさんだよもん:2009/04/02(木) 18:31:19 ID:eFo73TCbO
- >>102
GJ。個人的にかなりよかった。
せっかく書いてくれる人がいるのに過疎だな
- 111 :名無しさんだよもん:2009/04/02(木) 18:35:55 ID:Pm+DAjI00
- エイプリルフールネタ
佳奈多「ねえ直枝?」
理 樹「どうしたの?」
佳奈多「今日ってエイプリルフールよね?」
理 樹「そうだね、それがどうかした?」
佳奈多「だから、直枝に嘘ついてもいいわよね?」
理 樹「いやいや、それ言っちゃったらダメじゃない」
佳奈多「いいのよ、それじゃ、言うわよ?」
佳奈多「直枝のこと、大好き!」
- 112 :名無しさんだよもん:2009/04/02(木) 23:27:52 ID:ORJhWHRo0
- なんか乱立してるな・・・
みんながよければ、今更ホワイトデーネタ投下しようと思ってる
大分長くなりそうだけど、それでもいいかな?
- 113 :名無しさんだよもん:2009/04/02(木) 23:42:12 ID:Rp5MYqqT0
- 最後まで書き上がってるならいいんじゃないかな
- 114 :名無しさんだよもん:2009/04/02(木) 23:44:31 ID:ORJhWHRo0
- >>113
了解。書きあがったら投稿する
でも期待すんなよ。
- 115 :名無しさんだよもん:2009/04/03(金) 15:57:23 ID:RHlFC8760
- 人少ないし途中でも俺は構わんよ。
- 116 :名無しさんだよもん:2009/04/03(金) 21:08:56 ID:4s8DvDAfO
- 俺も。
どうせ最後まで書き上げろって言ってる奴一人だろ?
- 117 :名無しさんだよもん:2009/04/03(金) 21:54:10 ID:pL84d1/bO
- あんまりぐだぐだすると読みにくいだろ…
- 118 :名無しさんだよもん:2009/04/03(金) 22:58:03 ID:mFpFJj1p0
- 区切りがいいなら、途中であってもいいと思う
ぶつ切りにされたような半端なものだと反応できないが
- 119 :名無しさんだよもん:2009/04/04(土) 02:25:33 ID:+SQEY8dz0
- 一応書きあがった。でも正直全然ダメダメだとおもう。
ごめんな、疲れ切った人間のSSでスレを汚してしまうかもしれないが、生暖かい目でスルーしてくれ。
- 120 :ホワイトゲーム Part1:2009/04/04(土) 02:26:51 ID:+SQEY8dz0
- ―――3月13日、午後4時。
直枝理樹を除くリトルバスターズメンバーは、部室に集まっていた。
来ヶ谷「なんなんだ、一体。いきなり私達を集めて・・・」
恭介「まぁそう言うなよ、来ヶ谷。
ちょっとしたゲームをやろうと思ってな・・・」
美魚「またですか?本当、そういうの好きですね・・・」
みんなの感想は同じだった。「またか」。
しかし、次の一言で、場の空気は一気に変わった。
恭介「ああ、明日のホワイトデー、お前らには、「理樹の手作りクッキー」をかけて争ってもらう」
- 121 :ホワイトゲーム Part2:2009/04/04(土) 02:28:07 ID:+SQEY8dz0
- 刹那。
場の空気が凍った。
外から聞こえる風の音が、いかにこの時の部室が静かかを物語る。
そして、一番最初にその氷を溶かしたのは・・・
謙吾「手作りクッキーだとぉぉぉぉぉっ!?」
真人「しかも理樹の!?」
何故か男性陣だった。
恭介「いや、なんで男性陣が反応するんだよ」
美魚「禁断のラブ・・・ハァハァ」
クド「わふーっ!?西園さんが違う所に行ってしまいましたー!」
小毬「おーい、美魚ちゃーん、戻ってこ〜い」
とりあえず騒然となる部室。突っ込み所が多いのは仕方が無い。
- 122 :ホワイトゲーム Part3:2009/04/04(土) 02:28:41 ID:+SQEY8dz0
- 来ヶ谷「理樹君のクッキーか・・・ふむ、面白い」
恭介「だろ?」
鈴「うん、面白いな」
恭介「お前、リピートしてるだけだろ」
小毬「理樹君は、この事を知ってるの?」
恭介「いや、知らない。知らせるつもりも毛頭無い。
そんな事をしたら、ゲームが崩壊してしまうからな」
うおっほん、と仰々しく咳をして、恭介が椅子から立った。
恭介「それじゃ、ルールを説明するぞ。
1、時間は明日の朝礼HR後〜夕方6時まで。
2、一番最初に、理樹に愛の告白をして、クッキーをもらった奴の勝ちだ。
3、お互いに協力するのもアリだが、勝者は一人だけだ。勿論妨害もアリ。
4、当日は、俺や助っ人達が、お前らが告白できないように妨害するからな。
以上、この4つだ」
真人「俺達もあいつに愛の告白をするのか?」
恭介「何言ってんだ。謙吾とお前は妨害側だ」
真人&謙吾&美魚「「「えええぇぇぇぇぇぇ!?」」」
恭介「なんで西園が反応するんだよ」
理樹の手作りクッキーを食べれない事に絶望する男性陣と、ボーイズ☆ラヴを見れない事に落胆する西園。
やっぱりおかしいが、そこがリトバスクオリティ。
クド「ルールはそれだけですか?」
恭介「いや、他にも細かいルールはある。それは、違反者が出たら言おう。
――さぁ、そろそろ飯時だ。全員、解散!」
そういう事で、この場はお開きになった。
- 123 :ホワイトゲーム Part4:2009/04/04(土) 02:29:30 ID:+SQEY8dz0
- 3/14 朝食
理樹「・・・なんだか、物凄く視線を感じるんだけど・・・」
恭介「気のせいだろ」
真人「気のせいだ」
謙吾「疲れてるんじゃないか?」
鈴「猫じゃないか?」
理樹「・・・・・・」
全員から否定されると、なんだか悲しくなるなぁ・・・
あと鈴、それはないから。
鈴「む、もうこんなじかんだ。あたしはそろそろさきにいこう」
理樹「なんで棒読みなのさ。っていうかいつも一緒に行ってるじゃ・・・」
恭介「いいさ、放っておけ。
準備があるんだろ」
理樹「そっか・・・鈴もついに、そういうの気にするようになったんだね」
なんだか、寂しいなぁ。
彼氏を連れて来た娘を見たお父さんみたいな心境だ。
謙吾「おい・・・なんだか変な勘違いをしているぞ」
真人「すっげぇ、遠い眼してやがるぜ」
恭介「ま、バレてないんだからいいさ」
理樹「鈴を君みたいな人にやるわけには・・・っ!はっ!?」
謙吾「・・・本当に、大丈夫か?」
恭介「・・・・・・」
- 124 :ホワイトゲーム Part5:2009/04/04(土) 03:00:06 ID:+SQEY8dz0
- 教師「えー、今日の授業だが・・・」
朝のHR。
前では先生が、今日の授業予定の変更を伝えている。
なんでも、保健の授業が体育に変わったらしい。
なんでだろう・・・?
教師「それじゃ、HRを終わるぞ。全員、起立!」
『ガタガタッ!』
教師「礼!」
理樹「ありがとうございましt」
謙吾「真人!」
真人「おうよ!」
突如僕と窓の間に割り込む真人。その背中に・・・
『パシュッ!』
真人「ぬがっ!」
何かが、刺さった。
??「チッ!」
そして同時に、何かが窓の外に見えた・・・気がした。
なんだ今の!?
- 125 :ホワイトゲーム Part6:2009/04/04(土) 03:03:03 ID:+SQEY8dz0
- 謙吾「これは・・・吹き矢、だな」
いつの間にか傍に来ていた謙吾が、真人の背中に刺さっていたものをつまみ出した。
謙吾「まぁ、これなら大して痛くも無いだろ、真・・・ん?」
突然いぶかしげな顔をしえ、真人の方を凝視する謙吾。
そこには・・・
真人「な・・・んじゃ・・・こりゃ・・・」
何かでっかい肉団子が転がっていた。
理樹「・・・はい?」
真人「なんだよ理樹、その突然の展開についていけないけどとりあえずこの転がってる肉団子邪魔だなぁ。
暑苦しいから消えてくれないかな、とかって声はよ!?」
理樹「どんな言いがかりだよ!?」
でもちょっぴり当たってたのは秘密だ。
真人「くそ・・・その吹き矢、なにか薬が塗ってあったみてぇだな。
体が痺れて、まったく動けなかったぞ」
謙吾「なるほど、即効性の薬で痺れさせて、その隙に奪還、といった所か。
とにかくその場だけ動きを封じればいいから、その程度の効き目で十分・・・。
恐ろしいな・・・」
なんだかわからないけど、勝手に納得する二人。
理樹「ちょっと待ってよ・・・何が起きてるの!?」
真人「お前は知らなくていい事だ」
謙吾「ああ、俺達に任せろ。
お前の事(クッキー)は俺達が守り抜いてやる!」
理樹「・・・」
なんだかよくわからないけど、大変な事が起きてるらしい。
僕を危険から遠ざける為に、二人が頑張っているのだろうか・・・。
そう考えると、なんだか感動してしまう。
理樹「ありがとう、二人とも・・・・!
わかった、二人を信じるよ!」
真人「おう、任せろ!(なんか違うけどな)」
謙吾「ああ、安心してくれ(なんか違うが)」
- 126 :ホワイトゲーム Part6:2009/04/04(土) 03:05:46 ID:+SQEY8dz0
- 来ヶ谷「フッ・・・中々面白いじゃないか」
そういって来ヶ谷は、植え込みの影から身を起こした。
来ヶ谷「なるほど、直接的な手段は、あの武闘派二人が防ぐ・・・
策略を巡らせれば、おそらく恭介氏が出てくる。
簡単には行かないか・・・やりがいがある」
妖艶に微笑む来ヶ谷。
天才的な頭脳と驚異的な身体能力を併せ持つ漆黒のハンターは、難題を前にして武者震いする己を感じていた。
下手に突っ込めば二人に返り討ちにされる。
下手な策を講じれば、あの男に防がれる。
来ヶ谷(ならば・・・その上手を行くまでだ)
恐れを知らぬ黒豹が、今、牙をむく。
- 127 :ホワイトゲーム Part8:2009/04/04(土) 03:11:52 ID:+SQEY8dz0
- 1時間目。
数学の問題の解説を聞きながら、僕は鞄の中に入れてある物の事を考えていた。
先日、レシピを片手に苦心して作った、手作りクッキー。
味は保障できない・・・のはしょうがなくても、なんとか渡さなくちゃいけない。
それも、バレないように。
僕が作れたのは、結局一人分だけだった。
それは、絶対あの人に渡したい。
他の人には一応市販の物を用意してあるけど、もし手作りがある事がバレたら・・・
考えるだけでも恐ろしい。
僕の平穏の為、ひいてはリトルバスターズの安泰の為、頑張らないと・・・!
そんな事を考えていると。
『コツン』
何かが、僕の頭にあたった。
・・・ん?
『コツン』
まただ。
一体なんだろうか。そう思い、僕は横を向いた。
そこには・・・
美魚(・・・・・ニヤリ)
理樹「!?」
猟奇的な眼をした西園さんが、こっちを見てるーっ!?
- 128 :ホワイトゲーム Part9:2009/04/04(土) 03:22:38 ID:+SQEY8dz0
- 思わず眼を離せずに見ていると、西園さんはルーズリーフを取り出し、何かを書いた後、折り始めた。
・・・紙飛行機、かな?あれは。
しばらくして、西園さんは、完成したソレを構えた。
慎重に先生の隙をうかがい、そして・・・投げた。
順調に滑空するそれ。飛行機を模した紙は、寝ている真人の上を通り抜けようとして・・・
真人「トビウオッ!」
『バグッ!』
・・・寝惚けた真人に、食べられ・・・た!?
理樹「ちょ、ちょっと真人!?何してるの!?」
真人「ふぁ?ふぃふぁ、ふぁんふぁふぁふぁふぁふぁふぃふぁふぁふぁ」
理樹「何いってるかわかんないよ!」
真人「ふぁ・・・ゴクン」
理樹「飲んだ!?」
真人「ん・・・くぴー」
理樹「寝た!?」
教師「おいお前ら!五月蝿いぞ!」
理樹「あ・・・」
気付けば、僕はクラス中の注目を集めていた。
理樹「す・・・すいません・・・」
ひとまず、席に着く。
まったく、紙飛行機を食べるなんて、何してるんだ・・・
- 129 :ホワイトゲーム Part9:2009/04/04(土) 03:24:43 ID:+SQEY8dz0
- 美魚(な・・・なんてこと・・・)
真人の人並み外れた行動に、西園は驚愕していた。
リトルバスターズの男性陣が、妨害側に回っている事は知っている。だが・・・
美魚(ここまでするとは・・・)
そう、もし彼が、ただ単純に飛行機を妨害しただけなら、それは意味の無い事だった。
理樹は、すでに西園に気付いていた。その状態でいくら西園の飛行機を防ごうとも、理樹の詮索は避けられない。
そうなれば、信用が無くなる事、ならびに、西園との強制会話は避けられない。
だが、彼はあえて「寝ている状態で、寝惚けて食べてしまった」形を取ることで、それらを回避した。
さらに、突っ込み役の理樹を煽る行動をして、騒ぎを大きくする。
これにより、教師の監視の目は強くなった。西園は下手に動けなくなる。完璧だ。
美魚(でも、何よりも恐ろしいのは、おそらく「狙ってやってない」という事・・・!)
そう、井ノ原真人とは、恐ろしいまでの天然男。
彼の天然は、今回のゲームの中では、かなり高いハードルとなるだろう・・・
今更ながら、西園は、彼の大きさを感じていた。
美魚(下手に手を出すのは、危険ですね・・・)
- 130 :ホワイトゲーム Part11:2009/04/04(土) 03:42:13 ID:+SQEY8dz0
- 『キーンコーンカーンコーン』
教師「よーし、起立」
『ガタガタガタ』
教師「礼」
理樹「ありがとうございましたー」
数学の時間が終わった。
教師「おい、井ノ原、直枝、ちょっと来い!」
理樹「・・・はい。真人!行くよ!」
真人「う・・・ん・・・?ぬおっ!?カジキマグロはっ!?」
理樹「寝惚けてないで!ほら!」
まだ夢の中で魚と格闘している真人を引っ張って、先生の所まで行く。
内容は、ちょっとしたお説教だ。まぁ、あれだけの騒ぎを起こしたのだから仕方が無い。
ただ、真人がお説教の最中にも関わらず、何回もボケてしまったのが原因で、大分長引いてしまったのはどうかと思う。
『キーンコーンカーンコーン』
教師「む・・・もう時間か。いいか!?二度とするんじゃないぞ!」
理樹「はい!すいませんでした!」
教師「まったく・・・・」
『ガラガラッ』
理樹「・・・・・・・・もう、真人!何してるのさ!」
真人「・・・んあ?俺、なんかした?」
理樹「って、今更目が覚めたの?もう・・・」
あきれながら、席に着く。
なんだか、この1時間だけで、大分疲れたな・・・
- 131 :名無しさんだよもん:2009/04/04(土) 03:43:39 ID:okyamHKd0
- 姉御「うむ、支援するとしよう」
- 132 :ホワイトゲーム Part12:2009/04/04(土) 03:45:04 ID:+SQEY8dz0
- 昼休み。
今日はご飯、どこで食べようかな・・・と、考えていると。
小毬「理樹くーん」
理樹「あ、小毬さん。どうかした?」
小毬「いやぁ、あのぉ、そのぉ〜」
理樹「?」
なんだか小毬さん、おかしいな・・・
小毬「今日、い、一緒におおお屋上d」
鈴「キャットスライディーング!」
『ズビシュアッ!』
小毬「あうっ!?」
理樹「はい!?」
・・・状況を説明すると、何かを言いかけた小毬さんに、鈴が突撃した。
数匹の猫と一緒に。
鈴「おお、理樹。ぐうぜんだな」
理樹「全然偶然じゃないよね?」
鈴「見ろ、猫達がお前と遊びたがっているぞ。さぁ行こう」
理樹「ちょ、ちょっと待ってよ!」
グイグイ引っ張っていこうとする鈴を引き止める。
理樹「一体何!?いきなりどこに連れて行く気?」
鈴「空気読め、空気」
理樹「わけわかんないよっ!」
尚も僕を引っ張っていく鈴。そこで・・・
小毬「待ちなさいっ!」
なんと、小毬さんが怒声を上げた。
- 133 :ホワイトゲーム Part13:2009/04/04(土) 03:51:23 ID:+SQEY8dz0
- 小毬「鈴ちゃん、覚悟は、できてるかなぁ〜?」
立ち上る青白い狂気。なんだか、キャラがまったく違うっ!?
鈴「ほう・・・小毬ちゃん、私とやりあうつもりなのか?」
僕の手を離し、小毬さんと向き合う鈴。こっちもなんだかキャラが違う!
小毬「鈴ちゃん・・・あんまりナメないほうがいいよ。
私は、容赦しない・・・!その猫ちゃんと逃げるなら、今のうちだよ!」
鈴「私と猫達は、どんな時も一緒だ・・・!
そっちこそナメるなよ、お菓子マニア(スウィーティー)。
我が眷属、貴様になど劣らぬ!」
なんだか完全にキャラが崩壊し、バトルを始める二人。
小毬「ぬわああああああああ!」
鈴「てやああああああああ!」
理樹「どーなってんの!?」
恭介「お、理樹。一緒にメシ行こうぜ」
理樹「ちょ、ちょっと!自分の妹が完全にキャラ崩壊してるのになんとも思わないの!?」
恭介「たまにははっちゃけさせるのもいいさ。さ、行くぞ」
理樹「え・・・う・・・うん・・・」
強引に引っ張られていく僕。
・・・本当に、いいのかなぁ?
美魚「鈴さんには簡単になびかないのに、恭介さんには簡単についていく理樹君・・・
ハァハァ・・・」
来ヶ谷「・・・・・・相変わらずだな、君は」
美魚「はっ!?」
小毬「・・・はっ!理樹君は!?」
鈴「あ」
杉並「直枝君だったら、さっき棗先輩とどこかにいったけど・・・」
小毬「ええぇー!?」
鈴「あのバカ兄貴ー!」
- 134 :ホワイトゲーム Part14:2009/04/04(土) 04:12:49 ID:+SQEY8dz0
- 6時間目。
体育の時間だ。
今日は男子は体育館でドッヂボール。
真人「ほれ、パス!」
謙吾「うむ。理樹!」
理樹「うわっ!?」
『バシィッ!』
パスされたボールを思わず取りこぼす。しかし、
橘(仮名)「うおっと、危ないな」
近くにいた人が、相手チームに渡る前にボールを取ってくれた。
理樹「ご、ごめん」
橘(仮名)「気にすんな。ドッヂはチームのスポーツさ!」
なんて爽やかなんだろう、橘(仮名)君。でもきっと、君の出番はこれだけだよ。
そんなこんなでドッヂは盛り上がり、白熱したバトルへとなっていった。
そんな中。
- 135 :ホワイトゲーム Part15:2009/04/04(土) 04:17:26 ID:+SQEY8dz0
- 葉留佳「フフフ・・・」
体育館の二階で、葉留佳は一人ほくそ笑んでいた。
葉留佳(計画通り。
わざわざお姉ちゃんに協力を頼んだ甲斐があったなぁ)
無論、彼女にこのゲームの事を伝えれば、参加するのは必然。
本来の意図を隠しての協力というのは、葉留佳には中々難しかったが、愛の力がそれを可能にした。
葉留佳「待っててね、理樹君・・・」
保健担当の先生は、まだ家で寝ているだろう。
睡眠薬を手に入れるのには一苦労したが、それも二木のお陰でなんとかなった。
最大の難題は、体育教師のその時間の担当クラスをどうするか。
情報操作に情報操作を重ね、時には実力行使もした。
毎回手伝ってくれたのになんのご褒美もない。一番可哀想なのは妹思いの姉であろう。
葉留佳(まぁ、利用されたと思って諦めてもらお)
葉留佳「私が理樹君と結ばれた、後でね☆」
この後の手はずは整っている。
橘(仮名)がわざとボールを外に取りこぼし、それを取りに行く。
その時に、葉留佳が同じ見た目のボール(超硬化Ver)を渡し、橘(仮名)がそれを理樹に投げつける。
当然、運動音痴の理樹は、同じチームの橘(仮名)からのボールを受け止められるわけもない。
顔面にボールを当てられ、倒れこむ理樹。そこに偶然(という設定)で通りかかる葉留佳。
他の男子達はドッヂボールに夢中になっている。葉留佳が保健室に連れて行くという事に、なんの抵抗も感じないだろう。
葉留佳「さぁて・・・それじゃ、そろそろ動きましょうか」
手に持った手鏡で太陽光を反射し、橘(仮名)の顔に当てる。
合図は1回の照射で事足りた。
橘(仮名)「おーい!パスだパス!」
早速行動を始めた橘(仮名)を見て、ほくそ笑む。
やっぱり、風紀委員の権力は絶大だ。
葉留佳「け・い・か・く・ど・お・り☆」
- 136 :ホワイトゲーム作者:2009/04/04(土) 04:33:26 ID:0AF+BFZaQ
- 規制とかで書き込めないので一旦停止
出発までに全部アップできるよう頑張ります
- 137 :名無しさんだよもん:2009/04/04(土) 06:50:10 ID:okyamHKd0
- うむ、少年がんばれ
- 138 :ホワイトゲーム Part16:2009/04/04(土) 09:44:51 ID:/EdvcIlZ0
- ボールを渡し、1階に潜み、中を窺いながら待機する。
丁度、橘(仮)が投げる所だった。
橘(仮)「いっくぞぉぉぉぉ!でりゃあああっ!」
葉留佳(演技派だなぁ・・・)
渾身の力で投げられるボール。それは、一緒に外野に出ていた理樹へと向かい・・・
『バスンッ!』
理樹「うぶっ!?」
見事に顔面にぶつかるボール。すでに葉留佳は爆笑しそうだった。
本人も、ここまで計画通りに進むとは思っていなかったのだろう。
後は、理樹が倒れこむのを待つだけ・・・・
だったのだが。
- 139 :ホワイトゲーム Part17:2009/04/04(土) 09:46:10 ID:/EdvcIlZ0
- 理樹「いたたー」
葉留佳「!?」
葉留佳(バカな・・・あれだけの硬さのボールが顔面に当たったら、最低でも鼻血は出るはず!
それなのに、何故平気なの!?)
恭介「なんだ、三枝。予想ガイですって顔だな」
葉留佳「なっ!?」
葉留佳が後ろを向くと、そこには・・・
恭介「よ。もしかして、これを使うつもりだったのか?」
葉留佳が用意したボールを持った、恭介が立っていた。
恭介「まだまだ甘いな。まさか一日でここまでお膳立てするとは思わなかったが・・・
それもここまでだ」
葉留佳「そ・・・そんな・・・」
いくら策を張り巡らせようとも、彼だけは騙せない。
リトルバスターズのブレインにして(21)。誰よりも狡猾なその男が、にわか策略家に待ったをかけた。
葉留佳「認めない・・・認めない・・・・!あたしは負けて・・・!」
恭介「負けさ。お前は策を張ったが、俺は見破った。
どこからどう見ても、お前の敗北だ」
葉留佳「そ・・・そん・・・な・・・」
愕然として、その場に崩れ落ちる葉留佳。
恭介は、そんな葉留佳を置いて、去っていった。
二人共授業はどうしたんだとか、そんな野暮な突っ込みはしてはいけない。
- 140 :ホワイトゲーム Part18:2009/04/04(土) 09:47:07 ID:/EdvcIlZ0
- 放課後。
時刻は16:00。
今日は色々と連絡事項があり、HRが少し長引いていた。
なんでも、どこかのクラスで、交通事故にあった人が多数出たそうだ。
みんな、不注意なんだなぁ。
教師「よし、それじゃ終わるか。全員、起立!」
『ガタガタ』
教師「礼!」
理樹「ありがとうg」
謙吾「理樹、走れっ!」
- 141 :ホワイトゲーム Part19:2009/04/04(土) 09:48:18 ID:/EdvcIlZ0
- 理樹「え・・・・うわっ!?」
突如走りこんできた誰か。そして、それを防ぐ謙吾。
小毬「鈴ちゃん、今!」
鈴「わかったっ!」
すかさず、机を蹴って上から襲い掛かる鈴。
理樹「うわぁっ!?」
思わず、傍にあったかばんで自分を庇う。だが、
真人「させるかっ!」
今度は真人が防いでくれた。
理樹「え!え!?」
謙吾「真人、理樹を頼む!」
真人「おう!よっこら・・・せっ!」
理樹「うわっ!」
突然かつがれる僕。
理樹「な、なにするのさっ!?」
真人「すまねぇ理樹・・・わかってくれっ。
お前のためなんだ!」
理樹「僕の・・・ため?」
そういえば、朝もそうだった。
謎の黒い人影が放った吹き矢から身を挺して守ってくれた真人。
きっと、何か事情があって、僕を守ってくれているんだろう。
なんで鈴や小毬さんが僕を襲うかはわからないけど・・・
きっと、純粋な二人の事だ。騙されているに違いない。
そうとなると・・・
理樹「謙吾っ!」
謙吾「ああ、わかっているっ!任せておけ」
さすが謙吾、頼りになる。
鈴と小毬さんを謙吾に任せて、僕をかついだ真人は走り出した。
- 142 :ホワイトゲーム Part19:2009/04/04(土) 09:49:32 ID:/EdvcIlZ0
- 2階の廊下を(真人が)走っていると、前方に人影が見えた。あれは・・・
理樹「西園さん!?」
僕たちの前方には、西園さんが立っていた。
走ってくる真人にまったく動じず、真っ向から見つめ、そして・・・
美魚「突然ですが、ここで短歌・俳句の歴史についてご説明しましょう」
真人&理樹「んなっ!?」
まさかの作戦に、僕達は硬直した。
肉体労働にはめっぽう強い真人だけれど、難しい話には物凄く弱い。
そんな話をされてしまったら、あまりの難しさに倒れてしまうだろう。
今からこの場所を離れるには、場所が悪すぎる。僕達が逃げるよりも、西園さんが話を始める方が早いだろう。
真人「くそっ!」
猛スピードで方向転換し、逃げようとする真人。
理樹「ダメだ、間に合わないよっ!」
悲鳴をあげる。しかし、次に聞こえてきたのは、
美魚「なっ・・・!これは、絶版になったハズの・・・!」
歓喜に身を震わす、西園さんの声だった。
理樹「・・・え?」
思わず、後ろを見る。
そこには、どこから沸いたのか、大量の薄い雑誌と、その傍に佇む茶髪の高校生がいた。
恭介「真人!ここは任せろ!」
真人「助かるぜ!いくぞ理樹!」
理樹「うん、ありがとう、恭介!」
すぐに走り出す真人。
後には、二人だけが残された。
西園「・・・逃げられて、しまいました」
恭介「言っておくが、追わせないぜ?」
西園「いえ、追います。
・・・あなたを、倒して!」
恭介「面白いことを言うな。
いいぜ、かかってこい!」
こうして今ココにも、キャラが崩れまくった存在が爆誕した。
- 143 :名無しさんだよもん:2009/04/04(土) 10:06:04 ID:/EdvcIlZ0
- 1階廊下を疾走する真人(と、かつがれてる僕)。
真人も大分疲れているみたいだ。息があがってきている。
と、そこへ・・・
葉留佳「はるちんアターック!」
真人「ぬあっ!」
突如足に攻撃をしかけてきた葉留佳さんを、辛うじてジャンプして避ける。
だが・・・
来ヶ谷「甘いぞ!」
―――今度は、横!
どこに隠れていたのか、横から来ヶ谷さんが飛び出してきた。
それを、思いっきり体を捻って回避する。
それはもう、絶技といってもいい領域の動きだった。
真人「くっ・・・あぶねぇ・・・」
着地し、退治する僕達。
さすがに僕も、真人から降りた。
葉留佳「もう変に考えるのはヤメヤメ!
あたしらしく、正面から突破するのだーっ!」
来ヶ谷「もうヘトヘトの君に、私達二人を止められるかな?」
いつもの天真爛漫な笑みを浮かべる葉留佳さんと、こちらもいつも通り妖艶な笑みを浮かべる来ヶ谷さん。
絶体絶命。そんな言葉が思い浮かんだ。
怪しく手を動かしながら迫ってくる二人。もうダメだ!
僕一人じゃどこまで逃げられるかわからないし、第一、今の状況の真人じゃ来ヶ谷さんを押さえられない。
来ヶ谷さんのスピードにかかれば、僕なんてすぐにつかまってしまう。
真人「くそっ・・・!俺一人じゃ・・・」
- 144 :名無しさんだよもん:2009/04/04(土) 10:08:23 ID:/EdvcIlZ0
- ??「そうね、一人じゃ無理かもしれないわね。
でも、ここにもう一人、そこの子にお仕置きしたい人がいるのよ」
突如後ろから聞こえたセリフ。
振り向くと、そこには・・・
二木「葉留佳、私を利用しようだなんて、いい度胸してるじゃないの・・・!」
怒りに燃える、最凶の風紀委員長が立っていたっ・・・・!
葉留佳「お、おねーちゃん!?なんで!?」
二木「さっき噂を聞いたのよ。まさか、そんな事だったなんてね。
私を利用して抜け駆けなんて、見損なったわ」
葉留佳「げ・・・!もしかしてはるちん大ぴーんち!?」
えーと、よくわからないけど・・・
とりあえず、助かった?
二木「そういうわけだから、井ノ原君。不本意だけど共同戦線よ。
わたしは葉留佳をやるわ」
真人「おう、それじゃ俺は来ヶ谷だな」
俄然元気付く真人。たしかに、1対1なら勝機はある。
この後繰り広げられるであろう大活劇に、思わず唾を飲み込む。
そんな僕に気付いて、真人が声をかけた。
真人「理樹、・・・逃げ切れよ。
俺達のためにも」
理樹「!」
そうだった。
今の僕に、ボーッとしてる時間なんてない。
理樹「・・・ありがとう、真人、二木さん!」
闘気をバチバチと散らす4人に背を向けて走り出す。
そしてその途端響く、激しい戦いの音。
すでになんでこんな事になっているのか、それすらも抜け落ちたまま、僕はある場所を目指していた。
- 145 :ホワイトゲーム Part23:2009/04/04(土) 10:16:05 ID:/EdvcIlZ0
- そして、辿り着いた。
すでにヘトヘトだったけど、なんとか辿り着いた。
満身創痍の体に鞭を打って、扉に手をかける。
そして・・・
『ガラガラっ!』
理樹「クドッ!」
クド「わふっ!?リキ!?」
僕は、料理部の部室まで辿り着いた。
- 146 :名無しさんだよもん:2009/04/04(土) 10:16:45 ID:5vVE2DEmO
- 支援
- 147 :ホワイトゲーム Part24:2009/04/04(土) 10:16:47 ID:/EdvcIlZ0
- クド「ど、どうしたのですかリキ!?」
理樹「クドに・・・渡したいものが、あってさ」
そういって、偶然掴んだまま離さなかった鞄を手元に寄せる。
そして、その中から、念入りに包装してある一つの袋を取り出す。
タオルでグルグル巻きにしていたからか、幸い割れてはいなかった。
理樹「バレンタインデー、ありがとう。本当に嬉しかったよ。
これは、お礼なんだけど・・・」
そう言って、僕は、唯一の手作りクッキーの袋を、クドに渡した。
クド「わ、わたしにですか!?」
理樹「うん。頑張って作ったんだ。
・・・食べてくれると、嬉しいな」
クド「わふー・・・リキの手作りですか・・・(そういえばゲームの事、すっかり忘れていました・・・)」
嬉しそうに袋を見つめるクド。
その姿を見て、決心が鈍る。
もし拒絶されたら、この笑顔がみれなくなるかもしれない。
そう思うと、あと一歩が踏み出せなかった。
でも・・・今しか、ない。
他の人たちは皆校舎にいて、邪魔が入る事は確実に無い。
そして何より・・・今日はホワイトデーだ。
―――今やらなくて、いつやるっていうんだ!僕のバカ!
意を決して、僕は口を開いた。
理樹「そ、それとさ、クド」
クド「はい?なんですか?」
理樹「突然だけど・・・さ、
―――――ずっと前から、好きでした。付き合ってください!」
- 148 :ホワイトゲーム Part25:2009/04/04(土) 10:17:32 ID:/EdvcIlZ0
- 来ヶ谷「・・・随分と大胆なんだな、彼は」
葉留佳「大分と順序無視してますけどネ」
美魚「なんと・・・直枝さんは(21)だったのですか・・・」
恭介「はいはいお前等、余計な外野は引っ込むぞ」
小毬「う〜・・・もうちょっと、見たいなー」
謙吾「俺も理樹の手作りクッキーが欲しい・・・!」
恭介「こらこら、五月蝿いぞ。
バレる前に、さっさと消えるぞ」
なおもぶーぶー言い続けるメンバーたちを追い立てつつ、最後にもう一度、恭介は後ろを向いた。
恭介「こんだけやってやったんだ。・・・後は、自分で頑張れよ?」
- 149 :ホワイトゲーム 後書き:2009/04/04(土) 10:42:07 ID:/EdvcIlZ0
- 全体的にグダグダですいません;;
私の勝手な事情になるのですが、私はあと20分で夏までPCをほとんど使えなくなる状況となるので、
急ピッチで仕上げてしまいました。
至らぬ点は多々ありますし、最初はむちゃくちゃやる気で張ってた伏線も回収できていません・・・
正直、文を書くことをこんなにも大変だと思った事はありませんでした・・・
どうせしばらくはPCを触れないので、その間に自分の文を書くスキルを充実させていきます。
最後に。
こんな駄文に付き合ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
また、この文を読んで不快になられた方、本当に申し訳ございません。若気の至りとでも受け取って、
お許しいただけるようお願い申し上げます。
また、作者はEXはプレイしてないので、さやは出せませんでした。ざざみ?時間が(ry
さらにいっとくと、一部キャラの性格が崩壊or呼び方が原作と違う所があります。
もうどんだけぶーぶー言われても気にしないので勘弁してください。
追伸
クドが大好きで悪いですか。出番は無くともくっつけたかったんですよばかやるう。
- 150 :名無しさんだよもん:2009/04/04(土) 11:14:33 ID:okyamHKd0
- うむ、少年よくやりとげた
おねーさんからのご褒美だ
つもずく
- 151 :名無しさんだよもん:2009/04/05(日) 01:40:39 ID:0MyCWVcbO
- じーじぇい
いい具合にキャラ崩壊しててよかったよ
- 152 :名無しさんだよもん:2009/04/05(日) 03:07:55 ID:ukDjX6SOO
- ぐっじょぶだ!
クドがおとなしいと思ったらそういうことだったのか
- 153 :名無しさんだよもん:2009/04/05(日) 13:40:36 ID:DXqur1TjQ
- 作者より捕捉説明
今回のは全員で仕掛けたのではなく、恭介が仕掛けた物です
他の人は巻き込まれただけ
最後のシーンは、「やっと追い付いたけどなんか入りづらいし、見てよっか」な感じとお考え下さい
蛇足かもしれませんが、一応。
あと、途中で誤字がありました。
真人が来ヶ谷の襲撃を避けたシーンですが、退治ではなく対峙です。
- 154 :名無しさんだよもん:2009/04/06(月) 19:08:21 ID:1LkNQo5i0
- あいよ
- 155 :名無しさんだよもん:2009/04/12(日) 12:02:17 ID:YTLA3iLk0
-
- 156 :名無しさんだよもん:2009/04/17(金) 01:39:02 ID:28J1eKoy0
- スレが止まってる隙に本スレ見て思いついた小ネタを投下!
鈴 「こまりちゃんの星は凄いな、あたしとこまりちゃん二人分のお願い事をかなえてくれた。
凄い、うん、くちゃくちゃ凄いぞ」
小毬「えへへ。これは手作りだから、そんな力があるのかもしれないね」
鈴 「なに!?こまりちゃんが手彫りで頑張って作ったのか?」
小毬「私じゃないよ〜。
これは、お母さんの知り合いの元美術教師の人が作った世界でたった二つのお星様なのです。
その子の妹さんが事故にあっちゃってね、お姉さんはずっと妹さんが目覚めるのを願ってたんだ。
妹さんも、お姉さんが結婚するって知って、幸せな結婚式が出来ますようにって願いながら
お星様を作ったんだって。
その二つのお願いがこめられたお星様を元に作られたのがこの髪飾りなのです」
鈴 「そうだったのか。偉いぞ、星」
美魚「……ですが、それだとこれは星ではありません。ヒトデです」
小毬「ふええっ?なに言ってるのみおちゃん、これはお星様だよ」
美魚「いいえ、ヒトデです」
小毬「で、でも……」
美魚「ヒトデです」
小毬「ふえええええん、これはヒトデじゃな〜〜〜い〜〜〜〜」
- 157 :名無しさんだよもん:2009/04/24(金) 13:16:24 ID:volcD9i+O
- ものすごく過疎ってるな
ここは恭介×理樹のガチホモネタでも書いてスレを潤してやるか
- 158 :名無しさんだよもん:2009/04/24(金) 20:11:26 ID:fwouq4ZhO
- のーせんきゅーなのです
- 159 :名無しさんだよもん:2009/04/24(金) 21:20:45 ID:volcD9i+O
- じゃあ来ヶ谷×鈴の百合にするか?
それとも理樹×沙耶の純愛ものがいいのか
- 160 :名無しさんだよもん:2009/04/24(金) 21:48:57 ID:ulGxf7Tr0
- 恭介×小毬
もしくは真人×クド
そんなリクエストする俺はマイノリティー
- 161 :名無しさんだよもん:2009/04/24(金) 22:18:39 ID:TsdobVhg0
- 最近謙吾×佳奈多がいいと思い始めたがそんなの書いてる人がいるわけもなく
- 162 :名無しさんだよもん:2009/04/24(金) 22:25:08 ID:volcD9i+O
- >>161
お前は昔の俺か
佳奈多ルートやるとその組み合わせが思い浮かぶよな
電波が走ったら書いてみるわ
- 163 :名無しさんだよもん:2009/04/25(土) 02:24:56 ID:sMWnkRSn0
- 過疎ったと思ったらカプ厨が涌きだした
- 164 :名無しさんだよもん:2009/04/25(土) 10:25:26 ID:CEW6WVbAO
- >>163
そんなにいちいち「厨」を付けたいのかい?
上腕二等筋にでまくってるぜ。
- 165 :名無しさんだよもん:2009/04/27(月) 23:55:58 ID:otekAe/V0
- >>恭介×小毬
まさか公式でやられるだなんて微塵にも思わなかった、4コマだけど
- 166 :名無しさんだよもん:2009/04/28(火) 00:48:06 ID:XRYUFApw0
- できればやんないで欲しかったねえ・・・
- 167 :名無しさんだよもん:2009/05/02(土) 09:09:12 ID:rK69iRXZO
- 読んでないからわからないけど、問題でもあったの?
- 168 :名無しさんだよもん:2009/05/02(土) 18:31:47 ID:lGndcn7c0
- 4コマの話なら恭介が小毬のピンチを助けてほんのり小毬→恭介?で
美魚と葉留佳がそれを見てニヤニヤという一話があった
- 169 :名無しさんだよもん:2009/05/03(日) 00:42:01 ID:YGCzoBTq0
- フリマで強引な値切り客に困っている小毬を恭介がサクラを買って出て助ける。
その後、恭介がちゃんとお金出して小毬が出品した皿を買おうとして
「えっ いいよ お芝居だったんでしょ」と遠慮する小毬だけど
恭介が「じゃあ今度この皿いっぱいにでっかいホットケーキでも焼いてくれよ」というと
微笑んでうんと頷く。
フリマの帰り道、買い込んだ荷物を抱える恭介に「自業自得だから運ぶのは手伝わないよん」と葉留佳。
「これくらい1人で余裕だ」と強がる恭介。傍の小毬にも「お前も手伝わなくていいんだぞ」と声をかける。
けれど「いいの」と言って恭介が買ってくれた皿を大事そうに抱える小毬。
そんな二人の様子に「ねえねえやっぱり手伝った方が」という理樹に「無粋というものです」という美魚。
とまあそんな感じ。
- 170 :名無しさんだよもん:2009/05/04(月) 02:24:45 ID:+eh77bJa0
-
- 171 :名無しさんだよもん:2009/05/20(水) 01:51:15 ID:7GS5Kpt3O
- バス事故で死ぬ筈だったのに生き残ったメンバーが
後で映画のデッドコースターみたいに次々と死んでいくというのを思い付いた
- 172 :名無しさんだよもん:2009/05/22(金) 20:16:44 ID:fwMsShVh0
- リトバスでスクールオブロックみたいな話なら思いついたが
- 173 :名無しさんだよもん:2009/05/23(土) 03:17:32 ID:3ofWBlKT0
- 以前までは友人が何を言っているか意味が分からなかった…
「クドは俺の嫁」って、おいおい2次元の世界の女の子が嫁かよww
とか思ってた。
でもリトバスを勧められてプレイしてみたら、その世界観がわかったんだ。なるほど、確かにそうも言いたくなる、と。
それからというもの、俺はkeyのゲームをあさってみた。
そしたら、また友人の言葉がわからなくなってきた。
「何言ってるんだ?クドは俺の嫁だぞ??」
- 174 :名無しさんだよもん:2009/05/29(金) 15:08:33 ID:GnTdPYAnO
- あーあれな
あめりかんじょーくな(∵)
- 175 :名無しさんだよもん:2009/05/29(金) 17:12:22 ID:OsWfAd3LO
- >>173
また奥深い名言が
- 176 :名無しさんだよもん:2009/06/02(火) 02:59:26 ID:0vKOcTMe0
- >>174
「○○は俺の嫁」ネタは日本でしか通じないらしいから
むしろじゃぱにーずじょーくだ(∵)
- 177 :名無しさんだよもん:2009/06/02(火) 21:39:35 ID:HiRWUpwH0
- 本スレでやれ
- 178 :名無しさんだよもん:2009/06/02(火) 21:42:12 ID:HwyVE3y00
- もうこのスレ落ちてもいい気がするね
考察スレの後を追おうぜ
- 179 :名無しさんだよもん:2009/06/04(木) 13:58:57 ID:zNnfsUHzO
- まだだ……!
まだ終わらんよ……!
あ、だーまえ再始動らしいけど
そもそも休止してたの?
- 180 :名無しさんだよもん:2009/06/04(木) 19:30:21 ID:WGuFNQdl0
- スレチな雑談で場を持たそうとされてもなぁ……
- 181 :名無しさんだよもん:2009/06/04(木) 21:36:34 ID:s6Dn9JCoO
- 本スレで話題になっていたが麻雀ネタおもしろいな
男4人で脱衣麻雀して馬鹿騒ぎしてるところを
鈴が少し恥ずかしそうに呆れて見てそうだ
旧メンバーやっぱいいよな、なんでドラマCDでないんだか
- 182 :名無しさんだよもん:2009/06/04(木) 21:59:22 ID:/jLw6JsWO
- >>180
何もしないどころか、台なしにする貴方よりマシかと・・・・・・
- 183 :名無しさんだよもん:2009/06/05(金) 00:36:54 ID:tnrdlor00
- >>181
本スレで話題になってんなら本スレでやれよ
- 184 :名無しさんだよもん:2009/06/13(土) 00:13:17 ID:uxMSNQ/+0
- 恭「サバゲーチームを作ろう。チーム名は『リトルバスターズ』だ。」
というネタのSSを考え中。
遅遅として進んでないが、もしできたら投稿するかも。
- 185 :名無しさんだよもん:2009/06/13(土) 00:19:56 ID:uxMSNQ/+0
- SSを考え付いた元ネタより副産物。
さすがにこれはスレ違いかな?
恭介 戦車長
理樹 操縦士
鈴 偵察兵
クド 偵察兵
佳奈多 偵察兵
葉留佳 突撃兵
佐々美 突撃兵
沙耶 突撃兵
小毬 支援兵
美魚 支援兵
真人 対戦車兵
謙吾 対戦車兵
唯湖 狙撃兵
いろいろすいません。
- 186 :名無しさんだよもん:2009/06/13(土) 00:21:40 ID:9Ro5G04G0
- 構ってちゃんうぜぇ
文章書いてから出直して来い
- 187 :名無しさんだよもん:2009/06/13(土) 21:05:03 ID:6vuC6naz0
- ↑お前の方が遥かにうざい
- 188 :名無しさんだよもん:2009/06/13(土) 22:25:40 ID:sLtqFafV0
- 恭介 お兄さん役
理樹 エサ
鈴 猫使い
クド わふー
佳奈多 おっかけ
葉留佳 びーだまん
佐々美 先輩
沙耶 スパイ
小毬 甘いもの支援
美魚 超能力部門
真人 筋肉増強
謙吾 対戦車兵
唯湖 ハンター(メスサソリ)
こうならゆるす
- 189 :184・185:2009/06/14(日) 01:20:23 ID:/tZHxzGQ0
- 私の書き込みで場を荒らしてしまい、すいませんでした。
この状態だと、SS投稿でも場を荒らしてしまうかもしれないので、
自重してROMってます。
- 190 :名無しさんだよもん:2009/06/14(日) 10:46:31 ID:M4XEPydp0
- >>188
「エサ」と「わふー」と「メスサソリ」で吹いたww
- 191 :名無しさんだよもん:2009/06/14(日) 20:13:59 ID:xE/E/7fo0
- >>189
そういうのいいから
- 192 :名無しさんだよもん:2009/06/20(土) 11:53:14 ID:i2OHmi+gO
- >>189
> この状態だと、SS投稿でも場を荒らしてしまうかもしれないので、
・・・・・・っえ?書く気あったんだ。
- 193 :名無しさんだよもん:2009/06/20(土) 23:06:05 ID:3SMM+Hro0
- 前スレ序盤では、本スレみたいな妄想垂れ流しスレになってたけど
いつからかSS限定のスレになったのか?
- 194 :名無しさんだよもん:2009/06/27(土) 09:06:09 ID:K9H1IwEvO
- 一週間ぶりカキコ
- 195 :名無しさんだよもん:2009/06/27(土) 09:51:27 ID:T+Jd2dtK0
- だからこのスレいらねーつってたじゃん
それなのに一部のバカが必要だつって立てたらこのざまw
おまえらの我侭で無駄なスレが立ったんだからな
- 196 :名無しさんだよもん:2009/06/27(土) 11:49:14 ID:uGuIMNqX0
- お前のレスよりは需要有ると思うよ
- 197 :名無しさんだよもん:2009/06/30(火) 00:09:35 ID:XzFHfQbmO
- >>195
よぅ、「我侭で無駄な」奴。
- 198 :名無しさんだよもん:2009/07/05(日) 09:43:06 ID:tXt9Ta7/O
- そろそろ
- 199 :名無しさんだよもん:2009/07/05(日) 10:49:00 ID:t2GfqBJ6O
- 何かが
- 200 :名無しさんだよもん:2009/07/05(日) 10:51:20 ID:7PP+5nOe0
- 起きません
- 201 :名無しさんだよもん:2009/07/09(木) 21:48:50 ID:KXeafGteO
- 定期的カキコ
- 202 :名無しさんだよもん:2009/07/15(水) 20:19:51 ID:moYyGsxjO
- 定期的
- 203 :名無しさんだよもん:2009/07/15(水) 21:46:13 ID:FTlN72/P0
- 規制解除きてないかな…
- 204 :12月5日(金) (1/5):2009/07/16(木) 00:11:57 ID:g5xOYrsq0
- カチコチと時計が音を立てる。
夕暮れの寮長室、巷でおばさんくさいと評判の前女子寮長とここ数ヶ月で妙に人気がでてきた現男子寮長は何をするでもなくのんべんだらりとした時間を過ごしていた。
「・・・暇ねぇ」
「・・・暇ですねぇ」
まぁとにかく、暇なのである。
学園祭も終わり、寮会の引継ぎも終わり、書類の整理も終わり、ついでに模様替えもやってみて、何もすることがなくなっていた。
それでも週に2〜3人ほど何かしら要望を言いにくる。その対応のためには、誰かが寮長室にいなければならないのだ。
「先輩は別にここにいなくてもいいと思いますけど」
「んー、まぁそうなんだけどねぇ。なんていうかなんとなーく来ちゃうのよ」
「そうゆうもんですか」
「そういうもんよ」
ずずず・・・とお茶をすする。
やっぱりどことなくおばさんくさい。そう思いながら理樹も自分のマグカップに口をつける。
「そういえば、こんな風にいつも待機する必要あるんですか?意見箱やメールでの受付でもいい気がするんですが」
「一昨年やってるのよ、それ。意見箱置いてサイト立ち上げて掲示板とメールと併用で」
「何でやらないんです?」
「はじめはよかったんだけど、意見箱はゴミ箱に、メールボックスと掲示板はエロサイトの広告と他人への誹謗中傷でいっぱいになっちゃってね」
「・・・それは、なんと言うか・・・」
「仕舞いには顧問がいうには寮会のサイト経由で学校のサーバーに攻撃受けて。それが理事に知れて、ってなってるけど、
教師に対する文句や悪口の書き込みが増えたって言うのがほんとのところね。学校に迷惑かけらんないって、管理してた前寮長が自らサーバー立てて運営してたんだし、学校へのリンクも張ってなかったし。
まぁそんなわけでサイトはあえなく閉鎖。それどころかここのネット環境もなくされてねぇ。彼、泣いてたわ。まぁそんなわけで学校側からこういう風にやれっていわれてるのよ。
あ、ちなみに元意見箱は本物のごみ箱として生まれ変わってここで活躍してるわよ?」
そういいながら部屋の隅においてあるゴミ箱を指差す。
確かにほかの教室においてあるものと比べて妙にちいさいし形が違う。
そんなことを思いながら、クッキーをつまむ。
四枚目のあーちゃん先輩特製手作りクッキー(試作No.03)は少し焦げていた。
- 205 :12月5日(金) (2/5):2009/07/16(木) 00:13:00 ID:g5xOYrsq0
- 「ところでさ直枝くん、一つ聞いていいかな」
理樹のカップの中にある二杯目のお茶がなくなりかけるころ、唐突に前寮長が口を開いた。
「あ、はい」
「かなちゃんとうまくいってないの?」
茶葉を変えようとしていた理樹の手が止まる。
「へ?」
「最近、あなたとかなちゃんがイチャイチャしてるとこ見てないのよね。喧嘩でもしてるんじゃないかって」
「…この間、振られましたから。『もう十分』って」
「そう…」
止まっていた手が動き出し、急須にお湯が注がれる。
「やり直したり新しい彼女を探す気はないの?」
「まだ気持ちの整理がついていないし、やり直すも何も、佳奈多さん次第でしょう」
「そっか。じゃあさ、私なんかどう?今なら特典満載でお買い得よ?」
「丁重にお断りさせていただきます」
「残念。傷ついてる今なら落とせるとおもったんだけどなぁ」
「残念ながら、今のところないですね。恭介なんかどうです?」
「棗君ね…妹さん一筋って感じだし、どうかしらね」
「ほかの人はは皆受験で忙しいでしょうし、いま手が空いてそうで、先輩につりあいそうなのは恭介くらいしか知りませんよ。身内贔屓かもしれませんけど。
あ、そういえば恭介から聞きましたよ。推薦合格、おめでとうございます」
「ありがとね。直枝君は来年どうするの?やっぱり進学?」
「ええ。第一志望C判定ですけど。あ、カップとってください」
きんかん星人とぽんかん星人のプリントがされたマグカップに黄緑色の液体が注がれる。
「はい、お茶入りましたよ」
「ありがと…てちょっと薄くない?これ」
「あれ、ほんとだ。やっぱり安物は出が悪いのかな」
やっぱり180g95円のお徳用パックじゃだめかなぁ…あとでクドにお勧めを聞いておこう。茶葉を足しながらそう考える理樹だった。
- 206 :12月5日(金) (3/5):2009/07/16(木) 00:14:27 ID:g5xOYrsq0
- 「退屈よねぇ…」
「退屈ですねぇ」
「実際のところ、直枝君個人としては、やり直したいと思ってるんでしょ」
クッキーもなくなり、もうそろそろ飲みすぎかな、と理樹が思い始めたあたりでまたもや唐突に。
「…そうですね。でもやっぱり佳奈多さんにその気がないと…」
「そう思ってぐだぐだしてるうちに元に戻れなくなるものよ。それに、多分だけどかなちゃんはあなたのことがまだ好きなはずよ」
「そうですか?」
「そうゆうもんよ。君からアタックかければ、きっと落ちるわ。この手の相談だけはよく受けるこのあーちゃん先輩が言うんだから間違いない、はず。多分。あ、お茶お願い」
「飲みすぎじゃないですか?もう5杯めですよ」
そういいながらも先ほどのあまりを急須から慣れた手つきで注ぐ。湯気は立たなかった。
「…ぬるいしやっぱり少し薄いわね。また話変わるけどさ、実は直枝君あてにこんなもの預かってるのよね」
「何です?」
「手紙。杉並さんって子からよ。大体想像はつくけど中身は見てないわ。近頃の子は耳がいいのねぇ」
にやりとおばさんくさく笑う前寮長から封筒を引ったくり、その中から薄く色がついたルーズリーフの紙を取り出し、三行しかない文字列を目で数度繰り返し追う。
そしてその手紙を封筒に戻し、丁寧に鞄にしまう。
「かなちゃんも最近人気出てきたし、こりゃぁ今頃かなちゃんにも一つくらい…ってあれどうしたの?」
「ちょっと出てきます」
「どっちに?」
「…両方です」
「がんばんなさい、かな?留守番は任せて。鍵は開けておくわ」
「ありがとうございます。それじゃいってきます」
窓の外は雪がちらつき始め、すっかり日も落ち、蛍光灯の明かりが照らす寮長室の中。
「…やっぱり…あの時キープしておくべきだったかな…」
そうつぶやきながら茶葉を足しても薄いお茶をすする姿は、やっぱりどこかおばさんくさかった。
お茶が薄いのは電気ポットのコンセントが抜けていてお湯が冷めかけているのが原因だと気づくのは、机から出した徳用のりあられが残り2個になったころのことである。
- 207 :12月5日(金) (4/5):2009/07/16(木) 00:18:10 ID:g5xOYrsq0
-
同時刻、女子寮旧館の一室にて
「ねぇ姉御、なぜ私たちは二人で人生ゲームなどに興じているのでしょうかネ」
「さあな。おや、子供が生まれたか。祝い金をもらおう」
「もう子供乗り切れてないじゃないですか」
「3回ほど君にノリでスタート地点に戻されたからな。養育費がかさんで仕方ない。ところで葉留佳君」
「ハイハイ?」
「人生と名乗るぐらいならもう少し若いところからはじめてみいいと思わんかね。生まれるは無理にしても中三あたりから」
「どうすかネ」
適当に返事をしてルーレットを回す。
「さらに現実は小説より気なりともいう。タイヤキくわえた少女にぶつかられたり、校門で立ちどまってるところに声をかけられたり、娘を産んだら嫁が亡くなるとかとかのイベントも付加して見たらどうだろうか。
母親が蒸発して大道芸で稼いでいくしかないとかのスタートでもいい」
「それ別のゲームになってません?確かに人生はいってますけど。あー借金がまた…」
「フリーターやって、ギャンブルで大損して、転職に失敗、給料日以外の収入のマスにはあまり止まれない…それでも破産はしない君の強運には驚かされるよ」
「いやぁ人生の幸運をここで使い切ってる気がしますヨ」
- 208 :12月5日(金) (5/5):2009/07/16(木) 00:21:20 ID:wjj2cTuz0
- 来ヶ谷がルーレットを回す。
「ふむ、…また子供が生まれたぞ。ピンが足りん」
「どんだけヤッテるんですか…」
「知るか。そんなジト目でみるな。…時に少年と佳奈多君の話はきいたかね」
「…もちろん。というか多分直接最初に本人から聞いたのが私デスネ。『飽きた。』っていってましたヨ」
「チャンスじゃないか?少年のことが好きだったのだろう?杉並女史は動いたようだが」
葉留佳の手でルーレットが回る。
「姉御こそいいの?黙っててもわかるよ」
「私はすでに振られた身だよ。君なら…おや、久しぶりの高額収入じゃないか」
「借金返済に全部消えますケド。…姉御もわかってると思うけどあれは絶対に本心じゃないよ。
それに理樹君は先に佳奈多が手をつけたんだから佳奈多が責任もって最後まで食べればいいんデスヨ。私は私でもっとおいしそうなの見つけようと思うんで」
「そうか」
「私とお姉ちゃんとで共有なら考えたんですがネ。」
「そうだったら私も混ぜてほしいものだな」
「考えときますヨ。おぉ〜月収50万$っすかいいなー。…あ、そうだ。いっそのこと私たちが付き合いません?姉御ならいいっすヨ?」
「ふむ…それも面白そうだな。一考の価値はありそうだ。確かに君とならこうはならんからな」
ピンク色でいっぱいの自分の車を複雑な感情のこもった視線で見る。
「でしょでしょ?」
「だがそれならクドリャフカ君や鈴君のほうがいいな」
「えー姉御ちょっとそれひどいっすヨ」
来ヶ谷が笑いながらルーレットを回し、次に葉留佳がまわす。数回の繰り返しの後、また一人、今度は長男が生まれた。
- 209 :12月5日(金) あとがき的な言い訳:2009/07/16(木) 00:39:13 ID:wjj2cTuz0
- 昨年の冬に書いて、お蔵入りにしていたssです
一応、まともに形を成したものとしては、初ssになるのかな…
最終的に何を書きたかったのか、正直、過去の自分がよくわからないです。
一人称とか表記とか、投稿してから見直すと怪しいところがたくさんある…
スレ汚しすいません…
- 210 :名無しさんだよもん:2009/07/16(木) 07:27:59 ID:q5Q+wxVyO
- >>209
GJ!
- 211 :名無しさんだよもん:2009/07/16(木) 09:28:29 ID:Li3wkZqmO
- なんか、久しぶりに血肉沸き踊る筋肉祭をみたよ。GJ!
- 212 :名無しさんだよもん:2009/07/16(木) 20:45:34 ID:sALgLqyUO
- 良いモノを読まして頂きましたわ
- 213 :名無しさんだよもん:2009/07/17(金) 05:22:48 ID:B7ANdeAK0
- あなた「しょうがねぇな・・・」
唯「わぁ(キラキラキラ)」
あなた「あ・・財布が・・」
唯「ZU-N」
あなた「お、キャッシュカードが」
唯「キラキラキラ・・」
あなた「いや、レンタルビデオの会員カードだった」
唯「絶望した!!!」
あなた「おもしれー・・・」
- 214 :名無しさんだよもん:2009/07/23(木) 20:05:12 ID:UfvJU/H4O
- キャッキャッ
- 215 :名無しさんだよもん:2009/07/25(土) 18:30:59 ID:Qg/dvFP2O
- ウフフ
- 216 :名無しさんだよもん:2009/07/30(木) 02:01:46 ID:c07eUNfJO
- エヘヘ(//ω//)
- 217 :名無しさんだよもん:2009/08/09(日) 01:33:26 ID:1/IjSjXxO
- なぁ、たまには・・・
- 218 :名無しさんだよもん:2009/08/09(日) 01:38:59 ID:XgNXkULW0
- このスレすごく過疎ってるね
- 219 :名無しさんだよもん:2009/08/09(日) 02:04:49 ID:GsZl+kDS0
- 今の葉鍵はこんなものさ……
- 220 :名無しさんだよもん:2009/08/14(金) 13:02:00 ID:OriDH2rTO
- (゚д゚)
- 221 :名無しさんだよもん:2009/08/22(土) 00:04:17 ID:cP7/RfsRO
- にゃー
- 222 :名無しさんだよもん:2009/08/31(月) 03:27:28 ID:wJA0clVRO
- わふー
- 223 :名無しさんだよもん:2009/09/05(土) 00:34:22 ID:AIj6lUHMO
- あらあら
- 224 :名無しさんだよもん:2009/09/10(木) 06:48:12 ID:+dJLhTupO
- このスレの作品の保管庫的な物ってないの?
- 225 :名無しさんだよもん:2009/09/13(日) 15:53:40 ID:eySr/j6O0
- 個人的な話だけど、ちょっと病気にかかった。
体調悪くてごめんだけど投稿してみる。
- 226 :1/4:2009/09/13(日) 15:55:08 ID:eySr/j6O0
-
「ホントウに行ってもいいのかなぁ」
背中を押されたい気分のままで投げやりに尋ねていた。
ちょっとというよりも、もう少し大きな勇気があれば、独断で決めて、
みんなの返事を待たずに足を踏み出している。
「駄目だぞそんなことじゃ。君は謝らなくちゃならないんだから―恭介氏に
会う義務があるとさえ言ってもいいだろう」
「いいのかなぁじゃないよ〜」
「そうだ理樹。オレも一緒に行くからよ。な」
これはとんでもない不運な出来事だったんだ。
「ショートへのライナー性のボールをさばく恭介は輝いていたよ。それは
みんなも認めているところだと思う。でもあのときのはさ、よっぽど
強振だったんだろうね、グローブを突き抜けちゃうなんてさ」
あのとき、僕が放った一打は恭介のグローブの親指と人差し指の間にある
隙間にぴたりとはまったかに見えた。が、ボールは恭介の頬に直撃していた。
軟球とはいえバンって鳴って、みんな騒然としてしまった。
「人ごとのように見えるぞ? お前はもう子どもとは違う。
スポーツであればこういうこともあろう。だからだ。なぜ謝らなかった。
時が経った今ではやつも真っ直ぐには聞いてはくれないかもしれないぞ」
謙吾にひとにらみされる。言われたことはもっともなことだった。
- 227 :2/4:2009/09/13(日) 15:56:31 ID:eySr/j6O0
-
僕は独りで階段を下り、保健室をあたっていた。
誰かいますかと声を投げかけれども何の応答もない。
なので引き戸をするりと開けて中に入る。けど、恭介がおとなしくしている
と思ったのは僕の間違いだったようで、人の気配は感じられない。
「大事なときの一言が出ないなんて、……はぁ。
それにしても……誰もいないなぁ……」
ふと疲れを感じてベッドの上に身を投げ出していた。体、頭とともに低反発の
枕が深く沈み、頭上のクーラーからの風が足元をひやりと冷やした。
そのままの姿勢ではもう今にでも寝てしまいそうだったので、体を横に倒した。
心の中で、友達がいのない友達だろうなぁと自分のことを自分で卑下してみる。
すると不思議なくらいに孤独な気持ちになっていく。駄目だなって。
それが自然な状態の僕なんだろうと独りで納得のいくまでの瞬間を、この部屋の中
で待ちつづけていた。僕が僕を避けているようなさまだった。
- 228 :3/4:2009/09/13(日) 15:57:20 ID:eySr/j6O0
-
彼は手をだらりとぶらさげて、そうしてそのまま動かなくなってしまった。
白い手首は細く、やつれたさまがありありとしていた。
僕はここがどこなのかが分からないし、彼が誰であるのかも知らない。
だから当然のごとくして流れ落ちる涙もなかった。
これは、予見された未来と過去の両方としてありうる夢だった。
青年の親族とおぼしき女の子の声が、耳の中で延々とコダマする。
僕の気持ちをたまらなく重くした。漠々とした心の奥で
蚕の糸に絡めとられた鳥が、野犬に緋色の羽を引き裂かれた。
今偽物の生として起きているこの痛みは、いつしか僕の心の内側へと
移りよって来るのだろうか。未だ眠れずにいる僕は――
- 229 :4/4:2009/09/13(日) 15:58:54 ID:eySr/j6O0
-
「理樹。どうした」
目を開くと、恭介がいた。記憶が混在していることは不思議なことではなかった。
「ああ、ごめん痛くなかった。って、あ、さっきのことなんだけどさ。
何が起こっているのか分からなかったんだ。いや、今でもあまり
分からないんだけどさ、頬……大丈夫? やっぱり腫れてるよう
に見えるよ。痛い……よね、ごめん」
僕は気を使っているようでまるで気を使っていない口調ですらすらと謝罪の弁
を述べ立てた。こんな僕だけど、
「理樹がなにかしらの責任を果たさなければならないような何かなんて
あったか? 疲れてるようならここで少し寝ていたほうがいい。
元気があったらまた明日しような」
恭介はまったく気にせずにいてくれた。
「ありがとう 」
片手を挙げて部屋を出て行く恭介に僕は、心からの気持ちを伝えていた。
- 230 :名無しさんだよもん:2009/09/13(日) 16:21:52 ID:TGrKLndt0
- 崖から転落し,鈴と理樹は潰れたバスの間の少しの隙間に入っており,なんとか脱出出来た
理樹は奇跡的にも打ち身だけで済んだが,鈴は右足に大きなけがをしていた.
「鈴,危ないからここで休んでて.僕は恭介達を助けてくる」
しかし命に別状はないと考え,次に鈴を座らせておいてバスの中から他のメンバーを救出しようと中を覗き込んだとき,理樹はさっきまで楽しく騒いでいた仲間達の無惨な姿を眼にした
能美クドリャフカの頭は潰れ,なんとかクドと判断出来た材料の亜麻色の髪をただ紅く染めていた
西園美魚の胴体は,皮肉にも彼女の好きな本達を入れるための大型の旅行ケースと床の間に挟まれ,下半身と上半身が違う方向を向いたまま,その眼は虚ろに虚空を眺めていた
バスの中はそれがバスなのか既に廃棄されたスクラップなのかもわからない状態で,また,声を上げる者は居なかった
理樹達が助かった空間と反対側にあったもう一ヶ所の空間に三枝葉留佳が無傷で横たわっているように見えたが,彼女の腹には折れた鉄パイプが貫通していた
空間の傾斜の先には,血貯まりができていた
真人と謙吾は,落ちてゆくバスの中で何かを守ろうとしたのか,潰れ行く車体を筋肉で押し戻そうとしたのか,二人とも手が血まみれで,頭を打って気を失ったまままた挟まれたようだった
真人の右手右足と,謙吾の左足は,座席の詰めたい骨格の向こう側に曲がってはいけない方向に曲がり,一部の骨が皮膚から突きだしていた
謙吾の脇腹を抉った棚の残骸の下には,謙吾の腹の中にあるはずのものがこぼれていた
「…………!!!!!!!」
理樹はその人間の中に入っているものだということが信じられないような臭気と光景の中,これは鈴に悟らせるわけにはいけないと考え,まだ見つけていない恭介を探すため,一度車体から出た
その際に近くの樹に座り込んでいた鈴に聞かれた
「理樹…みんなは、だいじょうぶなのか…?」
理樹は本当のことを答えられなかった
本当のことを答えたら鈴は壊れてしまうかも知れない
そう思ったから.
「みんな気を失ってるけど,大丈夫だとおもう.」
こう答えた.
すぐにばれてしまう嘘を今は鈴のショックを和らげるために吐いた
- 231 :名無しさんだよもん:2009/09/13(日) 16:30:34 ID:eySr/j6O0
- 個人的な話だけど、今ネット環境なしだからとある漫画喫茶から投稿。
今後も復旧には時間がかかります。物語性がないような話で申し訳ない。
- 232 :名無しさんだよもん:2009/09/13(日) 22:02:38 ID:9NiHtO1F0
-
こうなるのはなぜだろう、にしても、経験上からすれば今穏便……?
他力本願ながら緊張がいい意味でほぐれることを祈っています……。
- 233 :ある日常の夜1/1:2009/09/14(月) 13:09:31 ID:NZRFg39k0
-
グラス2割ほどに注がれているハーブティーに口をつけた。
もうかれこれ二時間ほど座り続けているので腰が疲れていた。
伯は、痺れを切らしたように尋ねた。
「キミはどうしてこの謎を追うのかね」
私は、そのものが問いであるようなあの青白い男にただ興味と憐憫を
感じているのだ。そこに一人分の命が埋もれていることを確認したいのだ、
とそう答えた。
スタンドライトに照らされたノートに適当な言葉を並べているのは西園美魚。
「……あまり…意味はありません」
やがて、うつらうつらと書きかけの小説のようなもののその上に伏せって、
こくりと寝付いてしまった。
- 234 :クラス会があるとしたら1/1:2009/09/14(月) 17:43:07 ID:xVz17e7S0
-
長い年月が経ったと思う。
どれだけの日々が経ったのか把握できないくらいに、時はよく流れていた。
持ち込んだ1ホール分のケーキを葉留佳さんに披露して、お店のひとの了解を
得ようとしに行った隙にこれだ。
「あれ、トッピングのフルーツが少し減ってるんだけど」
「いっぱいあるからひとつふたつだったらバランスよく食べれば気づかれない
かなーなんて思いましての行いでございますデスヨ」
葉留佳さんの口元にはいかにも今食べましたと言わんばかりにクリームが
ちょこんとついていた。わるびれた風にはみじんも感じられないので、
内心では『はるかさんだから』を付けて納得をした。
今はまだ夕方の5時。実は到着がかなり早すぎている。
僕は真人からのメールで4時半に待ち合わせだと知ったのだけど、
家を出たあとで真人からの訂正メールを受けた。6時半だって知らされた。
「みんなに会えると思うと待ち遠しくなりませんかネ?」
葉留佳さんは何故かこの時間にいるし、やけにテンション高いようなのが
わからなくもないんだけども、久しぶりのこの日常のヒトコマ。
葉留佳さんがいるとなんていうか、安心……いや、
なにか理不尽なことが起こるんじゃないかだとかで心配してしまう。
「そうだね。でももうたべちゃだめだからね」
ふたりでいると、時が流れるのがまた少し早くなったように感じた。
- 235 :名無しさんだよもん:2009/09/14(月) 17:49:14 ID:xVz17e7S0
- 気ままに書きました。
- 236 :味覚感覚不健全 1/3:2009/09/16(水) 20:00:40 ID:Y0H1SReH0
-
いつだったかは正確じゃないんだが……明石焼きを食いに行くか
ってことになって西園と商店街の屋台にまで出かけた。
空模様がよくなかったからおっさんからパックを受け取ってすぐに、
「これは(寮に)戻ってから食べたほうがよさそうだな」
って声をかけたんだ。だがあいつさ、いいですって言うんだよ。
(一瞬肯定の「いい」なのかと思った……)
そしてさ、
「あの場所があいてます。座って食べてみるのはいかがですか」
なんて言って中央広場にある棚田みたいな石段にハンカチ敷いて
腰下ろしはじめたんだ。
俺としては天気さえよければなぁ……だった。
でもあいつが珍しく乗り気だったから隣に座ることにしたんだ。
出来たてのほうがうまいってのはまず間違いないし。
- 237 :名無しさんだよもん:2009/09/16(水) 20:01:02 ID:Y0H1SReH0
-
で、俺たちは並んで座って容器を開いたわけだ。そうしてから
輪ゴムを取ってしまうと、ふわっふわの蒸気のやつは立ちのぼらざる
をえないわけだ。ああ。それはもうふわっふわだから俺たちの顔を
つつみこむわけだ。いや、もうそれはふぁさっふぁさだ。
すると西園のやつなんて言ったかな……、何も言わなかったな……。
なんつーか別に俺たちは恋仲じゃなくて明石焼きやその他間食で結ばれた仲で、
お互いにワッフルのトッピングにゆずれないものがあったりと趣向の違いもある
わけだ。だからこそその場で違和感をおぼえてしまったことがある。
「なぁ西園」俺は声をかけたよ。そしたらあいつも手を止めて言った。
「……許してはもらえないのですね」と。
分かるよな、理樹。明石焼きってのは普通はだし汁で食うもんだ。カリカリの
表皮にじゅわっと染みて、口の中でまた渾然一体とよみがえる……至高の一味だ。
紅ショウガまではいい。しかしマヨネーズ? 一体どういうことだ?
どういうことになる? 俺はどうすべきだった?
ふぁさっふぁさの湯気の立ちのぼりによって俺の前髪はもうくるくるだった。
- 238 :名無しさんだよもん:2009/09/16(水) 20:01:08 ID:7qXhI6GW0
- >>236
,,....::::::::':::::ヽ
____,......::::'''::::::::::::''、´:::::::::::::::::::::::::l
l::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::\::::、::::::::::::::::::::l
.l::::::::::::/:::/::ハ:::lヽ::::::::::::::\:::::、::::::::::::/
l:::::::〈::::/、( ゙、! ヽノ\::::::ヽ:::::::、:::/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
l::〈:::::〉 >、:::ヽ::::::::\ | う ぶ き |
/:::::〉\_ ィ´=ミ、::::ヽ::::::::::::| ち っ え.. |
/::::/:!/,"::ヾ' "lO:::::ハ } :::::、:::::::::::|. に と .ろ ..|
.,-.、/::::/::::::l l:l:::::lj し::ノ;ノ '"';::::lヽ:::<.. な. ば . |
lこ!l :/:::::::::i `=" ' `¨ ⊂⊃ソ;:l丿::::l|. ! さ .. .|
| | .__::::::::::ゝ⊃ <^ .-v ,--イ|ハ:::::| | れ . |
r┤ }イ fヽ\|` _ `ー‐' _ i';/|:::/リ ` | ん . . ..|
〈 { ノ-、 ¨T:::' L-、__ \_____/
| ヽ } __ノ´rノ .r‐‐‐/  ̄,, ̄ヽ
ヽ //  ̄ |―‐‐/ ,,'' イヾ丿
- 239 :名無しさんだよもん:2009/09/16(水) 20:01:30 ID:7qXhI6GW0
- >>237
,,....::::::::':::::ヽ
____,......::::'''::::::::::::''、´:::::::::::::::::::::::::l
l::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::\::::、::::::::::::::::::::l
.l::::::::::::/:::/::ハ:::lヽ::::::::::::::\:::::、::::::::::::/
l:::::::〈::::/、( ゙、! ヽノ\::::::ヽ:::::::、:::/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
l::〈:::::〉 >、:::ヽ::::::::\ | う ぶ き |
/:::::〉\_ ィ´=ミ、::::ヽ::::::::::::| ち っ え.. |
/::::/:!/,"::ヾ' "lO:::::ハ } :::::、:::::::::::|. に と .ろ ..|
.,-.、/::::/::::::l l:l:::::lj し::ノ;ノ '"';::::lヽ:::<.. な. ば . |
lこ!l :/:::::::::i `=" ' `¨ ⊂⊃ソ;:l丿::::l|. ! さ .. .|
| | .__::::::::::ゝ⊃ <^ .-v ,--イ|ハ:::::| | れ . |
r┤ }イ fヽ\|` _ `ー‐' _ i';/|:::/リ ` | ん . . ..|
〈 { ノ-、 ¨T:::' L-、__ \_____/
| ヽ } __ノ´rノ .r‐‐‐/  ̄,, ̄ヽ
ヽ //  ̄ |―‐‐/ ,,'' イヾ丿
- 240 :味覚感覚不健全 3/3:2009/09/16(水) 20:01:47 ID:Y0H1SReH0
-
「どうしてだよ」
思案したあげくの果て、西園の手にあった(まだかけてはいなかった)マヨを
奪い地面へとたたきつけた俺は、さらに西園の右頬をはたこうとした。
そのときのあいつの顔は忘れられないものがある。
「なにするんですかっ。わたしに、私にするのであればまだしも……
マヨネーズにそんなことしなくてもっっ」と泣き出してしまっていた。
そうされるともう終わりだ。そこで俺ができることなんてない。
すっかりうろたえてしまった俺はごめんなと謝っていた。
涼やかな風が通り過ぎていったのをよく覚えている。
- 241 :名無しさんだよもん:2009/09/16(水) 20:02:21 ID:7qXhI6GW0
- 崖から転落し,鈴と理樹は潰れたバスの間の少しの隙間に入っており,なんとか脱出出来た
理樹は奇跡的にも打ち身だけで済んだが,鈴は右足に大きなけがをしていた.
「鈴,危ないからここで休んでて.僕は恭介達を助けてくる」
しかし命に別状はないと考え,次に鈴を座らせておいてバスの中から他のメンバーを救出しようと中を覗き込んだとき,理樹はさっきまで楽しく騒いでいた仲間達の無惨な姿を眼にした
能美クドリャフカの頭は潰れ,なんとかクドと判断出来た材料の亜麻色の髪をただ紅く染めていた
西園美魚の胴体は,皮肉にも彼女の好きな本達を入れるための大型の旅行ケースと床の間に挟まれ,下半身と上半身が違う方向を向いたまま,その眼は虚ろに虚空を眺めていた
バスの中はそれがバスなのか既に廃棄されたスクラップなのかもわからない状態で,また,声を上げる者は居なかった
理樹達が助かった空間と反対側にあったもう一ヶ所の空間に三枝葉留佳が無傷で横たわっているように見えたが,彼女の腹には折れた鉄パイプが貫通していた
空間の傾斜の先には,血貯まりができていた
真人と謙吾は,落ちてゆくバスの中で何かを守ろうとしたのか,潰れ行く車体を筋肉で押し戻そうとしたのか,二人とも手が血まみれで,頭を打って気を失ったまままた挟まれたようだった
真人の右手右足と,謙吾の左足は,座席の詰めたい骨格の向こう側に曲がってはいけない方向に曲がり,一部の骨が皮膚から突きだしていた
謙吾の脇腹を抉った棚の残骸の下には,謙吾の腹の中にあるはずのものがこぼれていた
「…………!!!!!!!」
理樹はその人間の中に入っているものだということが信じられないような臭気と光景の中,これは鈴に悟らせるわけにはいけないと考え,まだ見つけていない恭介を探すため,一度車体から出た
その際に近くの樹に座り込んでいた鈴に聞かれた
「理樹…みんなは、だいじょうぶなのか…?」
理樹は本当のことを答えられなかった
本当のことを答えたら鈴は壊れてしまうかも知れない
そう思ったから.
「みんな気を失ってるけど,大丈夫だとおもう.」
こう答えた.
すぐにばれてしまう嘘を今は鈴のショックを和らげるために吐いた
- 242 :名無しさんだよもん:2009/09/16(水) 20:03:55 ID:7qXhI6GW0
- >>240
. . :-─────-: . . ._
,. . : :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
/ : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : \: : : : :\
': : : : : : : : : : : /: : :/: : :/: : : : : ヽ: : : \: : : : :ヽ
. /: : : : : : : : : : : /: : :/: : :/: : : : : : : }: : : : : :',:. : : : : .
/: : : : /: : : : : : ,′: /: : : :|: 、: : : : :∧: : : : : i:.: : : : : i
,′ : : /: : : : : : :{ : : ,′ : : |\\: : / __V_: : : |:.: : : : : |
,': : : : /: : : : : : : :i: : :| : : : : |\\∨´ V: : : l:.: : : : : |
: : : :./: : : : : : : : :|: : :| : : : : |\\/ ∨ /}:.: : : : ∧
′: : :{: : : :/ : : : |: : :| : : : : | : ヽ/ ,ィ示r ∨∧:. : : /:|
: : : : :,': : :/: : : :/ : |: : :|: : : : : ',: :/ 〃 んハ } rイ|: : /: : j
i: : : /: : /: : : :/: : ∧: :l : : : : : ∨ { {トx} {リj/|:.: :/
|: : /: : /: : : :/: : : { ∨: : : : : : ∧ ー' ヽ:.:. |:.:/
|: /: : /:. : : /: : : :八 ∨: : : : : : ∧ //// }:.: |/
|/: : /:.:. : /: : : : ':.:.:.\.}: : : : : : : : l __ ′ |
{: : :,':.:.:. /: : : : /:.:.:.:.:.ハ : : : : : : : :! { ⌒/ /:.:. :| なんていうか・・すごくつまらないですね!!!
l: : :|:.:.:.,': : : : :/:.:.:.:.:/ | : : : : : : : | ー' /:.:.: :|
V: :|:.:.:|: : : : /:.:.:.∠_ ハ: :iヽ: : : :|__ /:.:.:.:. : |
\{\{: : : /:./-──- V ',: : : |:.:.:.:丁 二:.:.:.:.: : /
∨/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\V: /_ノ人 }:.:.:ノ/
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.∨::.::.::.::.::.:ヽ ノ//
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.}ヾ:.:.::/⌒Lう、
. /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.∧: ∨ } )
- 243 :名無しさんだよもん:2009/09/17(木) 01:14:36 ID:Qf+MAlhA0
- 寝る
- 244 :名無しさんだよもん:2009/09/17(木) 15:58:01 ID:+HI8Vp8R0
-
秋のよい日和りの中、アスファルトから突き出た雄日芝
をひと房ずつ刈り込んでいる謙吾のもとに、
「まめだな。普段から」と恭介がやってきた。
恭介が尋ねると謙吾は手を休めて口を開いた。
「見落としやすい場所なんだ。
でこぼことして走りづらくてな、俺はよくここで滑る」
と、謙吾は高木の影の下で微笑を浮かべた。そして、
自身の日課と言わんばかりに黙々とした作業に取り掛かろうとしていた。
恭介は隣に並んで(……なんて退屈な作業を続けるやつなんだ)
と思いながらも手に鎌をたずさえて、手伝う気満々だった。
「なぁ、終わったら後で缶コーヒー奢ってくれ」
「勝手に手伝いに来てなんだそれは」
こうして一日が、何事もなく過ぎ去った。
- 245 :寸暇 1/2:2009/09/22(火) 16:46:28 ID:8wRL9d1c0
-
小毬と近くの公園まで散歩に出かけてしまった理樹に取り残されて
しまった井ノ原真人は、これ以上ないくらいにヒマをもてあましていた。
「くっっやべぇ、理樹のやつがいねぇとこんなにも時間が長く感じるとは
思いもしなかったぜ」
一人身もだえするこの物体を、特別に加工された教室から眺めている来ヶ谷
唯湖嬢は、「もうすぐ十月だというのに」と暑苦しさを感じていた。
彼女と真人との距離は10mほどあり、その中間点にはバードフィーダー(鳥
のエサ台)や生け垣が置かれている。なので唯湖は真人のことをなかば鳥たち
を鑑賞するのと同じ態度で鑑賞していた。
だが、真人の野性的な視力によって一瞬で発見された彼女は、見られる側へ
と転換してしまう。
「んぁ?あそこにいるのは……」
「――――」
- 246 :寸暇 2/2:2009/09/22(火) 16:46:53 ID:8wRL9d1c0
-
遊び相手にされてしまうのが不服な彼女は、真人に背を向けて、カップに室内の備品である
粉コーヒーを入れ、お湯で溶かしてから氷を入れて、アイスコーヒーにして飲むことにしよう
とした。
だが、そうしている間にも金木犀の間をかきわけて彼は近づいてきた。
「来ヶ谷じゃねぇか。おーい、オレにもそいつを飲ませてくれねぇか」
トイレの芳香剤に似た甘めで強い香りを漂わせながら、彼は言っていた。彼の頭上にはナガ
コガネグモの巣がからみついている。
「あがるならあがっていけばいいが。……何かいろいろなものにまみれている事を自覚した方
がいいぞ、キミは」
丁度ふたつあるスコーンの片一方を差し出してコーヒーでおもてなし。
「ありがとよ」
真人はなだめられるたかのようだった。
- 247 :名無しさんだよもん:2009/09/23(水) 00:27:38 ID:ab+Y3EL00
- 目が滑る文章だ
- 248 :名無しさんだよもん:2009/09/23(水) 21:37:25 ID:dTVprPxI0
- 暇だから久しぶりに頭慣らしにSS書きます。
落ちも山もないただのtestテキストだから期待しないで下さい。
あと、俺がここに書いたSS全部、保管庫にきちんと入れてSS情報サイトに登録します。
- 249 :1:2009/09/23(水) 21:43:12 ID:dTVprPxI0
-
時が迫っていた。
私は必死に彼女のいるこの機内のファーストクラス目がけて走る。
彼女はすぐそこにいる。午前9時51分。彼女はここからエコノミークラスのある人物に例のモノを渡すことになっている。
そしてそれを奪還するのが私の役目。
コード名「秘宝」。
私に課せられたその任務とは、日本から海外サーバーに少しずつ流れ出ている、日本の官民の戦略と技術情報の元を突き止めて食い止めること。
午前10時2分。あと、3分で彼女は出てくる。愛用のベレッタに手をかける。
ーーーカチャリ
ドアの空いた瞬間、彼女の前に立ち塞がり銃を彼女の胸を照準にして構えた。
「そこまでよ、香織」
香織…CIA諜報員カオリ・アリーナスは驚いた顔で私を見た後、すべてを悟ったのか遠い目で私を見つめる。
「沙耶…いえ…さすがはトレジャーハントウィッチィといった方がいいのかしら…すべて気付いていたのね……」
「ええ、そうよ。そのバッグをこちらに渡しなさい。妙な真似をすれば即座に胸を打ち抜くわよ」
「でも、ここは治外法権よ? 撃った瞬間、あなたは国際犯罪者になりステイツの軍法会議にかけられ、
あなた自身の身分も国際的な日本の地位も地に落ちることになるわ」
カオリは堂々と「それ」が入ったバッグをぶらぶらとさせ余裕の表情をみせる。
「バカなことを言わないで。日本の領空のどこに治外法権が…」
そう言った時だった。
- 250 :2:2009/09/23(水) 21:44:36 ID:dTVprPxI0
-
ーーーゴォォォーーーーン
戦闘機の音? あれはF22!
そんなことって…!!
「まさか……!」
「その通り。ここは在日米軍基地の上よ」
なんでなのよ…! あれほど米軍内のテリトリーには入るなと上に直訴したのに…!
「残念だったな。沙耶」
後ろから聞き覚えのある深みのある低い声がした。
「あなたは…!?」
「そうだ。俺だよ」
振り返ると、私がよく知っているあの人だった。
「もしかしてあなたが…!!」
「明察どおり、お前の推測は当たっている」
「信じられない…あなたが裏切るなんて…」
「その前にカオリを放してやってくれないかな」
どうする? 考えるのよ!
でも、これをどう考えればいい?
この人が裏切り者だとするとこの機内にも仲間が乗っていると考えていい。
いったい、どうすれば?
考えるのよ! まだ詰んではいない!
諦める訳にはいかない! 最後の最後まで…!!
- 251 :3:2009/09/23(水) 21:46:51 ID:dTVprPxI0
-
「おねーちゃんっ!!」
何か聞こえる…
「おねーちゃんっ!! 起きてってっば!!」
うるさいわね……私はもっと夢の続きを見たいの。
「新学期早々、遅刻する気!? ねぇ! 起きてってば!」
この後、沙耶はどんな行動を取るのだろうか?
私なら絶対に任務を完遂する為に最後の情報は渡さない。
しかし、あの状況でどうすればいいのだろうか?
私なら……
「この…!!! 起っきろーーーーーーーーーーーー!!!」
ーーーどおぉん!!!
- 252 :4:2009/09/23(水) 21:50:00 ID:dTVprPxI0
-
眠い。特に日曜明けは。
目をこすりながら目の前の目玉焼きをつつく。
葉留佳は一体どんな起こし方をしたんだろう?
なんだか、やけにお腹が痛む。
「おねーちゃん、はい、塩コショウでしょ?」
「ん、ありがとう」
葉留佳に取ってもらった塩コショウを目玉焼きにかける。あ、かけすぎた。
「リボンほどけてるよ」
「ん、ありがとう」
葉留佳に指摘されたリボンを結びなおす。うっ、締めすぎた。
「あ! UFOだ!」
「ん、ありがとう」
そう言って目玉焼きを口に入れる。葉留佳がが作ってくれる料理はなんでもおいしい。ちょっと辛いけど。
「だめだこりゃ…」
葉留佳の呆れた声が聞こえた。
- 253 :5:2009/09/23(水) 21:51:31 ID:dTVprPxI0
-
いつもは寮生活のため葉留佳が起こしてくれることは滅多にないが、
月曜日の朝は毎回、葉留佳が私を起こすと決まっている。
なぜなら日曜日には一緒に葉留佳の家に帰るため、気が抜けて一週間の疲れを癒すことができるからだ。
気を抜いて葉留佳との時間を持つとリラックスしすぎて夜中まで自由にできるため、夜更かしして朝が起きにくくなるのだ。
窮屈な二木の家と学校の寮も行き来している身としては葉留佳の家は格段に落ち着く。
今日の夢も葉留佳の勧めでスクールレボリューションという漫画を読破してしまったからだろう。
「いってらっしゃい。二人とも」
母さんの優しい笑顔に私たち二人もいつものように答える。
「「いってきます!」」
私たちの最後の学園生活が始まる。
- 254 :名無しさんだよもん:2009/09/23(水) 21:53:59 ID:fDqoGuxf0
- 支援
- 255 :6:2009/09/23(水) 21:55:16 ID:dTVprPxI0
-
学校につき、葉留佳とも別れ、いつもの寮の部屋に授業の用意を取りに行く。
「あ、佳奈多さん、おはようございます」
「ええ、おはよう、クドリャフカ」
「今日から、いよいよ最上級生ですね」
「ふふ。クドリャフカは新入生と間違われそうだけどね」
「絶対にそんなことはないですっ!!」
「じゃあ、リボン着けないで今日一日いてみなさいよ」
「ええ、いいですよ。今までの私とは違うことを見せてあげるのです!」
軽くクドリャフカをからかうつもりがムキになって本気になっていた。
ちょっと、やりすぎたかも知れない…
このまま行くと絶対、今日の入学式後のクラブ活動の勧誘で一年の子に新入生と間違われるに違いない。
確かにクドリャフカは成長してると思う。身長も7cmも伸びて出るところも出てきた。
でも、それは中学二年生が三年生になったようなもので、元の幼さは変わってないため結果は用意に想像できる。
新学期早々凹ませるわけにもいかない。
これでもクドリャフカのことはよく考えているのだ。
「冗談よ、冗談。本気にしないで」
「いいえ、私も女です。もう、子供じゃない事を証明してみせます」
「大丈夫よ。もう証明してるじゃない。あなたの成長は…」
「いいえ。論より証拠です。最上級生としての威厳というものを見せてみせます!」
ああ…誰かクドリャフカを止めてあげて…
- 256 :7:2009/09/23(水) 22:32:15 ID:dTVprPxI0
-
私は風紀委員を引退しどこにも属さなくなった。あーちゃん先輩の「寮長になりなさいよ」の誘いも断った。
少しでも自由が欲しかったからだ。二木と三枝のしきたりは相変わらず続いている。
それでも母さんと父さんたちが本家に圧力をかけてくれるおかげで、私の生活も随分楽になった。
週に一度、葉留佳の家に泊まることを許された時は涙が出そうだった。二木の叔父たちも私に手を上げることがなくなった。
本当なら完全に解放されたいけど現実はシビアだ。日常はそう簡単には変わってくれないし変えられない。
でも、これから先の未来を考えたら、私自身が学生生活を本当に楽しめるチャンスはこの三年生の時期にあると思う。
そう思っていた。そして期待していた。私が大きく変われるチャンスでもあると。
しかし、この予感のさらに斜め上に行く学園生活が待ち受けているなど私がわかるはずもなかった。
「おねーちゃん!」
その声の方向を振り向くと、クラス替えの発表が書かれた紙が張り出されている場所から、私の方に走ってくる葉留佳だった。
「やったよ! おねーちゃん! なんと、また一緒のクラス!」
葉留佳のその言葉に、私は期待通りの楽しい学園生活が送れる気がした。
「そう。よかったわね」
「あとね。姉御と理樹君と鈴ちゃんと真人くんとクド公も一緒だよ」
「へえ。来ヶ谷さんとクドリャフカもなの」
「残念ながら謙吾くんとみおちんとこまりんは別のクラスだけど…」
「そう」
微妙な人選だと思ったが。まるで私の為に選んでくれたように見えた。
正直、棗さんたちは苦手だったが、風紀委員でない以上どうってことない。
- 257 :8:2009/09/23(水) 22:59:07 ID:dTVprPxI0
-
教室に入る。前のクラスの人たちがチラホラ見える。うん。どうってことない。
へえ。笹瀬川さんもいるのね。なんだか個性的なクラスね。
棗さんと騒ぎが起こっても注意しなくていいわけだから楽だわ。
そんな心の思いもホームルームで空しくみんなに裏切られるのだった。
「ではクラス委員は誰にしますか? 立候補でも推薦でも構いません」
その先生の一言が原因で。
「二木さんがいいと思います」
「俺も」
「私もそう思います」
「僕も同じ意見です」
「横に同じく」
「っていうか、二木以外いないだろ?」
「ま、おねーちゃんが妥当ですネ」
「以下同文」
うう…誰か私の自由を返して…私は少しでも自由が欲しいのよ…
こういうのには慣れっこだけど、正直言って、なるべく生徒会関係の仕事はしたくない…
- 258 :名無しさんだよもん:2009/09/23(水) 23:15:59 ID:3RIQB9AJ0
- にょめれっちょ支援
- 259 :9:2009/09/23(水) 23:26:02 ID:dTVprPxI0
- >支援サンクス
さらに美化委員や図書委員など複数委員を兼業させられるのだった。
いえ、兼業するしかなかったというべきか…
最初に個性的なクラスと言ったが取消させてもらうわ。
自分勝手なわがままクラスなだけ。
みんな、委員や係の押し付け合いで、終いには喧嘩にまで発展しそうになる始末。
「図書委員は頭の悪い井ノ原真人がやるべきだと思います」
「あ、鈴、てめーずりーぞ。お前がやればいいだろが」
「いやだ」
「俺もおんなしなんだよ! フッ…筋肉委員ならやってもいいけどな」
「死ね、ばーか」
「んだと! てめー!」
棗さんと井ノ原真人のやりとりに思わずこめかみを指で押さえる。
「いい加減になさって! 迷惑ですわよ!」
「じゃあ、ささ子。お前がやれ」
「さ・さ・せ・が・わ・さ・さ・みですわ! わたくしはソフトのキャプテンで忙しいんですのよ」
頭が痛くなってきた。昨日、あまり寝ていないせいだろうか。
「あの…先生…」
私は思わず先生に決まるまで代りにやると言ってしまった。どこまで良い子ちゃんぶってるんだろう私は…
おかげで気付けば数多くの「暫定」委員になってしまっていた。
ああ、もう…今日は早く寮に帰って寝たい…
- 260 :名無しさんだよもん:2009/09/23(水) 23:49:01 ID:T7u8SO070
- おk
- 261 :10:2009/09/23(水) 23:59:46 ID:dTVprPxI0
-
あれから二週間。私は3‐Aの委員長兼、図書委員兼、美化(以下略)委員の業務をしながら日直も毎日こなしていた。
なんだかクラスのみんなに嵌められた感があるが不思議と気にならない。それも日々が充実しているからだろう。
なんだかんだ言って、みんな時々手伝ってくれたり気軽に話しかけてくれたりする。前のクラスではこんなことはなかった。
「やっぱり私が怖かったんだろうな…」
誰もいない放課後の教室で花の水を換えながらポツリとつぶやく。
3年になってから私は一度も他の生徒に高圧的な態度を取ったことがないし注意をしたこともない。
むしろなるべく笑顔でいることを心がけている。少し演技がかってても。
「私自身も余裕がなかったのかしら…」
きっとそうね。窓際の夕暮れの差す机に座り、頬杖をつき外の景色を見つめる。
「綺麗…」
そう言えば、こんなにゆったりする時間はなかったな。
景色が美しく見えることなんてなかった。何か、もやがかかっていた感じがする。
改めて周りの景色を見渡す。
「帰ろ…」
- 262 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 00:49:43 ID:MO2XWcBP0
- / ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ V ⌒ ⌒ ヽ
|:::: .,,ノ(、_, )ヽ :l:::::.. ,ノ(、_, )ヽ l_
/ ̄ ̄ ̄\. トェェェイ ' 人::... トェェェイ ' 丿 \
/ ⌒ ⌒ ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄, 、 ⌒ヽ
☆ |::::..,,ノ(、_, )ヽ、,, l '' ─ ─ \(、_, )ヽ、,,l
│ ヽ:::..トェェェイ ' 丿 ⌒ ⌒ |ェェェイ ' 丿
│ / ̄ ̄ ̄\ ,ノ(、_, )ヽ |  ̄ ̄\ ハハッワロス
│ / ⌒ ⌒ ヽ::::: トェェェイ | ⌒ \
│ |::::.. ,,ノ(、_, )ヽ l:::::::::::._ ヽニソ, ノノ(、_, )ヽ l
│ ヽ:::. .トェェェイ/ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄ ̄\ェェイ'丿
\ \ヽニソ/ ⌒ ⌒ V ⌒ ⌒ ヽ /
\/ ̄ |::::.. ,,ノ(、_, )ヽ、,,l:::::. .ノ(、_,)ヽ、 l
/ ヽ:::..`トェェェイ '.人:::.. トェェェイ ' ノ
))) | __\ ヽニソ/ \ ヽニソ /
i :::/;;;:::::::\ \ ::::/
/ ::::/\''' ::::i\ :::::|::/
| ::::| | :::| |\_//
\_/ \__/ \_/
- 263 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 09:18:02 ID:MO2XWcBP0
- ここ数年一緒に仕事をしてるアメリカのコンサル屋から3人来日。
皆日本は慣れてるけど、これまではいつも移動は車だった。
※ 適当な日本語訳で書きます
( ゚Д゚) これから電車に乗ります。ラッシュアワーだけど8分だから我慢して
エッ!?かの有名なトーキョーのラッシュアワー!? 喜んで!!.+゜(・∀・ ) (・∀・ ) (・∀・ )゜+.゜
やたらwktkする3人。ちなみに白人1、アフリカ系1、アジア系1、全員40から50代のオッサンだ。
しかし彼らを連れて電車に乗り込むと、3人ともきょろきょろしながら不満そうな顔に
そんな混んでないネー(・ω・` ) たいしたことないネー(・ω・` ) 噂で聞いてたのと違うヨー(・ω・` )
( ゚Д゚) ……実は私たちが乗ったのは東京のシティーから離れていく電車なんだよ。この意味がわかるかい?
? (・ω・` ) ? (・ω・` ) ?(・ω・` )
( ゚Д゚) ほら、逆向きの電車を見てごらん
フオオォォォォオオウ!!!!ΣΣ(゚Д゚;) ΣΣ(゚Д゚;) ΣΣ(゚Д゚;)
彼らの視界に入ったのは、まさにラッシュアワーの東京駅行き快速電車。
( ゚Д゚) ニホンではああいう状態を“スシ詰め”と言う。毎朝のことだよ。
あ、あれがスシ!?じゃなくてあれが毎朝!?((((゚д゚lll) (゚д゚lll) (゚д゚lll)))ガクガクブルブル
( ゚∀゚) やっぱり乗ってみたい? 仕方ないな、少しなら時間があるから1駅くらいなら……
Nooooooooooooooooooo!!!!!! ((((゚Д゚;) (゚Д゚;) (゚Д゚;))))
電車からおりた後、ワーオワーオ言いながらその満員電車をバックに記念撮影
こっちは迷惑じゃないかとはらはらぺこぺこしていたが、
普通の日本人客や駅員さんたちは半笑いで見守っててくれたよ。
- 264 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 09:18:25 ID:MO2XWcBP0
- さてその夜
何ヶ所か移動して(車で)、ホテルへの帰りはまたちょっとだけ電車に乗ることに
( ゚Д゚) ガイズ、これから電車の乗り換えをします。
はーい (・∀・ ) (・∀・ ) (・∀・ )
( ゚Д゚) 新宿駅は大きくて人でいっぱいです。はぐれたら永久に駅の中でさまようことになるよ
ちゃんとついてくよ!OK! (・∀・ ) (・∀・ ) (・∀・ )
いつもどおり京王線とJRの乗り換えは人が多い
といってもいちばん混む時間は過ぎてたし、普通に降りて人ごみをぬって歩いていくと後ろから悲痛な叫びが…
オオオオゥ!ウェエエエエエイト!!!。゚(゚´Д`゚)゜プリーーーズ!!ウェエエエエエエイト!。゚(゚´Д`゚)゜。
もうまさにこんな感じ。振り向くと後ろに続いていたはずのうちの2人が人ごみにもまれ
あちらこちらにバラバラに流されている。慌てて救出し、全員で手をつないで歩いてく羽目に……
(♯゚Д゚) だから言っておいたでしょうが! まったく軟弱だな、このアメリカンどもは
カナがチビなせいで見失ったんだヨー(;´Д⊂)もう帰れないかと思ったヨー怖かったヨー(;´Д⊂)゜。
彼らはすっかりトーキョーの電車に恐れを為して、シリコンバレーに帰っていった
でも、次は車用意して待ってるからまた来てね、とメールしたら
またトーキョーの電車にチャレンジするよ!という返事が返ってきた
その言葉、忘れないぞ
- 265 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 16:06:36 ID:JTXwjJgX0
- 261GJ。
262.263.264は理解不能だった。
- 266 :Part1:2009/09/24(木) 16:45:36 ID:3CR4P5Ew0
- …いいよな…これで?
…鈴の気持ちは変わらない
…現実でも今の通り同じになるはずだ
…おまえたちは幸せになれる
いい
ニア よくない
…何が不服だ
鈴と戻る世界、みんなのいない世界、失われた中で、遺された幸せに浸る世界
理樹「違う…」
僕はそんな現実の為に何度も"繰り返して"きたのではないはずだ
………
……
…
- 267 :Part2:2009/09/24(木) 16:47:28 ID:3CR4P5Ew0
- 理樹「……?」
何かが聞こえたような気がした
誰かの声だったような気がした
何か大切な事を忘れている…
きっとそれは僕が"繰り返す"世界の中で体験したこと
理樹「今のは…」
その瞬間、僕は何か懐かしい物を感じていた…
…決して忘れてはいけないもの、"無かった"ことになる世界で、僕が見つけたことが"あった"もの
それは…
ニア ドーナツの匂い
犬の鳴き声
オレンジの香り
ピアノの旋律
眩しい日差し
ミントの香り
黒猫の鳴き声
硝煙の匂い
- 268 :Part3:2009/09/24(木) 16:48:29 ID:3CR4P5Ew0
- 理樹「そうだ…あの子がいない」
どうして忘れていたのだろう
繰り返す世界の中で、何度となく出会い、別れ、そしてまた出会い
何度となく僕は彼女に恋をした
そう…このまま戻れば、彼女のこともまた、僕は失うことになる
理樹「助けなくちゃ…」
…無理だ
…救えない
…俺たちは見たことがある
…俺たちを救おうとすれば、お前はナルコレプシーの発作を起こす
…それでは誰も助からない
…おまえと鈴まで死んでしまう
…救われるのは、お前と鈴、二人だけだ
- 269 :Part4(終):2009/09/24(木) 16:50:11 ID:3CR4P5Ew0
- 嫌だ…
そんなのは嫌だ…!
冷静になれ、こういう時こそよく考えるんだ
理樹「…可能性はある」
理樹「僕が、ナルコレプシーを克服すればいい」
…無理だ
…そうしたとしても、鈴が足手まといになる
…おまえひとりではどうにもならない
理樹「恭介…」
理樹「鈴は、もうそんな弱虫なんかじゃない」
理樹「僕は知ってる…鈴が手に入れた"強さ"を」
理樹「鈴…」
僕は呼びかける
理樹「鈴…皆を助けるんだ、力を貸してほしい」
理樹「鈴…僕らの"友達"を、リトルバスターズのメンバーを、助けるんだ!」
- 270 :Part4で終われてねぇw:2009/09/24(木) 16:53:27 ID:3CR4P5Ew0
- ちりん…
鈴の音ひとつ
僕は波紋が広がるのを感じていた…
なんつーか今更のようにリトバスを一週間ほど前にクリアしたんだが、
俺は「物語の中ぐらい、ハッピーエンドが見たい」タイプなんで
鈴以外の色恋沙汰が全部無かった事になる現実にしか帰って来れないのが
全くどうにも納得できんかった
気づけば電波を受信していた。反省はしていない
カーソルは自分の嫁に合わせてやってほしい。スペース入れ忘れてズレたがw
はぁ自分語りとかマジきめぇ俺きめぇー
- 271 :11:2009/09/24(木) 17:01:20 ID:7sCZ0Spt0
- プロット再考
1、何も起こらずEND(testテキストということで終わる>読者的に最悪だな)
2、何かを起こす(シナリオの練習である以上何か書ききること)
3、空間に迷い込む(佐々美ルート的、何かを伝える)
4、3、と同じく(沙耶を巻き込んだSFミステリー)
5、ラブ(誰かを好きになる…べたか?相手も魅力的なのがいない。消去法で恭介とくっつけたかったが3年として書いてるので無茶か?空間に入ればあり)
6、ダーク(このまま佳奈多が来ヶ谷ルート的空間にさ迷い続け悲しい罪にとらわれ永遠のせかいにいく)読者的にも自分的にも最悪か?
7、百合(おねーさんがみてるの続き)一度書いてるからどうか。ストライクも取りにくい。
8、全部書いてスクリプト書いてPGして同人に出す。絵は色なしの漫画風。音楽はSONARで半分オリジナルとコードパクリ作曲で10曲。
っていうか、需要があるのか? それ、持ち込んでエロゲ業界就職でもめざすか?
工程も未知。どれだけ時間がかかるかわからない。佳奈多ルート(仮)分だけでもインスパイアしたストーリーをつくるか?
プロットはオリジナルだが描写を真似てる部分があるのでどうするか。つーか、これまでのSSって持ち込んでも評価受けられるのか?
テーマ、モチーフについて
何も考えずに書き始めただけに決めてないが、いいのかそれで?
テーマが決めかねてるがいいのだろうか?創作板で質問してみること
二次創作について
佳奈多ルートと佐々美ルートはかろうじて覚えているが沙耶ルートは少ししか覚えていないため
一時創作になる可能性あり。リトバスのSS的に受けるのか?
とりあえず、2と3の方向で行く。5も残す。8は終わってから考える。
DMNL?他、吉里吉里を一度自分のSSで使ってみる。絵は今持ってる漫画をモデリングする。
オリジナルのストーリーに手を加える。しんどくなるので、一つづつ順番にすること。
6月21日。
雨が降っていた。丁度、今の生活にも慣れてきた頃だった。
最終学年のほとんどが真剣に自分の進路を考えている時期。
この学校は進学校だが就職を希望する人もいる。
当然、そんな雰囲気でセンチメンタルになる人もいる。
かくいう私もそうだ。いつまでも三枝と二木の事は死ぬまで付いて回る。
- 272 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 17:04:28 ID:7sCZ0Spt0
- ぎゃああああああああああああああああああ!!!
>>271の前半なし!!!です!!!
見ないで!!見ちゃ駄目!!!
うわーーー、恥さらしじゃん、これ。orz
- 273 :11:2009/09/24(木) 17:06:22 ID:7sCZ0Spt0
-
6月21日。
雨が降っていた。丁度、今の生活にも慣れてきた頃だった。
最終学年のほとんどが真剣に自分の進路を考えている時期。
この学校は進学校だが就職を希望する人もいる。
当然、そんな雰囲気でセンチメンタルになる人もいる。
かくいう私もそうだ。いつまでも三枝と二木の事は死ぬまで付いて回る。
これらから自由になる選択肢はいくつかあるが、
現実に実行してできる事は一つもない。
「はぁ…」
思わずため息をついて、いつもの教室に踏み込んだ瞬間だった。
ーーーキィィィィーーーーンーーーー
「きゃあっ!!」
大きな耳鳴りがして思わず声をあげ廊下に飛び退いた。
「……何、今の…?」
頭を少し振って意識を正常に戻そうとする。
辺りを見回すと廊下や教室はいつもの雰囲気に戻っていた。
- 274 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 17:07:48 ID:3CR4P5Ew0
- >>272
過疎スレでリアルタイムに出会ってしまうとはな・・・w
見なかったことにしよう、おっけー。
見られなかったことにしよう、おっけー?
- 275 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 17:11:29 ID:JTXwjJgX0
- 支援早々
- 276 :12:2009/09/24(木) 17:15:29 ID:7sCZ0Spt0
-
改めて教室に入る。右足からそっと…
…よかった。今度は奇妙な耳鳴りはなかった。
しかし、自分の席につこうとした瞬間、周囲にざわっとした空気が流れる。
みんなの視線が私に集中する。
よく見ると周りの生徒が違う…!!
なぜなら、よく知る生徒が前の上級生たちだったからだ。
クラスを間違えた? でも、なんで卒業生が?
…なんとか思考を正常に戻そうとする。
落ち着いて…! なぜここに卒業生がいるの?
いつもどおり、いつものクラスに入ったはず。
自分の制服を見ても上級生のリボンをしている。
手荷物の勉強道具も最上級生のもの。現国、数3、物理、世界史…
一つづつ確かめる。
今日、同窓会でもあるの?
でも、授業をする為のクラスでするはずがない。
目をつむって考える。
じゃあ…
夢?
お約束にほっぺたをつねってみる。
「痛っ…」
- 277 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 17:29:15 ID:7sCZ0Spt0
- >>270
>>274
そうだね。過疎スレだしオッケーってことにしよう。
Keyスレが過疎ってて本当によかった。
よく考えれば、創作系の板では日常茶飯事の文章だから、気にすることないな。
と自分に言い聞かせてみるtest
SS界自体、マイナーだし。だから、もう一歩先の事をしてみたいわけなんだけど…
私もどちらかと言えばハッピーエンドです。
Key自体、智代アフターでだーまえが批判承知でtestして試してるわけですし。
そんな…自分語りキモいとか言ったら、自意識過剰な俺の方がキモいです。
気になるけど気にせず逝こうよorz
- 278 :13:2009/09/24(木) 18:35:03 ID:7sCZ0Spt0
-
…夢じゃない?
待って。痛みだけなんて、そんなのわからないじゃない。
「かなちゃん。どうしたのこんなところで」
懐かしい声に振り向くと、あーちゃん先輩だった。
先輩は地元の音大に行ったはずじゃ…
その先輩が制服を着てるということは…
夢だ。夢しかない。そうよ、現実感のある夢だわ。
「あーちゃん先輩」
「なぁに?」
あーちゃん先輩を見つめる。何かおかしいはずなのだ。でも、違和感が何もない。
おかしいのにおかしくない。どうして?
去年のあーちゃん先輩のままに見える。しかしありえるはずがないのだ。
「あの…卒業の時、ショパンの幻想即興曲を弾いてくれたじゃないですか。
ショパンコンクールも記念参加するって言ってたのはどうなったんですか?」
「あはは、何言ってんのよ、もう。幻想即興曲はまだ弾けないわよ。
この間、スローテンポで弾いてあげたじゃない。まだあれが限界。ショパコンなんてとてもても。
中学校の卒業時なんて小犬のワルツを完璧に仕上げるので精いっぱいよ」
とても冗談で言っているとは思えない。そんな…タイムスリップでもしたというの?
馬鹿らしい。でも、周りの雰囲気は今のクラスと明らかに違う…夢と思っていても、あまりにも冗談が過ぎてる。
「ほら、あなたも自分のクラスに戻りなさい」
「え?」
あーちゃん先輩の声にはっとする。
- 279 :14:2009/09/24(木) 19:11:38 ID:7sCZ0Spt0
-
「でも、私のクラスは…」
ここなんです…とは続かなかった。
「ほら、行った。行った」
先輩の手振りで教室を後にする。
なんなの? これって。どういうこと?
そんなバカなことがあるはずがない!
もう少し整理したかった。
(だって、これは現実だもの)
認めたくないけど、周りの空気や質感を、私の体のすべての感覚が疑問に答えていた。
(じゃあ、今の私はどうなるの? 私がもう一人いるはず!)
「くっ…」
その重大な問題に混乱する感情を押さえる。
頭がおかしくなりそう。いえ、もう、なってしまったの?
足元がふらつく…頭が熱い…クラクラする…
自分の部屋に戻って考えたかった。
寮の部屋は代ってないので大丈夫なはず…
でも、もう一人の自分にあったら…
だめ…もう、何もかんがえたくない…
教室のドアに手をかけ、ゆっくりと開けた。
- 280 :15:2009/09/24(木) 20:26:12 ID:7sCZ0Spt0
-
ーーードン!
「きゃあっ!!」
教室に凄いスピードで入ってきた目の前の男子生徒と衝突する!
後ろに倒れそうになると同時に、
体を掴まれ倒れこまずに済む。
でも、もう精神的に限界だった。
意識を失う前に見た男子生徒はよく知っている人だったから。
……棗先輩……
- 281 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 21:08:07 ID:MO2XWcBP0
- ここ数年一緒に仕事をしてるアメリカのコンサル屋から3人来日。
皆日本は慣れてるけど、これまではいつも移動は車だった。
※ 適当な日本語訳で書きます
( ゚Д゚) これから電車に乗ります。ラッシュアワーだけど8分だから我慢して
エッ!?かの有名なトーキョーのラッシュアワー!? 喜んで!!.+゜(・∀・ ) (・∀・ ) (・∀・ )゜+.゜
やたらwktkする3人。ちなみに白人1、アフリカ系1、アジア系1、全員40から50代のオッサンだ。
しかし彼らを連れて電車に乗り込むと、3人ともきょろきょろしながら不満そうな顔に
そんな混んでないネー(・ω・` ) たいしたことないネー(・ω・` ) 噂で聞いてたのと違うヨー(・ω・` )
( ゚Д゚) ……実は私たちが乗ったのは東京のシティーから離れていく電車なんだよ。この意味がわかるかい?
? (・ω・` ) ? (・ω・` ) ?(・ω・` )
( ゚Д゚) ほら、逆向きの電車を見てごらん
フオオォォォォオオウ!!!!ΣΣ(゚Д゚;) ΣΣ(゚Д゚;) ΣΣ(゚Д゚;)
彼らの視界に入ったのは、まさにラッシュアワーの東京駅行き快速電車。
( ゚Д゚) ニホンではああいう状態を“スシ詰め”と言う。毎朝のことだよ。
あ、あれがスシ!?じゃなくてあれが毎朝!?((((゚д゚lll) (゚д゚lll) (゚д゚lll)))ガクガクブルブル
( ゚∀゚) やっぱり乗ってみたい? 仕方ないな、少しなら時間があるから1駅くらいなら……
Nooooooooooooooooooo!!!!!! ((((゚Д゚;) (゚Д゚;) (゚Д゚;))))
電車からおりた後、ワーオワーオ言いながらその満員電車をバックに記念撮影
こっちは迷惑じゃないかとはらはらぺこぺこしていたが、
普通の日本人客や駅員さんたちは半笑いで見守っててくれたよ。
- 282 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 21:08:28 ID:MO2XWcBP0
- さてその夜
何ヶ所か移動して(車で)、ホテルへの帰りはまたちょっとだけ電車に乗ることに
( ゚Д゚) ガイズ、これから電車の乗り換えをします。
はーい (・∀・ ) (・∀・ ) (・∀・ )
( ゚Д゚) 新宿駅は大きくて人でいっぱいです。はぐれたら永久に駅の中でさまようことになるよ
ちゃんとついてくよ!OK! (・∀・ ) (・∀・ ) (・∀・ )
いつもどおり京王線とJRの乗り換えは人が多い
といってもいちばん混む時間は過ぎてたし、普通に降りて人ごみをぬって歩いていくと後ろから悲痛な叫びが…
オオオオゥ!ウェエエエエエイト!!!。゚(゚´Д`゚)゜プリーーーズ!!ウェエエエエエエイト!。゚(゚´Д`゚)゜。
もうまさにこんな感じ。振り向くと後ろに続いていたはずのうちの2人が人ごみにもまれ
あちらこちらにバラバラに流されている。慌てて救出し、全員で手をつないで歩いてく羽目に……
(♯゚Д゚) だから言っておいたでしょうが! まったく軟弱だな、このアメリカンどもは
カナがチビなせいで見失ったんだヨー(;´Д⊂)もう帰れないかと思ったヨー怖かったヨー(;´Д⊂)゜。
彼らはすっかりトーキョーの電車に恐れを為して、シリコンバレーに帰っていった
でも、次は車用意して待ってるからまた来てね、とメールしたら
またトーキョーの電車にチャレンジするよ!という返事が返ってきた
その言葉、忘れないぞ
- 283 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 21:11:43 ID:MO2XWcBP0
- 崖から転落し,鈴と理樹は潰れたバスの間の少しの隙間に入っており,なんとか脱出出来た
理樹は奇跡的にも打ち身だけで済んだが,鈴は右足に大きなけがをしていた.
「鈴,危ないからここで休んでて.僕は恭介達を助けてくる」
しかし命に別状はないと考え,次に鈴を座らせておいてバスの中から他のメンバーを救出しようと中を覗き込んだとき,理樹はさっきまで楽しく騒いでいた仲間達の無惨な姿を眼にした
能美クドリャフカの頭は潰れ,なんとかクドと判断出来た材料の亜麻色の髪をただ紅く染めていた
西園美魚の胴体は,皮肉にも彼女の好きな本達を入れるための大型の旅行ケースと床の間に挟まれ,下半身と上半身が違う方向を向いたまま,その眼は虚ろに虚空を眺めていた
バスの中はそれがバスなのか既に廃棄されたスクラップなのかもわからない状態で,また,声を上げる者は居なかった
理樹達が助かった空間と反対側にあったもう一ヶ所の空間に三枝葉留佳が無傷で横たわっているように見えたが,彼女の腹には折れた鉄パイプが貫通していた
空間の傾斜の先には,血貯まりができていた
真人と謙吾は,落ちてゆくバスの中で何かを守ろうとしたのか,潰れ行く車体を筋肉で押し戻そうとしたのか,二人とも手が血まみれで,頭を打って気を失ったまままた挟まれたようだった
真人の右手右足と,謙吾の左足は,座席の詰めたい骨格の向こう側に曲がってはいけない方向に曲がり,一部の骨が皮膚から突きだしていた
謙吾の脇腹を抉った棚の残骸の下には,謙吾の腹の中にあるはずのものがこぼれていた
「…………!!!!!!!」
理樹はその人間の中に入っているものだということが信じられないような臭気と光景の中,これは鈴に悟らせるわけにはいけないと考え,まだ見つけていない恭介を探すため,一度車体から出た
その際に近くの樹に座り込んでいた鈴に聞かれた
「理樹…みんなは、だいじょうぶなのか…?」
理樹は本当のことを答えられなかった
本当のことを答えたら鈴は壊れてしまうかも知れない
そう思ったから.
「みんな気を失ってるけど,大丈夫だとおもう.」
こう答えた.
すぐにばれてしまう嘘を今は鈴のショックを和らげるために吐いた
- 284 :0/0:2009/09/24(木) 21:24:36 ID:JTXwjJgX0
- 花壇の脇に咲いているノアザミの色は褪せ、季節は移り変わろうとしていた。
「あ、挨拶は時の氏神。い、石の上にも三年。う、有為転変は世の習い」
「――『え、得がたきは時、会いがたきは友』でいい?」
廊下を散策していた杉並に声をかけてきたのは理樹
「あっと、急に割り込まないでください。私としては……そうですね、
『枝を矯めて花を散らす』がいいと思っていたんですよ」
「そう、それじゃあ悪かったかな」
変わった子だと思いながら、理樹は廊下を過ぎ去っていった。
- 285 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 21:54:02 ID:7sCZ0Spt0
- >>284 GJ! ある意味、マニアックすぎてちょっと面白かった。
そういうの書かれると、その先を書きたくなっちゃう。
- 286 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 22:01:37 ID:JTXwjJgX0
- 逆に邪魔しちゃったんじゃないかと思ってひやひやでした。
そう言ってくれてありがとう。>>285
- 287 :0/z to 285:2009/09/24(木) 23:02:23 ID:7sCZ0Spt0
- 「る・類は友を呼ぶ。れ・例も過ぎれば無礼。ろ・論より証拠」
夕風の中透き通る声で詠い続ける杉並
「――『老少不定』のほうがいいんじゃない?」
丁度草野球の練習から戻ってきた理樹の声
「いいんです。わ・災い転じて福となす」
「違うよ」
「え? 立派な『ことわざ』じゃない?」
「いや、そうじゃないんだ。『笑う門には福来る』の方がいいよ」
初めて理樹の意見に考え込む杉並
「…その方が…いいかも…」
「でしょ? 杉並さん的にもその方がいいよ」
反射した夕陽のガラスの中に笑いあう二人
「うふふ、こんなことで笑ってるのって私たちくらいじゃないかな」
「はは。だよね」
「私も直枝君みたいな…あ…! なんでもない」
そこで西日の方を向いて何かを見つけ止まる杉並
「じゃあね、直枝君。私、用があるから」
「うん。また、一緒にしようよ杉並さん」
そのあと理樹に駆け寄る彼の仲間たち
それを遠くから優しい目で見つめる杉並
新月の暗がりがお互いを照らしていた
- 288 :名無しさんだよもん:2009/09/24(木) 23:17:36 ID:7sCZ0Spt0
- >>286
to 286だったorz
面白かったので、続き書かせてもらいました。失礼しました
- 289 :名無しさんだよもん:2009/09/25(金) 13:32:04 ID:tc3MRaZk0
- 自分はこんなものを考えてた。でしゃばり過ぎかもしれないけど
一応さらしておく。288へ
- 290 :0/0:2009/09/25(金) 13:32:26 ID:tc3MRaZk0
-
「う、うまうー。え、えりも岬」
ところ替わってこちらは間借りしている野球部の隣部屋。
「お、オクトパス星人」
「おいおい、慣用句にもなってないじゃないか」
「カンヨウク? 缶詰のヨウカンのことか」
恭介は真人の一言に呆れ顔をしながら述べた。
「二語以上の単語を用いた特定の意味ある言葉のことだ」
「ああ……あれな」
わかったといいながら、鈴は部屋から過ぎ去っていった。
- 291 :名無しさんだよもん:2009/09/25(金) 19:16:46 ID:+yy7ouLt0
- 崖から転落し,鈴と理樹は潰れたバスの間の少しの隙間に入っており,なんとか脱出出来た
理樹は奇跡的にも打ち身だけで済んだが,鈴は右足に大きなけがをしていた.
「鈴,危ないからここで休んでて.僕は恭介達を助けてくる」
しかし命に別状はないと考え,次に鈴を座らせておいてバスの中から他のメンバーを救出しようと中を覗き込んだとき,理樹はさっきまで楽しく騒いでいた仲間達の無惨な姿を眼にした
能美クドリャフカの頭は潰れ,なんとかクドと判断出来た材料の亜麻色の髪をただ紅く染めていた
西園美魚の胴体は,皮肉にも彼女の好きな本達を入れるための大型の旅行ケースと床の間に挟まれ,下半身と上半身が違う方向を向いたまま,その眼は虚ろに虚空を眺めていた
バスの中はそれがバスなのか既に廃棄されたスクラップなのかもわからない状態で,また,声を上げる者は居なかった
理樹達が助かった空間と反対側にあったもう一ヶ所の空間に三枝葉留佳が無傷で横たわっているように見えたが,彼女の腹には折れた鉄パイプが貫通していた
空間の傾斜の先には,血貯まりができていた
真人と謙吾は,落ちてゆくバスの中で何かを守ろうとしたのか,潰れ行く車体を筋肉で押し戻そうとしたのか,二人とも手が血まみれで,頭を打って気を失ったまままた挟まれたようだった
真人の右手右足と,謙吾の左足は,座席の詰めたい骨格の向こう側に曲がってはいけない方向に曲がり,一部の骨が皮膚から突きだしていた
謙吾の脇腹を抉った棚の残骸の下には,謙吾の腹の中にあるはずのものがこぼれていた
「…………!!!!!!!」
理樹はその人間の中に入っているものだということが信じられないような臭気と光景の中,これは鈴に悟らせるわけにはいけないと考え,まだ見つけていない恭介を探すため,一度車体から出た
その際に近くの樹に座り込んでいた鈴に聞かれた
「理樹…みんなは、だいじょうぶなのか…?」
理樹は本当のことを答えられなかった
本当のことを答えたら鈴は壊れてしまうかも知れない
そう思ったから.
「みんな気を失ってるけど,大丈夫だとおもう.」
こう答えた.
すぐにばれてしまう嘘を今は鈴のショックを和らげるために吐いた
- 292 :ある昼 1/5:2009/09/29(火) 22:07:02 ID:l32u7krm0
-
カタカタカタ……パチ
ディスプレイをじっとにらみつけながら指を動かしている理樹。
カタカタ……カタ。
入力を終えたのか、指をぐっと握り、ぱきっと鳴らした。
校内のどこにでもある背もたれの浅い硬い椅子に背をあずけ、
うんと背伸びをすると、鬱屈として縮こまっていた気持ちを解放した。
- 293 :ある昼 2/5:2009/09/29(火) 22:07:40 ID:l32u7krm0
-
「ちょっと……間に合わなかったのよ。でも理樹くんに頼んでよかったわ」
表計算ソフトで作った、今年度のとある部活のバランスシート
らしきものを寮長へと渡したとき、その一言を受けて、仕事を
終えた気になっていた理樹は少し動揺した。
「大丈夫ですか、ってそういえば納期を聞いていませんでしたね」
「ええ、でも何とかなりそうだから気にしないで。修正が必要なところが
なさそうだから助かる。うん、大丈夫よ」
寮長は用紙に視線を移したまま返事をした。
最後に「やっぱり直枝くんに頼んでみてよかったわ」と付け加えてさっそう
と去っていった。
- 294 :ある昼 3/5:2009/09/29(火) 22:08:15 ID:l32u7krm0
-
と、そんな理樹のもとに現れたのは恭介。
「どうしたんだ理樹。……もしかして言われてしまったか?」
「なにをさ」
「いつものことだ。ほら、夜中に出回ったりしていることだとか」
「いや、それはお咎めなしだったよ。ただ少し経理の手伝いをしただけ」
たまたまお昼の時間だったということもあり、二人はそのままの足で
食堂へと向かった。
- 295 :ある昼 4/5:2009/09/29(火) 22:08:41 ID:l32u7krm0
-
食堂へと行くとうねるような人の波。出足が遅かったせいか、いつもの席
も埋まってしまっていたので彼らは仕方なく隅のほうへと腰をかけた。
遠くから神北小毬とクドリャフカが手を振るっている。
その近くに大きな体をした真人と謙吾の姿を目にすることができる。
理樹は相手に見えるように軽く手を振るってみせ、券売機に並び、
カレーと牛丼を購入しておばちゃんからトレーを受け取った。
- 296 :ある昼 5/5:2009/09/29(火) 22:09:06 ID:l32u7krm0
- 「恭介に聞きたいことがあるんだけど」
着席して早々切り出したのは理樹だった。
「なんだ?」
「せん妄ってどういう意味?」
「意識障害の一種だろ。俺に聞いたところで詳しくは答えられない。
可逆的なものだとは思うが……要はぼーっとしてしまったりするんじゃないか」
「その程度?」
「さあな」
恭介はそれだけ言うと、スプーンでひと掬いしてカレーに口をつけた。
「酷い場合は幻覚見ちゃったりする?」
福神漬けを掬おうとした手を止めて改めて答えた。
「……そういう症状だったか、せん妄って。何でまた興味を持っているんだ?
…まさかお前……何か見えるとかないよな」
「まさか。あっ、渋谷には間坂っていう坂があるらしいけど」
「渋谷通りと公園通りの間にあるらしいな、行ったことはないが」
食器洗浄器の音が食堂の奥で流れている。
珍しく、二人だけで会話をしながらの昼だった。
- 297 :名無しさんだよもん:2009/10/01(木) 03:49:12 ID:tzC2eDAk0
- このリトバスでなくてもいいような文章はいつまで続くんだろう…
- 298 :リトバス外の妄想:2009/10/31(土) 21:05:24 ID:z4Pdh4wc0
- 僕たちは仮相で、神々は実相だ。
手を握る彼女の温もりは影。自嘲を繰り返す僕も影。
僕らのいる場所は此岸。彼岸までには距離がある。
海はうすぼんやりと発光している。光源はここにしかない。
近づけば淀みにはまり、遠く彼方まで流されていく。
遠ざかれば光は無く、無限の闇の中をさまようことになる。
海岸線には雪がちらついていた。
ふたりは波につかまらないように海辺を歩く。
目的地は向こうにある。
向こうといっても海の向こうではなく、屋根のある場所。
夕べからずっと歩き続けているけど、家はなかった。
僕らは結構疲れていると思う。
彼女はただ微笑むだけで、答えてくれない。
「―――あと少しだよ、きっと」 と、声をかけた僕に彼女は微笑みかけてくれた。
- 299 :やきそば1/2:2009/10/31(土) 21:06:00 ID:z4Pdh4wc0
- 家庭科室というか調理室というか、葉留佳さんがなにやら一生懸命に
料理をつくっている現場に立ち会っていた。
ここはガスレンジやオーブンがあるので当然のことながら、
普段は勝手に使ってはいけない部屋のひとつに指定されている。
「ねぇ葉留佳さん、今作ってるのって……やきそば?」
やきそばにはやきそば用の麺が必要だと思う。
葉留佳さんが使っているのは『そば』だ。
そばを茹でて、野菜と炒め合わせている。
「そうですヨ! どうぞ楽しみにお待ち下さいナ!」
僕は一抹の…どころか、ごわごわとした不安を受けている。
いやきっとまずくはない。
まずくはないと思うけど……それはやきそばの亜種だと思う。
ずばりいえばやきそばではない。
僕は手遅れになる前にと、ナルコレプシー用の錠剤を一錠手に取って
飲み干した。食前も食後も関係なく。
- 300 :やきそば2/2:2009/10/31(土) 21:06:25 ID:z4Pdh4wc0
- 葉留佳さんは左利きだからだろう。右手でフライパンをなんとか混ぜ返そう
としている。その姿がなんとなく可愛らしくてつい可笑しく思ってしまう。
「なんだかぎっちょだよ」
言われて傷ついただろうか、そんなことありませんヨと言い返したあと、
彼女は黙ってしまった。
僕はその沈黙を破りたくて葉留佳さんの隣から箸を差し出して、食べてみようよ
と提案をしていた。
僕と葉留佳さんは、取り皿もなしに、一緒に食べ始めた。
「うわぁ、これ水分よく切らなかったでしょ。べちゃべちゃだよ」
開口一番僕の口から出たのはやや辛らつな批評だった。
葉留佳さんはそれを聞くと少し身をちぢこませて、怒られてでもいるような仕草を
取った。それはまるで小さな女の子が怯えてでもいるような仕草だった。
「やっぱり……失敗しちゃったのかな」彼女が小声で言う。
僕はもともとの食材の選択に無理があることを伝えたい気持ちで一杯だったが、
思いのほか沈み込んでいる葉留佳さんを目の前にすると、なんとも一言がいいづらい
気持ちになっていた。でも、ここで何も声を掛けないなんて男じゃないと思ったから、
「あれっ、でも食べてみるとそんなに違和感ないかも。にんじんやキャベツだって
いい感じでカットしてあるし」
どこか口先だけで答えているようで、自分ながら引っかかりを覚えていながらの返答
だったけど、葉留佳さんは微笑んでくれた。
- 301 :名無しさんだよもん:2009/11/03(火) 00:12:11 ID:mZGOHciY0
- 「和そば」って書いとかないと解りにくかんべ
- 302 :名無しさんだよもん:2009/11/14(土) 23:51:07 ID:sD3js5WH0
- いろんな人がごっちゃに書いてるせいかすごくわかりにくい
- 303 :名無しさんだよもん:2009/12/07(月) 15:22:19 ID:3hmiPPv80
- age
- 304 :名無しさんだよもん:2009/12/07(月) 15:31:06 ID:L+f7clumO
- いい加減落とせよ
このクソスレ
- 305 :名無しさんだよもん:2009/12/07(月) 16:00:47 ID:ePHoot9r0
- アゲチュウ
- 306 :名無しさんだよもん:2009/12/08(火) 21:51:55 ID:+fJuqrqo0
- もうこの板が注目されることはないのかもな…リライトもエンジェルビートもでないし…
あ、でもコンシューマーでリトバスが出たんだっけな。でもこの板に来るかは疑問。
- 307 :名無しさんだよもん:2009/12/13(日) 17:22:14 ID:/U+8+oFp0
- 日常というものは壊れやすいものだということを鈴は知らなかった。
雨はいつか晴れて、ぬかるみだっていずれ乾くものだと思っていた。
「………」
渡り廊下からはずれた小さな空間で鈴は立ち尽くしてしまっていた。
予報では二日程度だった雨は、三日目の今も随分と強く地面を打っている。
吐く息は白い。鈴は寒さのためか悲しみのためか、肩を震わせている。
近寄ることも出来ず、少し離れた距離で俺はつぶやいていた。
「――どうしようも出来ない命だってある…さ」
この辺りにはないけれど電車を乗り継いだ先には保健所だってある。
この場で消えた子猫のぬくもりは母猫の育児放棄が原因だが、
どうにか出来たとは、俺は思わなかった。
あるいはもう少しだけ気付くのが早ければとは思うけれども、
この子猫は自然の摂理に従ったんだと自分を納得させるしかなかった。
処分されてしまった数多の犬猫に比べて、不幸せだったとは俺は思わない。
だから俺は頭の中で、分かりきったことのように命を処理してしまっていた。
「あたしは子猫が生まれたときのことを知っていたし4匹ともが健やかに
育っていくものだと思ってた。恭介だったら想像出来る事態だったのか?
1匹だけ置いてどこかへ行ってしまうなんて残酷だ。あたしは悔しい……」
いつもであればいるはずの猫たちが今は姿を見せない。
猫たちにお通夜があるとすれば、冥福を祈ってくれるだろうか。
鈴は降り続く雨の中で身じろぎもせずじっとしていた。
- 308 :名無しさんだよもん:2009/12/15(火) 20:26:43 ID:YyLSByYYO
- >>306
ある程度の盛り上がりはあるだろうけど
エクスタシー発売時ほどでは無いだろうな
- 309 :名無しさんだよもん:2010/01/01(金) 19:05:32 ID:wCa/dw2R0
- もう外暗いけどあけましておめでとう
- 310 :名無しさんだよもん:2010/01/02(土) 09:12:49 ID:P84t1ZKJ0
- お?
- 311 :お正月1/4:2010/01/02(土) 18:39:56 ID:qfhHkWSz0
-
「お正月といえばサッカー駅伝ラグビーとスポーツ色満載なシーズンだ。
そこでだ。オレたちも新年初キャッチボールときめこもうぜ。」
既に左手にはめこんだグローブをばしばしと叩き慣らしている真人は
「それ理樹!」と一声上げて、ふわっとボールを投げ渡した。
不意をつかれた理樹は「うゎっ」と小声を上げた。
狭い部屋の中でいきなりの硬球。理樹は取るというよりもかわしぎみにさばいた。
「いきなり投げてこないでよ」
「へへ、わりぃな」
理樹の背後へと転がったボールを握り締めてから真人は言った。
「まだ元旦の疲れが残ってるんじゃねぇか?」
「そりゃそうだよ、昨日は恭介に女装させられるわ、小毬さんはおとそをニ合近く飲んじゃうわ
葉留佳さんは何か落ち込みだすわで、なんかもう大変だったじゃないか。来ヶ谷さんくらいだった
よね、落ち着いてたっていうか、周りを見てくれてたのは。」
「そうだな、クド公もわたわたしてた感じだったしな。んで…西園だったっけか、小毬にお酌したのは」
「そうそう、隣に座っていながら途中まで気付かなかったのは僕の失敗だ。でもさ、鍋のなかに
なんで弾丸が入ってたんだろうね…誰かが飲み込んじゃわないでほんと良かったよ」
「ああ、一瞬『これは闇鍋なのか』と思ったぜ。途中でパチャンって音がしたのは覚えてるんだけどよ。
だれかがいたずらで入れたんじゃねぇの」
ルームメイトの真人と理樹はふたり一緒にわいわいと昨日の話を続けていたが、尽きない話を真人が
一区切りして言った。
「なぁ理樹。暖房もあまりきかねぇしさ、外で体動かそうぜ」
いや、二人で校内を回ってみない?こんな日だし。
→うん、そうだね、行くだけでもいいし行ってみようか。
「それからさ、近くの神社にでも寄ってそれから帰ってこようよ」
「そりゃいいかもな」
こうしてふたりはグラウンドへと向かったのでした。
- 312 :お正月2/4:2010/01/02(土) 18:40:30 ID:qfhHkWSz0
-
「それっ」パシィ
「おっしっ」パシ
男ふたりのキャッチボール、無言で投げあっているがふたりとも肩の調子は悪くないらしい。
理樹のオーバースローから真人のグローブへ、真人のサイドスローから理樹のグローブへと
球が収まっていく。
「しっかし天気がいいな。少し寒いけどよ」
投げては返し投げては返ししているうち、少しだけ理樹の返球が反れた。
「いっっ」
真人がそれをとり損ね、後ろへとそらしてしまった。
すると……
「あら、あなたたち。誰の許可を得てこのグラウンドを使用していらっしゃいますの?」
ころころと転がったボールのその先にはソフトボール部のホープ、笹瀬川佐々美がおりました。
「あなた方ときたら――本当はこういう言い方は失礼に値しますけれど、年中練習を
している訳でもない。たまに野球をしているのをお見受けしますけれどもとても本気
とは思えない。まさにお遊戯ですわね。」
現れてさっそく憎まれ口を叩く佐々美。彼女は年明け早々に情熱を燃やしているようだった。
理樹は聞いているのかいないのかのテイで、新年の祝辞を述べた。
「笹瀬川さん、新年あけましておめでとう。今年もよろしくね」
真人は少し怒りをあらわにして言った。
「オレたちは今日は遊びにきてるんだよ。だから少しくらい勘弁してくれ。」
「じょーっだんじゃありませんわ!うちの部員にボールが当たりでもしたらどうしてくれますの!」
「キャッチボール中心でやるからよ。バット使ったとしてもそこまでかっ飛ばしたりしないから安心してくれねぇか。」
「信じられませんわ」
理樹と真人には、いつもの調子でいる運動場の高飛車ガールに打ち勝つ気力は無かった。なので、真人は
逡巡した末につぶやいた。
「しょうがねぇか、じゃあ少し早いけど行こうぜ」
「そうだね」
- 313 :お正月3/4:2010/01/02(土) 18:40:57 ID:qfhHkWSz0
-
はやばやグラウンドから駆り出されたふたりは一路神社へと向かうことへとした。
その途中、中庭で風紀委員長こと二木佳奈多と出くわした。
「あれ、二木さん。どうしたの正月なのに」
「別に何もしてないわ。ただあなたたちのような不審な人がいないかどうか校内を見て回っていただけよ」
「不審者?…オレたちがか?そうしたらお前だって不審者のうちに入ると思うぜ」
と、こういい返す真人に対して佳奈多は言った。
「なんとも言えないわね。あなたたちは私たちのことが分からない。
私たちはあなたたちのことがわからない。でも私は缶けりやドロ警のことを忘れてないわ。
あなたたちはもうブラックリストに登録されているのよ」
理樹は聞いているのかいないのかのテイで、新年の祝辞を述べた。
「二木さん、あけおめことよろ」
「え、ええ」
「あんまりそんな風に張り詰めてばかりだと眉間にしわが寄っちゃうよ。」
佳奈多のオデコにぱちりと触れた。と、同時に腕をからめ取られて理樹は投げられた。
「うわっ」びたりと背中を打つ理樹。
怒ったためか顔を赤くして佳奈多は「当たり前よっっ」と言い放つ。
「理樹、大丈夫かよ」
「ああ、うん、ちょっと背中痛い。投げられるとは思わなかった。」
「なんか運悪いな。きっと守護天使の運がついてないんじゃねぇか。」
「DQのやりすぎだよ真人」
佳奈多はふたりの掛け合いにあきれた様子で「はぁ」とため息をついて、そのまますたすたと
革靴を鳴らして立ち去ってしまった。
「僕たちため息つかれる程度の存在なんだよ、今」
「……まぁいいじゃねぇか。こっからだぜ。」
「何もないけどね。神社行くだけでしょ。」
- 314 :お正月4/4:2010/01/02(土) 18:41:32 ID:qfhHkWSz0
-
空は雲ひとつない晴天。学園から徒歩で7、8分。
商店街沿いの道を通って少し外れた道に分け入ると、ひっそりとした場所に
目的の稲荷神社はあった。
「………」
石段を一歩ずつのぼり、境内へと入る。
「……あれっ、あそこにいるのって」
理樹が見つけたのは恭介と鈴。
「おーい、おはよー」
鈴がいち早く気付く。
「なんだ理樹たちもきたのか、近いからか?」
「そうそう、それもあって来てみようって話になったんだ。」
恭介が続く。「神社っていうとここら辺りにはあまりないみたいだからな。
それよりも理樹、昨日はお疲れだったな。」
「恭介よぉじゃないよ。ほんと昨日のはないよ。」
「はは、済まないな。でもみんな喜んでくれたみたいだぞ。」
恭介はいたずらをした少年のように笑った。
「おい理樹。謙吾のやつもいるみたいだぞ。それに西園もいるな」
「おお、理樹か。昨日も言ったが今年もよろしくな。」
「よろしく謙吾。」
「直枝さん、改めて新年あけましておめでとうございます。」
「あれっ着てきたんだ。すごい似合ってる。」
振袖姿の美魚に向かい飾り立てた言葉を述べる理樹。
「なんだかみんな 結構まめだね。この分だと後からまた誰かに会えるかもしれないね。」
活動範囲が狭いとはいえこうしてまたバスターズのメンバーに出会えたのはついていること
だろう。今年一年の先行きは誰にもわからない。だがみんなは寒空の下、それぞれに願い事をした。
「よい一年になりますように」
--------------------------------------------
駄文お付き合い下さいましてありがとうございます!
- 315 :vsマッド鈴木 1/8:2010/01/14(木) 06:27:57 ID:6wEITh2x0
- ヤマのない凡作ですが連投
こんな時間ですし……
直枝理樹は廊下をすたすたと歩いていた。すると、科学部の鈴木がすれ違い
ざまに声をかけてきた。
「きみはエモーショナルに生きているか?」
「……間に合ってます」
理樹は実にあっさりと、新聞の勧誘を断るがごとく拒絶した。だが鈴木は食い下がる。
「ううーん今日はなんていい天気なんだ。きみもそう思わないか」
(「……どうしよう、ヘンなのに絡まれちゃった」)
「さぁ、今から2階の実験室へと急ごう。きみからもNYPが得られるかもしれないからな」
困惑している理樹をよそ目に鈴木は一人で盛り上がる。
そんな鈴木の様子を見て理樹は引き気味に答えた。
「もう一度言っておきますが、遠慮しておきます。そして僕の半径30m以内に近寄らないでください」
思えば、理樹はこのときに逃げてしまえばよかったのだ。なぜなら、鈴木の耳には何一つ届い
ていやしなかったからだ。
「よい検体が手に入った。よし、じゃあこれを」
かちり
金属音がひときわ高くなりひびいた。
- 316 :vsマッド鈴木 2/8:2010/01/14(木) 06:29:14 ID:6wEITh2x0
-
「ぇええっ!」
いつの間に捉えたのか、理樹の両腕はかぎ穴が設けられた黒い金具によって拘束されてしまっていた。
むちゃくちゃだった。
それも衆人環視のもとでの出来事だった。
当然理樹は周囲に誰か頼りになる人がいないか見渡してみる、が、運悪く誰一人として相手にはしてくれなかった。
もがこうともどうにもならない。
「うがぁああ、これ本当の手錠だ。外れないぃぃ!」
「そう、本物だ。そしてその鍵は僕が握っている。協力してくれるというのならすぐにでも外してあげよう」
「じょ、じょうだんでしょ!?」
「これが冗談にみえるのかい??」
鈴木の左手には対戦車ロケット発射器のようなニ尺三寸はあろうかという獲物がにぎられていた。
「っささ、すぐにでも行こう。TRYだ」
「わけわかんないーーっ!!だれかーー!!」
取り乱した理樹の声だけが一階の廊下に撃ち響いた。
- 317 :vsマッド鈴木 3/8:2010/01/14(木) 06:32:22 ID:6wEITh2x0
-
怪しげな実験室へと補導されて歩く理樹。逃げようと思えばいつでも逃げられるのだが、いかんせん両手の手錠は
どうにもならない。なのでここは大人しく従ってしまっていた。
ライトアップされる室内。フラスコやビーカーが陳列された棚や何も置かれていない無機質なテーブルが目を引く。
「やぁ、直枝…理樹くん。ようこそお出でなさった我らがサイエンスルームへ。紹介しよう。助手の木村君と山崎君だ」
科学部の二人は口々に自己紹介を終えると、なんだか得体の知れない昔のスーパー演算機のようなどでかい装置を
いじり始めた。理樹の不安はいっそう煽られていく。
「僕いやですよ。コンゴトモヨロシクとかなるのは」
「コンゴトモ……?いや、大丈夫。何の心配もいらないよ。君はそのままでいてくれればいい」
「鈴木さん、この数値はどうしておきましょうか」
鈴木は迷いなく答える。「highだ。最大限まで上昇させておいてくれ」
もはやこの部屋には暗雲がたちこめていた。
(「しまったなー、なんで自分の足でここまできてしまったのやら。もし無理やりに連れてこられたのならまだ助かりようが
あっただろうにな……。ぐぁ、しくじったーー。ワンダーランドからやってきた青年とかが助けにきてくれないかなー…」)
理樹は既に、見るからに怪しげな装置の前で磔にされてぐったりとしている。
「じゃあ行くぞ。こっちの準備は充分だ。心の用意はいいかい?」
(「よかないよ」)
レバーが奥へと押し出されると何かとんでもないことが起こるのだろう。室長鈴木はありがちなレバーの上で両手を休めている。
「木村君と山崎君もよく見ておくんだ。おっと、放電には気をつけてくれたまえ」
(「電気流れるのっ」)
理樹のことはおかまいなしといった調子で作業は進められていく。
「それじゃあ、アディオス!!」
レバーが手前から奥へと強く押し出された。すると同時に部屋中に静電気が充満していたかのように一瞬バババババッと
光が走った。一同は目も開けられない。すぐに収まるかにみえた光は鈴木たちが思ったよりも長く、十秒ほどは照りつづけていた。
- 318 :vsマッド鈴木 4/8:2010/01/14(木) 06:34:52 ID:6wEITh2x0
- 「これは……NYP?? いや、違う新しい力だ。しかしなんだかよく分からない。ふーむ、同じくなんだかよく分からないパワーだ!!
っと、直枝君?おい、しっかりしろ!これはまずいな。よし、保健室へと連れて行こう。木村、山崎急ぐんだ」
西日が差してでもいるのだろうか。とても、眩しい、しろみがかったオレンジの光のなかにいる。
シーツが真っ白いせいもあるのだろう。シーツに反射した光がとても美しく映えている。
ここはどこなんだろう。夢のなかの世界?自分に問い掛けてみる。
「ん……」
目覚めは……悪くない。ただいまいち状況が把握できない。
さまざまな薬品が入った棚やヘルスメーターが目にとまる。折りたたまれた車椅子なんかもある。
ここは、保健室だろうか。消毒用アルコールのようなにおいがする。
「今…何時だろう……。大分ねむっちゃってたのかな」
カーテンが閉められていて時計が見えない。何時だか確かめようとしようと思い立ったそのとき、
カーテンの向こう側にひと気があることに気が付いた。
「誰かいるの?」
「ああ、いるとも。具合はどうだ?」
「どこか痛いところはありませんか」
聞きなれた声だった。謙吾と西園さんの声だ。
「どうしたの。っていうかどうしちゃったんだろう僕。なにかしちゃった??」
「びっくりしたんですよ。直枝さんが科学部のみなさんに運ばれているところを目撃して」
「えっ科学部?」
「記憶にないのですか」
「え、うん」
「理樹。お前なにかされたんじゃないのか」
カーテン越しに話すのもなんなんでカーテンを大きく開くと、肩をテーピングをしている謙吾と、
それに付き添うような西園さんの姿があった。
「肩の調子悪いの?」
「ん、ああこれか、今これはどうでもいい。いつものことだ。それより」と切って僕に向き直る。
- 319 :vsマッド鈴木 5/8:2010/01/14(木) 06:36:52 ID:6wEITh2x0
- 「なにかおかしなことに付き合わされていたんじゃないのか?俺は現場に遭遇しなかったんだが…
西園が通りかからなかったらお前、実験室にでも運ばれるところだったんじゃないか?」
「ああ、よくない噂はよく聞いてるよ。そんなのに引っかからないから大丈夫だって」
西園さんが思ってもみない大きな声を上げる。
「大丈夫じゃありません!もしものことがあったらどうするんですか!?」
「もしもって…たとえばどんな…っ……」
突然、右の側頭部がずきずきと痛み出した。
「直枝さん!?」
「おい、大丈夫か!?」
黒い靄のような景色が目の前にあらわとなっていく。シーツを墨汁で黒く染め上げていく過程を見
させられているように、意識の覚醒とともに少しずつ気分が悪くなっていく。
二人が僕に呼びかける声が頭のなかでがんがんと木霊する。
するとどうだろう。だんだん声の輪郭がはっきりとし始めて、頭のうずきも治まっていった。
「「理樹」」「「直江さん」」
二人の声が脳にリンクして聞こえる。
僕は具合の悪さに目が回りそうだったが、それも次第に治まっていった。
「だ、大丈夫大丈夫。気にしすぎだって」
「「全然そうは見えないぞ」」
「「やはりあの部隊……許してはおけんぜよ!!」」
頭の中に土佐弁のようなボイスが直接聞こえてきた。
「に、西園さん?」
「科学部にはわたしのほうからきつくお灸を据えておきます」
「え、ああ、いいよそんなの」
「俺も加勢しようではないか。男手もあったほうがよいだろう」
二人とも思いのほか心配してくれている。
- 320 :vsマッド鈴木 6/8:2010/01/15(金) 14:28:42 ID:1K9s4ms70
- 「「かわいそうな直枝さん」」
「そんなことないって西園さん。たまたま僕が不注意だっただけで…」
「えっ、今なんて言いましたか?」
「ん?僕はかわいそうなんかじゃないよ?って」
西園さんはいぶかしげに僕を見つめた。
「「わたしの心のなかが読めるのでしょうか……それとも……偶然でしょうか」」
「偶然って……?」
「!」
「「二人とも何を話しているんだ。それにしても理樹が少しヘンだな……」」
ここまで来てようやく分かった。二人は言葉を口に出していないということに。
試みに謙吾の心の内をそのままリピートして返してみた。
「二人とも何を話してるんだ。それにしても理樹が少しヘンだな……って、ヘンなのかな」
「!!」
僕の特異な能力の状態が二人にも伝わったみたいだった。
「おい理樹、いったいどういうことだ!!?」
「いや、分からないよ。ていうか当たってる?今の?」
「当たるも何もだな……そのままだ!」
「直枝さんはエスパーにでもなったのでしょうか……とても不思議です」
「僕がエスパー?サイキック??」
「まさにそうじゃないのか?お前は今さっき俺の思っていたことを読んだ」
(「そうかーーこれがエモーショナルな生き方なのかなーっ???」)
と、胸がさわいだ拍子に頭がぐらりと重くなった。
「あれっ、そうだ……思い出した。僕はマッド鈴木の実験台になったんだ」
「「いったいどうしたんだ……理樹よ……」」
「今謙吾が腹話術士みたいに見えてるよ」
このままでいくと僕の未来は奇人さんとして名声を博するところになる。
何か面倒に巻き込まれたようでやたらと気が重い。人のプライバシーをまっ
たく無視してしまうようなこんな能力は僕自身は願い下げだった。そこで僕に
残った思いは鈴木にどうにかしてもらうしかないなという一念のみだった。
- 321 :vsマッド鈴木 7/8:2010/01/15(金) 14:30:32 ID:1K9s4ms70
-
僕は謙吾と西園さんに付き添いにきてもらい、科学部へと向かった。
鈴木は言った。
「何?人の心が読めるようになった?……それはエキサイティングじゃないか!」
「いや、困るんだ。僕はそんなの望んでなかった」
「本当に読めるのかい?統合失調症のうちの思想伝播かなんかなんじゃないのかね?」
「いや、そうじゃないよ。この二人が証人だ」
僕は謙吾と西園さんを紹介した。
「直枝さんは確かに……少しだけですけど、わたしの心を読んだんです」
「俺も読まれたんだ」
「でもさ、僕こんな能力いらないんだ」
僕の言葉を聞いて眉間に皺をよせた鈴木は、分からないといった風に言った。
「きみはそんな有用性のある能力を捨ててしまうというのかい?いやはやまったく無欲というのか
なんというのか……まぁいいだろう。同じ具合に装置をセットしてみるから一度それを受けてみてくれ。
その先どうなるのかは……分からないが……「マァ運次第だな」」
「なんて無責任な……」
読まずとも言いたくなる。
「木村、山崎、スタンバイだ!」
かちゃり
そしてなぜかもう一度手錠をはめられる僕。
「この装置はたった1日で開発したものだ。よもやNYPとはまったく関連のない別の装置になっている
とは思いもしなかった。実に残念だよ」
「人さらいみたいなことまでやっといてなんだよ」
「まぁいいじゃないか。それじゃあトライツーだ。スイッチオン!」
- 322 :vsマッド鈴木 8/8:2010/01/15(金) 14:35:20 ID:1K9s4ms70
- 最初に起動したときとは逆に、奥から手前へとレバーが引かれた。すると、静電気のかたまりのような
ものがその場に存在していたのか、光が部屋中を走り抜け、窓枠をびりびりと震わせた。と、そこまでは
前とまったく同じだが、その後だ、装置から黒煙が上がり始めた。
「いけない、バースト状態だ。しかし途中で止めるわけにもいかない」
いちだんと眩しい閃光を放ったそのとき、僕の体を支えているその装置がボコッと嫌な音をたてた。
そして(一応痛いので)僕は思わず声を出してしまっていた。
「……くあっ」
西園さんが急いでテーブルに置かれた鍵を手にとり、近寄って、手錠を開けてくれる。
「怪我はありませんか。大丈夫ですか」
懸命に僕の容体を心配してくれる。
それとは対照的に、鈴木は僕に対して何の配慮もないといった風に声をかけてきた。
「ふーむ、どうだい。機械は壊れてしまったようだが……何か変わりはあるかい?」
「変化……」
僕は思わず西園さんの顔をながめた。
「今心配してくれてる」
そこを謙吾に突っ込まれてしまう。
「当たり前だろう、馬鹿」
さっきまでの頭のなかに響くような声は何も聞こえてこない。
「どこもおかしなところはないんですね」
「背中が少し痛いだけ。ありがとう案じてくれて」
鈴木は装置の電源を切り、不満そうに言った。
「それじゃあ結局元通りってことか。しかし惜しいな。設計図もなしにつくったものだから、
二度と同じものはできないだろう。でもきみが被験者でよかったのかもしれないな」
「何が被験者ですか。元通りにならなかったらどうするつもりだったんですか!」
「確かに責任の取りようはないな。済まなかった」
怒られてようやく冷静になれたのか、鈴木は傲慢な表情のなかにも、やや申し訳なさそう
な色を浮かべていた。
「直枝さん……よかった」
こうして僕は、鈴木がマッド鈴木と呼ばれていることに納得がいくようになった。
そして、西園さんから思った以上に慕われていることを知ることとなったのであった。
- 323 :名無しさんだよもん:2010/01/15(金) 14:37:08 ID:1K9s4ms70
- うん、つまらない。読了乙です。
途中連投規制にかかったため二日にわたってしまいました。
- 324 :憩う 1/4:2010/01/17(日) 06:12:35 ID:ZFdayrnJ0
- 日曜の晴れた空。待ち合わせのバス停に一番早く着いたのは僕だった。
なんていっても日帰りなので、待ち合わせの時間は7時と早めの設定だ。
マフラーで口元を隠すようにして寒さに耐えていると、まずは西園さんがやってきた。
「おはようございます、随分と早くに着いていらしたんですね」
「僕が言い出しっぺだしね」
人の行き交いもまばらの交通路を眺めていると、横断歩道の向こう側から
やってくる小毬さんの姿が見えた。僕は小さく手を振って居場所を示す。
まったく慌てたようすもなく、僕らのほうへと向かってきてくれる。
「おはよーう理樹くん、みおちゃん。まだ風が冷たいねー」
「まったくだよね。手が冷たいよ」
小毬さんも西園さんもコートを羽織ってきている。
近ごろ通過した寒冷前線の影響のせいで、めっぽう寒い。
来ヶ谷さんとクドのふたりもそれからほどなく、待ち合わせ時間に遅れること
なく到着した。後は葉留佳さんを待つのみ。
「……寝坊かな」
バスの時間は15分発。それに間に合うかどうかがいささか心配になってきた
ので、葉留佳さんの携帯にメールをいれてみることにした。
『すぐにでも一報ください。みんなもう揃ってるよ?』
それだけ打ち終えると携帯をデイバッグにいれた。と、同時に振動があった。
『今起きたよーーっ!!後からバスで追うから先に行っててっ!!
みんなにもよろしく伝えておいてくださいネ!!』
来ヶ谷さんが苦笑気味に答える。「しょうがないな、葉留佳君は」
「どうしようか、この分だと40分くらいは待つことになるし、葉留佳さんの言う
通り先にいっちゃおっか」と僕は提案した。
「そうですね、少し残念ですけどまた向こうで会えますし、待たずに行くという
のもわたしはいいと思いますよ」
「私はみなさんの意見に合わせたいと思います――リキ、ちょうどバスも着い
たみたいなのです」
ぷしゅーと音を立てて開く自動ドア。目的のレジャースポットまでの道のりは1
時間くらいかかる。その間葉留佳さんはひとりになるわけだけど…僕たちは乗
り込むことに決めた。メールで密に連絡を取っていればそれほど寂しい思いも
させないだろうと思い至ったからだ。
- 325 :憩う 2/4:2010/01/17(日) 06:17:31 ID:ZFdayrnJ0
- 「わふーっ!きれいな施設なのですー!来られなかった井ノ原さんたちに何だか
申し訳ないような気がしてしまいますー」
「鈴ちゃんも来られればよかったのにね」
まず僕はみんなからお金を集めることにした。
「ここのスパの食事つきのプランだから――みんなお金徴収ー5千円ー」
おのおのから代金をもらうと、フロントでまとめてチケットを購入した。
「じゃあ水着に着替えたらみんなは向こうに行っててよ。僕は葉留佳さんを待ってるから」
「そうか、じゃあ私たちは先に向こうにいるからな」
僕の代わりにといったように、来ヶ谷さんがみんなを先導してくれる。
「では葉留佳さんが到着するまでわたしたちは中を見学する程度にしておきますね」
「見学ですか?それでしたら私たちもロビーで待つのがよろしいのではないでしょうか」
クドが疑問を呈す。それに対して「それじゃあ僕と小毬さんで待つよ」と僕は答えた。
「ほえ?わたしと一緒に待ちますか」
「うん、一緒に。いいよね」
ほぼ僕の独断で二人で待つこととなり、
来ヶ谷さんと西園さんとクドは一緒にロビーの奥へと消えていった。
「8時30分だね。さっきメールしたときにはもうバスに乗り込んだって言ってたんだけど…
いったいいつ頃来るかな…」
「そう焦らなくてもはるちゃんは来ると思います」
「だといいんだけどね」
僕は自販機で缶コーヒーを二本買って、そのうちの一本を小毬さんに手渡した。
「はいこれ」
「ぁわっ、理樹君ー熱いーっ。って、もう一本ははるちゃんのー?」
「そうそう。向こうにイスがあるからくつろいでようよ」
エントランスの左隅に設けられた休憩所のイスに腰掛けて、葉留佳さんを待つことにした。
(「来たらコーヒーでも飲んで落ち着いてもらおう」)と。
- 326 :憩う 3/4:2010/01/17(日) 06:21:32 ID:ZFdayrnJ0
-
……それから45分、小毬さんの募金活動のことなどを話しているうちに時間は過ぎ、
ようやく目的の人物が姿をあらわしたのであった。
「やぁやぁ!遅くなっちゃった!」
「軽っ!」
「私たち結構待ったんだよー」
「本当にごめんね、目覚ましかけるの忘れちゃったんですヨ」
「まぁこの程度の遅れでよかったけどさーあやうく非参加になるところだったんじゃない?」
「理樹くん連絡してくれてありがとね。こまりんも待っててくれてありがとう!
よい友に恵まれてるナァはるちん。感動ものですヨ!」
愛嬌でごまかそうとしてるかのような素振りだが、いやらしさはない。
僕は人肌程度にぬるくなった缶コーヒーを、
「急いでたでしょ、買っておいたからこれで喉うるおしてよ」と手渡した。
休憩所で少しゆったりとした時間を過ごしていると、もう9時30分にもなろうかという時間になっていた。
そろそろみんなも待ちくたびれているころだと思う。僕らも更衣室へと向かうことにした。
「じゃ、男女別々だから」
のれんのところで別れ、室内に入り、ロッカーを確保した。
トランクスタイプの水着に着替え、私服をしまい、手首に鍵を巻きつけた。
男の着替えなんてあっという間だ。そのまま共同の温泉スペースへと足を運んだ。
「あ、直枝さん!三枝さんは到着されたのですか?」
「うん、ついさっきね。目覚ましかけ忘れてたんだってさ」
「葉留佳君らしいな」
いうまでもなく、来ヶ谷さんたちはともに水着姿。
そこへさらに登場したのが小毬さんと葉留佳さんだ。
「遅くなってごめんね。このはるちんを許して下さいなー!」
「三枝さん、たびたび遅刻しますよね」
冷淡にあしらう素振りをみせた西園さんに、葉留佳さんは困り顔になる。
「美魚君は冗談で言っているだけだ。あまり深刻にするな」
来ヶ谷さんがフォローを入れると、硬い表情がほどけていった。
- 327 :憩う 4/4:2010/01/17(日) 06:32:20 ID:ZFdayrnJ0
-
「まぁこうして揃ったことだしまずは準備体操でもしようか」
「あんまり泳いだりする訳じゃないからしなくても大丈夫だと思いますよー?」
「一応一応。足つったりすることもあるかもしれないしね」
と言って僕が先導して体操を始め、いちにさんしーごーろくしちはち、と、
アキレス腱やひざ、腿の筋や足首を重点的にほぐした。
「じゃあゆったりと入ろうか」
そう言うと僕は、温泉のなかへとどっぷり沈み込んだ。
クドもついてまわる。
「ふぁ、気持ちいいのです。でも今こうして私たちが休んでいる間、棗さんは求職活動、
宮沢さんは剣道の練習に打ち込んでいらっしゃるんですね」
「そうそう、でも真人は金銭的な事情で来られなかったんだ。これってけっこう大きいよ。
僕一人しか男がいないし」
「まぁ真人少年には某店のシガールでも買っていってあげようじゃないか」
「お土産のお菓子?そうだねー」
「あ、私も食べたいから後でおすそ分けしてもらおーっ」
「そうするとさ、結局みんなで食べちゃいそうだよね」
「だったら二箱くらい買っちゃいますか?」
「中にチョコが入ったタイプのもあるんです。ですからスタンダードのと分けて食べましょう」
「鈴の分も忘れたら駄目だよ」
帰りの見通しをつけながらわいわいと入浴。
地下1500Mから湧き出ている温泉の効能にひたり、
僕たちは、日ごろのささいなストレスも忘れ去っていた。
---------------------------------------
今日は規制にかからずに終えました。
それとは関係ないけど1に乙る。
- 328 :丸ゴシック体の人 ◆GothicfNhE :2010/01/18(月) 22:13:17 ID:B1KpmGNs0
- 連作GJです。
とくに温泉の話はもっと掘り下げて読んでみたい気もするぞ。
というわけで、私からも一作品を(1年3ヶ月ぶりの投稿だ!)。
ここの絵を見てたら、リトルバスターズの会話が聞こえてきたので、
それを書き記してみました。 → http://suezen.cool.ne.jp/nenga2010c.jpg
それでは参ります。
「一年の計は団欒にあり」 (18/18)
- 329 :一年の計は団欒にあり 1/18:2010/01/18(月) 22:15:00 ID:B1KpmGNs0
- 1月7日。そろそろ正月の浮かれた気分もなくなりかけた頃。
僕達は、寮の僕と真人の部屋で、リトルバスターズ大新年会の準備をしていた。
部屋の床に粘着ローラーをかけて、余分なものをベランダに出して、置いておく。
何せ、この狭い部屋に12人が集まる(しかも半数以上は女子)から、丁寧に掃除しておかないといけない。
「理樹、持って来たぞ」
こたつ一式を脇に抱えた真人が、休憩室から戻ってきた。
「ありがとう、真人」
「掃除はもう終わったから、こたつ、置いていいよ」
「おっけー」
そう言うと真人はこたつ台を置き、電熱器を中央にセットしてからこたつ布団を上にかける。
そして天板を置き、線を延ばして壁際のコンセントにつなげる。
たちまち電熱器が赤く光り、こたつの中を暖め始めた。
「理樹、どんな鍋なんだろうな」
「どうだろうね…」
今、家庭科部室では来ヶ谷さんと葉留佳さんが、鍋の仕込みの真っ最中だった。
「…でも来ヶ谷さんがいるから、とりあえず食べられる鍋にはなると思うけど」
「だよな」
葉留佳さんだけだったら、多分『闇鍋闇鍋ー♪』って感じで、靴下を食べる羽目になりそうだった。
- 330 :一年の計は団欒にあり 2/18:2010/01/18(月) 22:35:34 ID:B1KpmGNs0
- 「リキ、井ノ原さん。持って来ました」
家庭科部室から電熱調理器を持って来たクドが、入ってきた。
「あ、クド、ありがとう」
僕達もカセットコンロは持っていたが、大人数の中で火を使うのもどうかと思い、クドにお願いしていたのだ。
「おこたの上に置いちゃって、だいじょうぶですか? リキ」
「うん。もう拭いてあるから、どうぞ」
「お邪魔しますです」
と言いながら、こたつの中央に電熱調理器を据えて、壁のコンセントにつなげた。
「そういやクー公。鍋って、どんな鍋なんだ?」
「クドも見てるんでしょ? よかったら教えてくれないかな」
「ひみつですっ」
クドは笑顔で僕達の質問をいなした。
「じゃ、醤油系か味噌系かだけでも教えてくれよ」
「うーん………………」
「大豆系ですっ」
クドは謎の言葉を残して、ふたたび家庭科部室へと戻っていった。
「大豆系? どういうことだよ、理樹」
「味噌は大豆からできるけど、その事ではなさそうだよね…」
「うぃす」「持って来たぞ」
入れ替わりに恭介と謙吾が、食器類を持って来た。
「理樹。そろそろ料理が到着する」
「紙コップ、確か持って来てたよな」
「あ、うん」
と言って僕は、机のひきだしから紙コップを取り出した。
- 331 :一年の計は団欒にあり 3/18:2010/01/18(月) 22:39:40 ID:B1KpmGNs0
- 「第2回リトルバスターズ!チキチキ 一年の計は団欒にあり・新年鍋パーティー!」
いつものように恭介のタイトルコールで、新年会が始まった。
「第1回ではないのですか?」
「去年もやったんだよ。この、新年鍋パーティー」
「毎年恒例なの? 理樹君」
「というわけではないんだけど……」
「小毬。7日は学食だと、七草がゆとか軽いものしか出ねぇだろ?」
「それで真人が去年『肉食いたい!』と駄々をこねはじめて、仕方なく食材を集めて、仕方なく始めたんだ」
「んだよっ、それじゃオレが困ったガキみたいじゃねぇかよっ」
「オレはプロテインだけでもいいんだよよ………オレの筋肉を飢えさせるわけには、いかなかったんだよっ」
「へぇ、あなたの筋肉は直接、ごはんを食べるのね」
「屁理屈こねてんじゃねぇっ、二木っ」
「何を言ってるの。当然の疑問でしょう?」
二木さんと真人が言い争いを始めるそばで、僕は全員を見渡した。
ふたり、足りなかった。
「そういえば、みおちんとささみんがいないですネ」
「あのな、はるか」
「みおは今日、実家からかえってくるっていってた」
「鍋にはまにあうから『全部食べないでくださいね』ってメールがきてた」
「なるほど………じゃ、ささみんは?」
「それは知らない。でも、ま、いいだろ」
と鈴が言うや否や、小毬さんの膝の上にいた黒猫が、ふにゃあー、と鳴いた。
- 332 :名無しさんだよもん:2010/01/18(月) 22:43:45 ID:7q0ahCtf0
- 支援
- 333 :一年の計は団欒にあり 4/18:2010/01/18(月) 22:43:53 ID:B1KpmGNs0
- 一度、火から下ろしておとなしくなった鍋だったが、電気調理器の上で再び、くつくつ、と小躍りを始めていた。
さっきからずいぶんクリーミーな匂いがする。
豆乳鍋って、一体、どんな鍋なんだろう………?
「では諸君。披露しよう」
と言いながら左手にミトンをはめた来ヶ谷さんが、鍋の蓋に手をかける。
「おねーさんお手製の豪華豆乳鍋、とくとご覧あれっ」
そして一気に、蓋が開け放たれる。
それまでほのかに漂っていたクリーミーな匂いと共に、ダシの香りが部屋全体へと放たれた。
鍋の中では、色とりどりの野菜や肉が、鍋全体に咲き誇っている。
おおー、と真人と謙吾がため息をもらす。
「みたことない鍋だな」
「豆乳鍋だ、鈴君」
「なにぃっ!?」
「……………来ヶ谷、すまん」
「うん?」
「俺は、豆乳が苦手なんだ……」
「いや、俺もこれ食ったんだけど、豆乳独特の臭みもなくて、すげぇうまいぞ」
ままま、いっぺんどうぞ。と葉留佳さんが言いいながら、小皿に少しスープをとりわけ、謙吾に手渡した。
謙吾は少しためらっていたが、覚悟を決めたのか、えいやっ、と一気にスープを呷る。
「………………」
「……おい、これ本当に豆乳か?」
「すごいうまいじゃないかっ」
謙吾の会心の言葉に、リトルバスターズが歓声をあげた。
「豆乳と同量の出汁を合わせるだけで出来る簡単お鍋だ。諸君らも試してくれたまえ」
そんななかで来ヶ谷さんがあらぬ方向を向いて、訳の分からない事を言っていた。
- 334 :一年の計は団欒にあり 5/18:2010/01/18(月) 23:03:25 ID:B1KpmGNs0
- 「早く食おうぜっ」
ウキウキしっぱなしの真人を制して、来ヶ谷さんがひとりひとり、具を取り分けていく。
お菓子ばかり食べ過ぎないようにな、と小毬さんには色の濃い野菜を多めに。
少しでも成長出来ますように、とクドには出汁をとったいわしを何匹か添えて。
キミはどうせ後でたくさん食べるだろう、と真人には残り物の白菜の茎をたくさん入れて。
そして僕はみんなの紙コップにウーロン茶を注いで渡す。
「それではご発声をリーダー、どうぞ」
旧リーダーの恭介が、新リーダーの僕に発言を促した。
僕はとりあえず立ち上がると、無難なあいさつをした。
「去年はバス事故とかいろいろ大変だったけど、今年一年、いい年でありますようにっ」
そして、乾杯! とコップを盛大に合わせて、リトルバスターズの新年会は、めでたく始まったのであった。
しかし騒がしくなったのも束の間、全員いっせいに、各自取り分けられた具を口に入れる。
「………………」
一瞬の静寂の後、真人が吼えた。
「うめえ!」
「これが肉だったらもっとうめえ!」
そう真人は叫ぶと、まだ熱い白菜の茎を口いっぱいにほおばった。
「すごいおいしいよ〜」
小毬さんが至福の表情になる。
「おお、うまいじゃないか。くるがや」
鈴は偉そうに言う。
「こっ、これはおいしいのですっ」
「豆乳を煮込むと、こんなにくりーみーな味になるのですかっ」
「うむ。私も恭介氏から教わった甲斐があるというものだ」
- 335 :一年の計は団欒にあり 6/18:2010/01/18(月) 23:21:23 ID:B1KpmGNs0
- 「でもクド公。あの鰹節と昆布でとったダシも、いい仕事してましたヨ」
「そうですか?」
「私も見たけど、びっくりしたわよ」
「家庭科部って、あんな贅沢なものを使ってたのね………」
「…私も使ってみたいわ、あんないい鰹節」
「佳奈多さん。あーちゃん先輩に紹介しましょうか?」
「いっ、いいわよっ」
窓ガラス沿い、一番奥の席に小毬さんと鈴が並んで座っている。
そしてなぜか小毬さんの膝の上には、見たことのない黒猫が座っていた。
いつも僕が寝ているベッドには、葉留佳さんと来ヶ谷さんが腰掛けて、来ヶ谷さんが鍋に具材と豆乳を追加していた。
机の脇には真人と恭介が並んで座っていて、鈴と真人の間に、クドがちょこん、と挟まっていた。
僕も席が取れなかったので、小毬さんと葉留佳さんの間に座っている。
入り口に一番近いところには二木さんと謙吾が座っていた。
- 336 :一年の計は団欒にあり 7/18:2010/01/18(月) 23:30:08 ID:B1KpmGNs0
- 「………そういえば、さ」
来ヶ谷さんが追加した具が煮えるのを待つ間、僕は二木さんに話しかけた。
「二木さんもすっかり、リトルバスターズになじんだよね」
「な、何言ってるのよ、直枝っ」
「私はあくまでも葉留佳の保護者としてここにいるのであって………」
そしていつものように、私はリトルバスターズの仲間ではない、ということを顔を真っ赤にしながら、述べた。
「何を言っている。佐々美君も佳奈多君も、すっかりリトルバスターズの一員じゃないか」
「そうだぞ、二木」
二木さんの反論の機会を封じながら、恭介が来ヶ谷さんの援護にまわった。
「こないだのバトルだって、嫌々言いながら一番熱中してただろうが」
「!!…………………」
「………た、確かに熱中してしまいましたけれども、でもそれとこれとは………ごにょごにょ………」
たちまち亀みたいに閉じこもる二木さん。
「でも半年前までは、考えられなかったよ………」
「はるちゃんもかなちゃんも、なかなおりできてよかったねっ」
「それ以前に、はるかとふたきが双子だってことすら、いわれるまで知らなかったぞ」
「…髪のクセ、色、それに同じ髪飾り………怪しいとは思っていましたが………」
「でもどう見ても、風紀委員がつける髪飾りじゃないもんな。これ」
そう言って恭介は、葉留佳さんのほうを見ながら二木さんの髪飾りをちょん、と触る。
うつむいた二木さんの体が、一瞬、ぴくっ、と反応した。
「しかしこうして今、全ての事情を知ったうえで、改めて見直してみると………」
「………より一層、いとおしく見えるよ」
「やっ! やめてくださいっ、来ヶ谷さんも、棗先輩もっ………」
- 337 :名無しさんだよもん:2010/01/18(月) 23:32:32 ID:bDL6+z1M0
- s
- 338 :一年の計は団欒にあり 8/18:2010/01/18(月) 23:33:02 ID:B1KpmGNs0
- 「でもおまえら、本当に目の色以外、そっくりだよな…」
「そりゃ恭介さん。一卵性双生児ですからして」
「となると双子の定番ネタ、入れ替わりなんてやった事あんのか?」
「!!………………」
「やはは、バレちゃいましたか?」
二木さんは驚いて顔を挙げ、葉留佳さんは頭を掻いていた。
「バレたって………今まで何度か、入れ替わってたの?」
「そんなわけないでしょっ」
「いやだっておねぇちゃん。青と黄色のカラーコンタクト、何枚か持ってるじゃない」
「持ってないわよっ」
「だいたいからして、入れ替わっても分かっちゃうでしょっ」
「うん? 目の色が変わって、髪型も変わったらわかんねぇだろ」
と言う真人を睨みつけて、二木さんが命令した。
「男性陣、耳を塞ぎなさい」
「何だよ、いきなり」
「いいからっ」
何がなんだかよくわからないまま、二木さんの言うとおりにする。
二木さんが顔を真っ赤にしながら、二言三言、つぶやくのが見えた。
たちまち高笑いをする来ヶ谷さん。
胸を張りながらにやりと笑う葉留佳さん。
そしてそんな葉留佳さんに詰め寄る二木さん。
どこからどう見ても、仲良し姉妹がじゃれあっているようにしか、見えなかった。
- 339 :名無しさんだよもん:2010/01/18(月) 23:33:08 ID:NwW8bsCJ0
- 支援
- 340 :一年の計は団欒にあり 9/18:2010/01/18(月) 23:42:06 ID:B1KpmGNs0
- 来ヶ谷さんが追加した具材もすっかり消費されて、今度は葉留佳さんが鍋奉行になった。
さて天性の閃きだけで生き抜く葉留佳さんは、どんな鍋を僕達に提供してくれるのか。
…でも、靴下は食べたくないなぁ。
「………そろそろ、頃合いですかネ」
豆乳とは違う甘い匂いがたちのぼる僕と真人の部屋。
葉留佳さんがそう言って、右手にミトンを装着した。
「葉留佳さん。今度は何鍋なの?」
「それは見て驚け! 聞いて驚け! 食って驚け! ですヨ」
おりゃっ、と言いながら葉留佳さんが蓋を開くと、さっきまで乳白色だった鍋の色が、少し茶色くなっていた。
取り皿と箸を手に突撃する準備万端整っていた真人と謙吾が、動きを止める。
「なんだ…? この色………」
「はるちゃん、おみそ入れた?」
「うん。豆乳鍋は味噌豆乳鍋にジョブチェンジしましたー!」
そして自分の口でファンファーレを奏でる葉留佳さんだった。
「葉留佳君。味噌なんか入れたらしょっぱくて風味が壊れるんじゃないか?」
「甘めの白味噌を入れましたから、そのヘンは大丈夫ですヨ」
「三枝、入れるなとは言わんが、せめて一言断れ………」
「そうですよ、三枝さん」
と入り口から、別の声が聞こえてきた。
「わたしも豆乳鍋、食べたかったです…」
紙袋を両手にぶら下げた西園さんが、ドアの前に立っていた。
「…みなさん、明けましておめでとうございます」
おめでとう、とみんなが一斉に声をかける。
「西園。大漁だったか?」
恭介が西園さんの袋の中を覗き込みながら言う。
「…いえ、少し足りなかったので、大須に立ち寄ってきました」
- 341 :一年の計は団欒にあり 10/18:2010/01/18(月) 23:45:57 ID:B1KpmGNs0
- 「…こちら、よろしいでしょうか」
そう言って西園さんは、二木さんと恭介の間の隅に腰を落ち着けた。
「どうぞ」
「ああ、構わんぞ」
「直枝。取り皿と箸とコップ」
「うん、ちょっと待ってね」
「西園さん、ウーロン茶でよかった?」
「…はい、お願いします」
「濡れるといけないから、袋は理樹の机の下に置いておけ」
「…ありがとうございます」
恭介が僕の机の椅子を引き出し、そこに西園さんの荷物を置いた。
「………………」
あたりに、何とも言えない空気が立ちこめる。
西園さんの趣味───ごにょごにょ、な本───については黙殺するのが、みんなの間で暗黙の了解になっていた。
「………………」
そして周囲の目を気にせず、あたりまえのように本を開きだす西園さん。
「…このへんであれば、二木さんにも受け入れていただけるかと………」
「いっ! いいわよっ」
うわあ、西園さんが二木さんを捕食しようとしてる…。
「………………」
二木さんの抵抗は無視して、ぱら…、とページをめくる西園さん。
「………………」
「………………」
「………………」
僕達は西園さんと二木さんのほうを見ないようにして、おのおの、鍋に集中した。
『………二木さん、さようなら。』
- 342 :一年の計は団欒にあり 11/18:2010/01/18(月) 23:57:58 ID:B1KpmGNs0
- 西園さんが参加したことで、鍋の消費ペースはどんどんあがっていく。
3杯目の鍋もあっという間にクリアされ、僕達の目の前では4杯目の鍋がことこと、と準備運動をしていた。
4皿用意していた具材も、あと1枚。おそらく次の5杯目でラストになるだろう。
これならなんとか、食べきれそうだ。
「葉留佳君。締め用のうどんはどこにあるかな?」
と思ったら鍋には『締め』があったんだった!
「あ、すいやせん姉御。家庭科部室に置きっぱなしでした」
「取りに行ってやろうか? 三枝」
入り口に一番近いところにいた謙吾が立ち上がる。
「かたじけのうござりまする、謙吾どの」
「謙吾少年。甘やかすと葉留佳君のためにならんぞ」
「いや、いい。ちょうど外の空気も吸いたかったところなんだ」
「…全く、ダメだな。葉留佳君は」
「すいやせん………」
あまり真剣にわびているようには見えなかった。
「葉留佳君。お詫びに謙吾少年と結婚したまえ」
「なんじゃそりゃ!」
「どんなお詫びだっ、来ヶ谷っ」
そして小毬さんが抱きかかえていた猫が、ふぎゃー、と抗議するように鳴いた。
「あ、それと謙吾少年」
「食後のデザートも冷蔵庫に入ってるから、一緒に持って来てくれるとありがたい」
「わかった」
リトルバスターズジャンパーを羽織り直すと、謙吾が部屋から出て行った。
- 343 :名無しさんだよもん:2010/01/19(火) 00:00:17 ID:JUkn0EA20
- i
- 344 :一年の計は団欒にあり 12/18:2010/01/19(火) 00:06:24 ID:w6CAnv7D0
- 「んじゃ、さっそくいただくぜっ」
謙吾が出て行った瞬間、真人が直箸で鍋をつつきだした。しかも取るのは肉、肉、肉。肉ばかり。
「井ノ原さんっ、お肉ばかり取ったらダメですっ」
たちまち真人の取り皿には、肉の山が出来ていた。
「クー公、止めるな。オレは今、猛烈に肉が食べたいんだっ」
「…ほう? 真人少年」
「最初に白菜ばかりオレによこしやがっておかげで筋肉が腹減ったと泣いているじゃないか責任とっておまえの筋肉よこせいやおまえは全然筋肉なんかなかったよな、という事か?」
「い、いや、そ、そういう訳じゃねぇけどよ…」
真人のいいがかりを、来ヶ谷さんが完璧に学習していた。
いっぽう僕は具を追加しようと、皿を探していた。
葉留佳さんが、僕の掛け布団にもたれかかっていた。
「葉留佳さん?」
「朝から働きづめで、ちょっと眠くなっちゃった…」
僕は来ヶ谷さんの後ろに置かれた食材を取ろうと、横たわった葉留佳さんの体の上から腕を伸ばし、皿を手に取る。
それを僕のそばに置き直そう、と思ったら、葉留佳さんが僕の布団をもぞもぞ、と触っていた。
「……何してるの? 葉留佳さん」
「えへへ〜〜……」
眠そうで嬉しそうな顔をして、僕の布団に顔をこすりつけ始める葉留佳さん。
「理樹くんのにおいだぁ〜………」
「え、えっ、ちょ、ちょっとやめてよっ」
しかも顔をうずめて、すーはーすーはー、匂いまで嗅いでいる。
これはやめさせないと。
「や、やめてよっ、変な匂いとかしてるかもしれないし………」
「男が女のフェロモン臭を求めるように、女も男の汗臭さを求めるのが人の世の常なのだよ」
そんな世の常なら僕は世捨て人でいい。
と思った瞬間、扉ががちゃり、と音を立てて開いた。
「………………」
ビニール袋を手にした謙吾が僕達を見て、凍り付いていた。
「は、葉留佳さん。ほら、謙吾がすごい不思議そうな顔でこっち見てるから…ね? やめようね…」
どうにか葉留佳さんを説得して、起き上がってもらった。
- 345 :一年の計は団欒にあり 13/18:2010/01/19(火) 00:18:36 ID:w6CAnv7D0
- 葉留佳さんを片付けたら、今度は真人だ。
「ほら真人。ひとりじめしちゃダメでしょっ」
「うん? 理樹。また真人がやらかしたのか」
「そうなんだよ………謙吾が出て行った瞬間、鍋の肉という肉を集め始めてさ………」
「………相変わらずだな、真人」
「ほら真人。取った肉をみんなに返して」
「悪ぃ、理樹」
「というかこの肉はよ、理樹のためにオレがとっておいたんだよ」
「ミエミエのうそをつくなぼけー!」
座ったまま、真人の後頭部に裏拳を打ち込む鈴。
そして真人は自分で盛りつけた肉の山に、おもいっきり顔をつっこんだ。
「うわぁぁぁああぁぁぁぁーーー!! に、肉しか見えねぇーーーーーー!!」
天を仰ぎ頭を抱えた真人の両目に、良い具合に煮込まれた肉がぴたり、と張り付いていた、覆い隠していた。
肉が真人の取り皿から四方八方へと飛び散り、そのうち1枚が小毬さんの抱える猫に、張り付いた。
ふぎゃー! と黒猫は小毬さんの腕を飛び出して、頭を抱えた真人に飛びかかる。
そして真人の頭に登ると、バリバリ、と爪を立ててひっかきだした。
「うおおおぉぉぉーーーっ! ね、猫の爪いてぇーーーーーー!!」
「ほわああぁぁぁぁぁ…」
「こら、食事をしているそばであばれるなっ、毛がおちるだろっ」
「相変わらずだな、真人。おまえは」
「おまえら、オレのことも心配しろよっ」
ふにゃー、にゃー、と声をあげながら、その猫は真人の頭に爪をかけ、抵抗した。
「うむ。さすがの筋肉マスターでも、頭は弱点だったか」
「…その言葉に二重の意味を込めているんですね、来ヶ谷さん」
そして小毬さんと鈴で、どうにか猫をひきはがすことに成功したのだった。
- 346 :一年の計は団欒にあり 14/18:2010/01/19(火) 00:35:55 ID:w6CAnv7D0
- 「うぅぅ………」
クドのマントと制服と髪が、飛び散った鍋の汁と具でたいへんなことになっていた。
「…悪ぃ、クー公」
「たいへんな目に遭いましたのです………」
「ほら、クドリャフカ君。これで拭きたまえ」
「すみませんです………」
「………全くロクな事しやがらないなこの独活の唐変木は」
悲しいうめき声をあげながら、頭や制服をペーパータオルでぬぐう。
僕と小毬さんで、周囲に散らばった具や汁も拭いていった。
「もう大丈夫だよ、みんな」
そして元の位置に戻った小毬さんの膝には、さっきまで真人をひっかいていた猫が、さっそく座っていた。
「いきなり飛びかかったら、めっ」
小毬さんは叱りつけていたが、黒猫はどこ吹く風か、にゃー、と鳴いていた。
「こまりちゃん。その猫、どこかへやれないのか?」
「それがね、私の膝の上から動いてくれないの………」
「鈴。おまえ猫の扱いには慣れてるんだろ? なんとかしてやれよ」
「いや、さっき取り上げようとしたら、ものすごい勢いでていこーされた」
「クーちゃんなら、どうかな?」
クドが立ち上がり、小毬さんのところへ移動する。
そして猫を触ると、あっという間になついてしまった。
「この子、人を選ぶのかなぁ………?」
「あたしもみたことないんだ、この猫は」
しっぽに巻き付けられているリボンが、どこかで見たことあるような気がした。
- 347 :名無しさんだよもん:2010/01/19(火) 00:40:53 ID:JUkn0EA20
- e
- 348 :一年の計は団欒にあり 15/18:2010/01/19(火) 00:56:08 ID:w6CAnv7D0
- 最後の鍋からは、ずいぶん辛そうな匂いが漂っていた。
これなら鍋を開けるまでもない。最後の鍋はキムチ豆乳鍋だ。
「…あまり辛いのは、苦手だよ………」
といいながら小毬さんは、コップにオレンジジュースをついでいた。
「こまりんっ、食事中にジュースを飲む人がどこにありますかっ」
「…愛媛の人?」
珍しく小毬さんが狙ってボケた。
「エヒメでもシズオカでもワカヤマでもダメなものはダメっ」
そりゃ確かに、愛媛じゃ水道をひねればオレンジジュースが出てくる、っていう都市伝説は聞いたことがあるけどさ。
「三枝さん。このお鍋で最後ですか?」
「ううん、最後にうどんでシメるヨ」
「…ちょっと、おなか一杯かもしれません」
小食な西園さんが、おなかを押さえた。
「確かに、11人で鍋5杯プラスうどんは多いわね」
「でもふたき。野菜もたべたから、あたしはそんなに腹いっぱいじゃないぞ」
「まぁ、そっちは井ノ原真人が肉ばかり食べてたから、そうなるかもね」
「…でも、みなさん」
「うん?」
「鍋のシメはうどんではなくて、おじやではないのですか?」
「えっ………?」
「僕の中では、うどんなんだけど」
「どう? 他のみんなは」
と意見を訊いてみると、おじやの方が優勢みたいだった。
「そうなんだ………」
「まぁ、一概にうどんが良い、という訳でもないぞ、理樹君」
来ヶ谷さんが『又聞きなのだが』と前置きしたうえで、教えてくれた。
「プロの料理人が言うには、あっさりした鍋にはおじや、濃い味の鍋にはうどん、が良いらしい」
「となると、キムチ豆乳鍋にはうどんで正解、ってことですネ」
「うむ」
- 349 :一年の計は団欒にあり 16/18:2010/01/19(火) 01:18:50 ID:w6CAnv7D0
- 「ふぅー、食った食った!」
最後のキムチ豆乳鍋とうどんを平らげると、真人が満足げにひっくり返って、言った。
「もうたべきれないよ…」
「これ以上は、無理だ…」
「おや、小毬君、鈴君」
「デザートにプリンを作ってあるんだが、それも無理かね?」
「それはいただきますっ」
「それは別腹だっ」
あっという間に復活した。
「全く、現金ね」
「本当に、現金…」
「僕は、おなかが落ち着いてから食べたいな」
「まだ口の中が辛い辛いなのです………」
薄くなってしまった味を濃くしようとして、葉留佳さんがキムチの素を入れすぎてしまったのだ。
「………………」
西園さんは葉留佳さんのほうをじとーっ、とした目で見つめていた。
「………生物兵器です」
「ひどいよみおちーん!」
「それまでの鍋はおいしいおいしいって言って食べてたくせに!」
「………冗談です」
「なんだ冗談かぁ」
「………おいしい、っていう方が冗談です」
「ええぇぇぇえーっ!?」
「………というのは、全部冗談です」
「どっちなんだよぉーーー!!」
- 350 :名無しさんだよもん:2010/01/19(火) 01:58:45 ID:wSl5PpFE0
- うんこ
- 351 :一年の計は団欒にあり 17/18:2010/01/19(火) 02:02:48 ID:w6CAnv7D0
- 「みんな、プリン食べる前に、腹ごなしに散歩でもしようか」
「…その方がいいかもしれませんね」
「ところで、来ヶ谷さん」
「うん?」
「プリンのスプーンなんだけど、プラスチック? それとも鉄の?」
「プラスチックの使い捨ての奴だが」
「じゃあさ、外でプリン食べようか」
「そのほうがきっと、楽しいよ」
窓の外は、薄夕暮れの色で世界を覆っていた。
「どこまで散歩に行きましょうか」
「河原でいーんじゃない?」
「それはちょっと遠くないかしら、葉留佳」
「堤防に座ってみんなでプリンを食べるのも、絵になるな」
映像を頭の中に思い浮かべると、その通りだな、と思える事を来ヶ谷さんが言った。
「よしっ」
と謙吾が言い、立ち上がる。
みんなもめいめいに食器を簡単にまとめて、立ち上がった。
「ごめんねー、これからおさんぽいってくるから………」
小毬さんも膝の上の猫にそう告げて、立ち上がった。
猫は素直に膝の上から降りて、小毬さんのあとをにゃーにゃー言いながらついていく。
「誰かプリン持ったー?」
「私が持ってるですよー」
………
……
…
- 352 :一年の計は団欒にあり 18/18:2010/01/19(火) 02:03:30 ID:w6CAnv7D0
- ………………。
『今なら、出ても大丈夫よね………』
………………。
『これが、キムチ豆乳鍋…』
『ちょっとだけ、頂戴するわよ………』
ぱくり。
『かっ、辛いっ!』
水、水っ!
ってこれ、オレンジジュースじゃないのよ!
なんでごはんと一緒にオレンジジュースが飲めるのよ!
あり得ないわよ! そんな組み合わせ!
それに何よあの子! あんな不吉な黒猫なんか膝に抱えちゃって!
………………。
「ははは………」
「どうせあたしは、永遠にリトルバスターズと一緒に遊べない、不憫な子………」
「………………」
「ええそうよあたしみたいなスパイが身をやつした生徒だなんて実際の日本の学校なんかにいやしないのよそんなのはこのキャラを授かってから分かりきってた事なのよ
だから今更悲しんだって何も変わりはしないのよこんな運命なんて笑い飛ばしてやるわよ笑うわよ曇り空だって土砂降りだってへっちゃらよ!」
「あーっはっはっはっはっはっ………」
「………ぐす………………」
「あたしもみんなと一緒に、鍋、食べたかったぁーーーーーー!!」
- 353 :名無しさんだよもん:2010/01/19(火) 04:58:12 ID:hKvTiBjG0
- 温泉話しへのレスありがとうございます、327です。
ユニコーンのサラウンド聞きながら読みきりました!
鍋5杯は凄いですね。やっぱり揃ったらそのくらいはいきますか。
沙耶は例によってアレな役回りでしたがキャラの掛け合いが面白かったですw
- 354 :そしてコネタ1/2:2010/01/19(火) 04:59:41 ID:hKvTiBjG0
- 「君に何らかの名誉や誇りがあろうとも知ったことではない」
相当に怒っているらしく、周りの通行人もいつしかギャラリーへと変化して、
一連の一幕を見守っていた。
「すぐに謝るんだ。沙耶君に」
「なぜっすか」
相手は二年生の男子。
沙耶と唯湖が校内バトルをしている最中に侮蔑の野次を飛ばしてきたのだ。
「いいのよ、来ヶ谷さん。あたしはちっとも傷ついてなんていないから」
「いいや、こういうヤカラにはひと言いってやった方がいいんだ。でなければ
また同じことで嫌な思いをしないともいいきれないぞ」
「気にしてないわよ。まったくと言ったら嘘になるけど」
沙耶がそれほど怒っていないのを見聞した来ヶ谷は模造刀をかちりと納めた。
「沙耶君は思ったより心が広いのだな」
「べつに……そういうわけでもないわ。野次なんか気にしてても仕方がないって
思うだけよ。来ヶ谷さんもそう思うでしょ?」
「それはそうだな」
来ヶ谷はそれを聞くと、拿捕した二年の手首をひねりかえして突き放した。
「もう邪魔してくれるんじゃないぞ」
「いてぇぇーっ二度とするかーーっ!」
ドラマに出てくる三下のやくざのように、暴言を吐いた二年男子は廊下を疾走して行った。
「で、どうする沙耶君。
まぁ決着こそついていないが…今日のところは私の負けに等しかったかな」
「そうかしら。9回のフルカウントになるまでは分からなかったはずよ」
「ふむ、私を立ててくれる言いまわしだな。それは」
二人に宿っていた熱気もいつしか冷めていた。すなわち、バトルという気分ではなくなっていた。
そこで「せっかくの機会だ。お茶でも飲みに来ないか?」と来ヶ谷唯湖が暇つぶしの誘いをかけた。
朱鷺戸の方もこれといって用事らしい用事などもなかったのでその誘いを受けることにした。
「1階のある空き部屋が英国風ガーデンに造りかえられてるのを知っているわ。そこで?」
来ヶ谷は返事をする代わりに一歩を踏み出して示した。どうやらの予想どおりに1階へと向かった。
- 355 :そしてコネタ2/2:2010/01/19(火) 05:00:38 ID:hKvTiBjG0
-
棚からティーサーバーをとりだして、茶葉を入れ、ひと注ぎに熱湯を加える。
香り高いお茶を飲むためにティーカップにも同じように熱湯を加えておく。
「砂糖はいくつ入れようか」
「ティースプーン2杯くらいでお願いね。甘い方がおいしいと思うの」
「それじゃあ私も2杯にしようかな」
サーバーに入れたお茶を濾し、陶磁器のティーポットに移す。
それと同時にティーカップに入れておいた熱湯を捨て、ポットからお茶を注ぐ。
上から砂糖を2杯加え、ティースプーンでよくかき混ぜたところでテーブルの上へと置かれた。
「わぁ、ありがとう。……ここが校内だっていうことを忘れちゃいそうだわ」
「おっと、お茶菓子もあるのだが」
用意されていたのは素朴なシフォンケーキ。
「大変じゃない?このケーキ作るって」
「分量さえ間違えなければ意外と簡単に作れるものだよ。あとは慣れだな」
「あっ、感じる!ココアが入ってるのね」
二人は授業時間も忘れたままお菓子を肴に友達トークを繰り広げていた。
普段話し合わない二人だけれどリトルバスターズの話しをすると盛り上がった。
キャッチャーフライを取る理樹の姿がさまになってきているだとか、
鈴のニャットボールはプロを目指せるんじゃないかだとか、
ショート恭介の守備範囲の広さは凄いだとか、そんなことを話していた。
するとそうこうするうちに、キーンコーンと鐘が鳴った。
「いかん、もうこんな時間か。名残惜しいがここらで一度別れるとするか」
「そうさせてもらうわ。それじゃあまた会いましょ、来ヶ谷さん」
夕やみが迫り風も冷たくなる日和、二人は紅茶で体を温めて部屋を後にした。
- 356 :気まずさは唐突に 1/6:2010/01/23(土) 00:30:17 ID:oa7HDu7B0
-
大降りの雨だった。排水溝へと流れゆく水が渦巻いている。
傘を忘れたという生徒はいなかったが、
午後からは一層はげしく降りつづいていた。
「おーい謙吾っち、なんだか薄暗くて気持ち悪ぃ天気だな」
「そうだな…お前は暑苦しくて気持ち悪いがな」
「おっ?なんだって!」
真人と謙吾がちょっとした揉め事を始めるのはいつものことである。
教室内は一触即発の雰囲気に早変わりしていた。
だがそこに、仲介として鈴が割って入る。
「やめろばかたち。こんな寒い日によく喧嘩していられるな」
「鈴。オレはどちらかと言えば喧嘩を売られた方だぜ。黙ってられるか」
「俺は正直に述べただけだ」
あっという間に鈴は、『オレは俺は』の口論に巻き込まれる。
大男ふたりの間に立ってあれやこれやと言われるのはたまったもの
ではないのだろう。鈴は両手で耳をふさいでしまった。
どうやらふたりが静まるまではそうしていようと心に決めた様子であった。
幼馴染を首尾よくおさえる方法を一番よくわかっているのは鈴に違いない。
鈴は自分の席に着くとよその出来事を完全に遮断してしまった。
「むぅ、お前のせいだ」と謙吾が言えば、
「明らかにお前が原因だろ」と真人が言い返す。
ふたりは険悪なムードにつつまれていた。
- 357 :気まずさは唐突に 2/6:2010/01/23(土) 00:41:23 ID:oa7HDu7B0
- 「あーあ、なんだかチョウザメだぜ」
「キャビアでも取れるのか?」
「あぁ?キャビア??何言ってやがる」
真人は教室を後にしてそのままどこかへと行ってしまった。
すると謙吾の方も無言のまま教室を出て行ってしまった。
謙吾はおそらく道場へと向かったのであろう。
一方、棗鈴は左ひじを机の上に預けてその腕を枕代わりにし始めた。
(「きっとこれでよかったんだ」)
外見上はそうは見えないが、悩んでもいた。
そうこう鈴が思い悩んでいるうちに、教室へ訪問者がやってきた。
鈴の兄棗恭介だ。普段であれば窓から侵入してくるところだが、
あいにくの雨のため今日は普通に戸を開けて入ってきた。
他の学年にもかかわらずクラスの面々も自然に受け入れている。
その所作があまりにも手慣れているからだろうか。
ただ、なにか特別な用事があるわけではないようだった。
妹の意気の上がらなさを見てさとった恭介は気遣いながら声をかけた。
「どうした鈴、ずいぶん暗いじゃないか。
この天気のせいか……?」
見当違いのことを言う恭介だが、鈴はある程度なぐさめられてもいた。
しおしおとしたまま鈴は言う。
「いつものことだ……あたしのことはほっとけ」
歩調を合わせるようにやんわりと天気のことを伝える恭介は、
鈴の机に背をあずけると窓の外の大雨を見下ろした。
「雨のことなら心配するな、放課後には弱くなる」
- 358 :気まずさは唐突に 3/6:2010/01/23(土) 00:58:02 ID:oa7HDu7B0
- 鈴は無視さながらに無言であいづちを打つ。恭介はそれに納得していた。
だがそれは消えうせてしまう雲をつかむかのように淡い会話だった。
綿雲をひとつ浮かべようとして恭介が言った。
「なぁ鈴、理樹は今いないみたいだが……知らないのか?」
鈴はそれに答えあぐねて硬直した。
「どこ行ったんだ?あいつ?」
「理樹はみおっちと一緒に図書室デートだ」
「へっ、デート?」
「そうだ『今日もまたこころの鐘をうち鳴らし うち鳴らしつつ憧れていく』だ」
「鈴……それは恋の歌か?」
「うっさいぼけ若山牧水だ!」
「ああ、理樹を西園じゃなくて牧水に取られた気分なのか??」
「うざいから帰れ」
「来たばかりなんだからもうちょっといさせてくれてもいいだろ」
兄妹は仲良く一悶着を開始していた。
「西園はつつましいしよく出来たやつだからな、お前が嫉妬する気持ちも…
お兄ちゃん、分からなくもないぞ」
「きしょい、おにいちゃん言うな。それにそんなんじゃない」
「自分でも気がついていないだけだな、それは。それかそう思いたくないだけだ」
「……フーッ!!!」
あまり恭介が言いすぎるものだから鈴は威嚇モードに入り込んでしまった。
「済まないな、お節介で」
ちょっとからかいすぎたとでもいった風に鈴の顔色をうかがう恭介。
だが鈴の威嚇はそう簡単には解かれない。
- 359 :気まずさは唐突に 4/6:2010/01/23(土) 01:14:19 ID:oa7HDu7B0
- 「ちょっと様子を見てこようか、野暮だけどな」
鈴は懸命に引きとめようとする。
「……フカーッ!わかっているならなおさら駄目だ!」
「いいことじゃないか、まったくもって健全なんだし。
そうまで言うんだったらお前が代わりに見てきてくれ」
「なんであたしが……」
「まぁいいだろ。お前の決断ひとつなんだから」
と、そこまで言うとふっと恭介は消えてしまった。
「そんな簡単じゃない……? きょーすけ??」
がばっと体を起こす棗鈴。その勢いに周りの生徒がすこし驚く。
鈴は立ちくらみを起こしたように少しだけふらりとしたが、先程まで
の話し相手であった兄の姿をこの教室に見つけ出そうとする。
が、やがて気付いたのか自分の席に腰を下ろすと、どうして忘れていたのか
というふうに思い出した。「今の夢だ……」と。
本当の恭介は未だ入院中であることを忘れて寝ぼけていたのだ。
(「あたしくちゃくちゃ恥ずかしいぞ」)
寝ぼけたままの鈴は寝言の一つでも声に出していたかもしれない。
もし声に出していたとしたら、それを聞いた生徒はどう思っただろう。
「おはよう鈴。疲れてたの?だいぶぐっすり眠ってたみたいだけど」
それが理樹本人だったので鈴はどう思うだろうか。
「!!!?」
- 360 :気まずさは唐突に 5/6:2010/01/23(土) 01:26:49 ID:oa7HDu7B0
- 鈴は思わずのけぞって椅子から転げ落ちてしまう。
「ふにゃ!」と
ねこねこしい悲鳴をあげる鈴。
頭をぶつけて痛そうにしている鈴を心配する理樹は
「大丈夫?」と言葉をなげかけた。
鈴は「痛い……」と、背中を気にしながら痛がっている。
無粋にも鈴の頭をなではじめる理樹。
誰に対しても行う優しさで鈴の頭は撫でられた。
突然の出来事だから、とっさに執った判断だった。
「……理樹はあたしじゃなくてもこうしたのか」
鈴はほんのかけらほどの嫉妬を抱きながら理樹に背中をあずけていた。
理樹はやにわに言い出した鈴の言葉の前で手を休めてしまった。
「それは、したと思うけど……ねぇ鈴、どうして怒ってるの?」
「…そうじゃない。怒ってなんかいない」
「僕にはそうは見えないんだけど……」
軽く背に触れていることが原因なのかとも思ったが、
普段ならば手を握ったってなんとも思わないような鈴のことなのにと、
理樹は明らかな疑問を抱いていた。
「怒ってるふうに見えるなら、それはきっとこれのせいだ!!」
捨て鉢な気分だったのだろうか? 鈴は唐突に理樹の首に飛びつくと、
その頬にかすかな痕跡をのこした。
「いきなりなっ……」言葉を口にしようとする理樹にもう一度。
鈴の思い切った行為に理樹の気持ちは置き去りにされたままだった。
それを済ませると鈴は教室を飛び去り、後には理樹だけがのこされた。
- 361 :気まずさは唐突に 6/6:2010/01/23(土) 01:55:05 ID:oa7HDu7B0
- 鈴にとって幸いだったのは誰も明確な目撃者がいなかったことだ。
誰かに見られていたとしたら、噂が広まったことであろう。
「なななんだ!?……鈴が……僕に??」
理樹はといえば、動揺を隠し切れず、胸をばくばくとさせていた。
理樹にとって初めてのキスだった。
鈴はそのままの勢いで屋上へと駆けていく。
階段を駆け上がる鈴は、注意書きも飛び越えて屋上の扉を開いた。
口のはしには理樹の感触がのこったまま。
一度醒めた夢がたちどころに脳裏をよぎる。
『お前の決断ひとつなんだから』
気が付けば雨も降っていない。
いったいいつから眠りつづけていたのか。
空に浮かぶ夕焼け雲に見守られながら、フェンスにもたれかかる鈴。
夢想の犠牲になって、勢いにまかせてしてしまった接吻に頭を痛める。
「あたしは何してるんだ……」
もっと理にかなった方法もあっただろう。
けれど突発的な情動というものは恐ろしいものである。
まさかまさかの口づけだった。
以来、色気づいたのともまた違う、微妙な空気がふたりを支配し始めた。
このことがあってからというもの、鈴はなんとなく理樹に話し掛けづらくなり、
理樹もまたその空気を読み取って、距離を置くことにするようになってしまった。
- 362 :スローカーブ 1/3:2010/01/27(水) 05:18:27 ID:sCY/sljR0
- 左手にはめたグローブに球の重みがずしりと加わる。恭介が打ちはなった硬球を取り
押さえてからファーストの謙吾に返すまでの一連の流れがスムーズに反復される。恭介
は打ち分けができるのでフライだとか、あるいはライナー性の球だとかがバリエーション
豊かにビシバシと飛んでくる。その分僕の疲労も重なってはいたが。
「次はゴロでいくぞ!」
「いいよ」
キィンと甲高い音が鳴ると同時に白球が黄土に舞う。これでおそらく六十球にはなるん
じゃないだろうか。僕は捕球をすると謙吾へと送球をした。それこそ汗が飛び散るくらいの
精いっぱいの力で。
「ナイスプレーだ理樹、ファーストミットのど真ん中にきたぞ」
「なかなか頑張るな理樹は。うちの兄貴は調子にのっているみたいだが」
この公園での練習、遠征も今月のうちもう何度目かになる。地理的にはちょっと距離があ
るんだけど、校内で他の部活に気を使って練習をするよりも気分転換にもなるという理由で、
恭介が借りたワゴンに乗って、バットやボールをびっしりと詰め込んで、僕らははるばるとや
ってくる。
小さな公園は、どの公園も子ども達のものであるし、このご時世、野球・サッカーはたいて
い禁止されている。けれど、さすがに出張してまでくる甲斐があるというか、この広さの公園
だったら気兼ねなくキャッチボールすることができる。いわば、最高の環境といえなくもない。
何も起こらないが、僕たちの日常は野球という潤滑油によってゆるりと動いていた。
「これで打ち止めだッ!」
恭介が高々とフライを打ち上げる。ねらいは正確で僕はほとんど走らずに落下点へと滑り込
む。「捕ったっ」逆光で少し見づらくもあったが捕らえることができた。ワンステップを踏むとすぐ
さま謙吾へとボールを放る。謙吾も問題なくそれをキャッチしたところで、ひと息がついた。
- 363 :スローカーブ 2/3:2010/01/27(水) 05:20:32 ID:sCY/sljR0
- 「おつかれさまーっ」
「理樹くんの勇姿、見させてもらいましたヨっ」
「ホットとアイスに分けて烏龍茶を持ってきました。お弁当もあります」
女の子たちが一緒になって作ってきてくれたお弁当もある。楽しむことを目的に活動している
僕たちにとってはなによりの楽しみのひとつだ。西園さんと小毬さんが中心に作ってきてくれて
いるので安全は保証済みだ。
「ほら、たこさんウインナ―ははるちゃん、厚焼き玉子はゆいちゃんが作ってくれたんだよー」
「一応様になっているだろうか。あまり自信がないのだが……」
「ヒーハー!これは美味そうだぜ!」
「なんだ恭介氏のテンションは!」
「うん、僕もおかしいなとしか言えない」
お弁当を囲ってみんなで箸をつついていると、あっという間になくなっていく。
「このから揚げもウマいな。さては片栗と小麦粉が半々だな?かりっとしてやがる」
「残念、違います。片栗粉をもう少し多めに加えました。それとその隣りにあるマッシュポテトは
能美さんが作ったんですよ」
「お芋のゆで加減がポイントなのです!」
クドが作ったマッシュポテトはずいぶん丁寧に作られている気がした。なんだか料理レポーター
にでもなったつもりで答えていた。
「シンプルだけどマスタードも効いてるし、なによりべちゃっとしてないから美味しいね」
「リキに誉めてもらえて嬉しいのです」
僕が言った無味乾燥気味なコメントでも喜んでもらえているようだった。と本音をもらしたらきっと
がっかりさせてしまうだろう。というよりも、あまり誉め方が分からない語彙に欠ける僕がいた。
- 364 :スローカーブ 3/3:2010/01/27(水) 05:22:01 ID:sCY/sljR0
- 「レンタカー代払ってまできた甲斐はあるな」
「いくらぐらいしたの?」
「諭吉の出番だと思った程度だ。あまり気にしないでくれ」
恭介の気前よく返す口振りに唯湖がもらす。
「みんなでシェアすればいくらでもないだろうに」
それに対して、ふところをいささかさびしむかのような遠い目をして恭介は答える、
「この解放の時間が得られるのなら安いものさ」と。
「これはこのばかの見栄だな」
「鈴、言ってやるな」と謙吾がかばう。
正直に言って一人千円も出し合えばお弁当代を含めてもなんとかなる水準に見える。恭介ひとり
に支払わせようなんて誰も思っていないんだからレンタカー代も言ってくれればいいのにと思う。恭
介がアルバイトをして貯めたお金をこうして使ってしまうのもなんだかしのびない。
「まぁいつか野球部と試合でもして一杯やろうぜ」
「ノンアルコールドリンクでだな」
「いつかとやらはいつになるのやら」
END
---------------------------------------------------
タイトルに恐れ多いですが「スローカーブ」を使わせてもらいました。
なんともいえない人の不在感に……三連投パントマイム状態です。
もっと完成してからお披露目しろと自分に言い聞かせたいしスノビズム気味。
- 365 :名無しさんだよもん:2010/01/27(水) 08:23:42 ID:DGl0MRd80
- 乙
- 366 :名無しさんだよもん:2010/01/27(水) 23:19:06 ID:r71fB3qXO
- ひとレス先は蝶の霞、乙の灯りが身に染みる…
- 367 :名無しさんだよもん:2010/01/27(水) 23:25:31 ID:r71fB3qXO
- うあ…上がってしまった…申し訳ありません…
- 368 :美魚inside 1/5:2010/01/31(日) 11:04:07 ID:nqeVVNwq0
-
グラウンドから下駄箱へと帰って来たわたしは、靴を脱いだとき、スノコの位置が妙にずれていることに
気付きました。誰でしょう。きちっとしておいて欲しいものです。
視線を上げると箱からはみ出している一通の便箋があります。最初わたしはそれがなんだかわかりま
せんでした。アパートの郵便受けに挟まっている広告の類と等しいように見えたからです。悪意こそ感じ
ませんでしたが、何かやっかいなことになりそうな気がして、それを直視したくない気持ちでした。ですが
悠然と箱の隙間に納まっているその便箋をさけては通れないことははっきりとしていたのでそれを手に
取ってみることにしました。
『憧れの君へ』
この2年間に重ねた思慕を、今ここに明らかにしようと思います。
始まりは、廊下でのすれ違いに君がかけてくれた優しさにありました。
以前から僕は持病の胸部疾患に悩まされていて、ときおり廊下に伏して呼吸の乱
れを治さなければならないという不自由にさいなまれていました。どこへ行くにも頓服
薬と一緒というありさまです。
生物部というと文化系の部活のなかでも特殊なイメージのある部活ですので、苦痛
に顔をゆがめている、クラスも学年も違う僕に「大丈夫ですか」と声をかけてくれた君は、
まさしくこの世の天使でした。他の娘たちの冷たさとは対照的でした。
(中略)
ああ、君に会えるというだけで廊下を歩くことが多くなりました。
この迷える恋の子羊をどうか導いてやってください。貴方が好きです。
返事は気長に待つつもりです。でも出来るなら一週間以内に一度僕に報告を下さい。
開いてみて驚いたのですが、それはざっくばらんに書かれた恋文でした。
普段こういうものをもらう機会もないものですから少し好意的な印象を抱いたのは確かですが、やはりそ
れはわたしにとって迷惑なものでした。それに気長に待つといいながら一週間以内に報告して欲しいだな
んて、なんだか矛盾している気もしました。でもそういうこともありますよね。
- 369 :美魚inside 2/5:2010/01/31(日) 11:16:01 ID:nqeVVNwq0
- 体操着のままここで立ち尽くしていることもできないので、わたしはその手紙を手に持ちながら教室へと
急ぎました。「どうしたらよいでしょうか」と悩みながら。
廊下を歩いて、教室に着いて、他人に見られる前に机の中に手紙をしまってしまうと、いささか気持ちの
昂ぶりが治まったので、みなかったことにしてしまおうかとも思いだしました。けれどそれではあんまりに
も人の気持ちを考えなさすぎるので、早いうちに決着をつけてしまおうと思いなおしました。断わりをいれ
ましょう。と。気持ちは断固決まっていたのであとはどう接したらいいのかといった問題が残っていました。
教室内はだんだんと整然としはじめていました。そろそろ授業が始まる。とそこへ小毬さんが目敏くわた
しに声をかけてきたのです、「みおちゃーん。さっきの封筒なに?」と。小毬さんには敵いそうもなかった。
「後で話しますね」
相談してもいい問題でもなかったとは思うけど、小毬さんに話をする分には何の抵抗もなかった。
「こういうのもらっちゃったんです」
わたしは簡潔に説明するために受け取ったラブレターの全文を見せた。小毬さんは思ってもみなかったと
いう様子でした。「……見ちゃいけなかった?」心配げにこちらを窺う小毬さんにわたしは「あなたになら大丈
夫です」と言葉を返した。困っているということは自然と伝わったようでした。それを確かめるように小毬さんが
質問をした。「みおちゃんにその気はないんだよね?」
「そうなんです」
「それにしてもこの手紙……名前が無いね」
「そうなんですよね……でも生物部って書いてありますのでおおよその見当はつきます」
「理樹くんからの手紙だったらよかったのにね」
小毬さんは何を突然言い出すのでしょうか。直枝さんだったら……なんて想像だにしていなかったので少し
驚いてしまいました。「ほわっみおちゃんが動揺してる」傍目から見てもそうなんでしょうか。
「世界の終末の大混乱の只中だったらそんな風に思ったかもしれませんね」
「今そう思ってもいいと思いますよー」
「でもこれは恐らく田中さんからの手紙ですし、実際の直枝さんはこんな遠回りな手を使ったりしないでしょう」
- 370 :美魚inside 3/5:2010/01/31(日) 11:22:04 ID:nqeVVNwq0
- 残念な気持ちに陥っているわたしに小毬さんは「逆にみおちゃんから理樹君にアプローチしてみるとか」と
突拍子もないことを言う。「えっ」と、わたしは戸惑ってしまう。
「田中君にはきっちりと断りを入れてさ、それから理樹君の気持ちを聞いてみるの。これは名案だよー?」
「だって小毬さんは直枝さんのことが好きなんじゃないんですか?」
「私はみおちゃんと理樹君だったらお似合いだろうなって思ってるよ」
わたしは小毬さんが直枝さんのことを好きでいると勘違いをしていたのでしょうか。いや、決してそうじゃない。
これは好きな人に幸福になってほしいという小毬さんの気持ちがそうさせているのでしょう。実際の自分の気
持ちとは矛盾しながらも。
「それではきっとわたし、幸せになれません。こういうものって譲ったりするものじゃないじゃないですか。小毬
さんも本当はそう思っているはずじゃないのですか」
この言葉には小毬さんも顔を翳らせた。本音の部分では直枝さんのことが好きなんです。
「そう……だね。変なこと言っちゃってごめんなさい」
「謝らなくてもいいです。わたしが変な手紙を見せてしまったからいけないんです」
ちょっとだけ田中さんに八つ当たりをしてしまいました。すっきりとしない気分を変えるためにわたしは、「ちょっ
と来ヶ谷さんに会って、それから田中さんのところへ向かおうかと思います」と告げて教室をあとにしていた。
来ヶ谷さんと会うと、十分前まではサンドペーパーでざらざらになっていたわたしの心が滑らかになっていくの
が分かった。「どうかしたのか美魚君」来ヶ谷さんはわたしの不安をすぐに察知してくれたようだった。
「世迷言ならいつでも受けとめるぞ、さて何が原因なのかな」
「原因は……もういいんです。心の中でもう決着がつきましたし」
「そうか、なら私の世話はいらないのだな」
「ええ、来ヶ谷さんひとつだけ聞いてもいいですか?」
「何か」訝しげに聞き返す来ヶ谷さん。
「生物部ってどちらにありますか」
「なんだ、私を道案内に使うのか?」来ヶ谷さんはちょっとつまらなそうに答えながらも、正確な道順を教えてくれ
た。
「ありがとうございます。それでは少し勇気を使ってきますね
- 371 :美魚inside 4/5:2010/01/31(日) 11:26:17 ID:nqeVVNwq0
- 胸を衝かれるような苦痛はすっかりと消え去って、心に羽が生えたような軽さを感じていました。これから向か
う田中さんは決して悪人ではない。だから傷つけないように断われるかどうかがわたしの中の焦点となっていた。
都合のよい断わり方ばかりを考えている……という訳ではありませんでしたが。
来ヶ谷さんに伺った三階の奥まった部屋にある生物室までひと駆けでやってきた。やや息を切らしながら。
扉をノックすると中から枯れた男の声がした。「どうぞ、開いてるよ」
「お邪魔します。西園です」
「あれっ、君は……」
申し合わせたかのように他の部員はいない。田中さんとの一対一だった。
「す、座るところならどこでも空いてるから……どうぞ」
「いえ、このままでお話させていただきます」
「そう」
今日手紙を送って早々、今日中に来るとは思っていなかったのでしょう。田中さんの慌てぶりがありありと伝わ
ってきた。なんだかこちらまで緊張してしまいそうです。
「お手紙の件…」「お茶でも…」
と、ふたりとも話の切り出しでかぶってしまった。なのでわたしは田中さんに譲ろうとした。「お先にどうぞ」
「あ、はい、お茶……飲まれますか」
「お茶ですか」飲むとなると少し話が長くなってしまうかなと思ったのでわたしはやんわりと断りを入れた。「結構
です」と言うと田中さんは残念そうな顔をした。
「手紙のことなんですけど……」抑揚を抑えたままの調子でわたしが切り出す。
「ああ、読んでくれたんだ。どう思ってくれた?」
「とても感情的な手紙だと思いました。けどあそこに書かれているのはわたしではないような気がしてしまうのです。
イメージが先行していると言いますか、実際のわたしはそこにいないような気がしてしまいました」
「そうか……ということはもう、答えは出てるんだね」
- 372 :美魚inside 5/5:2010/01/31(日) 11:36:05 ID:nqeVVNwq0
- 「……ごめんなさい」
わたしがそう言うと田中さんはどこかすっきりとした笑顔を見せた。
「やっぱり憧れは憧れだったということか……。無理を言ってでも直枝君に代筆を頼むべきだったかな……」
「直枝さん? いえ、そのままの気持ちは嬉しかったです」
「……君はやっぱり……いやなんでもない。無粋だな」
田中さんは口を濁すと肩を落としたまま、小動物を使った実験に取り掛かり始めた。
「それじゃあこれで失礼しますね」
がらがらと扉を閉めるとわたしはその場を去った。
生物部の部室を後にしたわたしは、そのまま来た道を引き返して2階へと降りていきました。なんだかホームに
戻ったような感覚でいるわたしでしたが、何の偶然でしょう。2階に戻るやいなや直枝さんと遭遇してしまったので
す。何のやましいことも無いのですが、鼓動が速まるのを感じました。リノリウムの感触が嫌にじっとりと感じられ
ました。足が張り付いてしまって動けなくなるような錯覚にとらわれていたのです。
「珍しいところで会うね。3階になにか用事でもあったの?」直枝さんがわたしに問い掛ける。
わたしは正直なところを話していた。
「少し大事な話をしていました」
すると直枝さんは思いもよらないことを言い出す。
「大事な話……恭介に??」
「ええっ、違いますそれは棗さんは魅力的な方ですが……」
「えっ、なんの話?」
わたしの中は未曾有の大混乱の只中に巻き込まれつつありました。まさに地球存亡の危機です。
なぜか言い訳でも口にするかのように田中さんのことを引き合いに出していました。
「生物部の田中さんと話をしていたんです。それも5分くらいです」
「そうなの? 珍しいね」
「そういうこともあるんです!」
先程からそういう話をしてばかりいたものだから、心が浮き上がるような、不安定な存在のまま、直枝さんと対面
していた。いつかこの気持ちに気付いてもらえると信じて、わたしは何も言わずにいた。
END
読了乙です
- 373 :1/5:2010/02/02(火) 21:21:33 ID:/xUjbW+b0
-
僕の嫌な雨もようの空
「まどろっこしいのとか嫌なんだ」
僕はいつになく苛立ちをまじえながら言い捨てた。
「雨がどれくらい強く降るのかを知りたいのにさ、40%だとか言われても理解できないよ」
僕は文化が違うとでも言って安易にだだをこねる外国人留学生のようだ。
安っぽいトレイに載ったカレーうどんを挟んで、僕の愚痴を聞いているのは真人だった。
こんなアンニュイな気持ちを分かってくれるのは真人しかいない。
「理樹、そんなに心配なら西園みてぇに晴れでも傘さしてりゃいいじゃねぇか」
「いやあれが日傘だってことは分かってるでしょ。僕が言ってるのはそういうことじゃないよ」
6時間刻みの天気予報は正午で二分して、午前が6時から12時、午後が12時から18時と
分割する。今日の予報は午前午後ともに40%だった。40%。曖昧模糊とした響きを持つ、考
えたくもない数値だ。しかもここにひとつ付け加える。6時から18時のように分割せずに天気予
報をすると、なんと降水確率は10パーセントや20パーセントほども上がってしまうんだ。つまり
今日はかなりの確率で雨が降るというわけなんだけど。
「ねぇ教えてよ井ノ原博士。僕が気にしているのは放課後の天気なんだけどさ、
今日の午後はどれくらいの雨が降るっていうのさ、滂沱たる雨が天災のように降り注ぐ
っていうわけじゃないってことは確かなんだろうけどさ」
「けっ、そんなのオレに分かりっこねぇし、校内でも興味持つやつはいないんじゃねぇか」
僕の瑣末事は案外あっさりと一蹴された。
「天文部だってあるだろうし、そういうカテゴリーの中で話せよ。オレはカツ食ってるからよ」
「僕は、真人だからこういうことも話せるっていうのもあるんだよ。初対面の人たちとこんな話なんてしないよ」
「オレはよくわかんねぇ面白くもねぇ話は遠慮したいんだが」
話せば話すほど真人は僕の倦怠感から逃れようとするかのようだったが、なんとは無しに僕はその真人を
支配したいと思った。それは具体的には、今日これから天気も省みず、わざわざふたりでジョギングをしに行
くという暴挙の決行という形で思い浮かばれた。希望的観測によれば、きっと真人なら一緒になって走ってく
れると、ただ安直に思った。そして僕らはあえて困難にいどむのだ。
- 374 :2/5:2010/02/02(火) 21:30:48 ID:/xUjbW+b0
- 「じゃあ今日これから走ることにしてさ、一緒にカッパ着てグラウンドを10週しよ」
「マジか、急にも程があるな!!」
「僕は10週くらいが限界だけどさ、もしかして真人の脚力もそれくらいなのかな」
「ちょっと待てよ、そんなこと言われるとオレも少し考えちまうな……」
「いいじゃん、一緒に筋肉しようよ!」
「おっ?ちくしょう、燃えてやがるな」
どうやら作戦は成功のようだった。僕の罠にかかった真人は自分の両腕をふりふりとさせたいというにぎや
かな調子をかもし出し始めていた。これで雨のことも、僕と同程度には気になってくれるだろう。
「しっかし今は晴れてるけどよ……」
「だから40%なんだって」
「くっそっだんだんその40%って響きがうっとうしくなってきやがったぜ」
真人はまんまと雨を気にかけるようにはまってしまっていた。僕の胸にはなぜか一陣の風が通り過ぎて、
胸がすっとした。真人と居るとやっぱり、なんか負けてないなっていう気持ちになることがその理由の一端
だった。友達なのに真人のことをこうした見方で見てしてしまうことがあるということは、僕の誠実さのなさが
表れているのだと思う、きっと。ただ真人は僕にとって大事な友達の一人だということは確かなことだった。
「でもさ、真人。そんな記号には意味なんてないよ」
「なんだと?」
「僕たちの前にどんな大粒の雨が立ちはだかろうが、そんなものはかすかなものなんだ。
ふたりで陸上トラックの上を激走する姿を想像してごらんよ。どうだろ?そのときにはもう
僕らの汗による蒸気の方がはるかに強いエネルギーを発しているんだ。きっとどんな激雨
だって逆巻いて、竜のように空へと駆け上っていくに違いないよ」
僕は度外れに空想癖のある子を演じながら真人へと迫っていた。
「……敵さんはオレたちふたりのレボリューションに尾を巻いて退散するってことか」
「そうだね、一種のアニミズムみたいなものだけどね」
ここまで来てようやく真人も本腰を入れたようだった。
「しかたねぇ。これは放課後の約束だな。忘れんなよ」
- 375 :3/5:2010/02/02(火) 21:39:43 ID:/xUjbW+b0
- 「うん」
授業が始まる間際、僕らの会話を盗み聞きしていたのだろうか(もっとも、僕らは大声で話続けていたが)、
西園さんが僕らに対して注文をつぶやいていた。
「直枝さんたちが龍田川に浮かぶ紅葉のようにうつくしくあらんことを望みます…」
僕には西園さんの言っていることがいまいちよく分からなかった。
はずれがあり、そのまた次もはずれることがある。
ここのところの予報にいらだっていた僕には今、古くて新しいパートナーがいる。
「理樹。走るからにはついて来いよ」
「分かってるよ。ただそのうちにペースが遅れるんじゃないかと思うけど……がんばるよ」
「日ごろの体力測定ってところで面白いんじゃねぇか」
真人はふっと鼻で笑うように笑った。笑い方にもいろいろとあるけれど、それは決してさげすむような
卑しい笑いではなかった。
「いくぜ」
スタートの合図は真人の右足だった。ストライドを大きくとると、一気に速度を速める。虚を付かれた
僕は1メートルほど遅れながら真人の後ろへとついた。併走に持ち込もうと力を振り絞るが、黒人のばね
のようにしなやかで躍動感のある走りこみに、僕は差をつけられた。
「うゎ、ふ、う」
先手を取られた僕は真人の背中を拝みながら走り出すこととなった。
「どーした理樹。ぼさっとしてるからだぜ」
やっぱりみんなの中でも恭介や謙吾や真人の基礎体力は並外れているんだろう。僕は改めてそう
思わざるを得なかった。あまり無理なテンポで走りつづけると肺がどうにかなってしまいそうだった。真人
はぬかるんだグラウンドの上なのにすいすいと走っていく。肩甲骨周りの筋肉も強靭だ。一周を過ぎた
頃にはもう、大分差が開いていた。
遠くから真人の声が聞こえる。「おーい、もう少しスピード落としてやってもいいぜー?」
真人の理不尽なほどの走力に反発するように、僕は答えていた。
- 376 :4/5:2010/02/02(火) 21:45:46 ID:/xUjbW+b0
- 「いいやー、ついていくのはもうあきらめたよ。どうせだったらさ、気持ちのいいと思うペースで走ってみてよ」
「今がそうだぜ、結構身勝手に走らせてもらってるからよ」
「ならいいよ。このまま走ろうーっ」
周回遅れになった僕がすれ違いざまに見た真人は黒豹のようだった。その体躯を疾駆させて飛び弾ける
雨で真人の顔はずぶ濡れだ。僕もずぶ濡れという点では同じだった。
「青春……なんでしょうか」
いつの間にやら見学に来ていた西園さんが僕らの滑稽ともいえる姿をそう形容した。短い言葉だけれど
その言葉には温かみが感じられた。僕自身は馬鹿なことやってんなーと思いながら走っているんだけど、西
園さんもそう思っただろうか。
「おっしゃーぁぁああ!!あと一週だぜ!」
真人は走る。走る。僕は俯きながらもそれを追いかける。
すっかりと独走態勢に入っている真人は、こぶしを振り回しながらながらウサイン・ボルトの姿勢に入って
いた。僕はこれほどの差がつくとは思っていなかったので、悔しさを通り越して無念さが胸に満ちる。
「僕もそれなりに鍛えてきた上での挑戦だったんだけどな……」でまかせまで口に出る始末だった。
マイペースを守りながら走りつづけている間に、体力の消耗のせいか、それとも雨のせいか、僕の歩幅は
ずいぶんと小さくなっていた。体は冷え込んでいた。ただ、予想していたよりも雨は穏やかになっていた。これ
は僕たちの神秘の力によるものに違いない。けど異常な肌寒さが肌をひりひりとさせた。
と、そこへ僕たちの観測を続けていた西園さんがいち早く何かに気付いた。
「直枝さーん直枝さん」
トラックを挟んだ、その真向かいで西園さんが手を振っていた。始めは何だろうと思ったけれど、すぐに僕も
それに気が付いた。
「あっ……」
いつの間にか、本当にいつの間にか、僕らの顔を叩きつづけていた雨は、雪へと変わり始めていた。
「ヒョーっっ、こりゃ初雪じゃねぇか」
きっちりと十週を走り終えて整理体操の一環としての歩行を続けていた真人が、ひょいと飛び跳ねて空に
舞う雪をつかみとろうとした。
- 377 :5/5:2010/02/02(火) 21:55:19 ID:/xUjbW+b0
- 「ぜぇ、はぁ、これは僕らの走りに対する神様のご褒美かなーっ!!」
「そんなこともあるかもしれませんねー!!」西園さんが向こう岸から元気よく声を張り上げる。
「終わってみればさ、明日を待って晴れた空の下で走るよりも楽しかったでしょーっ!!」と、
僕は真人に向かって爽快感をあらわに歓声を上げた。が、そのとき。
「直枝さん!」
あまり足元を気にせずに調子に乗りすぎたためか、ぬかるみにやられ、ぐきりと足をひねってしまった。どしゃりと
顔面からトラックの内側に突っ伏した。着ていたものがジャージでよかったものの、枯れた芝生やら泥やらに見事に
まみれてしまった。どろどろの泥だらけだ。
「喜びすぎると天罰が下るのかなぁ……」
僕はそんな宗教然とした馬鹿なことを口にしていたが、西園さんがこちらに駆け寄ろうとするのをみて慌てて心配
をした。「危ないって――っっ!!僕みたいに泥まみれになっちゃうよーー!!」
空から舞い降りたぼたん雪がそっと僕の肩に舞い降りる。走りつづけていたから、寒くはあってもある程度の寒さ
には耐性がついていた。が、やはり寒い。ジャージの生地に雪と泥が染みわたっていく。でもそれも悪くないように
感じられた。
「ったくよ、別の日にしていればこんなことにはならなかったのによ」
「そうだね、あはは。40%なんて大嘘だったね。雪だし」
僕は屈託なく笑っていた。真人のトレーニングウェアも、傘を差して僕たちを見守っていた西園さんの制服の袖も、
びっしょりと湿っていた。
「もう帰りましょう、無茶をして高熱で倒れてしまっても知りませんから」
「このくらいが丁度いいときがあったっていいと思うんだけどなー」
「シャワーでも浴びて体あっためろよ!」
自分だって同じ状態なのに僕を急かす真人。
僕は「もう少しこの狂態を味わっていたかったかな」と、半ば本気で思ってもいた。
END
美魚insideを丁寧に書ければナァと後悔している372でした。
- 378 :1/6:2010/02/07(日) 00:03:12 ID:DVRLMYMr0
-
お菓子づくりは難しい
私たちが作ろうとしているお菓子はドラジェというイタリア発祥のお菓子で、砂糖がけ
をしたアーモンドのお菓子だ。このお菓子の由来は古く、紀元前177年にはローマの
貴族の家庭であるファビウス家のお祝いごとの際に、町中のひとに振舞われたという
記録が残っている。そしてファビウス家の例になぞった趣旨で、西欧では『幸せのお菓
子』として愛されてもいる。
もっとも、私たちはイタリア式ではなくフランス式の製法でドラジェを作ろうと試みている。
なぜならフランス式の製法は糖衣がけのみならず、アーモンドにチョコレートをコーティン
グするという、少し上等な製法だからであり、何よりも、やっぱりチョコレートがなくては2
月14日は始まらないと思うからだ。
「ところで知ってますか」私は出し抜けに言った。「アーモンドって色々な象徴で表わさ
れているみたいなんですヨ?」
「それは興味を覚えるよ。教えてはるちゃん」
「いや私も言い出しておいて詳しくはないんですけどネ」
それはギリシャ神話のお話だ。英雄テセウスの息子デモフォンとトラキア王女フィリス
の恋物語から、願いがかなうこと、希望の象徴として扱われていること。また、両性具
有だったゼウスの娘キュベレ―の男根からアーモンドの木が生じたことから、生殖器の
象徴とみなされることもある、だとか、はたまた処女神ナナとその息子アッティスの物語
からアーモンドの木は子供の象徴である、といった複数にまたがる話を取り留めもなく
話した。とくにアッティスの話はイエス・キリストの生誕の日とも関わりがあるようなのだ
けど、あまり立ち入って調べなかった。というよりも私に、それに関する興味がなかった
のだともいえる。
「それから一気に話が飛びますけど、日本に本格的に輸入されるようになったのは1950
年のことみたいなんですヨ。カリフォルニア産のアーモンドが世界シェアの80%も占めて
いるらしいです。はい」
「へー、そうなんだー。ものしりだねー」
「誉めて誉めてーくださいな」
- 379 :2/6:2010/02/07(日) 00:25:10 ID:DVRLMYMr0
- 得意げに長々と話をしたので喉が渇いた。用意してあったペットボトルのお茶を飲み
干すと、言いしれない高揚感につつまれていたことに気づいた。小毬ちゃんにとっては
迷惑だっただろうか。でも勢いに乗ってしまったことは仕方がない。
「ローストするのは10分くらいでいいの?」
話を一区切りして、レシピを調理台の上に置いて尋ねると、今度は逆に小毬ちゃんが
講義をしてくれる。「それはオーブン内の温度によって違います。170℃くらいを保ちま
しょうー」小毬ちゃんは虎の巻であるレシピも見ずに調整温度をずばりと指摘してくれた。
私はこのまま彼女の言うなりに事を進めていけば、揶揄されることのないバレンタイ
ンを迎えられるだろうナァという確信を得ていた。けど改めてだけど、お菓子作りの経験
と言うものは私には皆無なんだな ということを彼女によって知らされた。
「小毬ちゃーん、これくらいでいいデスか?」
小毬ちゃんはガスオーブンの目盛りを見つめながら「あ、うーん。まだそれほど焼き目が
ついてないと思います。もうちょっとだけ待ちましょうー」と注意してくれる。数分後には、こ
んがりときつね色に焼き上がったアーモンドをオーブンから取り出しながら、優等生な発言
をした。
「料理は愛情が肝心ですよー↑」
ありきたりな言葉だけど、失敗したときのことを考えて悲観的になっている私にとって
その言葉はなによりもの安心をもたらしてくれた。
「それじゃあ次の工程にうつっちゃいましょー。お鍋にグラニュー糖と水を加えて、カラメル
状にならないように気をつけて火にかけましょう」
「ここでいいんだよね」
私は五つに分かれた鍋のそれぞれにビートレッド・スピルリナ・アナトー色素・クロロフ
ィル・二酸化チタンといった着色料を分量に気を使いながら加えていく。これで完成時に
は鮮やかな赤・青・橙・緑・白の五色のドラジェが出来るはずだと願いながら。
- 380 :名無しさんだよもん:2010/02/07(日) 00:29:12 ID:0TGCzIPG0
- 支援
- 381 :3/6:2010/02/07(日) 00:34:28 ID:DVRLMYMr0
- 「色が鮮やかに出るかどうかが鍵になりそうだね」このときばかりは小毬ちゃんも気を使う。
普段お弁当も満足に作れない私だけど、ここぞとばかりに主張する。
「お菓子作りって分量の条件がシビアだから難しいですネ」
「そうだよねー」
色とりどりの糖衣をまとったナッツは冷蔵庫で冷やされた。五色の色はそれぞれ幸福・
健康・富・子孫繁栄・長寿を表わす。日本でいえば七福神にちなんで7種類の具材を巻く
恵方巻きのようなものなんだろう。赤・青・橙・緑・白と色が並び、綺麗だった。
「あとはチョコレートでコーティングしてココアパウダーを振っておしまいです」
「小毬ちゃん、チョコは湯煎にかけていい??」
「と〜ぜん、だよ」
十分ほどひやしておいたナッツをチョコレートにからめる。小毬ちゃんによるとこういった
粒状の、コーティングをほどこすタイプのチョコをパンワークチョコというらしい。そのコーテ
ィング用のチョコに今回は少し気取ってクーベルチュールチョコレートというものを使用した。
『クーベルチュール』はフランス語でカバーという意味らしい。フランスではカカオの分量に
ついて厳格な規格があるそうな。
プロの仕事と比較してしまうとどうにも光沢が足らないような気がしたけど、ひとまずドラ
ジェを作り上げることに成功した。着色は気を使っただけあって、なんとも言えない良い色
合いに仕上がった。だが、私たちの手仕事はまだ終わらない。
「これをもう一度冷やしてからラッピングしなくちゃいけませんネ」
「あとひと頑張りだね、専念専念」
私たちは完成したドラジェを一個ずつていねいに透明のフィルムにつつむと、さらにその
上にチュールレースをかぶせて造花用の針金で留めていった。数は膨大で、200個くらい
はある。その一つ一つを丹念につつんでいく。
「ひとつずつが一輪のお花みたいだね」私は花屋にでもなってラッピングをしている気分だ
った。皮肉を言えば内職のようでもある。
「みんな喜んでくれるかなー」
「苦労の分は報われると思いたい……デス」私はオプティミスティックに答える。「一年に一
度のことだから、みんな喜ぶに決まってるはずっ!」
- 382 :4/6:2010/02/07(日) 00:45:10 ID:DVRLMYMr0
- 「伝わるものは伝わって、伝わらなければ伝わらないでいいよ。よおし、頑張りましょー↑」
その後の1時間はすみやかに過ぎ去っていった。目標は順調に達成されていた。
家庭科室を出て、長い廊下を歩く。この廊下も今日だけは特別に長く感じる。ちょうど向か
い側から来た笹瀬川さんたちと入れ違いになる。彼女たちにとっても今日は特別な日なんだ
ろう。家庭科室に用があるようだった。
「ところでさ、小毬ちゃん。聞きづらい話なんだけど」
小毬ちゃんは小首を傾げる。「なぁに??」
「その……本命っているんデスか?」
それとなく尋ねるべきなような内容だったけど、私の口は馬鹿だ。無粋なことを平然と尋ねて
いた。
小毬ちゃんは「理樹君……かな」とつぶやいた後で訂正をするように付け加え、「う〜ん、や
っぱりごめんなさい。最近自分の気持ちが分からないんだ」とためらって、立ち止まった。
理樹くんがショックを受けるかもしれないナァと思いながらも意外なことを聞いてしまった。と
いう気持ちで胸が満たされていくのが分かった。こまりんはぜったい理樹くん派だと思ってい
たからだ。全部が全部私の勘違いということもなさそうだけど。
「理樹くんは陰で振られちゃったのでした」
私がそう言うと、「そうなるのかな〜。でも私、このチョコには本命も義理もないつもりで作った
んだよ。だから、作ったときの気持ちを大事にしたいかも」と、優しい口調で小毬ちゃんは言った。
私は別の意味でなるほど、という気持ちになった。私自身の中では理樹くん本命っていうのは
樹木の幹のように動かざるものだったのだけど、普段から真面目な理樹くんのことだから、この
贈り物をした後の反応も画一的なものになるような予感がしていた。「ありがとう」とか。
だからこそか、かえって真人くんあたりの反応を見てみたいという気持ちが大きくなっていた。
「とりあえず」 私たちの心配りを見てもらえればそれでいいのかな、とも思い始めた私。「心を
込めて作ったんですよーってところを見てもらいますか」
「理樹君も真人君も一緒だと思うけどね」
「渡すときにさ、恭介さんと謙吾くんも一緒にいてくれるといいですネ」
まとめて渡してしまえば、誰や彼やという選択の余地もなく、まとまって伝わるような気がした。
- 383 :名無しさんだよもん:2010/02/07(日) 00:49:00 ID:0TGCzIPG0
- l
- 384 :5/6:2010/02/07(日) 00:55:35 ID:DVRLMYMr0
-
教室にたどり着くと、理樹くんに真人くんに謙吾くんに恭介さん。4人の姿が見えた。図らずも
みんなに同時に渡すことが出来ることとなった。
梱包してシールを貼り付けた4名分のギフトを手に、私たちは声をかけた。
「じゃーんっ、今日は何の日でしょうーっっ!」
「これ、私たちからのプレゼントです」
男子たちは少し反応が鈍い。今日? といった感じだ。
「なにかあったっけか?」
「おう、もしかしてこれはバレンタインデーってやつじゃないのか」
「みんなで作ったのを代表してもってきたの?」理樹くんの問いかけに、私は、
「違いマス。今日は小毬ちゃんとふたりだけで作っちゃいました」と、上機嫌に答えた。そこに、8
割くらいは小毬ちゃんの力によるものなんだけど、とは付け加えずに。
「……綺麗にラッピングしてあるな。みんなで頂戴してもいいのか?」
恭介さんは遠慮気味だ。遠慮することなんてないということを示すために私は、
「OF COURSE!」とイングリッシュで返事をしていた。
4人はそれぞれ梱包をほどこうとする。けどそこで問題が起きた。
「あれっ、なんだこりゃ、くっついているぞ」
「あ、本当だ。ラッピングのフィルムにチョコがくっついちゃってるよ」
教室内はストーブが付いており暖かかった。その温度差のせいだろうか、せっかく一輪一輪つ
くり上げたチュールレースのお花とドラジェが、透明なフィルムの花弁にひっついてしまっていた。
「ありゃ、これは失敗してしまいましたかネ」
見れば、2分の1の割合でひっついている。これは私が担当した分の可能性が出てきていた。
でもなんでなんだろう。理由はわからなかった。
「三枝、まぁ気を落とすな」
察しのいい謙吾くんは私が作った分が失敗なのだということに気が付いたようだった。
私は力なく言った。
- 385 :6/6:2010/02/07(日) 01:05:16 ID:DVRLMYMr0
- 「やはは、まぁはるちんはハズレだと思ってくれて結構ですから」
自分で言っていてずしりと胸に重みが加わった。けど自分の失敗なのだから仕方がない。でも、
こんな私のチョコでも理樹くんは「いや、ほら、剥がれるから心配しないで、成功しているほうとそ
んなに変わりないから」と優しい言葉をかけてくれる。うう、さっきはごめん、という気持ちになる。
「中はアーモンドなんだな、美味い」恭介さんはすでにカリッと音を立てて試食を始めていた。
「天然のサプリメントですヨ。ノンパレルという品種を使いました」
私は失敗を隠すために、アーモンドには十種類以上の栄養素が含まれているんですよ、ととう
とうと述べ立てていた。
私の話は聞いていないのか、真人くんはまだ慰めの言葉をかけてくれる。
「まぁなんだかわかんねぇけどよ、多少いびつになった程度でよかったじゃねぇか」
私はたまらなくなって、製作のうちの8割くらいは小毬ちゃんの力なんだよ、という余計かもしれ
ない一言を言うと、今度は小毬ちゃんが「そんなことないよ。これはふたりの力です」といたわりの
言葉をかけてくれる。ああ、私は友達に恵まれているナァとしみじみと思い入る。
「小毬ちゃんのは成功、私のはハズレ。それでいいんですヨ。みおちんと姉御とクドも用意があるっ
て言ってたし、そっちを楽しみにするのもいいのかもしれませんネ」
もう7時も過ぎているし、放課後の時間は長くない。きっとじきに姉御たちも来るに違いない。私は
自己嫌悪に陥りながらもみんなの慰めによって、心が浮き立つような気持ちになっていた。そしてお
菓子づくりは難しいナァと、しみじみと思ったのであった。
おしまい
雑記:反省できない=大人になれない。勢いで書きました。
>>380.383支援ありがとうございます!
248 KB
[ 2ちゃんねる 3億PV/日をささえる レンタルサーバー \877/2TB/100Mbps]
新着レスの表示
掲示板に戻る
全部
前100
次100
最新50
read.cgi ver 05.0.7.8 2008/11/13 アクチョン仮面 ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)