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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第19話

510 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:26:56 ID:lP++R+V/0
5年振りに雑文投下。瑞穗ちゃん一子End後から1年ちょいくらい?
設定とかうろ覚え&適当なので、おかしな点は見逃してやってください。8話くらい。
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『再会』

「父さんの名代ですか?」
「うむ。中元の挨拶のついでに、ちょっと様子を見てきてほしいのだ。」
「あぁ、妙子小母様ですか‥。そういえば、千早くんにも学校関係で問題を抱えているとか。」
「ほぅ。詳しいな。」
「まりやからの噂話程度にしか知りませんけど。
 でも正直、あそこの御門さんとはあまり接したことがないんですけどね。」
「だからこその名代だ。まぁ小一時間、世間話してくるくらいでかまわん。
 一応、親戚筋の状況くらいは軽くでも把握せぬわけにもいかなくてな。」
「‥‥はい。わかりました。」

というやりとりがあった数日後。夏まっさかりの炎天下。
西岡の運転するリムジンに乗って、我らがエルダー瑞穗ちゃんは
御門 分家宅の門戸をくぐるのであった。 おまけを連れて‥。

***

「どうもご無沙汰しています。妙子小母様。
 こちらは鏑木からのご挨拶になります」
「あらあら、ご丁寧にどうも。瑞穗さんもお久しぶりね。」
「はい、一昨年の年始以来でしょうか‥。」

などと、当主(代理)である妙子と瑞穗が、
どうにも堅苦しい親戚間のやりとりをしている間。

「へぇ〜。ここがまりやさんのご親戚のおうちなんですかー」

ふらふらと邸内を探索する一子であった。

511 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:32:56 ID:lP++R+V/0
なにせ、瑞穗と一緒にしか動けない地縛霊(?)であり、
行動半径の大部分が実家〜大学とならざるをえない非力の身。
こういったイレギュラーなお出かけには是非にでも同行し、
あらゆる好奇心を元に造詣を深め、よく見聞きし分かりそして忘れず、
いつかはお姉様の役に立ちたいと堅く心に誓う、幽霊3等兵だったりするのです!

「やっぱり、ご親戚さんのおうちも広いですよねー」
庭園を、邸内を。目的もなくふらふらさまよい歩いたあと。
最後の目的地とばかりに、一子は屋根の上にいた。

「はふー。暑くても、やっぱり屋根の上は風が気持ちいいですねー。」
うーん、と伸びをして、ぽつりつぶやくと。

「そうだよねー」
あるわけもない返事があった。

「ですよね、ですよね。まぁ正直、幽霊の身にとってみれば
 暑いというのは気のせいさんなんですが、そうはいってもこの開放感は‥、、へ?」

思わず長広舌をふるいつつ、ふと違和感を覚え、
振り返った一子の視線の先には、白衣を着たニコニコと笑う少女の姿があった。

「はじめまして。わたし、千歳ですー」

***

「はぁ。千歳ちゃんは弟さんを見守ってるんですかー」
「なのでーす」

予想外の遭遇からしばらくして。
最初はぎくしゃくしていた会話も、物怖じしない二人であればこそ、
和気藹々とした会話につながっていくのは至極当然。

512 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:33:46 ID:2zEvwI3P0
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513 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:37:08 ID:lP++R+V/0
「それはそれは、なんとも幽霊さん的には素敵な目的だと思います!
 その点、私なんかは寝過ごしたら幽霊になっていたばかりか、
 お姉様とお姉様を間違えてしまうわ、成仏しそこなるわ、
 なんとも面目ないお話ばかりでして」
「一子ちゃんはねぼすけなんだー」
「えぇ、これがまたお姉様と一緒に眠らせていただいた夜なんか、幸せすぎて
 このまま一生目覚めを迎えず、眠り続けたいなんて思っちゃったりするわけで、
 まぁ、もう死んじゃってるんですけどね。てへ☆」
「くすくすくす」

燦々と降り注ぐ陽光の下。
生い茂る樹々の緑と、雲一つない青空が映える夏の午後。
幽霊2人が明るく団らんするという、なんとも奇妙な光景がそこにあった。

「千歳さんは弟さんと眠ったりしないんですか?」
「んー。ちーちゃんはそういうの、恥ずかしがりそうだしー」
「あぁ、どうなんでしょうね、そういうの。
 弟さんっておいくつくらいなんですか?
「んー。誕生日まだきてないから16歳かなー?」
「なるほどー。といっても不肖高島一子、男性心理にはとんと疎かったりいたしますので、
 それを聞いても適切なアドバイスなんてちっともさっぱり思い浮かばないのも事実なのですが」
「くすくすくす。一子ちゃんっておもしろいねー」
「いやぁ、私としましてはお姉様を見習いまして、エレガントな淑女を目指して
 研鑽の日々を歩んでいるつもりだったりはするんですよ」
「おぉー。(ぱちぱちぱち)」

蝉しぐれの響く中。
なんとも脱力感漂う会話が風に漂いまくり。

***

514 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:41:09 ID:VnPcjmBL0
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515 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:41:31 ID:lP++R+V/0
「そうだ。ちーちゃん、みてみる?」
「えっ?いいんですか。ぜひぜひお願いいたしまーす」
「こっちー」

そういって一子の手を取って漂いだす千歳の表情は、なんとも嬉しそう。
それでなくても数年ぶりに楽しく会話をしたうえに
この気のいい相手に、自慢の弟を見せびらかせるというのだから、むべなるかな。

屋根裏を抜け、階段をくぐり。
居室の片隅からそっと顔を出すと。

絵を描いている途中で睡魔に襲われたのか、
ソファですやすやと昼寝をしている千早の姿があった。

「じゃじゃーん。これが我が自慢の弟、ちーちゃんでーす♪」
「おぉー。千早さん、美人さんじゃないですかー」

宙に浮きつつ、じっくりたっぷり千早の寝顔を見守る二人。

「かわいいでしょー。」
「うん。これは瑞穗お姉様の寝顔に匹敵するかわいさですね。」
「瑞穗お姉様?」

かわいらしく首をかしげる千歳。

「瑞穗お姉様は私の大事なお姉様で、それはもう素敵な方なんですよー。
 いま、このお屋敷にいらっしゃいますよー。」
「みてみたいー」
「では、参りましょう!」

516 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:46:21 ID:lP++R+V/0
お返しとばかりに千歳の手を取って漂い始める一子。
3部屋ほど自信満々に壁抜けを行ったものの。

「‥あれ?」
「えーと、場所はどこ?」
「お屋敷の応接間っぽいところだったかと‥」
「じゃあ、反対だねー。こっちー」
「はぅっ。誠に面目ないですぅ」
「ふふふっ」

***

そんなこんなでまたまた壁を抜けて辿り着いたるは応接間。
今なお、妙子と瑞穗の会話は盛り上がっていた。

「あれが瑞穗お姉様ですー」

えっへんと上半身だけ突き出した胸をはって自慢する一子。
その姿を見た瑞穗は一瞬目を見張るが、
妙子との会話を続けながらも、軽く微笑み目配せをしてくる。

「おぉー。‥‥あれ? 男の人です?」
「えぇ。瑞穗お姉様は、お姉様でありながら男性でもある、
 私の理想のお姉様なのです」
「へー。すごいですねぇー。 ‥‥ん? 瑞穗さん? 鏑木さんちの瑞穗ちゃん?」
「おぉ。ご存じでしたか。瑞穗お姉様は、宮小路瑞穗お姉様でありながら、
 鏑木瑞穗お姉様でもあるんです。(えっへん)」

千歳は微かな記憶を呼び覚まし、親戚の姿を思い浮かべる。
会った回数は少ないけれど、いとこのまりやと一緒にお見舞いにきてくれてきた
瑞穗の柔らかい笑顔は覚えていた。

517 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:46:50 ID:g2a/Y6Tn0
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518 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:50:45 ID:lP++R+V/0
「瑞穗ちゃんだ!」

久しぶりに会えたのが嬉しいのか、ぶんぶんと手を振る千歳。
だが、その姿は見えないのか、瑞穗は特に反応を返さない。

「あぅー。見えないのかなぁ」
「あらー。私の姿は見えているようなんですがねぇ。 そうだ!」

何を思ったか、千歳のことを後ろからぎゅっと抱きつき。
そのまま、うんうんと念を込める(ように唸り声を上げ始める)。

そうこうするうちに、霊体波長の同調か、はたまたKIAIのなせる技か、
真実は誰もわからないまま、千歳の姿は瑞穗の視界に徐々に現れ始めるのであった。。

***

突如、変な体勢を取り始めた一子の奇行を内心溜息をつきながら見守っていた瑞穗は。
ん?と最初は目を細め。んん?と次は首をかしげ。
状況を把握したとたん、驚愕に小さく目を見開いた。

「あら? 瑞穗さん、どうかしました?」
「いえ、失礼しました。用件を一つ思い出しまして。
 誠に申し訳ありませんが、そろそろお暇をしなければ、と‥。」
「あらそう? もっと瑞穗さんといろいろお話したかったのに‥。」
「その前に、お手洗いをお借りしてもよいでしょうか?」
「えぇ。場所わかるかしら? 廊下をでて右側よ」
「ありがとうございます。」

一子と千歳に目配せをして、廊下へ向かう瑞穗。

519 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:54:08 ID:lP++R+V/0
「瑞穗お姉様!」
「一子ちゃん。それと‥‥千歳ちゃん?」
「はいっ!」

後を追うようにしてでてきたのは、親に言われるがままに見舞いに向かった先、
儚げに微笑んでいた頃の姿のままである千歳の姿であった。

「さっき、千歳ちゃんとはお会いしまして、いろいろ興味深いお話を伺っていたんですよー」
「千歳ちゃん、あなた‥幽霊ですか?」
「はい。ちーちゃんを見守るために、幽霊やってますー」

にっこり笑う千歳に、おそるおそる手を伸ばし。
その栗色の髪をゆっくり撫で‥られることを確認した瑞穗は。

「そうですか‥‥。 千歳ちゃん、おひさしぶりですね。」
ゆっくり微笑みながら、そう告げた。

「はいっ!」

***

「本日はどうもお邪魔いたしました。」
「では、鏑木総帥にもどうぞよろしくお伝えください。」
「はい。承りました。
 で、厚かましいお願いになりますが、
 個人的に、また今度お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか。」
「えぇ。構いませんが‥。鏑木のほうでなにか?」


520 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:56:35 ID:OgABqwJB0
支援

521 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 20:58:12 ID:lP++R+V/0
「いえ。本当に個人的なお願いです。妙子小母様とのお話が楽しかったもので
 今日のお話の続きを是非させていただきたいと思いまして」
「あら。それは嬉しいわ。こちらも喜んで。
 瑞穗さんが女性化粧品に詳しいなんて思ってもいなかったわ」
「はは‥。まりやさんからいろいろ教え込まれてまして‥」
「うちの千早も、もう少し興味を持ってくれてもいいのに‥」
「はぁ‥。それは難しいかもしれませんが‥。
 ではまたご連絡いたします。本日はこの辺で。
 いえいえ。見送りは結構ですから。」

そういって一礼し、立ち去る瑞穗。
その横にはふわふわと一子が付き従う。

門前に回したリムジンの前で振り返ると、すでに妙子は屋敷に戻り。
そこには特に誰の姿も見えない。

だのに、瑞穗はゆっくりと微笑み。
大きく屋敷に向けて手を振った。

「瑞穗様‥?」
「あぁ、すいません。気にしないでください。
 そうですね。そろそろ戻りましょうか。」

車内から声をかける西岡に返答し、車中の人となる瑞穗。
ぽそぽそと呟いた声は運転席には聞こえず。
そして、リムジンはゆっくりと出発する。

522 :名無しさん@初回限定:2010/11/06(土) 21:01:58 ID:lP++R+V/0

走り出すリムジンの屋根からは一子が上半身を突き出し。
屋敷に向かって両手を振りながら、大声で叫んでいた。
「千歳ちゃん、またくるねー!」

その一子の声を聞き取ることができたのは、
車の中から、遠ざかる屋敷を優しく見つめる瑞穗と、
屋根の上から大きく手を振り返す、白い少女の2人だけであった。

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32行制限厳しいなぁ‥。話の区切りと微妙にあわない。

いまさらotbk2完了記念ってことで書いてみました。
支援thxでした。


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