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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第19話

327 :1/5:2010/10/15(金) 11:04:09 ID:nfAKo7GE0
本スレで変態扱いされている順一が不憫になって書いた。
後悔はしていない。
なお、異論は認めるが取り入れないw


「順一さんの秘密」

街中のとある喫茶店で…

僕は順一さんと会っていた。
薫子さんの様子を報告する為で、春美さんの件で話を締めくくった所だ。

「ま、その調子で頼むぜ……まあ、流石にもう何事もないとは思うけどな」
「そうですね。薫子さんの為にも、その方が良いとは思います」
今日の報告はこれで終わりだった。

…でも、そこで話は終わらなかった。
「しかしお前、本当に男なんだろうな? 仕草だってどう見ても女だしな」
「……それはもう、母に鍛えられましたからね」
少し落ち込みながらも答えた所で、ふと思う所があって逆に質問をしてみた。
「それならあの時、順一さんは僕が男だってことをどうやって見破ったんです?」
「言ったろ? 筋肉の付き方さ。まあ、お嬢があの場にいなけりゃ流石の俺でも確信は持てなかっただろうが」
ん? と言うことは…


328 :2/5:2010/10/15(金) 11:04:50 ID:nfAKo7GE0
「それって、僕と薫子さんの身体を見比べたということですよね?」
「ああ、お嬢は昔っから体育会系だからな。それでも、男と筋肉の付き方は違うぜ?」
順一さんがうっかり口にした言葉を僕は聞き逃さなかった。
秘密を知られている側としては、ここは少しでも相手の弱みを握っておかないと。
「薫子さんは確かに相手が男でもひるまず立ち向かわれる正義感をお持ちですけれど、順一さんが言われるような筋肉女では無いと思うのですけれど」
僕の言葉に順一さんは、しまったというような表情になった。
「すまん、この話はお嬢には内緒な」
「ええ、分かりました。でも、私は薫子さんと同じ寮で暮らしていますし、何かの拍子に話題にしてしまうかも…」
「おいおい、頼むぜ」
「ほかならぬ順一さんの頼みですから、私としても秘密は守りたいとは思っているのですけれど」
少し考え込んだ順一さんは、口の端に苦い笑みを浮かべながら
「…何が知りたいんだ?」
「何のことです?」
「俺の秘密が知りたいんだろ?」
流石に話が早い。
「そうですね……それでは、『順一さんが男女を見分けることについてどうしてそんなに拘っているのか?』にしましょうか」
僕の問いに順一さんは少し遠くを見るような眼をして、それから少し低めの声で話し始めた。


329 :3/5:2010/10/15(金) 11:06:02 ID:nfAKo7GE0
「親爺の会社…NJF金融について、お前どれくらい知ってる?」
「以前はともかく、現在は銀行系資本も入っている大手の『貸金業者』という程度でしょうか」
「そこまで知ってるんなら話は早い。お嬢から俺の昔の話は聞いてるな? 
お嬢はあの通り隠し事は苦手だからな、多分お前にはしゃべっているはずだ」
「…ええ」
「俺が親爺の会社に入った時、と言ってもお嬢の世話係だったんだが、俺に色々と教えてくれた人がいたんだ。
この世界には珍しく頭も性格も見た目も良い人だったんだが、一つだけ困った所があってな」
「それはどんな所だったのですか?」
聞きかえした僕に、順一さんはニヤリと笑いながら答えを教えてくれた。
「いわゆる『オカマ』でな。ボディビルとかやるクセにおネエ言葉でよ、自分のことは『アタシ』、俺の事も『順ちゃぁぁあん』て呼ぶわけよ。
最初の頃は呼ばれるたびに鳥肌が立ったもんさ」
「…凄い人だったんですね」
「色んな意味で凄い人だったな。超一流大学出のインテリで法律関連のもめ事で負けたことは無かった。
今の親爺があるのも半分はあの人のおかげだろうな」
「どうしてそのような人が?」
「親爺の会社みたいな所に、ってことか? 聞いてみたことはあるんだが、『親爺さんに一目惚れしたのぉ!』て、はぐらかされた」
(案外、本気だったりとか?)
と一瞬想像してしまったが、すぐに切り替える。


330 :名無しさん@初回限定:2010/10/15(金) 11:42:39 ID:oP7McIz90
支援

331 :4/5:2010/10/15(金) 11:56:13 ID:nfAKo7GE0
順一さんの話にどんな意味があるのか、掴み切れずに聞き続けていると、
「で、何年かして俺が大学に行くという話になったんだ。親爺の決断で少しづつ仕事を真っ当な方向へ変えていくことになってな。
そうなると法律関連の知識のある奴が足りない。後から雇った奴は、いざって時に信用出来ないからな。」
「なるほど」
「ただ、俺が大学へ行くとお嬢の世話をする奴がいなくなる。それで、お手伝いを雇うことになってな。
来たお手伝いさんがスゴイ美人だったわけよ。親爺が顔で決めたんじゃないか?ってみんなで笑ったもんさ」
「?」
「ところが、実はこのお手伝い、当時親爺ともめてた組、いや会社のスパイだったんだ。
親爺の会社の内情調査と撹乱が目的だった。おまけに女装した男でな。それを見破ったのが…」
「その人だったというわけですね」
「そういうことだ。『美人すぎる女には気をつけろ』ってな。男と女の見分け方も教えてくれた。
もっとも『アタシは雰囲気だけで分かるンだけどさァ』って言ってたけどな」
「へえ…」
「その出来事以来、気を付けるようになった、て訳さ」
「その人は今?」
「…さあ、どうしてるんだろうな? その時の責任を取る形で辞めてしまったからな」
「でも、順一さんの話だと、その人は関係無いじゃあないですか。ほめられこそすれ、何故辞めなきゃならないんですか!」
つい、声が大きくなってしまった僕を手で制した順一さんは静かに続けた。
「確かにお手伝いの人選は親爺がやったことだがな、誰かが責任を取らなきゃならなかったんだ。」
押し殺した声のかすかな震えが、自分のしゃべっていることに納得していない順一さんの心をあらわしていた。


332 :5/5:2010/10/15(金) 11:58:08 ID:nfAKo7GE0
「……そういうことだったんですか」
「そういうことだ。ん、どうした? 難しい顔をして」」
思いのほか真面目な話になってしまって、少し考え込んでしまった僕に順一さんが問いかける。
「その話、薫子さんは?」
「知らん。2人とも本人の都合で辞めてもらったとしか言ってないからな」
「分かりました。薫子さんには秘密にしておきますよ」
そう告げた僕に、順一さんはニヤリと笑って
「…今の話が本当の話だと思ってるのか?」
「えっ?」
「…冗談、さ。単に俺が筋肉フェチってだけだ」
「もうっ。騙したんですね」
「ハハハッ」

軽く笑い飛ばしてみせた順一さんだったけど、その目が笑っていないことに僕は気づいていた。
この人は、薫子さんのためならどんな事でもやってのけるだろうけれど、自分の事についてはとても不器用な人だ。
今の話も間違いなく事実なのだろう。
でも、ここは順一さんの意図を汲んでおこう。
「それでは、今日はこれで失礼しますね。ああ、レシートを…」
と、取ろうとした伝票を僕より一回り大きな手が掴む。
「その格好してる奴に払わせるわけにはいかねえよなあ。甲斐性無しのヒモに見えちまうからな」
「ふふっ、そうかも知れませんね」

「じゃあな、これからも頼むわ」
「ええ、分かりました」
地上に出て、日射しの眩しさに目を細めながら僕たちは帰路についた。

(終わり)


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