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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第19話

339 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 22:58:15 ID:abg6lJCD0
【二人だけの誕生日会】


「う〜ん…どうしよう」
夏休みのある日、薫子は自分の部屋で頭を抱えて悩んでいた。

「奏お姉さまって、どんな物が好きなんだろう…」

自分の部屋の椅子に腰かけて、ぼんやり天井を見ながらつぶやいた。

「もぅ、ちょっと早かったら、茉清さんとかにも相談できたんだけどなぁ」

外部から入学してきておよそ半年。完全に学園に馴染めていない薫子は、相談できるほど仲のいい友達は、ほとんどと言っていい程いない。

「京花さん達の連絡先も知らないし……」


話は夏休み前に戻る


340 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 22:59:09 ID:K09IrDW50
期待・支援

341 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 22:59:36 ID:abg6lJCD0
「あー!明日から夏休み…うーん、いい響き」
「か、薫子ちゃん……夏休み、そんなに楽しみなんだ…」
「うん!だってさ…朝いつまで寝てても大丈夫なんだよ?これって最高じゃない」
「ふふふ、すっかり元気になりましたね?薫子ちゃん。
 とても昨日まで机に突っ伏していた人とは思えないのですよ」
「ほんと、そうですね……はい、お姉さま方、お茶をお淹れしてきました」

夕食を食べ終わり、初音が食後の紅茶を用意して戻ってきた……

「ありがと、初音」
「ありがとうなのですよ。初音ちゃん」
「はい、薫子ちゃんも。どうぞ……」
「ありがとう…初音……(紅茶を一口飲む)……うん、おいっしい」
「うん…初音もなかなか紅茶を淹れる姿が様になってきたよね」
「あ、ありがとうございます由香里お姉さま、薫子ちゃん」

4人分の紅茶を淹れ、初音も自分の席についてお茶を一口飲んだ。


342 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:00:58 ID:abg6lJCD0
「まぁ、でも…薫子の気持ち……あたしは良く分かるけどね。
こう、体にかかっていた重りがハズレて身が軽くなる感じ……っていうか」
「そうなのですか?普段からやっていることをやればいいので……奏はイマイチ良く分からないのですよ」
「そりゃあ、奏お姉さまは頭イイんですもの……それに、アタシ…まだこの学園に慣れきってないと言いますか…未だにちょっと戸惑うことがあるんですよね………特に最近」

言いかけて薫子は少しため息をついた。

「ああ、『騎士の君』…のことですね?」
「そうなんだよねぇ」
「ん?何だね?…その…『騎士の君』っていうのは……」
「あのですね、由香里お姉さま。この前のフェンシングでの決闘があったじゃないですか。
アレ以来、一年生の間では薫子ちゃんを『騎士の君』って呼ぶようになったんですよ」

困惑している由香里に、初音は嬉しそうに答えた。
あの一件のせいで、薫子は奏にこっぴどく怒られ、さらに同学年生からは『騎士の君』等と呼ばれ…その上、部活からの(主に運動部)勧誘が引っ切り無しになった。

――あの話題になると、奏お姉さまが不機嫌になりそうだし……ああ、もぅ、あんな記憶…穴を掘って埋めてしまいたい――

薫子は考え出すほどに気分が落ち込んでいった……。


343 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:03:34 ID:abg6lJCD0
「へぇ、『騎士の君』ねぇ。ま、薫子は背も高いし運動神経も抜群なんだから、似合ってるんじゃないの?」
「そ、そんな心にもないこと言わないで下さいよ。
由香里さんだって『琥珀の君』って呼ばれるの恥ずかしくて嫌だ……って言ってたじゃないですか……」
「あ、あはは…はは……まぁ、そうなんだけどね」
「私も『白菊の君』と呼ばれて困惑してしまいますから、薫子ちゃんの気持ち……とても良く分かるのですよ」
「奏お姉さま……」

――よかった…――
先のフェンシング事件(薫子の喧嘩)の件で、奏の機嫌が悪くなったんじゃないかと心配していた薫子だったが、奏の優しい笑顔を見て胸を撫で下ろした。

「そ、そうなんですか?私なんて…名立たる皆さん囲まれて、逆に…その…何もできない自分が恥ずかしいと言うか……申し訳ないと言いますか…」

4人の寮生のうち、ただ一人、二つ名がない初音が、オズオズと答えた。
初音は学園でも話題を浚う人たちに囲まれて、自分の存在が小さく感じてしまった…

「いや、初音…」
「あのねぇ、初音。いい?仮にあなたに二つ名が与えられたとするわね?…だとしたら、そうねぇ……白兎か仔リスの君……って呼ばれるわよ?初音はそれでもいいの?」

初音はそのままでイイ…とフォローしようとした薫子を由香里が制した。


344 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:07:02 ID:abg6lJCD0
「さ、流石に『仔リスの君』は無いと思うのですよ…」
「細かい事はいいの奏ちゃん。
要はね…みんなその人の特徴的な部分を強調して『なんとかの君』って呼ぶの。
良くも悪くもね……
例えば、Aさんから見てBさんの長所も、Bさんにとっては気にしている部分かもしれないわけ………
でも、Aさんにとっては褒めているわけなんだからさ、Bさんは邪見にしにくいって事……
私だって、好きでこんな肌の色をしているわけじゃないんだから」
「そ、そうなんですか……」

初音はシュンとなった。
初音からすると由香里の小麦色…とまではいかないが日焼けした肌の色が羨ましかった…

「ま、それで…だ……目の敵のテストも終わって、さらに御大層な二つ名でも呼ばれることもなく、久しぶりに羽を伸ばして過ごしたいってワケよね?薫子」

初音が落ち込んじゃいけないと思い、由香里は話題を変えた。こういった場の雰囲気を和らげる事に関しては由香里はスゴイと薫子は思っている。

「そうなんですよ。で、朝はず〜っと10時頃まで寝て過ごしたいなぁって…」
薫子は朝に弱い。

いつも奏が『もぅ、薫子ちゃんったら、しょうがないのですよ…』と言いながらもニコニコして、起こしに行っている。
本当は少し薫子を咎めたい由香里だが、あまりに奏が嬉しそうにしているので、放置している。


345 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:07:03 ID:3U8mKUcL0
支援


346 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:08:36 ID:abg6lJCD0
「こら、薫子。寮に残るのはあなただけじゃないんだからね。
ちゃんと奏ちゃんの面倒も見るのよ?」
「ゆ、由香里ちゃん、別に奏はお世話してもらわなくていいのですよ。」
「ダメよ、奏ちゃん。ただでさえ奏ちゃんは、薫子に甘いんだから。
たま〜には薫子にもビシッっと言わなきゃ。」
夏休み、奏と薫子は寮に残ることになった。
「ところで私と奏お姉さまは寮に残るとして。
由香里さんと初音は夏休み中、実家に帰るんでしたっけ?」
「は、はい……母が海外から帰ってくるので久しぶりに家族みんなでお食事をしようと」
「まったく、初音は本当にお母さんっ子なんだから……」
「そういう由香里ちゃんはどうなのですか?」
「え?あたし?…あたしは……そうだなぁ、家に帰ってのんびり過ごすかなぁ」
「そっかぁ」

――なんか、羨ましいなぁ……――

「薫子、さっきも言ったけど、夏休みだからってのんびりし過ぎちゃダメよ?
奏ちゃんは今年の夏、とても忙しいんだから。
いくら奏ちゃんがお世話しなくてイイって言ったって、
自分のことぐらいは自分でしないと」
「うぐ…が、がんばります」


347 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:10:12 ID:abg6lJCD0
「そう言えば、奏お姉さま。演劇部の発表会って何日なのですか?」
「8月の20日なのですよ。初音ちゃん、見に来てくれますか?」
「はい。私、奏お姉さまの演劇、一度見てみたかったんです!
去年の学園祭の舞台がとても素晴らしかったってクラス中で話題になっていたんですよ」
「む、何?初音…お姉さまである私をさしおいて、
奏ちゃんの舞台の方が盛り上がるっていうの?」
「い、いえ。ちゃんと、由香里お姉さまの陸上をしてらっしゃる姿も素敵だなって話もしてますよ」
「本当かな〜」
「ほ、本当です。信じてください、由香里お姉さま〜」

もちろも、これが由香里なりの冗談であるということは初音だって理解している。
可愛い妹に対して少し意地悪をしている優しい姉といった光景だ。

背は薫子よりも低く、どちらかといえば大雑把な性格の由香里だが、料理の腕は凄く、とても気が利く優しい人だと薫子は思うようになってきた。
入学当初はビクビクしていた初音も今のように冗談を返すようになってきたし、イイ姉妹なんだと……
そんな二人を見て思わず薫子は思わず口元がゆるんだ。



348 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:10:56 ID:K09IrDW50
支援

349 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:13:24 ID:abg6lJCD0
「それにしても、いくら外部講演だからって、練習量多くありません?
奏お姉さま、ほとんど毎日練習に行かないといけないんでしょ?」
「聖鷹の代表として出演するのですから、
みっともない醜態を晒すわけにはいかないのですよ。
それにですね、薫子ちゃん。
何も演劇の練習だけじゃないのですよ。
劇で使う衣装の制作とか、他校や劇場の人たちとの打ち合わせなどもあるのですよ」
「うへぇ、演劇部ってそんなことまでやらないといけないんですか。」
「そうよ。だからね薫子。妹として、ちゃ〜んと奏ちゃんをフォローすること。
いつもの休日みたいに10時まで寝てるとか…以ての外だからね」
「う……は、はぁい」
「げ、元気出して下さい。薫子ちゃん。
たとえ奏お姉さまがいなくても、寮にはまだ寮母さんがいてくれていますから、
きっと大丈夫ですよ」
「初音ぇ…それは、微妙にフォローになってないよぉ」
「え、あ!ご、ごめんなさい」
「うぅ……」
「あははは」
「ふふふ」

より一層縮こまる薫子を見て、3人は笑いあった。


350 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:17:54 ID:3U8mKUcL0
支援


351 :名無しさん@初回限定:2010/10/16(土) 23:50:46 ID:bCIY/poQ0
間接支援

352 :名無しさん@初回限定:2010/10/17(日) 00:21:46 ID:Efa43SgR0
「あ、でも、そっかぁ。講演会が20日だと、ちょっと中途半端よね」
「え?何が中途半端なんですか?由香里さん」
「うん?薫子は聞いてないの?」
「だから、何をです?」
「奏ちゃんの誕生日、8月26日なのよ」
「え!そうなんですか!?」
薫子は目を丸くして奏の方を振り返った。
「そう、で…ちょっとした誕生日会みたいなのでもしようかなぁって思ってたんだけどね。」
「そ、そんな由香里ちゃん。
子供じゃないのですから、そこまでしてもらわなくてもイイのですよ。
講演会さえ見に来てくれたら、それだけで奏は満足なのですよ」
「そぉ?ま、20日の日に、奏ちゃんの講演会お疲れ様ってことで…終わった後、誕生日会を兼ねてケーキでも食べに行こっか」
「あ、それイイですね。私、賛成です。由香里お姉さま」
「初音ちゃんまで…」


「奏お姉さまの……誕生…日……」


困惑する奏をよそに、初音と由香里は大きなケーキを作るなど冗談を言い合っていたが、
薫子の耳には届いていなかった……


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