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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第16話

120 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 10:29:25 ID:3fdb+Jty0
『私のパンチを受けてみよ』

とある休日の事、瑞穂達は街に繰り出した。
一通りショッピングを(主にまりやが)楽しんだ後、「少し休憩しましょうか?」と云う話になったのだが……

「あの……瑞穂さん、アレは何でしょう?」
「アレは……」
貴子の視線の先に有ったのは、ゲームセンターの店先に置いてあるパンチングマシーンだった。
「うわっ!懐かしいわねコレ。瑞穂ちゃんこう云うの得意でしょ?」
「……人を馬鹿力みたいに云わないでよまりや」
「ね、みんなでコレやってみようよ。最下位が今日のお昼御飯を奢るって事で……」
「やるのは良いけど、奏ちゃんと紫苑さんは思いっきり不利だと思うよ」
「申し訳有りませんが、わたくしは身体が弱いので、遠慮させていただきますわ」
紫苑がわざとらしくよろめいて見せた。
「大丈夫です。奏が紫苑お姉さまの分までがんばるのですよー」
「まあ!ありがとう奏ちゃん」
「紫苑お姉……むぎゅっ」
奏ちゃんを抱きしめるパワーが有るなら……なんて事は、絶対に口にしてはいけない。

121 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 10:32:46 ID:3fdb+Jty0
「それじゃ言い出しっぺのあたしからやるわ。瑞穂ちゃん、何かコツとか有る?」
「……そうね。自分が強く想っている事を拳に乗せてみる……って所かな?」
瑞穂のアドバイスに、場が沈黙した。
「あ、あれ?私変な事云ったかしら?」
「あ……いや、瑞穂ちゃんキザだな〜って思って」
「お姉さまはロマンチストなのですよー」
概ね好評だった様だ。

まりやは筐体にコインを1個入れ、マシンに向かって構えた。
「強い想いを拳に乗せる……ね。……貴子の陰険堅物女ーーーっ!」
バコーンッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、111kg』
「……ふう、まあまあかな?」
「まあまあかな……じゃありません!何ですか今のは?!」
「何って、あたしの貴子に対する強〜い想いを拳に乗せたんだけど」
「……まあいいですわ。それでは次はわたくしが挑戦致します。とりあえず、まりやさんにだけは負けませんわ!」
このマシンは1コインで3回出来るので、コインの追加投入は必要無い。貴子は無言で構えを取った。
「……(聞き取れない小声)んっ!」
パンッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、165kg』
「……ふう、まあまあですわね」
貴子はまりやに向かって微笑んだ。
「何よそれ?!何でそんなへなちょこパンチであんなスコアが出るのよ?!」
怒るまりやに対して、貴子はただ無言で微笑むだけだった。

122 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 10:41:34 ID:3fdb+Jty0
「では、次は私が挑戦します!」
由佳里がマシンに向かって構えた。
「……って由佳里、あんた居たの?」
「……居ましたよ最初から。セリフがたまたま無かっただけです」
気を取り直して……
「……(聞き取れない小声)まっ!」
パシンッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、162kg』
「……うん!まあまあです」
由佳里はまりやに向かって微笑んだ。
「何よそれ?!ゆかりんの癖にナマイキよ!」
「往生際が悪いですよ、まりやお姉さま」
怒るまりやに対して、由佳里もただ微笑むだけ……

「次は奏の番です!」
「奏ちゃん、店員さんに踏み台を借りてきたわ」
「お姉さま、ありがとうございますなのですよー」
瑞穂が改めてコインを投入し、奏は踏み台の上で構えた。
「……(聞き取れない小声)きなのですよー!」
パコッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、162kg』
「由佳里ちゃんと同点なのですよー」
「……何よそれ、奏ちゃんまで」
怒る気力すら失ったまりやを尻目に、奏は満面の笑みを浮かべた。

「……はぁ、何でこんな結果になっちゃったのかなぁ……」
落ち込むまりやに対して、紫苑は必死で笑いを堪える様な表情を見せた。
「紫苑さま?」
「ふふふっ、『強く想っている事を拳に乗せてみる』……瑞穂さんのアドバイスが功を奏した結果ですわね」
「?」
「裏を返せば、素直になれなかったまりやさんの負け……と云う事ですわ」
どうやら紫苑は、貴子達が何を想っていたのかを把握しているらしい。

123 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 10:47:13 ID:3fdb+Jty0
「……何だかよくわからないけど、宣言したからには仕方が無い。
 今日はあたしが奢るから、お昼を食べに行きましょ!」
「ちょっと待ってよまりや。まだ私の番が残ってるわ」
「……瑞穂ちゃんがあたし達よりも低いスコアを出すなんて有り得ないし。
 まあでも、瑞穂ちゃんのパンチは見てみたいかな」
「私も見たいです!」
「奏も見たいのですよー」
「あなた達、瑞穂さんにプレッシャーをかけてはダメですよ。さあ瑞穂さん、どうぞ!」
「何だか貴子さんに一番プレッシャーをかけられている気がするけれど……では行きます!」
それまでにこやかだった瑞穂の表情が一変した。
それと同時に、一瞬にして場の空気が張り詰めた物になった。
腰を軽く落とし、スタンスをやや広めに取ってから、静かに右拳を引いた。空手の構えだろうか?
「(声には出さない想い)……せいっ!」
ドゴーン!……ピピピピピピピピ……カチッ!
ものすごい轟音と共に、右ストレートがターゲットに突き刺さったのだが……
『ただいまの記録、Errkg』
場が静まり返った中、かろうじて由佳里が声を出した。
「……お姉さま、イーアールアールって何ですか?」
「これは……要するにエラー(Error)って事かしら?」
「……気合入れすぎよ瑞穂ちゃん。一体何を想ってぶん殴ったのかにゃー?」
「そ、それは秘密。えーっと、結局私が最下位ね」
「へ?最下位はあたしでしょ?」
「記録が出なかったのだから、私が最下位よまりや。それでは皆さん、お昼にしましょうか……」
(ふぅ……何とか誤魔化せたかな?)
瑞穂達は、レストラン街に向かって歩いて行った。

……果たして、瑞穂が拳に乗せた想いとは、一体何だったのでしょう?

『完』

124 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 10:51:49 ID:3fdb+Jty0
皆さまごきげんよう、十条紫苑です。本日は瑞穂さん達とご一緒にショッピングです。

 瑞穂さんが聖應にいらしてからと云うもの、わたくしにも素敵なお友達が沢山出来ました。
 以前のよそよそしい雰囲気とは違い、今のわたくしは充実した学院生活を送れています。
 瑞穂さんには、感謝してもしきれない気持ちで一杯です。


『比類なきハードパンチャーズ』

……あら?貴子さんが何かを見つけた様ですね。
「パンチングマシーン?どう云った物なのですか奏ちゃん?」
「あれはパンチ力を測る機械なのですよ、紫苑お姉さま」
どうやらまりやさんは乗り気みたいですね。でも……
「やるのは良いけど、奏ちゃんと紫苑さんは思いっきり不利だと思うよ」
やはり瑞穂さんはお優しいのですね。尤も身体が弱いと云っても、余程の無茶をしなければ問題無いのですが。
それでも瑞穂さんのお気遣いを無駄には出来ませんね……
「申し訳有りませんが、わたくしは身体が弱いので、遠慮させていただきますわ」
『わたくしは病弱です』と云うポーズを取ってみました。少々大袈裟だったでしょうか?

「それじゃ言い出しっぺのあたしからやるわ。瑞穂ちゃん、何かコツとか有る?」
「……そうね。自分が強く想っている事を拳に乗せてみる……って所かな?」
瑞穂さんのアドバイスで、場が静まり返ってしまいました。
「あ、あれ?私変な事云ったかしら?」
「あ……いや、瑞穂ちゃんキザだな〜って思って」
「お姉さまはロマンチストなのですよー」
そう云えば、男の方はロマンチストが多いと、美智子さんがおっしゃってましたね……

125 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 10:56:41 ID:3fdb+Jty0
「強い想いを拳に乗せる……ね。……貴子の陰険堅物女ーーーっ!」
バコーンッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、111kg』
「……ふう、まあまあかな?」
「まあまあかな……じゃありません!何ですか今のは?!」
「何って、あたしの貴子に対する強〜い想いを拳に乗せたんだけど」
「……まあいいですわ。それでは次はわたくしが挑戦致します。とりあえず、まりやさんにだけは負けませんわ!」
お二人は相変わらずですね。
でも『まりやさんが強く想っている事』は、わたくしにとって想定外の内容でした。てっきり……

「……(聞き取れない小声)んっ!」
貴子さんがパンチを出した時の叫び声を聞いて、わたくしの胸がチクリと痛みました。
心臓の発作などではありません。その様な肉体的な物とは全く違う何かがわたくしを蝕むのです。
どうやら他の皆さんには聞こえなかった様ですが、わたくしには全てが聞こえていました。
明確な音声では無く、貴子さんの強い想いが……
『ただいまの記録、165kg』
「……ふう、まあまあですわね」
ああやっぱり……
貴子さんが見せた笑顔は、わたくしの想像を確信に変えるのに十分過ぎる物でした。

126 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 11:01:33 ID:3fdb+Jty0
「……(聞き取れない小声)まっ!」
パシンッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、162kg』
「……うん!まあまあです」

「……(聞き取れない小声)きなのですよー!」
パコッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、162kg』
「由佳里ちゃんと同点なのですよー」

由佳里ちゃんと奏ちゃんも高得点を出しました。
考えるまでもありません。妹二人の想いも、間違い無く貴子さんと同じ物です。表情を見れば一目瞭然です。
瑞穂さんは理解されていない様ですが……やはり瑞穂さんは鈍感ですね。

本来なら微笑ましい光景の筈なのに、何故わたくしの胸はこれ程までに痛むのでしょう?
今わたくしの中で、微笑ましい想いと例え様の無い痛みが渦を巻いています。
幸い表情に出たのは前者の方ですが……
「紫苑さま?」
「ふふふっ、『強く想っている事を拳に乗せてみる』……瑞穂さんのアドバイスが功を奏した結果ですわね」
「?」
「裏を返せば、素直になれなかったまりやさんの負け……と云う事ですわ」
違う。素直になれないのは、まりやさんでは無くわたくしの方……
「……何だかよくわからないけど、宣言したからには仕方が無い。
 今日はあたしが奢るから、お昼を食べに行きましょ!」
「ちょっと待ってよまりや。まだ私の番が残ってるわ」
「……瑞穂ちゃんがあたし達よりも低いスコアを出すなんて有り得ないし。
 まあでも、瑞穂ちゃんのパンチは見てみたいかな」
「私も見たいです!」
「奏も見たいのですよー」
「あなた達、瑞穂さんにプレッシャーをかけてはダメですよ。さあ瑞穂さん、どうぞ!」
まりやさん達が瑞穂さんを激励しますが、わたくしはただ一人、お声をかける事が出来ませんでした。
瑞穂さんが拳に乗せるであろう『強い想い』。知りたい……知りたくない……どちらなのでしょう?

127 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 11:05:52 ID:3fdb+Jty0
「(声には出さない想い)……せいっ!」
ドゴーン!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、Errkg』
「……お姉さま、イーアールアールって何ですか?」
「これは……要するにエラー(Error)って事かしら?」
「……気合入れすぎよ瑞穂ちゃん。一体何を想ってぶん殴ったのかにゃー?」
貴子さん達の想いは容易に読めましたが、瑞穂さんの想いは結局わかりませんでした。
ただ一つ確かなのは、瑞穂さんご自身の力だけではない大きな何かが拳に乗っていたと云う事だけ……
「そ、それは秘密。えーっと、結局私が最下位ね」
「へ?最下位はあたしでしょ?」
「記録が出なかったのだから、私が最下位よまりや。それでは皆さん、お昼にしましょうか……」
瑞穂さんがレストラン街に向かって歩き始めました。
納得出来ない表情のまりやさんと、逆に清々しい表情の貴子さん達が付いて行きます。
あら?皆さん、瑞穂さんのパンチの凄まじさで何かを忘れていませんか?
「瑞穂さん、わたくしそこのコンビニで買う物が有るので、先に行っていて下さいますか?」
「紫苑お姉さま、それでしたら奏がご一緒するのですよー」
「ふふっ、奏ちゃんが一緒だと、抱き締めてしまってその場から動けなくなってしまいますから。
 ご好意だけ貰っておきますね。すぐに追いかけますから」
「……わかりました。何か有りましたら携帯にご連絡下さいね紫苑さん」
もしかしたら、瑞穂さんはお気付きになったのかもしれませんね。今わたくしが一人になりたいと云う事を……
肝心な所では鈍感なのに、妙な所で勘が鋭いのですね。
「ええ、心配なさらずに。すぐ済みますから」
宣言通りコンビニに向か……わずに、先程のパンチングマシーンの所に戻って来ました。
まりやさんがおっしゃってました。1コインで3回出来る……と。
確かにターゲットが上がっています。あと1回出来る様です。

128 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 11:10:26 ID:3fdb+Jty0
渾身の力を込める訳には参りません。ただひたすら想いを込める事だけを考えます……
「(声には出せない想い)っ!」
ズンッ!……ピピピピピピピピ……カチッ!
『ただいまの記録、173kg』
予想外……いいえ、予想通りの結果でしょうか?

……この想いだけは、誰にも知られてはならない。
わたくしは決意を新たにすると、本心を奥底に封印して、表情を作り直し、瑞穂さん達の後を追いかけました。

『完』


本日の比類なきハードパンチャーズ

1.十条紫苑  173kg
2.厳島貴子  165kg
3.上岡由佳里 162kg
3.周防院奏  162kg
5.御門まりや 111kg
       ・
       ・
       ・
ランク外.宮小路瑞穂 記録なし

129 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/05/11(日) 11:14:10 ID:3fdb+Jty0
以上です。紫苑編はかなりの難産でした。(文章の大半はコピペの癖に……)
某ゲーム(またか)のネタをパ……アレンジしました。原型はほとんど留めてません。
貴子達の想いは、バレバレだと思うのであえて書きませんでした。
お姉さまの想いに関しては、読み手の皆さんのご都(ピー)合主義にお任せします。

書きたい話はいくつも有るのですが、ネタは有っても文章が浮かばない……という状況です。
薫子ルートとか1回書いてみたいんですが……

少し早いですが、お姉さま誕生日おめでとうございます!


……正直ゲーセンのパンチングマシーンでは、正確なパンチ力は測れないんですよね。
いかに体重を乗せるかがポイントです。だから奏ちゃんは不利だし紫……
ピンポーン!
あれ?こんな雨の日に来客かな?

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