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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第17話

249 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 13:35:56 ID:CuehPCMC0
>>246

なるほど、そう来ましたか。聖誕祭記念で本人の話題が出てこないのはビックリしました。
けど面白かったです。

貴子さんの話は気にしないでください。私も聖誕祭記念で思いつかないことは結構ありますから。
それと、瑞穂と薫子、楽しみにしています。

それでは、私も遅ればせながら一子ちゃん聖誕祭記念SS、投下させていただきます。

250 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 13:40:16 ID:CuehPCMC0
〜歓迎会は後の祭り〜

 学院祭当日、僕はお気に入りの娘との学院祭デートを終え、演劇の時間になるまで、自分の教室で休んでいた。
「瑞穂さん、お疲れですか?」
「紫苑さん……そうですね、疲れるというより、緊張している……と言った方が正しいでしょうか」
 紫苑さんと横に並んで話していると……。
「お姉さま! 危ない!」
 聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「えっ……?」
 僕が振り返ると、一子ちゃんが飛んできたジュース入りの紙コップをつかもうとしていた……
まあ、幽霊なのでつかめないんだけど……。
「わあっ!」
 一子ちゃんのおかげで僕は慌ててジュースをかわすことは出来たけど、クラス中の娘が一子ちゃんを見て
パニックになりかけている。
「ど、どなた……?」
「あ……」
 一子ちゃんも自分が出てはいけない場所に出てしまったことに気づいたようだ。だけど、出てしまったものはどうしようもない。
「あ……あはははは……みなさんこんにちは……」
 決まり悪そうに笑っている。

251 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 13:45:15 ID:CuehPCMC0
「きゃああああっ……!!」
「ゆ、幽霊、幽霊ですわ!!」
 その声を合図に、クラス中がパニックになって叫んでいる。
「あ、あのお……」
 一子ちゃんが近づいてなだめようとするけど、逆効果だった。
「と、とりつかれますわ! 身体をのっとられますわ!」
「呪わないでください! まだ死にたくありません!!」
「ひいいいいい!! 悪霊退散! 悪霊退散!」
「えーっと……」
 困り顔の一子ちゃん。僕はそんな心配ないのはわかってるけど、初対面じゃこうなるのも仕方ないか。
「はろー♪ 私悪霊でーっす♪ 怒らせるとマンモス怖いんだっぴー♪ お取り扱いにはくれぐれも気をつけてちょんまげ♪
……なんちゃって、えへ♪」
 バターン!!
 一子ちゃんが満面の笑顔でそうおどけると、僕と紫苑さん、圭さんを除くクラスのみんながずっこけてしまった。
「みんな落ち着いて、大丈夫、この娘は大丈夫だから……」
 僕はみんなを落ち着かせると、騒ぎを聞いて駆けつけてきた緋紗子先生の横に一子ちゃんと並び、自己紹介をさせることにした。

252 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 14:01:32 ID:CuehPCMC0
「……というわけで、この娘は私の母の後輩で……」
「高島一子といいます。はじめまして、よろしくお願いします」
「は、はあ……こちらこそ……」
「しかし、瑞穂さんも、今までよく幽霊と一緒に暮らしてきましたね」
「私も最初は驚きましたけど、一子ちゃんはいい娘みたいですから、一緒に暮らしても問題ないとわかりましたので……」
 他のクラスメイト達も、緋紗子先生もあっけにとられている。
「まあ、こんな可愛い幽霊さんがいらっしゃるとは、驚きましたわ」
 紫苑さんがお嬢さまスマイルを浮かべながら一子ちゃんに歩み寄ってくる。
「私は、幽霊といったら怖い顔で『うらめしやー』……というものだとばかり思っておりましたから……」
「ああ……私もそう思っています」
 います……って、一子ちゃん、相変わらず自分が幽霊だという自覚がまったくないようで……。
「えっと……」
「あ、申し遅れました。私、十条紫苑と申します。一子さん、でしたわね。ぎゅっとさせていただいてもよろしいかしら?」
「は、はあ……」
 一子ちゃんが戸惑っていると、紫苑さんは一子ちゃんをぎゅっと抱きしめた。
「温かくはないですが、冷たくもなくて、奏ちゃんとまた違った心地良さがありますわね」
「あはは……あの……奏ちゃんをご存知なんですか?」
(一子ちゃん、この人は私の友人で、去年のエルダーなの。私の事情もわかってくれているのよ)
 僕は一子ちゃんに小声で話す。もっとも、万が一誰かに聞かれたらそれまでだから、女言葉でだが。
「わあ、そうなんですか。言われてみれば、エルダーという空気が漂ってきていますねえ」
 それから一子ちゃんは、紫苑さんともすっかり打ち解けて仲良くなっていた。
「瑞穂さん……私にも予想外のことをしてくれたわね……超GJよ」
「圭さん……」
 僕がやったわけじゃないんだけどね……。

253 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 14:05:52 ID:CuehPCMC0
「それじゃあ、学院祭が終わったら、一子さんの歓迎会を開きましょうか」
「いいですね……あ、確か一子ちゃんの誕生日って……」
「はい、11月24日……明日です」
「まあ、そうでしたの! それでは、お誕生パーティーと歓迎会を同時にやりましょう!」
「紫苑さん……そうですね! そうしましょう!」
 緋紗子先生も、クラスのみんなもそれに賛同してくれた。
「あああ、みなさん……こんな浮いてるしか能のない三流アンデッドモンスターのために……
この高島一子、恐悦至極の極みでござりまするう……」
 一子ちゃんも涙を流して喜んでいる。でも、妙な時代劇じゃないんだから、その言い方は……。
「おおお、お姉さま……」
 と、そこへ貴子さんが君枝さんたちと一緒にやってきた。見ると、全身がガクガク震えている。
「貴子さん!」
 どうしたんだろ? 一体……。
「お姉さまが幽霊と一緒にいるというのは……!」
 そこまで言って、貴子さんは僕の後ろに隠れている一子ちゃんに気づいたようだ。
(貴子さんって、お姉さま、この人が悪の生徒会長……)
「ええ、“悪の”ではないけどね」
「あ……あああ……ほ、本当に幽霊と……」
 バターン!!
 貴子さんは倒れてしまった。
「ああっ! 貴子さん!!」

254 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 14:10:23 ID:CuehPCMC0
 しばらく落ち着いた後、僕はお互い怖がっていた貴子さんと一子ちゃんに、3人になって説明をしていた。
「ですから、怖がる必要なんてありませんから」
 貴子さんが悪者ではないというのは一子ちゃんはわかってくれたみたいだけど、
貴子さんの方はまだ一子ちゃんに対しておびえている。
「ででで、でも……」
「一子ちゃんは幽霊ですけど、中身は普通の女の子と変わりませんから」
 ……これは説明するより、実際にあったことを話したほうがいいかな?
「たとえばお茶を入れてくれようとしたときとか、ティーポットを掴もうとして指がすり抜けて、
『これじゃあお姉さまのお役にたてませーん! 運命のいじわるーっ!』って……」
 僕はほかにも一子ちゃんの今までの行動について話した。貴子さんは真剣に聞いてくれている。
「それから、訳あって私に取りついたときも、そのことにびっくりしてまりやに相談しにいったわけで、
そのあと『これならお姉さまにお茶を淹れて差し上げられる』って上機嫌で淹れた後で、自分で淹れてるのと変わらなくて、
私が飲めないことに気づいて落ち込んだりして……」
「あーっ! お姉さま、ひどいです! 私の恥ずかしい失敗談をばらすなんて! ひどすぎますひどすぎますひどすぎます!
もう呪っちゃいます呪っちゃいます呪い殺すの大決定です!!」
 一子ちゃんはそう言って僕に殴りかかってきた。とは言っても、ポカポカと可愛い擬音が聞こえてきそうな殴り方だけど。
当然僕はノーダメージ。
「あはは、一子ちゃん、呪いじゃない。それ、呪いじゃないから。それに、一子ちゃんを笑いものにしようとして
話したわけじゃないのよ」
「えっ?」

255 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 14:36:44 ID:CuehPCMC0
「プッ……」
 そう会話していると、貴子さんが不意に噴き出した。
「あーっ! 会長さんまでひどいです! 人の失敗を笑うなんて!」
「ご、ごめんなさい……別にあなたの失敗を笑ったわけではないのですよ」
「ふぇ?」
「あなたのような健気で優しい方に、取りつかれるとか呪い殺されると思っておびえていた自分がバカらしくなって
笑ってしまったのです」
「は、はあ……私もあなたのこと、悪の生徒会長だと聞いていましたから、どんな悪逆非道なことをされるかと
おびえていましたから……今考えるとバカバカしいですね」
「ふふふ……」
「「あははははは……」」
 貴子さんと一子ちゃんは笑いあう。よかった。一子ちゃん、貴子さんとも仲良くなれたみたいで。

256 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 14:40:30 ID:CuehPCMC0
 そして翌日……。
「一子さん、お誕生日おめでとうございます!」
(一子ちゃん、お誕生日おめでとう)
 講堂に僕のクラス、まりやのクラス、奏ちゃん、由佳里ちゃんのクラスのメンバーがイスと机を持って集まって、
一子ちゃんの歓迎会&誕生パーティーを開いている。
 ちなみに僕は、一子ちゃんに身体を貸している状態なので、一子ちゃんにしかしゃべれないけど……。
「ありがとうございます! みなさん!」
 一子ちゃんは涙を流して喜んでいる。
「わあ! この紅茶とケーキ、すっごくおいしいです! このお茶淹れ日本一を誇った私をもうならせるとは、
由佳里ちゃん、さすがお料理エルダーと言わざるを得ません!」
「あはは……一子さん、褒めすぎだよ……」
 ちなみにみんなの前には、昨日由佳里ちゃんのクラスで出していた紅茶とケーキが並んでいる。
他のお料理も全部由佳里ちゃんが作ったものだ。
 でも一子ちゃん、お料理エルダーって何?
「遠慮せずにどんどん食べてくださいね、一子さん」
「あぐあぐあぐ……ホントにおいしすぎて、箸が止まりませーん」
(あはは……一子ちゃん、久しぶりに食べられて嬉しいのはわかるけど、張り切りすぎてのどに詰まらせないようにね)
「ごふごふ……遅かったみたいです」
 もう、一子ちゃんったら……。
「でも、身体は瑞穂ちゃんなのに中身は一子ちゃんだから、瑞穂ちゃんでは普段見られない表情がいっぱい見れて興味深いわ」
 まりやはそう言いながらカメラのシャッターを切り続けている。
「確かに、貴重な体験ですわね」
「あはは、まりやさん、やめてください、恥ずかしいですよ」
 僕も恥ずかしいよ……というか、まりやにカメラで撮影されると、女装ファッションショーのトラウマが……。

257 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 14:46:29 ID:CuehPCMC0
「でも、本当に一度でいいから、お姉さまにお茶を淹れて差し上げたいです……」
 一子ちゃんもみんなと仲良くなり、パーティーも一段落して一子ちゃんが僕から離れた後、一子ちゃんが不意にそう漏らした。
「うーん……こればっかりは……」
 ティーカップがつかめない以上、どうにもならないよね。
「じゃあ一子さん、私に乗り移って淹れるのはどうかな?」
 由佳里ちゃんがそう提案してきた。
「ありがとうございます。でも、それはできないんです」
「どうして?」
「由佳里ちゃんと私って、魂の色が極端に似通っているんです。ですから、由佳里ちゃんに乗り移ってしまうと、
由佳里ちゃんの意識を私が取り込んでしまう危険があるんです」
「そうですか……それでは私が身体を貸して差し上げますわ」
「紫苑さん……それじゃあ失礼します」
 一子ちゃんはそう言って、紫苑さんに乗り移った。
「うーん……うーん……」
「一子ちゃん?」
 しばらくして、一子ちゃんは紫苑さんの身体から離れた。
「ダメです……乗り移った途端病気に……紫苑さん、この身体で普段どおりでいられるなんて……」
 そ、そうなんだ……僕は改めて紫苑さんに感心した。
「では、奏がお身体を貸して差し上げますのですよ」
「奏ちゃん……」
 次は奏ちゃんに乗り移る。
「わっ! わわっ!」
 しかし、一子ちゃんはバランスを崩してこけてばっかり。
「ダメです……体型が違いすぎて、バランスを保てません……」

258 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 15:15:18 ID:CuehPCMC0
「では、私の身体をお使いくださいませ」
 次は貴子さん。
「うわああああ! 熱い! 熱いですう!!」
 貴子さんに乗り移った途端、一子ちゃんはやけどしたかのようにパニックになって走り回る。
「今度はどうしたの?」
「会長さんの魂、情熱がありすぎてやけどしそうですう……」
「じゃあ、あたしの使ったら?」
 最後にまりやに乗り移る。
「ねえ、いつまでモタモタしてんのよ」
「一子ちゃん……?」
 確かに一子ちゃんが乗り移ったのに、話し方はまりやのままだ。一体……。
 そう思っていると、まりやの身体から一子ちゃんが出てきた。
「どうしたの?」
「ダメです……まりやさんの魂が頑丈すぎて、私が表に出て行けません……」
 それは……なんというか……。
「まったく……一子さんが表に出るのをも妨害するとは……やはり図々しさと図太さだけは天下一品ですわね」
「はあ? 貴子、何ワケのわかんないこと言ってんのよ!」

259 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 15:21:23 ID:CuehPCMC0
「結局、どなたの身体も失敗ですか……」
 一子ちゃんはしょんぼりしていた。無理もない。せっかくやりたい事ができると思ったのに、
最初からことごとく失敗だったんだから。
「ねえ一子ちゃん、もし成仏して生まれ変わる事が出来たら、
その時は私に一子ちゃんの淹れたお茶を飲ませてくれないかしら?」
「お姉さま……本当ですか?」
「ええ。待ってますから。約束よ」
「はい……約束です」
 僕は嬉し泣きしている一子ちゃんと指切りをした。一子ちゃんの淹れるお茶……僕もいつか飲んでみたいな……。

260 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 15:25:29 ID:CuehPCMC0
「一子さん、おはようございます……」
「おはようございまーす!」
「一子さん、ちょっと相談があるんですけど……」
「なんでしょうか? 幽霊二等兵で答えられることなら、相談に乗らせてもらいますよ」
 あれから一子ちゃんの噂は学院中に広まり、一子ちゃんも堂々と学院のみんなと会話するようになった。
 一子ちゃんの明るくて前向きな性格はみんなの人気を呼び、今や一子ちゃんは学院の人気者だ。
相談されたりすることも頻繁にある。
 それに歓迎会以来、学院全体が明るくなった気がするな。
「一子ちゃん、お疲れ様」
「お姉さま……でも、今までみたいにこそこそじゃなくて、堂々と学院生活に溶け込むことが
できるようになったのですから、疲れ以上に嬉しいです!」
 実際に一子ちゃんは楽しそうだ。疲れ以上にやる気が出てきているのが、見ていてよくわかる。

 そしてクリスマス直前にはみんなでお別れ会を開き、僕とラストダンスを踊って一子ちゃんは旅立っていった。
 寮生以外の生徒とは1ヶ月ちょっとの触れ合いだったけど、みんな一子ちゃんとの別れを心底惜しみ、
それでも来世の幸せを願ってくれていたのが、とても嬉しい。
「一子ちゃん、僕も一子ちゃんに負けないように頑張るから、その時は……また一子ちゃんも僕のそばにいてね?
そして……一緒にお茶を飲みましょう」

Fin

261 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/11/26(水) 15:34:44 ID:CuehPCMC0
以上です。
もし一子ちゃんが学院の生徒たちに知られたら、を考えてみました。
連続生誕祭なので不完全燃焼ですが、ここから色々創造していただければ幸いです。
それでは、お目汚し失礼いたしました。

管理人さんへ
「西遊記」は登場人物欄、紫苑さんは伏せておいた方がいいような気もしますが……。
あと、「学院祭のロミジュリデート」は、奏ちゃん、まりや、由佳里ちゃんも登場していますよ。
お手数ですが、次回更新時に修正お願いします。

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