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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第19話

36 :はーくん ◆qV6dwdDny6 :2010/07/17(土) 19:05:44 ID:MlyQ9x3V0
「私には貴女しか見えていないのです……どうか私の気持ちをお受け取りください」
最初は気持ち悪いとかいってバカにしちゃったけれど、真剣なお芝居があたしをリードしてどんどん引きこんでいく。
可愛い……。
ここまで来ると千早はもう男でも女でもない感じだよね……。これで男だなんて本当にずるいと思う。

いよいよ山場であるカーミラとローラの吸血シーンだ。
あたしは千早をベッドに寝かしつけた。
「あぁ……カーミラ……」
せつない声で千早がさえずる。
漂う甘い香り、白く照らされたうなじ、耳に心地よく響く声。そして、肌を通して伝わる暖かい温もり……脳が麻痺していくように五感の一つ一つが千早に支配されていく。
目の前いっぱいに広がる千早を前に、あたしの頭の中は真っ白になってしまった。
「そんな……貴女にそんな目で見つめられてしまうと私は何もできなくなってしまうのです」
「貴女は恋をしたことが御有りなのだと思うわ、そしてきっと、恋というものはこんな晩に結ばれるものなのでしょうね」
そんな私などどこ吹く風、千早はローラのまま台詞を紡いでいく。目の前にいるのは気高く凛々しい千早ではなく、弱弱しくしおらしいローラそのもの……
「……誰とも恋などしたことなくてよ。 これからもしないつもり……貴女とでなければね」
なんとか台詞を思い出し、雰囲気に浸かり直す。
「……貴女は陽だまりの中で真っすぐに伸びる花」
「――――」

37 :はーくん ◆qV6dwdDny6 :2010/07/17(土) 19:09:41 ID:MlyQ9x3V0
――それは台本に書かれていない科白だった。
シーンを間違えたのだろうか? いや、千早がミスするなんて思えない。
「とても可愛く美しく咲き誇っている……」
状況を理解できずに固まっているあたしを尻目に千早から新しい科白が描かれていく。世界は千早の台本によって塗りつぶされ、千早とローラの境界線をかき消していく。
「……ぁ……ならば、雪の中で散る、花のような人」
あたしとカーミラの境界線もまた揺れて薄れて細く見えなくなっていく。
自然と千早の顔を弄ぶ手をゆっくりと顎先へ移し、顎を撫で上げる。
「私と貴女の想いは違う……私の想いは……」
指に抵抗を感じ、決してそれることのなかった視線が外れる。
貴女はローラなの? それとも千早なの?
「……それは違うわ」
あたしはカーミラなの? それとも薫子なの?
「――!」
再び目線が繋がる。
この世界にはあたしと千早しか居ない。
千早の目に光が溢れ、吸い込まれるように見つめるとそこにはあたししか映っていない。

38 :はーくん ◆qV6dwdDny6 :2010/07/17(土) 19:15:50 ID:MlyQ9x3V0
「なぜそんなに卑屈なことを云うの? 少なくとも貴女は、あたしにとってなくてはならない必要な存在なのに」
「……そんなこと……そんなことはない、けど……」
魔法にかけられたかのように、うっとりとした表情を見せる千早。あたしはその首筋に吸い寄せられていく。
「たとえこの姿が偽りのものだったとしても、その心は一つ……あたしは貴女をこんなにも大切に想う。 その心は真実よ……だから、信じて」
ゆっくりと千早の白い首筋に突き立て
「……!」
……ずに唇に吸い込まれていった。
千早の唇が何かを紡ぐように動く。
けれどその言葉をかき消すようにあたしの唇は執拗に千早の唇を追い続ける。
「……ぉ……んっ……」
言葉にされることを恐れるように千早の口を塞ぎ続ける。唇で覆うだけでは飽き足らず、舌を差し入れ口の自由まで奪い続ける。
千早の目は固く瞑られたまま、目尻に光が溜まる。
それがどんな意味を持っているのか聞けないまま、千早の肩を抱きしめ、上に覆いかぶさる。
「ローラ……可愛い人……」
「……違うわ……」
「――千早、可愛い人」
「――薫子さん」



「出来ましたら、史の存在を忘れないようにお願いします」
「「うわっ!」」

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