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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第19話

366 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 20:53:40 ID:Efa43SgR0
/*************コンクール前日の夜 薫子の部屋〜************/

「はぁ、明日が本番……かぁ」

時計の針が12時を指す頃、薫子は布団に潜りながら一人呟いた。

「結局、お姉さまの誕生日に何をプレゼントしたらいいか、決まんなかったなぁ」
――茉清さん、頼りにしてたんだけどなぁ――

夏休みの間、数少ない友人に電話して助けを求めたのだが
『プレゼント?さぁ?私、プレゼントなんてあげた事も、貰った事もないからね。
その手の話なら、君のところの……確か…初音さん…だったっけ?
彼女に相談したほうが賢明だと思うよ。』
という事で一蹴されてしまった。
――かといって京香さんの電話番号なんて、知らないし……――
――となると、やっぱり由佳里さんの言ってた通り、ケーキ……かなぁ――
薫子は、初音には弱み(自分では弱みと思っている)について相談したくない。と思っている。

夏休み前の話ではコンクールの後に、寮のみんなでケーキでも食べよう……
という話をしていたのだけど、
『あのですね。由佳里ちゃん……コンクールが終わっても、
演劇部が帰るのは多分5時を過ぎる頃になると思うのですよ。
ですから、お気持ちだけ…有難く受け取っておくことにするのですよ。』
と、奏が断った。
由佳里も、奏ちゃんがそこまで言うんだから、とアッサリと承諾した。
『まぁ、ケーキだったらクリスマスなんかもあるしね。慌てなくてもいいんじゃない?』
ということらしい。

『まぁ、他に奏ちゃんを喜ばせるようなことはするけどね。』
――って由佳里さんは言ってたけど……何をするのかは教えてくれなかったし……――
――と、いけない いけない、早く寝ないと――


367 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 20:58:00 ID:Efa43SgR0
/*********コンクール当日 寮***************/

ピコピコ ピコピコ ピコピコ
不快な機械音と共に薫子は目を覚ました…。

「ん…んん……もう少しだけ……」

薫子は布団から手を伸ばし、身近に置いてあった目覚まし時計のアラーム音を止めた。
ピピピ ピピピ ピピピ
今度はもう少し遠い位置の目覚ましが鳴り始めた。
薫子は諦めて起きることにした。

「んん……ふあぁぁあ(あくび)」

ヨロヨロと立ち上がり、目覚ましのアラームを消すと…寝ぼけた顔をしながら、
なぜこんなにも目覚ましを厳重にセットしたのか……昨日の夜を思い返した。

「たしか……って、あ〜!今日はコンクールの発表会の日だった!!」

意識が鮮明になり、薫子は大慌てで着替えをして自分の部屋を出た。
リビングでは既に奏が朝食を食べ終わって、片づけをしようかという所だった。

「おはようございます。薫子ちゃん。今日は随分と早起きなのですね」
「おはようございます。奏お姉さま。だって今日は演劇部の発表会じゃないですか。
 そりゃあ、寝過ごすわけにはいかないじゃないですか。」

薫子は、バタバタとしながら自分の朝食の準備を始めた。
料理そのものは、昨日の晩に寮母さんに頼んで用意してもらってあった。


368 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 21:04:21 ID:H3BG29HT0
支援

369 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 21:08:24 ID:Efa43SgR0
「でも、薫子ちゃん。発表会が始まるのは11時からなのですよ?
 それに、聖應(私たち)の出番は午後の部ですから、そんなに慌てなくても大丈夫なのですよ」
「ですけど、奏お姉さまは部員として準備があるから、早めに会場へ行っちゃうんでしょ?
 ですから、私も一緒に付いていきます。」
「でも……」
「いいんです。私が勝手に付いて行くんですから。」

こうなったら薫子は頑固だ。
奏も、その辺のことは理解しているので、引き下がることにした。

「いただきま〜す」
薫子は用意した朝食を持ってくると、食前の祈りを省いて、急いで食べ始めた。
そんな薫子を見ながら奏では紅茶を淹れる準備をした……自分と薫子の二人分を…


「薫子ちゃん、忘れ物はありませんか?」
「はい、何度も確認しましたから…って、それは私が言うセリフですよ。」
「ふふふ…私は昨晩のうちに準備をすましておきましたから、大丈夫なのですよ」
玄関で靴を履いて、お互いに身嗜みを確認しあった。

「うん…大丈夫。それでは寮母さん。行ってくるのですよ。」
「行ってきま〜す。」
「は〜い、頑張ってきなさい」


外は晴れ、青い空の中 白い雲が浮かび、夏にしてはジメジメしない、そんな天気の中。
二人は寮を出発した。

370 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 21:44:00 ID:Efa43SgR0
/***********コンクール当日 会場前***********/

「うわっ……まだ始まる2時間前だってのに、すごい人……」
会場には見たことのない制服の人たちが既に集まっていた。
「それじゃ、薫子ちゃん。私はちょっと手続きをしに行ってきますので、
 ここで待っていて下さい」
「あ、はい。荷物は私が持っておきますから、行ってきて下さい。」
薫子は奏から荷物を受け取ると、会場の正門から少し離れた木陰のベンチに腰を下ろした。
会場の入り口付近では、奏がキョロキョロと辺りを窺っていた……。
小さな体と聖應の夏服、さらには大きなリボンが相俟って、
それはまるで、辺りを警戒している小動物みたいだった。

――これじゃ、初音じゃなくて、奏お姉さまの方が よっぽど兎だよ…。――

遠目で奏を見ていると、同じ聖應の制服を着た人が奏に話しかけきた。

――あれは……演劇部の部長さん…かな?………。あ、入ってった。――

それから、薫子はしばらく一人になった…。
ときたま聖應の生徒が珍しいのか、チラチラ見られることもあったが、
薫子は気にしなかった。
それに、遠巻きに見るのはどちらかと言えば一般の人の方が多かった。
コンクール常連の聖應は、演劇をやっている人にとっては別段珍しくもないのである。
そう考えると、あながち場違いな所にいるワケでもない……と思えて、気が楽だった。


371 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 21:56:13 ID:Efa43SgR0
「あ〜あ、でも…流石に暇だなぁ〜………ん〜〜〜!!(伸びをする)」
「だらしないわよ…薫子」
「わわっ」
伸びをしながら独り言を言っていると、不意に声をかけられた。
あわてて、姿勢を正して顔を横にやると、見知った二人が立っていた
「おはよう、薫子……今日は随分と早起きしたんじゃないの?」
「おはようございます。由佳里さん……
それは、もう…奏お姉さまのコンクール当日に寝坊するわけにもいきませんので……」
「おはようございます。薫子ちゃん」
「おはよう、初音」

スポーティな装いの由佳里に対して、大きなキャプリーヌを被って全体的に白い衣装でまとめた初音が薫子の横に立っていた。

「それにしても、まだ開演前だというのにスゴイ人だかりですね…」
「まぁ、制服を着ている人たちは、関係者だろうからね…
さすがに公演を見に来る一般の人達は、まだまだ来てないんじゃないかしら?」

由佳里と初音は会場前にいる人だかりをみて、それぞれの感想を言った。


「そうですね……なんだか、私、私服を着てココにいると、場違いな所にいるんじゃないかって気になってきたんですけど……」
「そんなの気にしちゃ負けよ。初音……どうせ、そのうち私服の人も増えてくるんだから」
「そ、そうでしょうか………」
「そ・う・な・の。……ところで、薫子…奏ちゃんは?」

気弱になってく初音を一喝すると、由佳里は辺りを見渡した。


372 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 22:00:19 ID:H3BG29HT0
支援

373 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 22:02:22 ID:Efa43SgR0
「奏お姉さまでしたら、少し前に演劇部の部長(らしき人だけど)さんと一緒に、会場内に入っていきましたよ。」
「え?もう……?? あっちゃ〜、ちょっと来るのが遅かったかなぁ」
「あ、いえ……荷物は私が持ってますから、すぐに戻ってくると思いますよ。
 手続きか何かをしに行くって言ってましたけど……」
「そっかぁ、よかった〜……ん〜、それじゃ、もうしばらく…………って
 あ、今出てきたのが、そうじゃない?奏ちゃ〜〜ん!」

会場内から出てきた二人…緑部長と奏でに気が付くと、由佳里は手を振って呼んだ。
それに気づいた奏も、緑と少しばかり話をすると、小走りでこっちにやってきた。

「おはよう。奏ちゃん」
「おはようなのですよ。由佳里ちゃん……それに初音ちゃんも」
「おはようございます、奏お姉さま」
「お二人とも、朝早くから来てもらって……ありがとうございます。」
「いいの、いいの、どうせ家に居たって暇なだけだからね。
………まぁ、それに他にも用があるし(ゴニョゴニョ)」
「ん?どうしたんですか??由佳里ちゃん」
「え?あっ……な、なんでもない、なんでもない……アハハハ」

――どうしたんだろ?なんか…由佳里さんにしては歯切れが悪いような……――


374 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 22:04:32 ID:hc7oCX/n0
しえん


375 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 22:06:18 ID:Efa43SgR0
「それよりも奏ちゃんの方はどうなの?お芝居、かなり重要な役を演じるんでしょ?」
「そうなのですよ…借金で苦しむ家庭の中、難しい恋に落ちる養女役なのですよ……
 ですが、夏休みの間、薫子ちゃんがお芝居の読み合わせを手伝ってくれましたから
 きっと、大丈夫なのですよ」
「へぇ〜、薫子がね………」

意外だ…と思いながら由佳里は薫子を見た。
当の本人は、恥ずかしくて、顔を真っ赤にしながら俯いていた
初音は、薫子を信じていたみたいで、
『だから大丈夫だって言ったじゃないですか』と言わんばかりの笑顔だ。

「そう言えば、由佳里お姉さま。……本日はゲストを呼んであるって仰ってましたけど…」
「ゲスト?……由佳里さん、誰を呼んだんですか?」
「呼んだかね?」
「うわぁぁあぁぁ!!」
「ひゃっ!」

薫子はあまりに驚いたので、おもわず(自分より身長の低い)奏に抱き着いた。
初音は薫子の大声に驚いて、由香里の背後に隠れてしまった。
声をする方を見ると、髪の長い……それでいて無表情…
まるで、巨匠と呼ばれる人が創った日本人形みたいな人がそこにいた。

――な、何者よ!この人…背後にいたのに、まったく気づかなかった……。――

薫子は奏に抱き着きながら、見たこともない人に対して鬼気迫る表情を向けた。

「ぶ、ぶ、部長さん!!??」

突然現れた その人に対して、第一声をあげたのは周防院 奏だった。


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