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処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第15話

1 :名無しさん@初回限定:2007/12/14(金) 21:12:24 ID:4tS5XWm60
ここは「処女はお姉さまに恋してる」のSSスレです。
優雅に礼節をもって進行していきましょう。
sage進行で。

「処女はお姉さまに恋してる」まとめサイト−「おとボク」SS作品リスト
ttp://takayan.s41.xrea.com/otoboku/ss_index.shtml

SS投稿掲示板@おとボクまとめ
ttp://takayan.otbk.root-node.net/ss/bbs_view.cgi?

おとボクSS投稿掲示板
ttp://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php

処女(おとめ)はお姉さま(ぼく)に恋してる SSの書庫
(処女はお姉さまに恋してるSS保管庫(仮)の跡です)
ttp://th2ss.hp.infoseek.co.jp/otoboku/


メーカー公式
ttp://www.caramel-box.com/


Q&Aテンプレは>>3-4

2 :名無しさん@初回限定:2007/12/14(金) 21:15:41 ID:4tS5XWm60
・前スレ
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第14話http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1185672661/

・過去スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108774069/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第2話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110222716/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第3話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110659167/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第4話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111234071/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第5話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111757700/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第6話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112791250/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第7話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1115118638/
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第8話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1117971026/
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第9話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1143304515/
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第10話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1156178671/
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第11話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1164204810/
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第12話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1171703000/
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第13話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1176527097/

3 :名無しさん@初回限定:2007/12/14(金) 21:16:25 ID:4tS5XWm60
Q&A その1

(;´Д`)<オリキャラ出したいんだけど……
(・∀・)<オリジナルキャラが原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合、受け入れられない
     事の方が多いようです。そんな作品の場合は投稿所の方が無難ですが、最終的な判断は作者さんに
     委ねられます。
     もし、これは大丈夫だ、と思ってスレに投下して、投稿した作品にケチをつけられたとしても、
     それはそれで一つの事実ですので素直に受け止めましょう。
     次の投稿時にその経験を活かしてください。

(;´Д`)<そんな固い事言ってたらオリキャラ使えないじゃん
(・∀・)<そんなことはありません。原作に登場してはいないものの、その世界に間違いなく存在しているキャラ
     (一般生徒・店員・通行人)等のいわゆるMobは、登場させても問題ありません。
     但し、それでもし投稿した作品にケチをつけられてとしても、それはそれで一つの事実ですので素直に
     受け止めましょう。次の投稿の時に(ry

(;´Д`)<原作キャラの性格を弄りたいんだけど、どの程度なら大丈夫なの?
(・∀・)<極端に変わっていなければ大丈夫です。が、だからといってスレに投稿してケチをつけられてとしても、
     それはそれで(ry
     例外的に、笑いを取りに行った場合には受け入れられる事もあるようです。

4 :名無しさん@初回限定:2007/12/14(金) 21:19:27 ID:4tS5XWm60
Q&A その2

(;´Д`)<瑞穂ちゃんがあまりにも可愛いので、おかま掘りたいんだけど……
(・∀・)<どうぞ掘ってください。但し、作品が出来上がったときはスレの方ではなく、投稿所へお願いします。
     逆に瑞穂ちゃんが掘っちゃった場合も投稿所を利用してください。

(;´Д`)<マリみてとか、極上生徒会なんかとクロスオーバーさせたいんだけど……
(・∀・)<クロスオーバー物は、混合物の元ネタを知らない人もいますので、投稿所の方へお願いします。

(;´Д`)<瑞穂ちゃんを襲った○○が許せません! お仕置きしてもいいですか?
(・∀・)<構いませんが、必要以上の暴力・陵辱・強姦・輪姦・監禁・調教・SM・スカトロ・グロ・強制妊娠・
     達磨プレイ・死姦・人体改造・触手・食人等、読み手を限定してしまうような表現がある場合は、
     投稿所の方へお願いします。
     また、直接的な表現が無くても鬱な展開になった時は受け入れられない場合もあります。

(;´Д`)<携帯だから投稿所使えないyo!使えるけど投稿所ヤダ!
(・∀・)<仕方ないので事前に1レス使って傾向報告、あぼーんできるようにコテ、ケチつけられても
     文句言うのはやめましょう。でも可能な限り投稿所利用してください。



(・∀・)<おとぼくの雰囲気に合わないと思われる作品は投稿所へ、どうすればいいか分からないときは
     皆に聞いてみて下さい。

5 :名無しさん@初回限定:2007/12/14(金) 21:22:49 ID:4tS5XWm60
・関連スレ
キャラメルBOX part35
http://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1197263959/
処女はお姉さまに恋してる 第63話
http://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1193556286/
キャラメルBOX やるきばこ part7
http://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1196861675/


6 :名無しさん@初回限定:2007/12/14(金) 21:25:54 ID:4tS5XWm60

★過去スレのミラーです★(処女はお姉さまに恋してるSSスレ)

第1話 http://2ch.pop.tc/log/05/06/20/0923/1108774069.html
第2話 http://2ch.pop.tc/log/05/06/20/0923/1110222716.html
第3話 http://2ch.pop.tc/log/05/06/20/0923/1110659167.html
第4話 http://2ch.pop.tc/log/05/06/20/0923/1111234071.html
第5話 http://2ch.pop.tc/log/05/06/20/0923/1111757700.html
第6話 http://2ch.pop.tc/log/05/06/20/0923/1112791250.html
第7話 http://2ch.pop.tc/log/05/06/20/0923/1115118638.html
第8話 http://2ch.pop.tc/log/06/03/26/1755/1117971026.html
第9話 http://2ch.pop.tc/log/06/08/21/2319/1143304515.html
第10話 http://2ch.pop.tc/log/06/11/23/1758/1156178671.html
第11話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1164204810&ls=all
第12話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1171703000&ls=all
第13話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1176527097&ls=all
第14話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1185672661&ls=all


7 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/14(金) 22:10:35 ID:UM0rFhEC0
>>L鍋さん、乙です。

8 :名無しさん@初回限定:2007/12/15(土) 20:20:12 ID:jT+kIq8h0
>>1子さん乙なのですよ〜

9 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/16(日) 01:32:07 ID:FtJ3TDwY0
まりやとかが見てた 小話
(別スレに書き込んだ勢いで書きました)

「ねえ、瑞穂ちゃん。アルバム整理してたら、幸穂さんの写真出てきたよ〜!
 瑞穂ちゃんと一緒に写ってるの」
「あらあら瑞穂さんのお母様ですか。どんな方でしたの?」
「僕はよく覚えていないんです・・・小さい頃に亡くなりましたから・・・」

「なんだか、セピア色で古ぼけてますね」
「本当ですわね。なんだか昭和初期の写真みたいですわ」
「母さまは昭和3X年の生まれだよ」
「あ、写真の裏になにか書いてあるのですよ〜」
「なになに・・・船穂 享年二十四歳、初穂四歳と。」
「曾お祖母さまとお祖母さまだ!」
「すごいです!幸穂お姉さまにそっくりです! もう瓜二つです。クローン人間です!
 お姉さまの家系は代々同じ容姿を受け継いでこられたのですね!」
「でも・・・たしか初穂様も若くして亡くなられたわよね。佳人薄命って言うのかしら?」
「ご先祖様のDNAは儚い命とひきかえに美しい容姿を手に入れられたのでしょうか」
「ええっ! ということは瑞穂さんも!? でしたら、早いこと・・・」
「早いこと、なによ? た〜か〜こ」
「えっと・・・あの・・そ、その・・・こ、こ、子供をたくさん・・・作りませんと・・・」
「きししし。じゃあ、今夜は瑞穂ちゃんに頑張ってもらいましょうか!」
「その意気や良し!ですわ。奏さん、料理長に特別料理をお願いしてくださるかしら」
「ハイなのですよ〜」

「母さま・・・ご先祖様・・・もう身体がもちません・・・」

10 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/16(日) 01:39:21 ID:FtJ3TDwY0
実験的にセリフだけで書いてみました。
ゆかりんの話し方忘れ・・・げふんげふn

宮小路家は代々女系一子相伝(チガウ)で短命という設定です。
はたして、鏑木に生まれた瑞穂ちゃんは長生きできるのでしょうか。

若くして腹上死に一票。

11 :名無しさん@初回限定:2007/12/16(日) 10:41:27 ID:qFiMUZJN0
>>10
いやいや、腹下死でしょうwww

12 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 10:40:34 ID:YMxaL14+0
また電波を受信しましたので、よろしくお願いします。


13 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 10:44:52 ID:YMxaL14+0
〜チカン対策〜

 ある日、聖央女学院の女子寮……。
「どうしたのよ、由佳里。元気ないけど……」
 夕食を食べていたまりやは、そう聞いた。
 今日、由佳里ちゃんは1人で街に出かけていたんだけど、帰ってきてから、なんだか元気がない。
「由佳里ちゃん、何かあったの?」
 僕も聞いてみることにした。
「それが……電車で帰る途中に、チカンに遭っちゃって……」
 由佳里ちゃんは沈んだ表情で、うつむいた。
「あらら、お気の毒……」
「由佳里ちゃん、かわいそうなのですよ……」
「辛いとは思うけど、元気出して」
「ありがとうございます……」
 僕たちはそれぞれ励ましたけど、由佳里ちゃんはお礼を言っただけで元気にはならなかった。
「でもさ、『やめて』って言ったら向こうだってすぐ手を引っこめたんでしょ? それが不幸中の幸いね」
 まりやが言うと、由佳里ちゃんは首を横に振った。
「じゃあ由佳里ちゃん、何も言わずに黙ってたの?」
「はい……」
「何ーっ!?」
 由佳里ちゃんの返事に、まりやが顔を険しくする。
「あんたねえ、『やめて』って言わないってことは、『YES』って言ってんのと一緒なのよ!? 
私はエロい娘で触ってもらって気持ちよくて嬉しいですから、どんどん触ってくださいって言ってるようなもんなのよ!」
「わ、私、そこまでえっちじゃありません!」
「あたしに言ってもしょうがないでしょうが。とにかく、これからはやられたら、はっきり『やめて』って言うこと! いい!?」
 まりやが強く言うと、由佳里ちゃんは泣き出してしまった。

14 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 10:50:12 ID:YMxaL14+0
「だ、だって、前にそう言ったら、逃げられた上に周りの人からジロジロ見られて、なんかヒソヒソ言われて、
すっごくイヤな思いをしたから……」
 そんなことがあったんだ。それにしても……。
「……許せないわ。チカンはもちろんだけど、興味本位で傷ついてる人をジロジロ見たり噂してる人も!」
 そんな場合、チカンを捕まえるなり、由佳里ちゃんを慰めるのが普通じゃないか! 
そんなの、見て見ぬふりよりタチが悪いよ!
「だいたい、チカンされた方は、眠れないくらいイヤな思いを引きずるのですよ! 
それに比べて、した人は枕を高くしてぐっすり眠っているのですよ! ひどすぎるのですよ!」
「あたしもあんまり人のこと言えないけどさ、どっちも頭に来るわよ! もしあたしがその場にいたら、
チカンを追いかけてって、ボコボコにして手足の骨折ってやったのに!」
 ……まりや、それはいくらなんでもやりすぎじゃ。
「お姉さま、まりやお姉さま、由佳里ちゃん、どうしたらいいのですか?」
「うーん……黙ってるのは論外だし、『やめて』って言うこともできないなら、直接撃退するしかないわね」
 奏ちゃんに聞かれて、まりやはしばらく考えた後そう言った。
「撃退って、どうやって?」
「チカンしてる手を強く掴んで、正体暴いてぶん殴るとかね。そうすりゃいくらなんでもやめるでしょ」
「うーん」
 ……ま、それしかないかな。チカンの方は、殴られても自業自得だし。
「でもまりや、やれって言われても急にできないと思うけど……」
「わかってるわよ! だから、瑞穂ちゃんチカンになって?」
「は?」
 僕は固まってしまった。話が全然見えない。
「だから、今から瑞穂ちゃんが由佳里にチカンして、由佳里に身体で撃退法を覚えさせるのよ」
 なるほど。つまり僕は訓練の実験台ってわけか。
「わかったわ。って、今から!? 由佳里ちゃん、チカンされて傷ついてるのに!?」
「だからこそよ。チカンに対する嫌悪感が強く残ってるから、練習にも気合入るでしょ!?」
 うーん……一応筋は通ってるな。

15 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 11:00:23 ID:YMxaL14+0
「じゃあ、この後すぐ始めるわ。由佳里ちゃん、いい?」
「ええ。私は別にかまいませんけど」
 由佳里ちゃんが言うと、まりやは元気に笑った。
「じゃあ決まりね。あたしと奏ちゃんは部屋戻ってるから。じゃあね」
「由佳里ちゃん、頑張ってくださいなのですよ」
 まりやと奏ちゃんは2階に上がっていく。

「じゃあ由佳里ちゃん、失礼するわね」
「は、はい」
 僕は由佳里ちゃんに断って、由佳里ちゃんの後ろに回りこんだ。
「由佳里ちゃん、遠慮なく蹴飛ばしてもいいのよ。これはチカン撃退のための練習なんだから」
「はい」
 僕はそう言うと、由佳里ちゃんのお尻を触り始めた。
「んっ……」
 由佳里ちゃんから反応がある。訓練のためとはいえ、女の子の大事なとこを触るのはやっぱり心苦しいな。
そりゃ、少しは嬉しいけど……。
「ほら由佳里ちゃん、早くしないと、どんどん深いところまで潜って行っちゃうわよ?」
 僕は耳もとでそう警告して、首筋に息を吹きかけた。こう言えば、さすがに恐怖心が沸いてくるだろう。
 さっきまりやからも耳打ちで、抵抗しようという気になるからって、できるだけ過激なことをするよう言われてるから。

(お、お姉さまの手が、もっとえっちなとこまで……)
 そう考えると、由佳里は今まで以上にドキドキしていた。
(ああ、気持ちいい……もっと奥まで、もっとえっちなとこを愛撫してほしい……)
 そうは思うものの、チカン撃退のための訓練だから、そんな味わっていられないことを思い出す。
(撃退のための訓練なんだから、お姉さまを蹴り飛ばしてやめさせなきゃいけないんだけど、
もうちょっとこの状況を味わうくらい、いいよね)
 由佳里はそう考え、もうしばらく快楽に身をゆだねることにした。

16 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 11:04:49 ID:YMxaL14+0
 どうしよう。さっきから由佳里ちゃん、全然抵抗しようという感じが見られない。
やっぱり相手が僕だから、蹴り飛ばすことに罪の意識を感じてるんだろうか?
「んっ、あっ、くうっ……!」
 さっきから由佳里ちゃんは、そんな喘ぎ声を出し続けている。このままじゃ、こっちの理性も少しずつ崩れてくる。
なんとかしなければ……。
「ひんっ!」
 僕は由佳里ちゃんに更なる嫌悪感を抱かせるため、首筋を舐め、右手をお尻から下着の中を通って前の方へ侵入させ、
左手をブラの中に侵入させ、激しく揉みしだいた。
「由佳里ちゃん、早くなんとかしないと、由佳里ちゃんが達してしまうわよ?」
 さすがにここまでやれば何もかも忘れて、僕を蹴り飛ばさざるを得ないだろう。
由佳里ちゃん、早くして、終わらせてよ……じゃないと、僕のほうがいろんな意味で持ちそうにないよ……。

(私、もうすぐ達してしまう……お姉さまに愛撫してもらって、イっちゃうんだ……)
 ビクンビクンと震える全身で、瑞穂の愛撫を感じていた由佳里は、瑞穂のその言葉で、
期待ともどかしさがMAXになってしまった。
 もはや、由佳里の頭の中からは、チカン撃退訓練のことは、完全に抜け落ちてしまっていた。
(ああ、お姉さま、もっと私を揉みしだいて……今まで感じたことのないくらい、激しくイかせて……!)
 由佳里は目を閉じて、どんどん過激になっていく瑞穂の愛撫が、いったいどこまでになるのかを考えていた。

17 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 11:09:16 ID:YMxaL14+0
(どうしたんだろ? 由佳里ちゃん、どんなに言っても全然抵抗を見せない……こうなったら!)
 由佳里ちゃんの様子を見てると、やっぱり優しいアドバイスをしてると相手が僕だという意識から遠慮してしまうんだろう。
由佳里ちゃんも、多分もうすぐ限界だ。早く何とかしなければと、僕は作戦を変えることにした。
「由佳里ちゃんって、ホントいやらしい娘ね。私にもっとえっちなことしてほしいんでしょ?
私の中でイっちゃいたいんでしょ?」
 もうお姉さまらしくとか言っていられない。チカンになりきることだ。ここまで由佳里ちゃんを侮辱すれば、
さすがに僕をお姉さまとは思わないだろう。完全に僕を敵と認識して、思いっきりできるはずだ。

(はあんっ……お姉さま……そんな……)
 由佳里は瑞穂の言葉を聞いて、身も心もいっそうとろけてしまった。瑞穂の言葉も、今の由佳里には
甘い官能の世界へのいざないにしか聞こえない。
 さらに、自分の恥ずかしい一面をわかってこんなことしてくれているという幻想が、由佳里をいっそう興奮させていた。
そして……。
「ふあああああああんっ……!!」
 瑞穂の腕の中で、とうとう由佳里は快楽の渦に完全に飲み込まれてしまった。

18 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 11:13:58 ID:YMxaL14+0
「あああ……やってしまった……」
 達してしまった由佳里ちゃんを見て、僕は激しい自責の念に駆られた。
 完全に裏目に出てしまった。僕の右手には、由佳里ちゃんのぬるっとした液体がいっぱいついている。
「とりあえず、なんとかしないと……」
 急いで由佳里ちゃんのショーツを脱がせて、中をタオルでよく拭き取り、終わると再び元通りにはかせてあげた。
「ごめんね、由佳里ちゃん……」
 僕は気を失っている由佳里ちゃんにそう謝罪すると、由佳里ちゃんを部屋まで運んだ。
 由佳里ちゃん、今は僕の顔なんか見たくもないだろう。そのまま立ち去った方がいいよね。
 それにしても……僕は傷ついてる由佳里ちゃんに、傷口に塩を塗るようなことをしてしまった上、
最後にあんな恥知らずな罵声まで浴びせてしまうなんて……!
「あああ……なんてことをしちゃったんだ……僕は……僕はっ……!」
 僕はしばらく、由佳里ちゃんの部屋の前で落ち込んでいた。

「瑞穂ちゃん」
 僕が立ち直ると、まりやが部屋から出てきた。
「まりや……」
「どうだった、由佳里の訓練は。うまくいった?」
「大失敗だよ……」
 僕は、まりやに訓練の状況と結果を話して聞かせた。
「ふうん……なるほどね」
「僕はもう疲れたから寝るよ。由佳里ちゃんのこと、よろしく頼むね」
 今は、まりやに励ましてもらうか、慰めてもらうしかないだろうな。
 僕は自分の部屋に戻って行った。
「……何よ、大成功じゃないの」

19 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 11:20:45 ID:YMxaL14+0
 そしてその夜、瑞穂は……。
「ううう……傷ついてる由佳里ちゃんに対して僕って男は……なんて……なんて最低なんだっ……!」
 由佳里にしてしまったことへの激しい罪悪感から、一睡もできなかった。

 その由佳里はというと……。
「うーん……やあんっ……お姉さまあ……もっとお……むにゃむにゃ……」
 瑞穂にたっぷり気持ちよくしてもらって満たされたので、その夜は枕を高くして、安らかにぐっすりと朝まで眠れたのだった。

Fin

20 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/19(水) 11:29:30 ID:YMxaL14+0
以上です。お目汚し失礼いたしました。

ところで、新たな題材を考えたのですが、これを見て電波を受信した方は、どうか投稿をよろしくお願いします。

女子寮のゴミ収集日。瑞穂は洗濯前のゆるくなった下着をその中に入れて、ゴミとして出そうとした。
それをまりやが抜き取って……。

では、私はこれにて。


21 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/20(木) 21:41:27 ID:NP6373iL0
乙です。
チカン対策にはなってませんよ〜

最近デレなまりやも可愛いかもと思い始めました。

22 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/21(金) 01:49:09 ID:0WovZ+Yy0
>>21
>チカン対策にはなってませんよ〜
まあ、瑞穂くんがチカン役では絶対にムリでしょうね。

>最近デレなまりやも可愛いかもと思い始めました。
そうですね。「まりやとかがみてた」の続編で瑞穂×まりやで使ってみてはいかがでしょう?
瑞穂くんが使う電気カミソリの“振動音”に“反応”した由佳里ちゃんをまりやが見つけるところから始める、
というのも面白いかも、と思います。

23 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/21(金) 06:32:05 ID:7G6MYKsJ0
では、まりやがチカン役でゴー。
瑞穂ちゃんは見て見ぬふりをする他の乗客。
「助けて! お姉さま!」と叫ぶと正義の味方、エルダーレッドが助けてくれるぞ。
エルダーレッドの相棒で黒い紫苑さまのエルダーブラックもいる。

まりみてでまりやを扱うときには意外に可愛いシチュエーションが良いなと思ってます(笑)
エロエロな感じで誘うまりやを、純情なキスひとつで羞恥に身悶えさせる瑞穂くん。
たぶん、幼なじみの間柄なのでお姉さま分は少ないかも。

24 :名無しさん@初回限定:2007/12/21(金) 15:04:01 ID:7eWArqEc0
>>23
確かに瑞穂ちゃんが痴漢役じゃ火に油を注ぎそうだなw

>>まりみてでまりやを扱うときには意外に可愛いシチュエーションが良いなと思ってます(笑)
初代45氏のような激甘風か?それは楽しみだな〜。


25 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/21(金) 17:42:03 ID:7G6MYKsJ0
>>24
ほほう。初代45の人という方が可愛いまりやをかいているのですか。
それはぜひ参考にさせてもらいましょう。

ギャラリー無しの二人だけでえっちというのも考えてます。

26 :名無しさん@初回限定:2007/12/21(金) 22:57:30 ID:7eWArqEc0
>>25
参考にドゾー
45のおとボク部屋
http://www.geocities.jp/obroom45/45INDEX.htm

まりやED後の瑞穂ちゃんとまりやのラブラブ話が大半です。

27 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/21(金) 23:06:03 ID:7G6MYKsJ0
え、えろい・・・///

28 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:09:12 ID:J6Wq9r870
クリスマス用のSSが完成しましたので、投下させていただきます。
なお、このSSは現実離れした展開が含まれているため、そういうお話が嫌いな方はご注意ください。
それでもよろしければ、どうぞ見てやってください。

29 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:14:23 ID:J6Wq9r870
〜エルダーとのクリスマス〜

「なんだろ、瑞穂ちゃんってば、2人の時間がとりたいからって、こんなとこに呼び出して?」
 まりやは手紙を手に、聖央の近くの公園に来ていた。手紙の差出人のところには、「宮小路瑞穂」と書いてある。
「お姉さまのお部屋ではなくこんなところで、お姉さま、いったいどんな御用なのか、不思議なのですよ」
「奏ちゃん!?」
 すると、しばらくして奏がやってきた。
「瑞穂さん、いったいどうしてこのようなところに?」
「貴子まで!」
「お姉さま、どうしたんだろ?」
「瑞穂さん、どのようなおつもりかしら?」
 そして、由佳里と紫苑もやってきた。
「あ……」
 そして、お互いみんなの存在に気づいたようだ。
「どういう冗談なんじゃあ! 瑞穂ちゃんはーっ!!」
 瑞穂にだまされたと思ったまりやはそう怒鳴り声を上げる。
「まりやさん、淑女たる聖央の生徒がはしたないですわよ」
「それに、いくら単純な瑞穂さんでも、こんな誰にでも非難を浴びることがわかるようなことをなさるとは考えにくいですわ」
 言われてまりやは落ち着きを取り戻す。
「じゃあ、この手紙は……」
「ニセモノ、ということになりますわね」
「一体誰がこんなことを……」
「何が目的か、気になるのですよ」
 奏と由佳里が不安げにこぼす。そこへ……。

30 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:19:15 ID:J6Wq9r870
「大変です大変です大変です!! お姉さまがこの自爆霊二等兵をこのようなところにお呼び出しして、
学院から出られないのにと思っていたら、魔王ルシファーも仰天の外への扉がいつの間にか開かれていて
人魚が水の中を泳ぐがごとくこの目的地まで……」
「「一子さん!?」」
「一子ちゃん!」
「ってみなさん!? いったいどうして……まさか、私がお姉さまと結ばれるにふさわしくないと……」
 一子がマシンガントークを炸裂させながら公園まで来た。
「一子ちゃん落ち着け! 推測を間違えてるついでに字も間違えてる! 自爆霊じゃなくて地縛霊よ!」
「あ、まりやさん、はい……」
「あの……その方は……?」
 呆然とする紫苑と貴子に、まりやが紹介した。
「はじめまして。高島一子と申します。よろしくお願いします」
「まあ、ずいぶん明るくて可愛い幽霊さんね。私は十条紫苑です。よろしくお願いしますわね」
 にっこり微笑みながら返す紫苑。
「ひいいいい……ゆ、幽霊ー!!」
 顔を引きつらせながら必死に逃げようとする貴子。
「あ、か、会長さん、待ってください!」
 そこで由佳里が引きとめた。
「一子さんは大丈夫ですよ。私も幽霊は大の苦手ですけど、一子さんとは普通に話せますから」
「一子さんは幽霊だという自覚があまりない方なので、普通の女性の方にしか見えないのですよ」
「あまりじゃないわよ。全然でしょ?」
「うーん……どっちかというと全然の方が近いでしょうか?」
 寮のメンバーの説得を見事にまとめる一子。
「……なんか、本当に幽霊のイメージとはかけ離れている方ですわね」
 貴子が感心していると、由佳里の表情が驚愕している。
「………!! い、一子さん! あ、足……」
「足? 足がどうかしたんですか?」
 言われて一子が見ると……。

31 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:23:56 ID:J6Wq9r870
「あ、あれ? 足が地面についてる」
 気づいた一子が、公園のベンチに手を触れてみると……。
「触れる! 触れます!」
 なんと、一子は人間として生き返ったようだ。
「わあ! すごいですすごいです奇跡です! これぞまさにマリア様の祝福です!」
 それからしばらく一子のマシンガントークは続いた。

「でもいったい誰なのかしらね? 一子ちゃんまで生き返らせて、瑞穂ちゃんの名前を騙って
あたしたちをこんなところに呼び出すなんて?」
 まりやが言うものの、誰も答えを出せるはずもなかった。
「まあ、せっかくですから、このまま仕掛け人さんの罠にはまっていましょう」
「紫苑さま……そうですわね。私としても、何が起こるか興味がありますから」
 そうして話していると、公園の向かい側の入り口から誰かがやってきた。
「お姉さま!」
 みんな唖然とする。やってきたのは瑞穂だった。
「あ……」
 瑞穂もみんなに気づいた。
「みーずーほーちゃーん! なんなのよ! あんなふざけた手紙でみんな呼び出しといて!」
 まりやが瑞穂の首を絞めながら聞く。
「て、手紙って、もしかしてみんなも?」
 瑞穂は苦しそうにしながら聞き返す。どうやら瑞穂も、だまされて呼び出されたらしい。

32 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:28:52 ID:J6Wq9r870
「みんな“も”ってことは、瑞穂ちゃんも?」
「うん。でも、まりやが来てくれててよかった」
 瑞穂はそう言ってまりやを抱きしめる。
「み、瑞穂ちゃん……」
 頬を染めるまりや。一方、それを見て動揺する貴子。
「ちょ、ちょっと瑞穂さん! 先日私のことを愛しているとおっしゃったそばから……」
 そう。瑞穂と貴子は、少し前に告白してつきあい始めたばかりなのだ。
「ああ。あれは私じゃないわ」
 瑞穂は、まりやに抱きついたまま、貴子を見てそう言い返した。
「私じゃないって、あなた、宮小路瑞穂さんでしょう?」
 紫苑はそう言い返した。
「ええ。だけど、貴子さんに告白したのは、私であって私じゃないのよ」
「………?」
 その言葉の意味を、全員が理解できない。
「あ、あれ……みなさん、見てください!」
「えっ? 一子さん、あれって……?」
「あ、あれは!!」
「………!!」

33 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:32:33 ID:J6Wq9r870
 一子に言われてみんなが見ると、全員驚愕した。公園の向かい側から、なんと瑞穂が数人やって来たのである。
「あっ! 貴子さん、来てくれたんですね」
 そう言って、瑞穂の1人が貴子のもとに来る。
「あ、あなたは、私だけの瑞穂さんですか?」
「ええ。そうです」
「これは仕掛け人さんも、なかなか粋なことをしてくださいますわね」
「なるほど。そういうことだったのね」
 紫苑の言葉にまりやがそう推測する。全員、瑞穂が数人いる意図が読めた。
「そうすると、奏のお姉さまもいらっしゃるのですか?」
「ええ。私がそうよ、奏ちゃん」
 奏のところにも瑞穂の1人が来た。
「紫苑さん、イブを2人で過ごしませんか?」
「一子ちゃん、正式に私のお嫁さんになってくれないかしら?」
 紫苑と一子も同様である。
「ええ。瑞穂さん、喜んで」
「お姉さま! もちろんですよ!」
 みんながみんな、この状況に驚きながらも喜んでいる……が……。
「ちょ、ちょっと待ってください! 私の、私のお姉さまは……」
「えっ……?」
 由佳里に言われてみんなが見ると、ここに呼ばれたメンバーは6人。対する瑞穂は、5人しかいなかった。
「さ、さあ……仕掛け人が、なんか失敗でもしたんじゃないの?」
「失敗って……なんとかならないんですか!?」
 由佳里は呆然としながら言う。
「なんとかと言われても……」
 みんなは困った顔だ。それはそうだろう。こんな前代未聞の状況、手の打ちようもない。

34 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:36:22 ID:J6Wq9r870
「さあ貴子さん、2人っきりのクリスマスデートを楽しみましょう」
「紫苑さん、行きましょう。2人の聖夜の時間を作るために」
「え、ええ……」
「って、こんな夢みたいなお話でも、私はまたオチ役に回されちゃうんですかあ!?」
「あなたのことを、なんとかしてあげたい気持ちはありますが……」
「こればかりはどうしようもありませんわ」
 紫苑と貴子は困り顔で答えながら瑞穂に連れられて公園から去る。
「由佳里、圭にでも相談するといいよ。まあ今行くと美智子が怖いから、
新学期になってから行けば、きっとなんとかしてくれるよ」
「まりや、家の衣装、似合うの全部着させてもらうわ。サンタガールのコスプレ衣装もね」
「瑞穂ちゃん、それ本当? よーし燃えてきたわ! じゃ、早速行きましょう」
「ちょ、ちょっとお姉さま!」
「瑞穂ちゃんのファッションショーの写真、後で由佳里にもあげるわ。だから、今はそれで我慢して」
 由佳里は一子と奏を見た。
「由佳里ちゃん、新学期になったら、奏たちも由佳里ちゃんにも何かしてあげるのですよ。
ですから、今日はお姉さまと2人っきりで楽しませてほしいのですよ」
「由佳里ちゃんに申し訳ない気持ちは皆さん同じですけど、今は夢のような時間を過ごさせてくださいね」
 奏と一子も、瑞穂と一緒に公園から去っていった。
「あ……ああ……」
 そして誰もいなくなった。

35 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:40:30 ID:J6Wq9r870
 その後、紫苑と瑞穂は……。
「ふふっ、瑞穂さんが幸せならと、貴子さんとの仲を応援しようと決めたはずですのに、まさか私自身にも
瑞穂さんがいらっしゃってくださるとは思いませんでしたわ。マリア様の祝福に感謝感激、ですわね」
「私も紫苑さんと一緒になれたことに感謝感激、ですよ」
 クリスマスの街を2人で寄り添って歩いていた。
「ふふっ、足元には真っ白い雪。そして空には輝く満点の星。ロマンチックですわね」
「そうですね。そして愛する人と一緒にそれが見られることも」
「はい。ふふふふ……」
 街路樹から、楽しそうな笑い声が聞こえていた。

 同時刻、貴子と瑞穂は……。
「貴子さん、メリークリスマス!」
「メリークリスマス!」
 とあるホテルの一室。2人は一緒に夕食をとっていた。そして食べ終わった後のテーブルには、2つのグラスと、
それに注がれた赤紫色の飲み物。
「去年までは、こんな素敵なクリスマスが来るとは、夢にも思いませんでしたわ」
「貴子さん……今が素敵ならそれでいいじゃないですか。少し背伸びして大人のクリスマス、という感じですけど」
「ええ。絵になりそうな光景ですわね」
「最も私たちは未成年ですから、ワインはグレープジュースで代用、ですけどね」
 貴子はそれを聞いて苦笑した。
「瑞穂さんったら。では、2人っきりの聖夜に乾杯!」
「乾杯!」
 瑞穂と貴子は、頬をピンクに染めながら、お互いのグラスを触れさせた。

36 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:44:23 ID:J6Wq9r870
 まりやと瑞穂は……。
「どう? まりや、このサンタの衣装、似合ってる?」
 瑞穂はまりやの家で、まりやの用意した衣装を次々とまりやに見せている。
 まりやは頬を染めながら一心不乱にシャッターを切っていた。
「ふふっ、いい返事だね。じゃあ僕も、もうちょっとサービスしちゃおうかな」
 瑞穂はそう言って色っぽいポーズをとる。
「いい、いいよ瑞穂ちゃん! じゃあ、今度はこれ!」
「まりやったら。一体どれだけ撮るつもり?」
 瑞穂は苦笑いしながら聞く。
「似合うの全部着るって言ったのは瑞穂ちゃんでしょ? 
由佳里にも機嫌直すためにあげなきゃいけないんだから、文句言わないの!」
「誰もイヤだなんて言ってないじゃない。まりやもその写真で楽しんでくれるなら、僕はそれでいいよ」
「泣かせること言ってくれるわね。お姉さんは嬉しいよ。じゃ、もっと可愛く見えるように、角度とポーズを……」
 こうして、瑞穂のファッションショーは延々と続いていった。

 奏と瑞穂は……。
「はややっ、奏、こんなクリスマスパーティーを楽しんだのは、院長先生が亡くなられて以来なのですよ」
 瑞穂の家に一緒に来た奏は、そこでのクリスマスパーティーに恐縮気味だった。
「あらあら、こんな可愛い寮生さんがいらっしゃるなんて、瑞穂さまも隅におけませんわねえ」
「もう、楓さん、からかわないでくださいよ。どう? 奏ちゃん、私の家のクリスマスパーティーは?」
 パーティーには、瑞穂の家族だけでなく、使用人たちも一緒に参加していた。
「奏、お姉さまのおうちがお金持ちだと知って、一流のレストランのような豪華なお食事が出てくるのかと
思っておりましたのですけど、こんなに家庭的な温かいパーティーだとは思わなかったのですよ」
「これが父さまの方針だから。それで、奏ちゃんはこういうパーティーでよかったの?」
「もちろんなのですよ! 奏、お姉さまのおうちでのパーティーにも、
温かな家庭の匂いのするパーティーにも、ずっと憧れていましたのですよ」
 この後奏は、瑞穂と一緒に久しぶりの家庭的なパーティーをめいっぱい楽しむのだった。

37 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:48:27 ID:J6Wq9r870
 一子と瑞穂は……。
「一子……まさか生きているうちに、またあなたと会えるなんて、思わなかったよ」
「お母さま……本当に親不孝な娘でごめんなさい……それでこちらが」
 一子は自分が生き返ったことを報告するため、瑞穂と一緒に実家を訪ねていた。
「ああ。おまえがよく話していた宮小路幸穂さまの……」
「息子の鏑木瑞穂です。はじめまして。一子さんには、寮でよくお世話になっていました」
「お母さま、一子はようやく、お姉さまのお嫁さんになることができます!」
「よかったわね、一子。瑞穂さんも、一子のこと、よろしくお願いしますね」
「はい!」
 こうして一子は、22年ぶりの家族の会話及び、家族に瑞穂の紹介をして過ごした。

 そして由佳里は……。
「メリークリスマス……誰もいないけど、私の所にもクリスマスだけはやって来るから」
 聖央女学院の寮の食堂。しかし今寮にいるのは由佳里1人だけ。寮母さんもイブの夜は家族で過ごすためお休みだ。
「サンタも来てくれたし……プレゼントは何もないけど……」
 由佳里は、クリスマスパーティーのためにまりやが用意したサンタの衣装を身にまとっていた。
少しでもクリスマスの気分を味わうため。
 テーブルには、近くの店で買ってきたフライドチキンと、クリスマスのデザインのショートケーキ。
「予定とはだいぶ違う形ではあるけど、クリスマスパーティーも開けてるんだし……」
 寂しさを紛らわせるため、さっきから由佳里はずっと1人でしゃべっている。
しかし、それが余計に空しさを倍増させていた。テーブルには、どんどん雫がしたたっていく。
「……聖央になんか、来るんじゃなかった……私は今、こんなにも不幸なんだもん……」
 雫は、どんどんその数を増していく。増えるスピードも、どんどんアップしてくる。
「ううう……お姉さまが何よ……私も来年には、もっとずーっと素敵な人見つけて、
絶対みんなにほえ面かかせてやるんだからっ……!!」
 由佳里は、ほえ面をかきながらそう言うのだった。

Fin

38 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:52:24 ID:J6Wq9r870
























 ……かと思われた、まさにその時。

39 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 10:56:31 ID:J6Wq9r870
「あああ……やっぱり怒ってる……困ったわ、どうしよう……」
 外から声が聞こえてきた。
「あの声は……!」
 それは、由佳里には間違えようもない声だった。由佳里は慌てて外に向かった。

「お姉さま!」
「由佳里ちゃん……よかった。遅れちゃって、慌てて公園に行っても由佳里ちゃんがいないから、
怒って帰っちゃったのかと思って寮まで来てみたけど、由佳里ちゃんの方から出て来てくれるなんて……」
 由佳里が外に出ると、そこにいたのはやはり瑞穂だった。
「あ、あの……あなたは、私(=由佳里)だけのお姉さまですか?」
「ええ、そうよ。由佳里ちゃんは他のみんなに比べて冷遇されがちだから、私はみんなより幸せにしてあげようと、
由佳里ちゃんの好みとか色々圭さんに占ってもらってたらすごく遅れちゃったの。本当にごめんね」
 瑞穂は心底申し訳なさそうな表情で由佳里に謝る。
「い、いいですよ。そういう理由なら、許しちゃいますから」
「ありがとう」
 瑞穂はそう言って由佳里を抱きしめた。
「お、お姉さま……とってもあったかいです……」
「じゃあ、行きましょう。2人っきりのイブの夜を過ごしに」
「はい!」
 そう言って、由佳里と瑞穂は手をつないで2人で街へ出かけた。

40 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 11:00:29 ID:J6Wq9r870
「……そういえば、今日はこの通りで、パレードがあるんでしたね」
「ええ。これを、由佳里と2人で見たいと思って」
 街へ出た瑞穂と由佳里は、ファミレスで食事をし、その後2人のイブに乾杯した。
 そして、街路を通るパレードを見学しに来たのだ。
「うわあ、きれい……」
 そこへ、パレードが通りかかる。サンタやトナカイなどに扮した行列が、クリスマスならではの豪華な飾りをつけた
象徴となるものを動かしている。
「こんな素敵なパレードをお姉さまと一緒に見れるなんて、夢みたいです……」
 由佳里はうっとりとパレードと瑞穂を交互に見ながら言う。
「私も、由佳里と一緒に見れて嬉しいわ」
 瑞穂は、由佳里の肩を抱きながら返答した。
「すごくよかったですね、瑞穂さん」
「ええ、貴子さん」
 そこへ、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
 2人が慌ててあたりを見回すと、他のみんなも瑞穂と一緒にいた。そして、お互いが全員に気づいたようである。

「ふうん、由佳里専属の瑞穂ちゃんもちゃんといたんだ。よかったわね、由佳里」
「まりやお姉さま……」
「よかったですわね、由佳里さん」
「由佳里ちゃんもお姉さまと一緒に過ごせてると知って、奏も嬉しいのですよ」
「一子も心配してましたから、これで一安心です」
「みんな……」
 みんな由佳里にもお姉さまがいたことを、心から喜んでくれた。
「では、皆さんで、最後までパレードを楽しみましょうか」
「賛成!」

41 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 11:04:46 ID:J6Wq9r870
 パレードも終わり、由佳里はみんなと別れて、校門の中まで帰ってきた。
「お姉さま……今日はこれから朝まで2人っきりで過ごすんですよね」
「そうね、ふふっ」
 雪の積もった桜並木で、2人は頬を染めながら話す。
「じゃあ、私も由佳里サンタから、プレゼントをいただいちゃおうかしら?」
「えっ!?」
 瑞穂に言われて、由佳里は自分が今までずっとサンタのコスプレを着たままだったことに気づいた。
「あ、あはは……そうでした、服、ずっとこれのままでした」
 由佳里が自分の間抜けな失敗に乾いた笑いでごまかしていると、瑞穂は衣装の中に手を伸ばしてくる。
「ちょ、ちょっと、お、お姉さま、何を……」
「だって、由佳里って、サンタの衣装を着てるのに、プレゼントは何も持ってないじゃない。
だから、由佳里自身が私へのプレゼントなんでしょ?」
 瑞穂はそう言って、由佳里の大事なところを揉みしだく。
「やあっ……ちょ、ちょっとお姉さま、こんなところで、恥ずかしいよ……誰かに見られちゃう……んっ……」
「誰も見てないわ。見てるのは、お星様だけ」
 首筋に息を吹きかけながらの瑞穂の言葉に、由佳里はますます顔をとろけさせて、快楽に身をゆだねていった。

「プレゼント、とても嬉しかったわ。サンタさん」
 腕の中で頬を染めながらぐったりしている由佳里に、瑞穂はささやいた。
「わ、私も、したことないシチュエーションで、すごく燃えちゃいました……」
「そう。よかった」
「お姉さま……」
「なあに、由佳里?」
「私、聖央に来てよかったです。だって、私は今、こんなに幸せなんですから」
「ふふっ、由佳里にそう言ってもらえて、私も幸せよ」
「お姉さま……」
 由佳里は目を閉じて、瑞穂に迫る。瑞穂は目を閉じて由佳里の唇にそっと唇を重ねた。
「大好き……です……」
 こうして由佳里も、他の5人と同じく、世界一幸せなクリスマスを過ごしたのだった。

今度こそ本当に Fin

42 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/24(月) 11:11:28 ID:J6Wq9r870
以上です。お目汚し失礼しました。

まあこれの仕掛け人は、皆さんの想像通りかと。
私もさすがにニセ終了宣言は反則かな……とも思いましたが……あれ見て怒った人、すみません。
それでは最後に、皆さん1人1人にも、あなただけのお姉さまが側にいてくれることを祈って……

メリークリスマス!

43 :名無しさん@初回限定:2007/12/24(月) 13:29:30 ID:3jeVfKnA0
東の扉氏キターーーッ(・∀・)

そりゃね、ゆかりん一人ぼっちエンドで完結してりゃ
クリスマスイブの日中から何見せとんのじゃーーー!!!\(`Д´)/
ってまりやみたいに怒り狂うと同時に後味凄く悪くなってましたからなぁ…

それにしても、ゆかりんの趣味に合わせて造られたとはいえ、
瑞穂ちゃん少しエロいwいたいけなゆかりんサンタに何しとんねんw
まあ、何はともあれ、よかったなゆかりん…

44 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:12:56 ID:LmNmVOfC0
>>42
GJ!

クリスマスSSを書いてみたので、投下させてください。
まりやルート、卒業式2年半後としています。
このスレ初投下です。ミスがあったらごめんなさい。

45 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:16:57 ID:LmNmVOfC0
雲の中へと、降りてゆく。
不安と期待で胸をいっぱいにして、降りてゆく。
雲を抜け、横を見る。
少し白くなっている街並みを、雲の間から射した弱々しい西日が彩っている。
軽い衝撃とともに、僕を乗せた飛行機は空港に降り立った。

「サンタクロース -Holy Night Lovers-」

入国手続きをさっさと済ませた僕は、タクシーをつかまえ、超高層ビルの林の中、そこだけ残されているような広場に向かった。
中心にある本物のモミの木を使ったでっかいクリスマスツリーの周りには、既に待ち合わせと思しき人影がたくさん見える。
それにしても大きいクリスマスツリーだなぁ。さすがというか、なんというか。
アメリカ人はやることが違うんだなぁ……。
僕は広場の向こう側に地下鉄の入り口を見つけると、目を離さないようにして、待つ。たぶんここを通るはずだ。
緯度が高いせいか、日本より冷え込みがきつい。もっと厚着してくればよかったかなぁ。

考えてみると、僕はいつも待っている。
まりやの帰国を待ち続け、ここに来てもまりやが来るのを待っている。
でも、待っているだけじゃ駄目だと思う。だから……
はるか向こうの人ごみの中をこっちに向かって歩いてくる、懐かしい姿を見つけると、
僕ははやる気持ちを抑え、ポケットから携帯電話を取り出して、番号をプッシュした。
お、向こうの人影がバッグをガサゴソやってる。なんか奇妙な光景だなぁ。

46 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:21:03 ID:LmNmVOfC0
地下鉄の駅から出た矢先、バッグの中で携帯が鳴った。
中を乱雑にかき回して取り出してみると、瑞穂ちゃんからの電話みたいだ。
この時間だと、日本はちょうど朝なハズなのに、おかしいな。
瑞穂ちゃんったら聖應を出てからめっきり朝に弱くなっちゃって、
あたしが留学を始めてからしょっちゅう電話なりメールなりしてるけど、こんな時間はまずかかってこない。
「もしもし?どったの瑞穂ちゃん」
「あ、まりや?今どこにいるの?」
「え?アメリカだけど?」
「いや、そうじゃなくて……。アメリカのどこにいるか知りたいんだ」
「突然電話してきたと思ったら変なことを聞くのねぇ。しかもこんな時間に」
そう云って、住んでる市の名前を答える。
「じゃあ、その中のどこ?」
「え、広場だけど?」
「それじゃ、最後の質問。目を上げた先に何が見える?」
「へ?」
思わず前を見る。そして目を疑う。
だってそこには、懐かしい面影の人が立っていたんだから。
「どう、びっくりした?」
「み…ずほ、ちゃん?」
「まりや」
それだけ云って、瑞穂ちゃんが静かにあたしを抱きしめてくれる。

47 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:24:54 ID:LmNmVOfC0
しばらくそのままでいて、やっとここにいる人が瑞穂ちゃんだって実感できた。
「……どうして瑞穂ちゃんがこんなところに?」
「そうだね、せっかくのクリスマスイブに一人きりじゃ、寂しいだろうなと思って」
「うわ、瑞穂ちゃん気障……。でも、さっきはホントにびっくりしたんだから」
「そりゃあバレないように必死だったしね。海外でも番号がそのまま使える携帯に変えたり、感づかれないように空港のトイレから電話したり、
 大変だったんだよ?」
「……圭の魂が乗り移ったんじゃないの?それにしても、よくあたしの帰り道が解ったね」
「まりやの住所を地図で見つけてね。電話で云ってた今日のまりやの予定から帰り方を考えると、ここを通るかなって。
 見つからなければ、素直に電話をかけようと思ってた」
「あたしの行動は全て予測可能、って訳か」
瑞穂ちゃん、やるようになったのね。
「まあね。ところで、こんな人ごみの中にいるのもなんだし、ご飯食べにいかない?」
「え?いいけど、こんな日じゃどの店も予約でいっぱいよ?
 もともと一人で過ごすつもりだったし、瑞穂ちゃんが来るなんて思わなかったから予約なんてしてないし」
「ああ、大丈夫だよ。僕が予約してるから。
 それにしても、まりやのことだからパーティーでもやるのかなと思ってたら、こないだ電話したときは驚いたよ」
「にはは、実は一晩中瑞穂ちゃんと電話するつもりだったのだよ」
「あ、そういうことか。ごめん……」
「いいって。じゃ、行くとしますか。瑞穂ちゃん」

48 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:28:35 ID:LmNmVOfC0
瑞穂ちゃんに連れられて向かったのは、メインストリートから一本はずれた通りにあるレストラン。
なんでも大学の友達に教えてもらったらしい。
小ぢんまりとしているものの味も雰囲気もいいお店で、そこであたし達は近況を語り合った。
電話やメールで話してるときと、話題なんてほぼ同じ。
でも、気持ちも雰囲気も違う。たぶん、あたしも瑞穂ちゃんも。
やがてデザートも片付き、ブラックコーヒーをちびちびと飲む瑞穂ちゃん。
その姿を見ているうちに、あたしは芽生えつつある自分の気持ちに気づいてしまった。
――今すぐにでも日本に帰って、このまま瑞穂ちゃんと暮らしてしまえばいい。
慌てて首を振ってその考えを否定する。
せっかくこれまで瑞穂ちゃんが待っててくれたのに、中途半端で帰ったのでは意味がないじゃない。
……だから、今夜だけ。今夜だけは、瑞穂ちゃんと一緒にいる幸せを噛みしめよう。
そう必死で頭の中で念じ続ける。
会えないことが愛を育てると何かで言ってたけど、それが痛いほど解る。
あたしは自分の夢さえどうでもよくなるほど、瑞穂ちゃんを恋しく思っていた。

49 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:31:46 ID:LmNmVOfC0
「会えないことが愛を育む」という意味を、僕は心の底から感じていた。
食後のブラックコーヒーを飲みながら、まりやの様子を伺う。
やっぱり、複雑な表情をしている。でも、それはしょうがないと思う。
だって、恐らくはまりやも僕と同じ気持ちだから。
でも、だからこそ、僕は今日この町にやってきた。
「ねえ、まりや」
「えっ?」
「どうしたの?複雑そうな顔をして」
理由は解ってるけど、あえて訊いてみよう。
「うん、なんかね。瑞穂ちゃんを置いてきちゃって悪かったなぁ、と」
「ううん、そんなことないよ。だって、大切なまりやの夢のためじゃないか」
「……たぶん、頭ではそうだと分かってるんだと思う。でも、」
「また離ればなれになるのが怖いのは僕だって同じだよ。
でも、約束したじゃない。成功したら帰ってくるって」
「瑞穂ちゃん……」
まりやの瞳はうっすらと涙をたたえているのか、きらきらして見えた。
それを見た僕の心からは、計画や迷いがすっと消えていった。
あるのは、ただまりやを愛しいと思う気持ちだけ。
「解ってた。僕が会いに行ったら、きっとまりやを苦しめてしまうと。
それでも会いに行きたかった。だから、今日はクリスマスプレゼントを持ってきたんだ。」
そういって、懐から小箱を取り出て開ける。
「いつまでも、ずっと待っているから、
まりや、帰ってきたら、僕と結婚してくれるかい?」
とうとう云ってしまった。僕の人生の中でも上位に入る重要な場面な筈なのに、不思議なことに緊張しなかった。
……たぶん、それは僕にとって自然なことだったから。

50 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:34:46 ID:LmNmVOfC0
小箱の中、そこに輝く指輪を見つめる。そして、瑞穂ちゃんがプロポーズしてくる。
その瞬間、心の中に、暖かいものがどっと広がってゆくのが解った。
自分の答えなんて、とっくの昔に決まっている。
「もちろん。絶対に瑞穂ちゃんのお嫁さんにふさわしい女になって帰ってくる」
そのときの自分の顔は、一点の翳りもなく、暖かい、心からの笑顔だったと思う。
「よかった。ありがとう、まりや」
二人の顔が、自然に近づきあう。
軽く唇が触れ合うと、瑞穂ちゃんはすぐに離してしまった。
「近くのホテルをとってあるから、続きはそこでね?」
「あはは、まだお店の中だったのよね。しっかし、海の向こうから飛んできて、プロポーズしてくなんて、とんだサンタさんね」
おかしくなって、二人とも笑い出してしまった。
「……本当は、もっと早く渡しに行きたっかったんだけれど、なかなかこれを買うだけのお金が稼げなくて」
「ってことは瑞穂ちゃん、アルバイトで貯めたお金でこの指輪買ったの?」
「うん。大学を出たら会社を立ち上げる予定になってるんだけど、それまで待ちきれなくて」
もしかして、瑞穂ちゃんが朝に弱くなったのって……。
「そっか。ありがと、瑞穂ちゃん」
「ねえ、まりや。指輪つけてみてよ」
そういう瑞穂ちゃんに急かされて薬指を差し出すと、瑞穂ちゃんがゆっくりと指輪をはめてくれた。
「……きれい……」
「よく似合ってるよ、まりや」
「そりゃ瑞穂ちゃんが選んでくれた指輪だもん。似合わないわけがないよ。本当に嬉しいよ」
「そうかな?僕の方こそ、受け取ってくれて嬉しいよ。じゃ、行こうか」

51 :NGしやすいようにトリつける ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:37:50 ID:LmNmVOfC0
あたしたちは手を取り合って、店を出た。
ふと、繋いでる方とは反対の左手を、ぎゅっと握り締めてみる。
誓いの約束を指にはめる意味が、なんとなく解った。
例えそばにいなくても、こうして左手をぎゅってするだけで、瑞穂ちゃんを感じることができる。
それだけで、あたしは頑張れる。
「ねえ、瑞穂ちゃん」
赤信号で立ち止まったとき、どうしてもそれを伝えたくなって、切り出してみた。
「ん?どうしたのまりや」
「あたしね、来年とあるインディーズ映画の衣装を担当することになったんだ」
「そうなの?きっとまりやなら、いい仕事ができるよ」
「あたしね、実はちょっと不安だったんだ。でも、今日のおかげで吹っ切れた。頑張るよ」
そう、例え離ればなれでも、心は常に瑞穂ちゃんと一緒にいられると思うから。
「やっぱり今日来てよかったよ。大丈夫、期待してるよ、まりや」
「にはは、なんか何でもできる気がしてきちゃったよ」
もう、寂しくなんかならない。
「でも、その前に。今夜は一発激しいのをお願いしますよ、み・ず・ほ・ちゃん?」
「もう、解ってるって」
「あっ、すっかり忘れてた。メリークリスマス、瑞穂ちゃん」
「そういえば。メリークリスマス、まりや」
信号が青に変わり、ちらつき始めた雪の中、二人は新たな一歩を踏み出した。

終わり

52 :NG(ry ◆GBZn4ePWqg :2007/12/25(火) 01:38:59 ID:LmNmVOfC0
・ああああああ、先に謝るのを忘れてました。視点がレスの境目で何回か切り替わります。
・中途半端でごめんなさいorz
・拙い文章でごめんなさいorz
・ネタかぶったらごめんなさいorz
・なんかもういろいろとごめんなさいorz
なんとかクリスマスに間に合わせようとしたものの、なかなか進まず、無理やりまとめてしまいました。
初エロゲです。最近はまったもので、まだ全ルート制覇してません。設定間違えてたらすいません。

では、みなさん、メリークリスマス。

53 :名無しさん@初回限定:2007/12/25(火) 11:22:06 ID:2PTvCQ4xO
とりあえず感想としてはGJとしか言えない

54 :名無しさん@初回限定:2007/12/25(火) 13:45:37 ID:KLZe4K+Z0
>>52
GJ
ついでにメリークリスマス!

55 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/25(火) 19:20:37 ID:wwbnlSKg0
おとボクまとめサイト管理人さんへ

こんなところに書くのは他の方々の迷惑かもしれませんが、発見しましたので、書かせていただきます。
まず14話スレの1スレだけのところからのリンクが、最後に更新した部分を除いて以前のままになっております。

あと、13話、14話からのリンクが過去ログのトップに行ってしまうようです。
(つまり、12話以前のように、そのお話のところからは始まらないわけです)
ですので誠に勝手ですが、次回更新時、どうかよろしくお願いします。

56 :名無しさん@初回限定:2007/12/27(木) 22:39:18 ID:nip3QGa70
ファミ通文庫
筆者:嵩夜あや 
絵:のり太
乙女はお姉さまに恋してる 櫻の園のエトワール

       発  売  中


今日この事を思い出して直買ってきた。
思ったよりも人気あって直に売り切れ。買うの苦労した…

57 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 17:37:39 ID:fxKUGNG00
新たな電波の作品化が完了しましたので、投下させていただきます。
ルートは、由佳里ルート以外のどこでも。
舞台は、由佳里ちゃんが陸上部部長に就任した直後です。
内容は、タイトルを見ればだいたい想像はつくかと。
それでは、よろしくお願いします。

58 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 17:43:30 ID:fxKUGNG00
「ふうん……じゃあ、千佳とのことは無事に解決したんだ」
 電話の向こうから、すでにアメリカに旅立ったまりやの声が聞こえてくる。
「はい。お姉さまのおかげです!」
 由佳里は自分にアドバイスをしてくれたお礼を告げた。
「あたしゃほとんどなんにもしてないって。自分の意見をぶつけたのは由佳里の勇気だしね」
「でも、だからっていきなり部長にされても……」
「いいんじゃない? 由佳里は十分その器だと思うけど」
「まりやお姉さま、そんな他人事みたいに……」
 泣きそうな声で言う由佳里に、まりやは……。
「ま、最初は誰でも緊張するものよ。始まる前からあれこれ考えてても答えは出るわけないんだから、もっと気楽に考えな」
「は、はい……」
「3年のみんなからのバックアップもあることだし、わからないことは、仕事をこなすうちに学んでいけばいいんだから」
「そう……ですね」
「ま、それはそれとして、由佳里にも陸上部部長の就任祝い、贈っちゃうから」
「え……?」
 由佳里はその言葉に対して、感謝の気持ちとともに、言い知れぬ不安を感じた……。

59 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 17:48:29 ID:fxKUGNG00
〜百合の園のエトワール〜

「こ、こんなにも……相変わらず限度を知らないんだから、まりやお姉さまは……」
「こ、これがまりやさまから由佳里お姉さまへの就任祝いですか……」
 しばらくして由佳里に届いたダンボール5箱分の就任祝いに、由佳里と初音は呆然としていた。
「ま、まあ、でもセンスはすごくいいんだから。それは初音もわかるでしょ?」
「はい、私にいただいたお洋服も、抜群のセンスでしたから」
 そして、初音の希望で、由佳里の服のお披露目を行うことになった。
 由佳里に送られてきたのは、以前のお人形さんのようなゴスロリの服ではなく、
もうちょっと普通の女の子が着るような服や、コスプレ、そしてスーツなどの大人っぽい服だった。
 由佳里はそれらを自分の前に着るような感じで持って行って衣装合わせをする。
「どう、初音? これも似合うかな?」
「ええ、さすが由佳里お姉さま、どれを着てもお似合いです!」
「……なんか、間に合わせで言われているような気もするんだけど」
 初音の熱の入った褒め言葉に、由佳里は苦笑しながらも答える。
「そんなことないです! どれも由佳里お姉さまのお美しさがよりいっそう引き立って……」
「ありがと。まあ私はともかく、まりやお姉さまのセンスの良さは私もよくわかってるから」
 そうして、由佳里の衣装合わせは何時間も続いた。

60 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 17:52:40 ID:fxKUGNG00
「これ……どうしよう? っていうか、こんなにあっても意味ないじゃないですか……」
 衣装合わせも終わって、初音も自分の部屋に帰ってすぐ、由佳里はもうひとつの祝辞品を見ていた。
 それは、大量の大人っぽいセクシーな下着の中に隠されていた、以前もらったのと同じタイプの卵形のおもちゃが2つ。
スイッチは1つで、タコ足配線のように取り外し可能で、4つぐらいまで同じスイッチで動かせるタイプのものだった。
 同封されていたまりやの手紙には、あそこのほかに乳首にも一緒に当てるといっそう気持ちいいから、と書かれていた。
「そんなこと言われても……」
 由佳里には興味はあったし、いつかやってみたいという気持ちもあったが、今はそこまでする勇気はなかった。
「とりあえず、こっち、はいてみよっかな……」
 由佳里は、おもちゃは置いといて、大人っぽい妖艶な下着の方を試着してみることにした。

「これが……私? なんかちょっと私じゃないみたい……」
 青や赤、紫などなど多数の派手な色がある中、由佳里はガーターベルトとストッキングのついた黒の下着をつけて、
鏡の前に立ってみた。
「変……じゃないかな?」
 ドキドキしながら自分の下着姿を見ていたけど、恥ずかしさのあまりそこから目をそらすと、
瑞穂の姿が写った写真立てが目に入った。
「わあっ!!」
 途端に愛する人に見られているような感覚に陥り、由佳里は反射的に持っていたおもちゃを放り投げてしまう。
「お、お姉さま……私を見て、どう思ってくださるのかな?」
 私のこと、ちょっとは色っぽいと思ってくださるのかな……私を見て、欲情してくださるのかな……?
 そう思ったら、由佳里の身体はどんどん疼いてくる。
「そういえば最近……陸上部のことでいろいろあったからやってなかったな……」
 由佳里は手元を見るが、おもちゃを持っていなかった。慌ててあたりを見渡して発見したのだが……。

61 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 17:56:33 ID:fxKUGNG00
「あっ!」
 おもちゃは、当てる部分がさっき初音が入れてくれた紅茶の中に入ってしまっていた。
由佳里が取り出すと、紅茶の影響でかなり熱くなっている。
「………」
 ふと由佳里は、この熱さのままでおもちゃをあそこの中に入れたらどんな感じだろう、と思ってしまう。
「あっ……やあっ……」
 そう思っただけで、由佳里のあそこは濡れてきた。
 由佳里は妖艶な下着姿のまま、瑞穂の写真立てを見ながらおもちゃを秘所の中に入れ、スイッチを入れる。
「ふぁあああああっ!! やあっ、これ、すごく熱っ……!! んっ!!」
 今まで感じたことのない熱が中で暴れる感覚に、由佳里はとんでもない快感を感じてしまった。
「こ、これじゃ、気が狂っちゃ……あああんっ!!」
 由佳里は早速ベッドの上で激しく悶え、乱れている。そして次々と湧き上がる激しい興奮のあまり、
由佳里は音に気づかなかった。
「あっ! やあっ! ダメえっ! やめてえ! くふぁあああ!!」
 由佳里が夢中で快楽を貪っている、その時……。
「由佳里お姉さま、大丈夫ですか!? 失礼します!!」
 その声と同時に、部屋のドアが開かれる。
「あっ……!」
「………!!」
 外から由佳里の喘ぎ声を聞いて何かひどい目にあってると思い、心配になってドアを開けた初音は、
由佳里の姿を見て固まった。
 由佳里も、初音を目の前にして凍りついている。
「い、いや……見ないで……初音、見ないで……お願い……」
 それを聞いて我に返った初音は立ち去らなければと思うが、身体が言うことを聞かなかった。
 大好きな憧れのお姉さまが、こんないやらしいことをしている。しかも、自分の目の前で……その状況が、
初音の心臓の鼓動を極限まで高め、もっと見ていたいと思ってしまう。
 由佳里も、スイッチを止めなければと思うものの、実行に移せない。
 こんな姿を大好きな妹に見せたくないと思う反面、心のどこかで、初音にもっと見てほしいと思っている自分がいた。
「ゆ、由佳里お姉さま……」
 初音は吸い寄せられるように由佳里に近づいていく。

62 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 18:00:29 ID:fxKUGNG00
「は、初音……?」
「由佳里お姉さま……んっ……」
 初音は本能のおもむくままに、由佳里の唇を奪う。それと同時に、由佳里の唾液を吸い尽くしてしまった。
「ぷはあっ……」
「由佳里お姉さま……おいしい……」
 妹の愛情溢れるキスに、由佳里は顔をとろけさせた。初音も、由佳里をボーッと見ながらつぶやく。
 そして初音は、両手で由佳里の胸とおなかに触れて、そのまま抱きしめていく。
「は、初音、やめて……」
「ご、ごめんなさい……自分でもどうしても止められないんです……」
「止められないって、そんな……」
 由佳里は激しく動揺していた。でも、抵抗しようと思うものの、身体に力が入らない。瑞穂以外の人に
身体を許したくないとは思うのだが、初音になら許してもいい、もっと初音に気持ちよくしてもらいたいと思う自分もいた。
 クンクン……。
 初音が由佳里の肌に顔を近づけて、匂いをかぐ。
「い、いやあ……私の体臭なんか、嗅がないでえ……」
「ああ……お姉さま、とってもいい匂い……」
 恥ずかしくて顔を真っ赤にする由佳里の表情を見ながら、初音は由佳里の匂いを嗅いでうっとり。
そのまま由佳里の肌に舌を這わせる。
「だ、ダメ……なめないでえ……んんっ……」
「お姉さま……可愛い……」
 初音もこんなこといけないと思いながらも、そう思うほど大好きなお姉さまをもっといじめたい、
もっと自分の手で気持ちよくしてあげたいという衝動が高まっていく。

63 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 18:04:22 ID:fxKUGNG00
「は、初音……ホントにもうやめて……私……もう、もうイっちゃいそう……」
 初音に愛情たっぷりに身体のいたるところをなめられて、由佳里は自分がそろそろ限界に達するのを感じていた。
「お姉さま……いいですよ。達してしまってください」
 初音は自分の手で由佳里を快楽のクライマックスに導けることにこの上ない喜びを感じながら、
なおもなめる舌に愛情と激しさをこめる。
「い、いや……いやああああああ!!」
 由佳里はそう叫びながら頂点に達すると、下着の中を愛液で溢れさせた。
「はあ……はあ……はあ……はあ……」
 初音はぐったりとしながら荒い息を吐く由佳里の下着をのかして、
中なら愛液をすくって口に含んだり、鼻に近づけて匂いを嗅いだり。

64 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 18:08:31 ID:fxKUGNG00
「んっ……」
 しばらくして由佳里は身体を起こした。
「お姉さま、どうでしたか? 気持ちよかったですか?」
 初音の心配と期待が同居するような表情を見て、由佳里は優しい気持ちになりながら、
恥ずかしげに顔を赤らめて素直にうなずいた。
「嬉しい……」
 初音は表情をほころばせてそう言うと、由佳里の中に入っているおもちゃを見た。
「由佳里お姉さまは、毎日これで気持ちよくなられてるんですね……」
「毎日じゃないよ……だいたい1週間に2回ぐらい……」
 そういう会話を交わしながら、初音はこれを自分の手で動かしたい、と思い始めていた。
「ふうん……これって、こういうふうにも使うんですね」
 まりやの手紙を読みながらそう言う初音。
「は、初音……?」
 それを不安と期待の表情で見る由佳里。
「由佳里お姉さま……失礼しますね」
 初音はそう言って、おもちゃをもう2つ取り付け、由佳里のブラの中に入れる。
「ちょ、ちょっと、まさか……」
「私、もっと由佳里お姉さまの気持ちよさそうな表情を見たいんです」
 そう言って、スイッチに手をかける初音。
「や、やめ……」
「大丈夫ですよ。優しくしてさしあげますから」
 そう言って初音はスイッチを最弱に合わせて入れた。
「ふぁああああああっ!!」
 由佳里は胸と秘所に同時に快楽が襲う刺激に、甲高い悲鳴を上げる。
「お姉さま……素敵……」
 そんな由佳里の胸と秘所を、初音は愛情いっぱいに優しく抑えて、もみしだいていく。
「やあんっ! ダメえっ……なんかいろんな感覚がいっぱい襲ってきて、わけわかんなくなっちゃううんっ!」
 秘所の熱いおもちゃの刺激と、胸の冷たいおもちゃの刺激。それを初音の手が優しく包み込んでいる。
 快楽がいろんなところからいろんな形で襲ってくる異様な感覚に、由佳里はついていけなくなりかけていた。
でも、その刺激をもっとしっかりと、もっと強く味わいたい、そう思っていた。

65 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 18:12:44 ID:fxKUGNG00
「由佳里お姉さま、もう少し強くしますよ」
「で、でも……でもっ……」
 初音の言葉に、やめてほしいという気持ちと、そうしてほしいという気持ちが葛藤する由佳里。
 初音は後者の気持ちが強いと判断し、胸と秘所をもみながら、少しずつスイッチを強くしていく。
「ふぁああああああうっ……!!」
 そうして少しずつ振動を強くしながら、由佳里は徐々に表情を蕩けさせていった。
そして、由佳里がもうすぐ限界に達するという頃……。
「は、初音……」
「どうしたんですか、お姉さま?」
 由佳里もこんなことを頼むのは恥ずかしい。でも、どうしても味わいたいという気持ちと、
初音にしてもらいたいという気持ちが、羞恥心を壊して叫ばせる。
「スイッチを……一番強くして……お願い……だからあっ……」
 それを聞いた初音は、呆れながらも、すごく愛しく感じる。
「もう、由佳里お姉さまって、本当に根っからいやらしいんですね」
「だ……だって……だってえっ……」
「いいですよ。私、そんないやらしい由佳里お姉さまも大好きですから」
 初音はそう言って、由佳里の望みどおりスイッチをMAXのところまで持っていった。
「ふぁひゃああああああんっ……!!」
 由佳里はそう叫ぶとすぐに気絶してしまった。由佳里の黒いランジェリーとそこをもんでいた初音の右手が、
由佳里の愛液など、いろんな快感の証でびしょ濡れになってしまう。
「うふふっ……」
 初音は、手についた由佳里の快感の証を愛しそうに見つめていた。

66 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 18:16:37 ID:fxKUGNG00
「もう、初音ったら、なんてことするのよ!」
 由佳里の粗相の後始末をしている初音に、由佳里はそう抗議する。
「ご、ごめんなさい……でも由佳里お姉さまも気持ちよさそうだったし、私にお願いしてたのに……」
 初音は言い訳ではなく、本当に疑問を感じてなぜなのか口に漏らす。
「ああいうことしてる時は興奮してるし、パニック状態と同じだから、冷静な判断なんてできないの!」
「ご、ごめんなさい……いけないとは思ったんですけど、相手が由佳里お姉さまだから」
 初音はますます小さくなりながら謝った。
「ちょっと、言い訳になってないわよ!」
「でも……どうしても由佳里お姉さまをもっといじめたくなっちゃいまして……」
 それを聞いて、由佳里は凍りついた。
「はーつーねー!」
「ひっ……!」
「あんたねえ、大切なお姉さまをいじめたいと思って、それを実行に移すなんて、言語道断よ!」
 すでに初音は泣きそうな顔になっていた。
「ご、ごめんなさいっ!!」
「そんな悪い娘には、制裁が必要みたいね」
「は、はい……腕立て千回でも、グランド百週でも……」
 それを聞きながら、由佳里は自分も以前そんなことを言ったことがあるな、と思い返した。
「……そんな甘いことで制裁になると思うの!?」
「わ、私の顔を見るのもおいやでしたら、ここから出て行きますからっ!!」
「初音、そんなもので許されるほど、あんたの罪は軽くないわよ」
「で、ではどうすれば……」
 すでに泣いている初音に、由佳里は意地悪そうにくすりと笑いながら言う。
「これから2年間、初音はずっと私のおもちゃとして過ごすの。もう絶対離さないわよ。
明日にでも初音の純潔、根こそぎ奪っちゃうんだから」
 そして由佳里は、初音の背中から、両手で初音の頬を触る。
「そ……そんな……ひどいです……」
「よく言うわね。人にあんなことしといて」
「だ、だって、そんなこと……」

67 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 18:20:25 ID:fxKUGNG00
「ダーメ。初音に拒否権はないの♪」
 初音の頬を指でいじり回しながら由佳里がそう言うと……。
「……してくださるのに、どうして明日まで待たなければいけないんですか? 今すぐにでもっ……!」
 それを聞いた由佳里は、プッと吹き出してしまった。
「なあんだ、もう待ちきれないってこと? 私はてっきり嫌がってるのかと思ってた」
「だって、由佳里お姉さまに操を捧げられるなんて夢みたいなこと、嬉しいと思う人はいっぱいいても、
嫌がる人なんているわけないじゃないですか……」
「ふふっ、しょうがない娘だね、初音は。ありがと」
 由佳里は嬉しそうに頬を緩めて続けた。
「じゃあ、望みどおり、今すぐ初音をメチャクチャにしてあ・げ・る♪」
 それを聞いた初音は、頬を染めた表情を、期待ともどかしさでいっぱいにするのであった。

Fin

68 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2007/12/31(月) 18:28:20 ID:fxKUGNG00
以上です。

なんか由佳里ちゃんのこういうことばっかり考えてる自分に、中毒症状を自覚せざるを得ない今日この頃です。
しかも、このタイトル、SS投稿掲示板のみどりんさんの作品とかぶってますし(内容は関係ありませんが……
みどりんさんごめんなさい)
というより、嵩夜あやさん、あなたの素晴らしい作品のタイトルをこんな作品に引用してしまってごめんなさいというか。

……まあ、こんなダメダメ作者ですが、来年もよろしくお願いします。

69 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2007/12/31(月) 19:48:15 ID:UsvDbVGJ0
東の扉さんまでエロを書いたら、僕の存在価値がw
いや、もともと存在価値ゼロの使い魔ですけどね・・・orz

エトワールは買ってないのでなんとなくしか分かりませんが、
初音ちゃんもHなんですか。
なんか、銃持たせると似合うような感じが。

来年もよいお年を〜

70 :名無しさん@初回限定:2007/12/31(月) 22:17:13 ID:z2HW30uk0
>68
乙!!
またいいもの見せてもらいました。このスレも盛り下がってきてますが
東の扉さんのお力でお救いください

でわ良いお年を

71 : 【末吉】   【1829円】 :2008/01/01(火) 01:31:43 ID:XnLgl5YlO
職人さん方とこのスレ見てる方々あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

東の扉さん、年が明けてから読ませてもらいましたGJ!
次は奏ちゃん姉妹を読みたいです

72 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/01(火) 16:33:26 ID:2w3IDsC+0
ご感想ありがとうございます。

>>69
初音ちゃんはえっちじゃありませんよ。もっとも、もしかしたら初音ちゃんにもそういう一面があるのかもしれませんが、
少なくともエトワールの中ではそういう部分は書かれていません。
まあ、こちらも面白いので、是非ご購入をお勧めします。

>>70
私も頑張りますが、私個人としては、L鍋さんの方が私などよりよっぽど当てになると思いますが……。

>>71
今のところはネタも思い浮かびませんが、考えておきます。

73 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 00:41:59 ID:vzP7hE0o0
皆様、おめでとうございます。
年末にパソコンのフォルダ整理してたときに、去年1月、私が最初に書いた
家庭科ハーレムを発見。
改めて読み直して、余りの恥ずかしさに赤面してしまいました。
と、続きを書いていないことに気がつきましてこの正月中に続きを書いていました。
ですので、これから投下する話は家庭科ハーレムの続編ということになります。

74 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 00:43:21 ID:vzP7hE0o0
『エルダーミソスープ』
〜アフター家庭科ハーレム〜


エルダーシチュー騒動のあった日の放課後のこと。
この騒動の顛末を紫苑から聞いたまりやが瑞穂のところにやってきた。
「瑞穂ちゃん、ちょっと来て」
そして連れて行ったのは家庭科調理室。
まだ清掃中の生徒が数人居る。
そこに用意されているのはお鍋とお味噌。
「何?これ」
「ん、瑞穂ちゃん。お味噌汁を作って欲しいんだけど」
「…何で?」
「瑞穂ちゃんの作ったシチュー、あたし食べてないもん。酷いよね〜。誰よりも先ず、あたしが食べるべきなのに」
「いや…突っ込みどころは色々あるけど…私が作ったシチューじゃないし。そもそも、何でまりやが食べるべきなの」
「あたしは瑞穂ちゃんのナニ?」
「幼馴染でしょ」
「後見人でしょ!マネージャーでしょ!第一人者でしょ!コレクターでしょ!瑞穂ちゃんの手料理は全てあたしのものでしょ!」
「……意味分んないわよ」
「だから、ね?味噌汁だけでいいから作ってちょうだい。ね?ね?」
「………」
まりやの強引な『お願い』に瑞穂もしぶしぶ折れる。
「まだ、清掃中じゃないの。寮で作っては駄目なの?」
(作っている現場の目撃者が必要なのよ。瑞穂ちゃんが作ったという証人が必要なのよ。それが価値を高めるの)
「今なの!今!今すぐ飲みたいの!我慢できないの!それとも瑞穂ちゃんはあたしに餓死しろって云うの!?」
「…仕方ないわね。理由は全く訳わかんないけどとにかく作ればいいのね」
「ありがとー瑞穂ちゃん」
(クククッよっしゃあ!こりゃ高値で売れるわよぉぉ!)
既に大きめの魔法瓶も用意してある。

75 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 00:44:42 ID:vzP7hE0o0
出来上がった味噌汁は全てこの中に入れるつもりである。
(味噌汁とアレをセットにしたら学院中の生徒が争って買ってくれるわよ、きっと!)
「でも知ってのとおり、料理は苦手なんだけど」
「そんな大げさに考えなくてもいいのよ。その味噌をお湯で溶かしてもらえれば良いだけだから」
「溶かすだけ?具は要らないの?」
「そう。味見しながら味噌を溶かすだけ」
「………」
「良いこと。『味見しながら』、これが大切なポイントだから忘れないでね!それさえあれば具なんて」
(そう!エルダーミソスープの真髄は瑞穂ちゃんの『味見』が全てといっても過言ではないわ)
流石にまりやは家庭科騒動の本質を見抜いている。
そしてそれを直ぐに利用しようと思いつくところも、まったくもって流石であった。

首をひねりながら、瑞穂は味噌汁作りに取り掛かる。
それを嬉しそうにみているまりや。
と、そこに現れた一人の姿。
「まりやさんっ!」
生徒会長厳島貴子だった。
「あちゃあ、うるさい奴が来ちゃったわ」
ツカツカとまりやのところにやって来る貴子。
「清掃中の教室で一体何をやっているのですか!?またお姉さまに無理難題を云って困らせてい…」
「ストーップ!別に変のことしてる訳じゃないわよ。瑞穂さんに味噌汁を作ってもらっているだけ」
「味噌汁を?」
貴子はいぶかしげに瑞穂のほうを見る。
瑞穂がお鍋の中で味噌を溶かしている。
「そう。ダメなのかしら?」
「…いえ、それだけならば…。まりやさん、一体何を企んでいらっしゃるのです?」
「あらあ、失礼な。企むだなんて」
「いえ、きっと何かあるはずです。例えば…」
ちらりと瑞穂を見る。
「お姉さまの作られた味噌汁で一儲けしようとか」

76 :名無しさん@初回限定:2008/01/06(日) 00:44:53 ID:9Z9gG4HO0
わくわく


77 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 00:46:24 ID:vzP7hE0o0
(ギクッ!流石に鋭いわね、貴子の奴)
「今、ギクッとなさいましたわね」
「そ、そんなことないわよ。味噌汁で一儲けだなんてそんな浅ましいこと。ただ、あたしが飲みたくなっただけ」
(やばいやばい。変に鋭すぎるっちゅーの。でも、70点ね。真の狙いはわからないでしょ)
「なんでしたら貴子さんもお召し上がりになるかしら」
「えっ!?お姉さまがお作りになったお味噌汁を ですか」
嬉しそうにぽっと赤くなる貴子。
「ええ。勿論、何かよこせなんてそんな浅ましいことは申しませんわよ。純粋にただ瑞穂さんの手料理が味わいたかっただけですもの」
その台詞に貴子は、そうですわねと云いながら嬉しそうに顔を綻ばせている。
(よし!OK!)
本当のところ、味噌汁でも一儲けしようと考えていたまりやだったが貴子が感づいた時点で深追いは危険と諦めた。
なんだかんだ云いながらも、貴子もやっぱり瑞穂ファン、いやまりやと同じくオタクといっても良いくらいの瑞穂マニアの素質がある。
まりやが是が非でも欲しいと思うものは、貴子も同じく死んでも欲しいと思うだろう。
(だから、貴子には味噌汁で満足してもらってさっさと引き上げてもらうのが賢明でしょうね)

貴子は頬を染めながら瑞穂の姿を眺めている。
瑞穂が味噌汁を作っていた。
瑞穂は小皿を取り出すと、味噌汁を少しとって味見をした。
そして、ちょっと首を傾げてから味噌をもう少し足す。




瑞穂は味見した小皿を脇のテーブルの上に置いた。





78 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 00:50:17 ID:vzP7hE0o0
貴子の顔から急にそれまで浮かべていた笑みが消える。
(!!!)
そんな貴子の表情に気がついてまりやが慌てた。
貴子がユラリと瑞穂に向かって歩き出す。
・・・ガシッ!
その肩をまりやが掴んで引き止める。
「ドコへいらっしゃるのかしら、貴子さん」
「その手を御離しくださいな、まりやさん」
にっこり笑って答える貴子。
「いいえ、お答え頂かないと離せませんわね、貴子さん」
「ちょっと、お姉さまのお手伝いをしようとおもいましてね、まりやさん」
「…お・て・つ・だ・い?」
「そう、お・て・つ・だ・い!食器の片付けなどを…」
「………」
「………」
貴子はくるりと振り返ると、まりやの顔を指差した。
「やっぱりっ!!やっぱりですわねっ!まりやさん!」
「な、なにがよ?」
「見ましたわよ!気づきましたわよ!分かりましたわよっ!!貴女の真の狙いが!!」
「ギクッ!!」

(チィッ!ばれたかっ!)
そう。まりやの真の狙いは瑞穂が味見した小皿だった。
本日の家庭科騒動を聞いて、『その小皿』を私も欲しいと思った生徒が大勢いるはずである。
その『熱が冷めやらぬ本日中』に『その小皿』を用意できれば、きっと皆は争って欲しがってくれる。
価値はきっと跳ね上がる!寮に帰ってからでは遅いのだ!
それに確実に瑞穂が『味見』したという証拠の為の目撃者も必要だ。
そこまで考えての作戦だった。
(それを貴子ごときに邪魔されるなんて!)


79 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 00:54:29 ID:vzP7hE0o0
「貴女の真の狙いはあの味見した小皿!そうと分かれば…」
そう云うと貴子が瑞穂のところに走り寄ろうとした。
その襟首をまりやが鷲づかみする。
「どぉっせええいぃ!!!」
そして思いっきり後ろに投げ飛ばす。
「ふぎゃぁぁぁぁ・・・」
ゴロンゴロンゴロンッッ!!!
「痛っタタタ…何をなさいますの」
「それはこっちの台詞ねぇ。あんたこそ一体どうしようとしていたのかしら?」
「ふふん、知れたことですわ。お姉さまを商売にしようとする邪な企みを見過ごすことは出来ません。小皿は私が…」
「黙りゃあぁぁあ!!!!」
吼えるまりやの迫力に一瞬、気圧されて口をつぐむ貴子。
貴子の視線から瑞穂を隠すようにゆっくりと前に立ちふさがるまりや。
「貴子には味噌汁をあげるから…ね?、何杯でも飲んでいいから…だから…ね?」
貴子も気を取り直して立ち上がると、まりやをよけて瑞穂の所へ行こうとじりじりと横に移動する。
「そうはいきませんわね、まりやさん。そのような買収に私が応じるわけには参りませんわね」
横に移動する貴子を更に邪魔するようにまりやも移動する。
二人の体から熱いオーラが立ち上っている。




「何だか暑いわね」
背後のそんなことに気がついていない瑞穂。
素の味噌汁ではあまりにそっけないので、調理室の冷蔵庫の中にあった葱を刻んでいた。





80 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 00:58:21 ID:vzP7hE0o0
「へ〜。じゃあ、どうしようというのかしら?」
まりやの問いかけに、貴子はびしりっと指を突きつけた。
「没収!没収!没収っ!!お姉さまを利用しての邪な企み、生徒会長として許せません。小皿は没収ですわっ!!」
「ふっ、語るに落ちたわね、貴子。要は貴女が欲しいだけじゃないのかしら、小皿を」
「なっ!?」
「じゃあ、聞くけどあの小皿、没収してどうしようって云うのかしら。まさか、持って帰るって云うんじゃないわよね」
「……くっ。も、もちろんそんなことしませんわよ。きちんと洗って…」
「嘘ね。見え透いたことを。もし、百歩譲ってそうだとしたら、あの小皿の価値がわかっていない愚か者よ。
コレクターの風上にも置けないわね。そんな人にあの小皿は渡せないわ」
いつの間にかコレクター扱いされている貴子。
「確かに貴重なものであることは認めます。ならまりやさんはあの小皿をどうしようと?」
コレクター扱いを貴子は否定しなかった!
「もっとも価値がわかっている人に貰われてこそ美術品は幸せなのではないかしら。あたしはその、価値がわかる人を
探して渡すだけ。そう!美術品の旅のお手伝いをする渡し舟のようなもの」
「否!否、否!取り繕った云いかたをしても誤魔化されません。そのような事こそ、看過出来ませんわ」
「チッ!云っても無駄なようね」
「さあ、そこをお退きなさい」
「ふん、なら勝負ね。あの小皿を手に入れるのはあたしに勝ってからよ」




「えーと、葱のほかには…人参もあるわね」
瑞穂は冷蔵庫を漁っていた。
調理実習の余りの材料が幾分か残っていた。
「あの、お姉さま」
振り返ると、掃除を終えた生徒たちが3人ほど立っていた。
「お味噌汁をお作りでしたら、ぜひ私たちもお手伝いさせてください」
「まあ!どうもありがとう」
「それで、出来上がったら、私たちもご相伴させていただきたいのですが…」

81 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:02:42 ID:vzP7hE0o0
「ええ。もちろん、良いですよ。皆で一緒にいただきましょう」
わあ〜と喜ぶ生徒たち。
「じゃあ、もっと大きなお鍋で作り直しましょう」




まりやと貴子はあみだくじを作っていた。
紙に2本の線を引っ張ったまりやは貴子にそれを突き出した。
「さあ、どちらかを選びなさい」
「これはなんですの?」
「見ての通りアミダよ」
「それは分かっています。たった2本ではイカサマなんて簡単に出来るではありませんか」
私が作ります!と貴子は10本の線を紙に引っ張った。
「さあ、どうぞ」
「ふん。あんた、イカサマしてないでしょうね?」
「まりやさんとは違います!するわけないでしょう!」
「どうだか…」
まりやはそう云いながら更に10本の線を書き足す。
「さ、これで良いわ」
「まりやさん。今、何かしましたね」
「ん?なんもしてないわよ」
「信用できません」
貴子も更に10本。
「ああっ、アンタ、なんて性格悪いの」
「貴女こそ!」
お互いに線の引っ張り合い。
際限がない。

82 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:06:47 ID:vzP7hE0o0




「里芋があります」
「入れてしまいましょう」
「お姉さま、豚肉を持ってまいりました」
「では豚汁にしてしまいましょう」
瑞穂の周りにはいつの間にか10人を超す生徒たちが集まって、わいわいと賑やかに調理している。
(まりやは…)
瑞穂が後ろを振り返ると、まりやと貴子は紙を囲んでなにやら作業に没頭している。
(ふ〜ん。珍しく二人仲良く作業してるなあ。いつもこうだと良いんだけど)
とりあえずそっとしておく瑞穂だった。




「も、もうこの辺で良いんじゃない?」
「そ、そうですわね」
まりやも貴子も二人ともぜーぜーと大きく肩で呼吸をしている。
紙には100本を超す線が引っ張られている。
「流石にこれでは貴女もイカサマなんて出来ないでしょうし」
「それはこっちの台詞だって。…まあ良いわ、じゃ、選ぶわよ」
「待ってください。何故、まりやさんから選ぶのですか?私が最初に選びます」
「どっちでも同じでしょ!さては…はは〜ん、何か小細工したわね」
「しておりません!貴女が信用出来ないだけです」
貴子が一本選ぶ。
その線にまりやが横棒を一本付け足した。
「これでヨシ」

83 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:10:45 ID:vzP7hE0o0
「ヨシじゃありませんわ。何故棒を付け足しますの?」
「イカサマ防止よ。じゃ、次はあたしが選ぶわね」
そう云ってまりやが選んだ線に、貴子も同じく横棒を付け足した。
「何か文句ありますの?」
「……いや、いい」
1本ずつ線を選ぶ度に、相手が横棒を付け足すという作業を黙々と続けるまりやと貴子。




瑞穂の周りは花盛りだった。
ワラワラと集まった10名を超す女生徒たちが、嬉しそうに出来上がった豚汁を汁碗に注いでいく。
我も我もと皆、嬉しそう。
瑞穂を花としたなら、さながら甘い蜜に集まるムシたちのよう。
瑞穂がまりやたちを呼ぼうとした時、そこに蝶々がやってきた。
「お姉さま〜、奏もいただきたいのですよ〜」
奏だった。
「あら奏ちゃん。勿論良いわよ」
お碗に注いで手渡すと、感激して受け取る奏。
「偶々、この教室の前を通ったら良い匂いがするので覗いたのですよ〜。するとお姉さまがいらっしゃったのですよ〜」
「そう。それは運が良かったわね」
「はいなのです。お陰でお姉さまのお作りになられたお味噌汁を頂けるのですよ〜」
「こんなので良ければ寮でいつでも作ってあげるわよ」
姉妹が楽しくおしゃべりしていると、蝶々を探して小鳥がやってきた。
「奏、何を道草してるの。さっさと続きを始めるわよ」
圭だった。
「あら、瑞穂っち。炊き出し?」
「あ〜部長さん。すみません、直ぐに戻りますのですよ〜」
慌てて椅子から立ち上がりかける奏に手を振る圭。
「まあいいわ。あたしもお相伴に与るから」

84 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:14:43 ID:vzP7hE0o0
そう云うとさっさと奏の隣の椅子に座る。
「へい、ソムリエール。こちらにも1杯もらえないかね」
「…はいはい」
「もう圭さん。なにミイラ取りがミイラになってるんですか?」
そう云いながら美智子が入ってきた。
小鳥をエサにしている猛禽類までがやってきてしまい、これで瑞穂の周りで一大生態系が出来上がってしまった。




「……これで89本目…と」
先ほどからの作業を黙々と続けていたまりやと貴子だったが、その忍耐もピークに達しかけていた。
「ああー!もうキリがないわね!」
「ほら、次まりやさんの番ですわよ」
「……ちょっと…まりや」
「こんなのやってられるかー!」
「そうは云っても貴女が最初に始めたんでしょう」
「……まりや、貴子さん…」
「我慢できるかぁぁ!」
「あとちょっとでしょ!!」
「・・・・・・まりや!貴子さん!」
瑞穂の声にようやく気がついた二人。
「あれ?瑞穂ちゃん」
「お腹空いてたんじゃないの?なに夢中になってるのか知らないけどもうとっくに出来てるわよ」
「「えっ!?」」
まりやと貴子が振り返ると、大勢の生徒たちが食べ終わった食器や鍋を片付けているところだった。
「なにぃ〜!これっ!」
「皿っ!小皿はどこですのっ!」
食器類は全て洗って片付けられてしまっていた。

85 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:19:38 ID:vzP7hE0o0

「「ああぁ〜〜・・・・・・」」

がっくりと膝をつくまりやと貴子。
「ちょっと、なんで二人とも落ち込んでるの?」
「おおかた目先の欲望に目が眩んで、目的を果たせなかったんでしょ」
「「・・・んぐっ!」」
圭のズバリと核心をついた台詞が、二人の胸を刺す。
「ほら、まりやも貴子さんも。お二人の分、2杯はちゃんとおいてありますから、それを食べて」
価値ある小皿と魔法瓶いっぱいのお味噌汁が、汁碗一杯の豚汁になってしまった。
がっくりしながらも、せめて瑞穂の手料理を味わうかと、トボトボとまりやたちは用意された机に向かう。

・・・・・・そこには食物連鎖の頂点に位置する、大型肉食獣がいた。

「まりやさん、貴子さん。お先にいただいております。とっても美味しい」
紫苑が残り2杯の豚汁の内、1杯を食していた。

「・・・・・・・・・」
「ああぁぁ…」
呆然となる二人。
そんなふたりの目の前で、ホクホクと美味しそうに食べる紫苑。

「……!!」
直ぐに我に返るまりや。
残りは1杯!
これだけは手に入れなければ、何のためにこんな苦労をしたのか分からない。
貴子の顔をみる。
まだ呆けているようだ。
では…と最後の1杯を見る。と、何者かがその汁碗を持ち上げているところだった。

86 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:23:37 ID:vzP7hE0o0
「!!由佳里。あんた何してるの!?」
「あ、あ…あたしも1杯いただこうかな〜って思いまして。えへっ」
引きつった笑いを浮かべながら、汁碗を手に持っている由佳里。
「さっ、いい子だからそれを返しなさい。あんたにはまだ早いわよ」
「そ、そうですね。あ、あは、あは…」
マジ顔のまりやに怯えつつ、そう返事しながらも汁碗を離さず、じりじりと教室のドアのほうへ後ずさりする由佳里。
正気に返った貴子も、無表情にゆっくりと由佳里に迫ってくる。
「あ、あの…まりやお姉さま?」
「…なあに?由佳里」
「あ、あたしも今、来たばかりなんですよね〜」
「…だから?」
「え、えへ。だから、あたしもこの豚汁飲みたいなあ〜。って云ったらどうします?」
途端にまりやと貴子の怒りに震える体から、金色の炎が噴きだした。
「うっ、スーパー○イヤ人!」
次の瞬間、ドアから外に飛び出す由佳里。
「待て、由佳里」
「待ちなさい」
慌てて追いかけるまりやと貴子。

87 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:27:42 ID:vzP7hE0o0
「はややっ、由佳里ちゃん」
「由佳里ちゃんもまりやも、そんなにお腹が空いてたのかしら?」
「相変わらずずれた事云うわね、瑞穂っちは」
「ああ〜、もうあんなとこにいるのですよ〜」
窓から校庭を覗いてみると、運動場の隅っこのほうで追いかけっこをしている3人の人影が…。
「…よく汁碗を持ちながらあのスピードで走り回れるわね」
瑞穂が感嘆したように云う。
この3人、何に例えればいいのやら…。
「我が校の韋駄天3人組とでも云うのかしらね」

結局、お碗をひっくり返して3人とも飲めずじまい。
その晩、寮で瑞穂が半泣きの由佳里の為に玉子焼きとお味噌汁を作ってあげることになった。


Fin

88 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 01:32:33 ID:vzP7hE0o0
お粗末さまでした。
没ファイルの中から家庭科ハーレムネタが出てきましたので、近日中にこれも書き直してやろうかと思っています。
なんにしろ、また、今年もよろしくお願いします。
皆様方。

PS エトワール面白かった。

89 :名無しさん@初回限定:2008/01/06(日) 08:31:11 ID:lq9qP1EzO
おもしれ!
GJ

90 :名無しさん@初回限定:2008/01/06(日) 10:14:02 ID:a9h/rEDC0
L鍋さんあけおめです
相変わらずおもしろいですねwGJ!

91 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/06(日) 10:43:23 ID:Pqm0S5JL0
>>88

GJです!
書き直しのほうも楽しみにしています。

L鍋さんに念のため聞きますが、
>エトワール面白かった。
これって「櫻の園の」方ですよね? 私の作品の方ではないですよね?
(まぎらわしいタイトルですみません)

あと、「百合の園のエトワール」ですが、奏ちゃん姉妹の方の路線も決まりましたので、現在執筆中です。
ですので、最初の方、サブタイトル「ゆかはつ編 姉妹からのご祝儀」を追加します。


92 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/06(日) 21:35:28 ID:vzP7hE0o0
>>91
勿論、東の扉さんの作品です。
私はエロを書くことが超・超苦手なので東の扉さんやkamakiriさんの作品をいつも羨ましいと思いながら読んでいるのです。
そのうち、書いてみようかとも思ったりもするのですけど。

櫻の園のエトワールはいわずもがなバイブルのようなものです。
口に出すまでもなくというやつです(^^
『櫻の園の』あのゆったりとした感覚を感じさせる作風はゲーム本編そのままでしたね。

93 :名無しさん@初回限定:2008/01/06(日) 23:17:14 ID:eT8QZPeC0
L鍋さんお疲れ様です〜
L鍋さんのリズムがあるんだから無理にエロ書かなくてもいいんじゃ
ないでしょうか?
自分的には ほのぼのバカ話もだいすきなんだけども。。。

94 :おとボクまとめ中の人 ◆OTBKTbDm8M :2008/01/06(日) 23:47:45 ID:D1KJn9vc0
少し遅れましたが、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

東の扉さん、
百合百合SSもまたいいものですね。薫子−奏SSも楽しみにしていますよ。
>>55 の件、修正しましたのでご確認ください。
>>91 も作品リストに反映済みです。

L鍋さん、
「家庭科ハーレム」にシリーズがあるとは知りませんでした。
赤面も何も、これからもその勢いで楽しませてください。

それでは、じゃまにならないように私はこれで。

95 :名無しさん@初回限定:2008/01/07(月) 01:02:02 ID:RoNvH+al0
>>92
俺ランク

デート>応援>桜園

96 :みどりん:2008/01/10(木) 00:06:40 ID:tKNsQXvd0
ストーカー

 みんなで食堂で一緒に昼食をとっている。残念ながら今日はハンバーグ定食がない
ので、由香里は洋食セットAを食べている。
「由香里ちゃん、今日はハンバーグがなくて残念ね」
瑞穂が由香里に言う。
「お姉さま、確かに私はハンバーグが好きですが、別にいつもハンバーグというわけ
ではないのですよ。和食を食べることもありますし、中華も韓国料理もエスニックも
フランス料理もイタリア料理も・・・あ、イギリス料理は余りおいしくないので好き
ではないですが、大体何でも食べるんですよ」
「そう・・・だったの。知らなかったわ」
「あたしも由香里はハンバーグだけが好きなのかと思ってたわ」
まりやも瑞穂に同意する。
「一緒に食事をしていても毎日ハンバーグではないですし、寮の食事もハンバーグば
かりということはないではないですか。それに、世の中ハンバーグしか食べられなか
ったら生きていけないですよ」
「それはちょっと大げさかもしれないけど、確かに不便よね」
「でしょ?」
「だったら、ハンバーグ以外の料理を作ることもできるの?」
まりやが質問をする。
「当たり前です。肉じゃがでもおせち料理一式でも、酢豚でもトムヤンクンでも、鍋
は簡単ですし、ラーメンだってカレーだってスパゲティーだって普通の家で食べるも
のは大体全部できますよ。ハンバーグは作るのが面倒な方なので、料理の練習のため
に作っているのです。これ以上面倒なものだと時間がかかりすぎるので普段作るのは
少し無理ですね。休みの日だったらできますけど」
「そう・・・だったの。知らなかったわ」
「奏もハンバーグ以外のお料理をいただいたことがないのですよう」
一体みんなは由香里の何を今まで見ていたのだろうか?



投稿試験です。

97 :みどりん:2008/01/10(木) 00:07:15 ID:tKNsQXvd0
 さて、"ラーメン"という単語に妙に敏感な女性が約1名いた。
「今、ラーメンとかおっしゃっていませんでしたか」
ラーメンに敏感な女、貴子がやってきた。
「ええ、確かラーメンを作ることができるといったと思います」
「そ、そうなのですか。それはおいしいのですか?」
「もちろんです!・・・といいたいところですが、味の好みは人それぞれですのでな
んとも言えませんね。でも、自分ではおいしく作っているつもりですよ」
「そ、そうなのですか。一度頂いて見たいものですわ」
「ええ、いいですよ。いつも会長さんにはお世話になっていますから」
「よろしいのですか?嬉しいですわ」
「本格ラーメンと簡単ラーメンとどちらがよろしいでしょうか?」
「どちらがおいしいのでしょうか?」
「それは本格ラーメンですね。もう、全然違う料理というくらいおいしいですよ」
「それでは、本格ラーメンをお願いします」
「わかりました。本格ラーメンは少し時間がかかりますので、今度の日曜日に寮に来
ていただけますか?」
「わかりましたわ」

98 :みどりん:2008/01/10(木) 00:07:56 ID:tKNsQXvd0
 そして次の日曜日・・・
「ごめんください」
貴子が寮にやってきた。
「あ、貴子さん、いらっしゃい。何かすごいことになってますよ・・・」
瑞穂が答える。貴子が台所を見てみると・・・麺を伸ばしては畳み、伸ばしては畳み中華料理の職人のように麺を伸ばしながら細く長くしている由香里がいた。まりやも
奏も唖然として由香里を眺めている。
「すごい・・・」
「あ、会長さん、いらっしゃい。もうすぐできますから座って待っていてください」
貴子を見た由香里が厨房から声をかける。
「由香里ちゃん、何日も前から出汁をとったり、叉焼を作ったりしていたみたいです
よ。時間がかかるんですって。他にも色々買出しに行って準備が大変だったみたいで
すよ」
「それは、申し訳ないことをいたしました」
「でも、会長さんのためにって張り切っていました」
「嬉しいですわ。きっととてもおいしいラーメンなのでしょう」
「そうですね。楽しみに待ちましょう」
 程なく・・・
「皆さん、おまちどうさまでした。由香里特性ラーメンができました」
味噌ラーメンだろうか?薄茶色のにごったスープのラーメンが出てきた。具は叉焼、
メンマ、葱、茹で卵など普通のラーメンだ。
「見た目は普通ですわね」
最近、急にラーメン通になった貴子は感想を述べる。
「どうぞ召し上がってください」
「それでは、いただきますわ」
全員ラーメンを口にした。

99 :みどりん:2008/01/10(木) 00:11:45 ID:tKNsQXvd0
・・・全員言葉がない。由香里が心配そうに感想を聞く。
「あの・・・どうでしょうか?」
「・・・・・・おいしい。すごくおいしい。本当においしい」
瑞穂がようやく口を開く。全員おいしさに驚いて、言葉も出なかったのだ。
「本当ですわ。こんなにおいしいラーメンは食べたことがありませんわ。口にした瞬
間、余りのおいしさにぞくっといたしましたわ」
貴子も言葉を繋ぐ。
「ほんと、由香里、これはすごいわ。見た目普通だけど、味が全身に染み渡る感じっ
ていうといいのかしら、本当においしいわ」
まりやも絶賛する。
「由香里ちゃん、これはすごいのですよう。こんなにおいしいラーメンはお店に行っ
ても食べられないのですよう」
奏も賞賛を惜しまない。
「えへへ〜、喜んでもらって嬉しいです。ほとんどのお店は麺は他所から買ってます
から、味が落ちるんですよ。それに採算を考えなくてはならないからある程度手を抜
かないとならないところもありますし」
「そうなのですか。由香里さんのお料理はそういうところ全てを気をつけているので
おいしいのですね」
貴子が納得する。

 それから・・・
「由香里さん、もう作らないのですか?私は次の土曜も日曜も空けて待っております
が。平日でも構いませんわ」
「え、えーとーー」
「貴子、いいかげんにしたら?由香里だって困ってるじゃない。ラーメン屋じゃない
のよ」
由香里に付きまとう貴子の姿がよく目撃されるようになったとのことである。


お粗末さまでした。
投稿試験を兼ねて、料理ネタを続けてみました。

100 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/01/10(木) 18:27:08 ID:xJ9kixKD0
ラーメンにハマる貴子さん萌え。

期待の新人?さんですね。
はやく次の作品が読みたいです〜
首を長くしてお待ちしております。
私は次の土曜も日曜も空けて待っておりますが。平日でも構いませんわw


101 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/10(木) 19:10:51 ID:P14nGvte0
お疲れ様です。こちらでは初めての作品ですね。面白かったです。
ただ、由佳里ちゃんの名前を間違えているので、投稿の際もう少し注意した方がいいと思いますよ?

>>94

修正ありがとうございます。
ただ、作品リストの方が以前のままになっているようです。
(「Hメンタルプレリュード」と「真実は大きなミステイク」のところ)
作品別リストが3つだった時は修正されていたと思いますが……。
勝手ばかり言ってすみません。

102 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/01/11(金) 00:51:05 ID:8E2+5NJP0
うわっ! みどりんさんて投稿所の方の常連さんじゃないか。
新人さん扱いしてすんませんッしたーっ! m(_ _)m

103 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 08:46:29 ID:YE6qlKrH0
「百合の園のエトワール」、奏ちゃんと薫子ちゃんの方、“一応”完成しましたので、投下させていただきます。
よろしくお願いします。


104 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 08:50:44 ID:YE6qlKrH0
 聖央女学院の女子寮、夕食後に薫子が外に出て行こうとしている。
「薫子ちゃん、どうしたのですか?」
「ああ、奏お姉さま……ちょっと必要なもので、買い忘れていたものがあったから、コンビニに行こうと思って……」
 薫子がそう言うと、奏は笑顔で言う。
「でしたら私が行ってきますので、薫子ちゃんはそこで待っていてください」
「で、でも!」
 護身術の心得がある自分はともかく、本格的に習っていない奏には危険なんじゃ……
というものの、奏は大丈夫だと答えて譲らなかった。
「……じゃあ、これが必要なものです。よろしくお願いしますね」
「はい、お任せください」
 薫子が必要なものを書いたメモを奏に渡すと、奏は玄関から外に出て行った。
「……奏お姉さま」
 その様子を見て、薫子は言い知れない悪寒を覚えた。

〜百合の園のエトワール かなかお編 逆転姉妹の再逆転?〜

「……奏お姉さま、どこにいるの?」
 薫子は街中を必死で奏を探していた。
 あの後、由佳里に奏が心配だと言った薫子は、奏を探して一緒にいてあげてほしいと言われ、こうして探しに出たのだ。
「……奏お姉さま?」
 薫子は裏通りに差し掛かるところで奏を見つけた。数人のガラの悪そうな男に囲まれている。
「うわ、なんかヤバそうな雰囲気……!」
 薫子が近づくと、奏たちの会話が聞こえてきた。

105 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 08:54:29 ID:YE6qlKrH0
「……そこを通してください!」
「いやだね。だいたいこんなとこ女1人で歩いてるなんざ、男誘ってるようなもんだぜ?」
「私はそんなつもりはありません!」
「知らねえな。あんたはこれから俺らとするのは決定なんだよ」
 どうやら思っていたより事態は逼迫しているようだ。薫子は足のスピードをあげて近づく。
「何してるの! あたしの先輩を離しなよ!」
 薫子が叫ぶと、奏と男たちが薫子の方を見る。
「薫子ちゃん!」
「ああー? こいつがあんたの先輩? 寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ」
 ……一般人にはもっともな発言である。薫子と奏では、どうしても奏の方が年下に見えてしまうだろう。
「離してやってもいいぜ。あんたが俺たちの相手をしてくれるんならな」
「ええー? 離しちゃうのー? 俺はこっちの方がタイプなのに」
「ああ離してやるぜ。2人ともいただいてビデオとか写真とか、たっぷり撮った後でだけどな」
「なるほど。そりゃいいや。ぎゃははははは」
「ひゃははははは」
 男たちから、そんな下劣極まりないセリフが飛び出てくる。
 薫子は、男たちに心底憤慨していた。こいつらを見てると、以前薫子に決闘を申し込んできた連中が可愛く思えてくる。
 彼女たちは歪んではいたが、彼女たちなりに奏のためを思ってしたことだ。だが、こいつらは最初から
奏を人間扱いしていないのだ。おそらくは、他の女の子たちにも、今言ったようなことをしているに違いない。
 男たちの1人が薫子にも手を伸ばしてきた。
 バンッ!
 薫子は、そんな男の手を乱暴に払いのけた。
「て、てめえっ!」
「あんたらが奏お姉さまに手を出そうなんて、百年早いんだよ!」
 薫子は、一斉にかかってきた男たちに向かって身構えた。

106 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 09:16:55 ID:YE6qlKrH0
 それから約1分後……。
「ぐ……うう……」
「げほ……げほ……」
 薫子は襲ってきた男たちをすべて一撃で倒し、警察に通報した。
 警察によるとやっぱり色々余罪があるようだが、そこから先は警察に任せることにした。
「奏お姉さま、大丈夫?」
「うええええっ……薫子ちゃん……怖かったよ……」
 恐怖から解放された奏は、薫子の胸に泣きついてきた。
「夜の街はすごく危険なんだから、1人で出歩いちゃダメだよ。由佳里さんも心配してたんだから」
「はい。これからは気をつけるのですよ」
「よし。じゃあ、買い物もちゃんと済ませてくれたみたいだし、一緒に帰ろう」
 薫子が言うと奏はうなずき、2人で一緒に寮まで帰ってきた。

107 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 09:20:28 ID:YE6qlKrH0
「奏ちゃん! 1人で夜の街に出かけようなんて、何考えてるのよ!」
「ゆ、由佳里ちゃん、ごめんなさい……」
 薫子と一緒に寮に帰ってきた奏は由佳里にそう怒られた。
「もう、ホントに心配したんだから。今までは運よく何事もなかったからって、いつもそうとは限らないんだよ?
薫子が来てくれなかったら、どうなってたと思うの?」
「よ、よくわかりました……これからは気をつけるのですよ……」
「わかってくれればいいけど……今日はゆっくり休んで。薫子、奏ちゃんのことお願いね」
「はい! 任せてください!」
 そう言って、薫子は奏を部屋に送り届けた。

108 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 09:24:43 ID:YE6qlKrH0
「じゃあ奏お姉さま、今日はゆっくり休んで」
 薫子がそう言って部屋から出て行こうとすると……。
「あっ! 薫子ちゃん、待ってください!」
 背後から奏に呼び止められた。
「どうしたの、奏お姉さま?」
「もう少し、薫子ちゃんにここにいてほしいのです……」
 薫子の制服を手で掴みながら話す奏の目から、涙がどんどんこぼれてくる。
「あの時、薫子ちゃんが助けに来てくれなかったらどうなっていたかと思うと……怖くて怖くて……」
 薫子は、そういう奏を守ってあげたい、すごく愛しいと思った。
「わかりました。今日は一緒に過ごしてあげますから」
「薫子ちゃん……」
 そうして、2人で一緒にベッドに入っていった。

「薫子ちゃん……」
「奏お姉さま……?」
 せつなそうに自分の名前をつぶやいた奏に、薫子は戸惑ってしまう。
「私、今他の人に触れるのが、ものすごく怖いのです……ですから、それを薫子ちゃんに取り除いてほしいんです……
薫子ちゃんの手で、私の心の傷を癒してください……!」
「奏お姉さま、それって、まさか?」
 全身を震えながらそう真剣にお願いする奏に、薫子は一種の予感を感じてしまった。
「はい……薫子ちゃんに、優しく愛してもらいたいのです……」
「ふう……わかったよ、奏お姉さま」
 薫子はそう言って震える奏の唇にキスをした。
「んっ……」
「どうですか、奏お姉さま? あたしはこんなことしたことないから、すごい下手くそだけど……」
「いえ、とっても気持ちよかったです……」
 奏は頬を染めて答えた。
 実際薫子のキスは恋愛経験のなさとがさつな性格を表したような、乱暴で稚拙なものだった。しかし、そこに込められた
奏に対する薫子の愛情は、そんなものがまるで気にならなくなるほど心地良かった。

109 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 09:40:21 ID:YE6qlKrH0
「じゃあ、次行きますね」
 薫子は奏の胸をもみしだいていく。
「ひゃ、ひゃあああっ!!」
 薫子の力強さと愛情の優しさの両方を兼ね備えた愛撫は、恐怖でいっぱいだった奏の心を溶かし、
次第に快楽を浸透させていく。
「か、薫子ちゃん、な、なんか、奏、変な感じなのですよ」
 感じたことのない刺激に、奏は克服したはずの昔の口癖で話してしまう。
「ぷっ……それ、ひょっとして奏お姉さまの本当のしゃべり方ですか?」
 薫子は奏の言葉遣いに思わず吹き出しながらも、もみしだく手は休めない。
「そ、そうなのですよ……薫子ちゃんが気持ち良いから、奏、お姉さまらしさを演じることが……ひゃああああっ!!」
 いつの間にか薫子の手は、奏の大事なところに伸びていた。
「じゃあ、あたしだけに本当の自分を見せてるんですね。嬉しいよ」
 愛するお姉さまが、本当の姿を自分だけに見せてくれる……そのことに嬉しくなった薫子は、奏の胸にキスをする。
「ふぁあああ……か、薫子ちゃん、そんなとこにキスしないでほしいのですよ……奏、何かが壊れる気がするのですよ……」
 涙目で薫子を見る奏。
「奏お姉さま、怖がることないよ。あたしを信じて」
 薫子は奏を安心させるため、後ろから抱きしめる。
「は、はいなのです……薫子ちゃんを信じるのですよ……」
 そして薫子は、奏の全身にキスマークをつけていく。
「ひゃあああっ……薫子ちゃん、奏、なんかえっちな気分になってくるのですよ」
「いいよ奏お姉さま。あたしの前でだけそうなってくれるなら。すごく可愛いし」
「薫子ちゃん……奏って、呼び捨てにしてみてほしいのですよ」
 薫子の全身キス攻撃を受けて、びくんびくんと震える身体から、奏はふと思っていたことをお願いしてみた。
「わかったよ、奏。もっとあたしを感じて」
 薫子は奏を愛しそうに見つめながら言う。言ってみると、本当に恋人になったかのような感覚だった。
「あ……あ……あ……」
 呼び捨てにされてみて、奏は薫子が妹以上の存在になっていくのをよりいっそう感じていた。
その感覚が、奏の理性を壊していく。
「ふぁああああああっ……!!」
 そして、とうとう奏は薫子の手で達してしまった。

110 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 09:45:32 ID:YE6qlKrH0
「おはよう、奏お姉さま」
「あ、薫子ちゃん……おはようございます」
 しばらくして目を覚ました奏は、薫子の言葉に、反射的に挨拶を返す。
「どうでしたか?」
「薫子ちゃん、なんか男の方みたいで、頼れる感じがして、とても安心できました。薫子ちゃんはいかがでしたか?」
「あたしも……なんか奏お姉さまを恋人にできたみたいで、すごく嬉しかった」
 薫子は照れ隠しに頭をかきながら、頬を染めて笑った。
「でも、男みたいって言われるのはな……これでも気にしてるんだけど……」
「あっ! ご、ごめんなさい!」
 元気をなくしたように言う薫子に、奏は慌てて平謝り。
「いいよ。奏お姉さまの言いたいことはわかったし。じゃあ、お詫び代わりにもう1回どう?」
「で、でも、薫子ちゃんに悪いです……」
 消極的な奏に、薫子は詰め寄る。
「いいじゃない。遠慮しないで。毎日奏お姉さまにはお世話してもらってるんだから、
あたしにもこれぐらいのお世話はさせてよ」
「わかりました。でも、こんなお世話をする妹なんて、聞いたことありませんけど」
 苦笑しながら言う奏に、薫子も苦笑い。

111 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 09:50:42 ID:YE6qlKrH0
「初音は由佳里さんにやってるみたいですよ。なんか前に初音が由佳里さんにいたずらした罰とかで、
時々身体をおもちゃにされると同時に、それも強制されてるみたい」
「ええっ!?」
 それを聞いて、奏は驚愕。
「そんなの、初音ちゃんがかわいそうです! 由佳里ちゃんの気持ちもわかりますけど、
だからって……今すぐやめさせなければ!」
 慌てて部屋から出て行こうとする奏を、薫子が引き止める。
「ほっとけばいいよ」
「か、薫子ちゃんは初音ちゃんがどうなっても……」
「だから、落ち着きなって」
 抗議する奏に、薫子は冷静に言い返す。
「罰とか強制とか言っても形だけで、実際2人は愛し合ってるみたいだしさ。その証拠に奏お姉さま、
由佳里さんが初音に辛く当たったりとか、初音が由佳里さんに怯えたり暗くなったりとか、見たことある?」
「あ……」
 言われて奏は気づく。そういえば、由佳里も初音もお互いをとても大切にしてたし、
時々由佳里が初音に、初音が由佳里に向ける視線は、恋する乙女そのものだった。
「で、では、私も薫子ちゃんと、あんなふうになれるのでしょうか?」
 自分の勘違いに気づいた奏は、改めて薫子と由佳里たちのようになってみたい、そう思った。
「奏お姉さまがお望みなら」
「で、では……」
 奏が再びベッドの上に座る。

112 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 10:10:14 ID:YE6qlKrH0
「薫子ちゃん、私の服を脱がせてください」
「じゃあ奏、失礼するね」
 薫子は自分たちが愛し合う時だけ、奏を呼び捨てにすることに決めた。
再び呼び捨てにされた奏は、快楽にぶるっと身体を震わせる。
「はああっ……」
 妹が丁寧に自分の服を脱がせていく。奏はそれだけで、かすかな快感を得てしまった。
「もう感じてるの、奏?」
「は、はいなのです。奏、薫子ちゃんに脱がせてもらって、ちょっと気持ちいいのですよ……」
「それだけで気持ちいいなんて、奏は意外と淫乱なんだね」
「薫子ちゃんだからなのですよ……薫子ちゃんだから、淫乱になっていくのですよ……」
 薫子に再び性感帯を愛撫されて、奏は頬を染めながら答える。
「奏があたしでそんなふうに思ってくれるなんて、すごくいいよ」
 薫子は胸とあそこをいじりながら、今度は奏の首筋にキス。
「ひゃあっ! こんなとこでもこんなに気持ちいいなんて、知らなかったのですよ……」
 奏は驚きながらも、快感をじっくりと味う。
「か、薫子ちゃん、どこでそんなことを覚えたのですか?」
「相手が奏だから、自然に出て来るんですよ」
 薫子は行為を続けながらも、優しく答える。
「薫子ちゃんにそこまで思ってくれてるなんて、奏、とっても嬉しいのですよ……」
「ありがとう、奏」
 薫子はキスしていた首筋をなめ始めた。
「ひんっ! か、薫子ちゃん、激しすぎるのですよおっ!」
「ごめん。ちょっとイヤだった?」
 薫子は手を止めて聞いてみた。

113 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 10:15:23 ID:YE6qlKrH0
「い、イヤじゃないのですよ……もっとゆっくり、優しく強くしていってほしいのですよ」
 奏はすでに荒い息を吐きながらそうお願いする。その様子を想像しながら……。
「了解。まあ奏が可愛すぎて歯止めが利かなくなるかもしれないけど」
 そう言って、タイミングを考えて徐々に強くしていく。
「奏の表情、すごい色っぽいよ」
 今奏をこんな表情にさせているのは自分なんだ……そう思ったら、薫子はよりいっそう興奮してしまう。
「ひゃあああ……薫子ちゃんの口は、まるで麻薬なのですよ……気持ちよくって、どんどん言ってほしくなるのですよ……」
「奏って麻薬やったことあるの?」
 快楽を全身に浸して言う奏に、薫子が聞いてみた。
「あ、あるわけないのですよ! 知識として知っている中身から、そんな感じだと思っただけなのですよ……」
「冗談ですよ。でもひどいな、人を麻薬なんて」
「だ、だって……薫子ちゃん、本当に気持ちよすぎるのですよおっ……」
 全身をぶるぶる震わせて言う奏。そんな奏に薫子の興奮は高まって奏への愛撫は激しさを増し、
それが奏の興奮をも高めて……という循環の中に、2人は入ってしまっていた。
「か、薫子ちゃん……奏、またあの時の、爆発しそうな感覚が襲ってきたのですよ……」
「いいですよ、奏。あたしの前で快楽を爆発させて」
「は……はいなので……ひゃあああああうっ!!」
 薫子のより激しさを増した愛撫で、再び奏はイってしまったのだった。

114 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 10:20:55 ID:YE6qlKrH0
「薫子ちゃん……今度は私が薫子ちゃんを気持ちよくしてあげたいけど、いいですか?」
 起き上がった奏は、そちらにも興味が出てしまった。愛する妹に、自分の手であの感覚を味わわせてあげたい、と。
「もちろんいいですよ。あたしも奏お姉さまになら、されてみたいから」
 頭をかきながら目を半分そらして薫子は言う。
「どちらか片方が、じゃなくて、一緒に気持ちよくなりましょう。あたし、奏お姉さまと一緒に気持ちよくなりたいから」
「薫子ちゃん……」
「今日はもう遅いですけど、今度は一緒にあの感覚を味わおう」
 薫子は、奏に近づく。
「じゃあ、お休み、奏お姉さま」
 そう言って、薫子は奏の唇にキスをして部屋を後にした。
「私と薫子ちゃんと一緒に……あの気持ちを味わって……」
 奏は頬を染めて、ボーっとしながら、その様子を思い浮かべ、期待に胸を高鳴らせるのだった。

Fin

115 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/11(金) 10:29:48 ID:YE6qlKrH0
……以上です。ああ……連続投稿規制きつかった……。

「なのですよ」を克服している奏ちゃんと薫子ちゃん、書きづらかったです。
肝心の百合シーンも、私の本命の由佳里ちゃんの時と違って、いまいち納得できない出来に……。

すみません。私が未熟なもので、これが精一杯でした。
ご不満でしたら、もう他の作者様に期待してください(私も満足はしていません)

それでは、私はこれにて。お目汚し失礼いたしました。

116 :みどりん:2008/01/11(金) 23:23:41 ID:t99Zpgr60
東の扉さん

わたしも櫻の園のエトワールを買いました。
東の扉さんの作品とあわせて楽しみたいと思います。
というわけで、それには全く関係ない作品を投稿することにしました。


117 :みどりん:2008/01/11(金) 23:24:17 ID:t99Zpgr60

鶴の恩返し(みどりん版)

【慶行編】
 あるところに瑞穂という貧しい若者がおりました。
「なにー!?貧しいだと?わしの築いた身代はどうなったのだ?」
「父様、ただの話ですから。気にせず成仏してください」
「なんだと!わしはまだ死んではおらんぞ!!」

二人の漫才を聞いていると話が先に進まないので、次にいきます。

118 :みどりん:2008/01/11(金) 23:24:53 ID:t99Zpgr60

【由佳里編】
 ある日、瑞穂が歩いていると鶴が怪我をして苦しんでいました。瑞穂は鶴を介抱してあげました。
 数日後、瑞穂の家の戸を叩くものがいます。
トントン
「はい、何でしょうか?」
「私は由佳里と申します。あなたの妻になるためにやってきました」

「ちょっと、由佳里。あんたちゃっかり押しかけ女房になろうっていうんじゃないでしょうね」
「(ギクッ)そ、そんなことないですよ、まりやお姉さま。恩返しです、恩返しですってば」
「ほんとかしら?人はうそをつくときは同じ言葉を2回繰り返すんですってよ」
「うっ………」
「それに、おつうは鶴の化身で真っ白なのよ。あんた、真っ黒じゃない」
「………うえーーーーん、まりやおねえさまがいぢめるー」



119 :みどりん:2008/01/11(金) 23:32:06 ID:t99Zpgr60
あれ?書きこめなくなった・・・

120 :みどりん:2008/01/11(金) 23:33:08 ID:t99Zpgr60
【まりや編】
「瑞穂ちゃん、これから機を織るんだけどぜっっったい覗かないでね」
「うん。分かった」
 そして・・・

(お好きな効果音を選んでください)
type Destroy
ボキッ、あ!壊れた…ボコ、あぁぁ、床に穴が…大変、動物たちが逃げ出したわ…
キャー、火山が!埋めないと!!…うわーーー!!

type Sexy
うっ・・・あぁぁ・・・瑞穂ちゃん、そこ、もっと・・・優しくして・・・いいわぁ・・・
あん、そんなところだめよ・・・いや〜ん、アァーーーーッ!!・・・はぁはぁはぁ・・・
え?まだやるの?・・・あぁーっ恥ずかしい、こんな格好・・・おねがい、やめて・・・

type Animal
ヒヒーン、パカパカパカ………ゲロゲロ、ゲロゲロ………リーンリーン………パヲーーーン
モーー、ムォーー………コーケコックォー………ブーヴー………チュンチュン………クカカカカカッ

type War
ドカーン、ドドドドッ、ヒュ〜〜〜ズドーン、タタタタッ、撃たれた!衛生兵!衛生兵!!

type Silent
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「の、覗きたい……覗きたい………」

121 :みどりん:2008/01/11(金) 23:33:57 ID:t99Zpgr60

【貴子編】
「瑞穂さん、できましたわ」
「貴子さん、お疲れ様………って、機を織っていたんじゃないの?何でザッハトルテなの?」
「い、いいではありませんか。機を織っていたのはまりやさんで私ではありませんわ。
織ろうとしてできなかったわけではありませんわよ。
いいですこと?このケーキを町で売ってきてください。10万円より安く売ってはいけませんわよ」

「そんな高く売れるわけないじゃない。まったくお嬢様は経済感覚が悪くて困る。
絶対、機を織ろうとしてうまくいかなくて自分でできるケーキに変えたんだよ。
貴子さんもまりやと同じように案外不器用なところがあるからね。
実はザッハトルテとラーメン以外何にも作れないんじゃないの?
まあいいや。ケーキを売らないと。
ケーキはいりませんか〜?おいしいザッハトルテですよ〜。貴子さんが作りました〜〜」
「え?!か、会長手作りのケーキですか?」
「あ、君江さん、お久しぶりです。そうですよ、貴子さんが作ったケーキです」
「買います!おいくらですか?」

122 :みどりん:2008/01/11(金) 23:34:51 ID:t99Zpgr60

【奏編】
「いやー、君江様様だね。本当に10万円で売れた。お祝いにシャンパンでも買っていこうかな?」

「おかえりなさいなのですよう」
「ただいま、奏ちゃん。シャンパンを買ってきたよ、一緒に飲もう」
「奏は永遠の幼児体形なのでお酒は飲めないのですよう。
どのSSを見ても奏の背が伸びたとか胸が大きくなったとか色っぽくなったという話はないのですよう。
奏は悲しいのですよう。そんな奏はイチゴジュースがよかったのですよう」
「体形は関係ないと思うんだけど………」

123 :みどりん:2008/01/11(金) 23:36:41 ID:t99Zpgr60
【一子編】
「おねえさま、もう一度機を織りますが、決して見ないでくださいね」
「う、うん。分かった」

「………ちょっとだけなら大丈夫だよね………あ!一子ちゃん、浮いている!幽霊だったんだ!!」
「もう、おねえさまったら今更何を仰っているのですか。
そんなの最初から分かっていたことではないですか。
そんなことを今更仰るということは、ああ一子は今までお姉さまのおそばにいたのに
まったくお姉さまには認識されていなかったのですね。
この幽霊三等兵自分の不甲斐なさが情けなくなってしまいます。
そうですね、紅茶を入れることも何もできませんでしたからお姉さまの印象に残らないのも
仕方がないかもしれません。
でも、お姉さまもひどいです。
礼拝堂ではあんなにお姉さまも気持ちよくなっていたのに、
それでも一子のことを忘れてしまうというのですか(以下省略)」
(しまった!話し始めると止まらないんだった………
でも、放っておくと、いつまで話し続けるのだろう?)

翌朝・・・
(あー、よく寝た………まだ喋ってる)

翌々朝・・・
(あー、よく寝た………まだ喋ってる。見られたんだから、さっさと戻ればいいのに………)

124 :みどりん:2008/01/11(金) 23:39:50 ID:t99Zpgr60

【紫苑編】
「瑞穂さん、見てはいけないとあれだけ言っておいたのに見てしまいましたね。
本当の姿を知られたので、もうここに留まるわけには参りません」
そう紫苑は言い残して、鶴になり飛び去って………
いこうとバタバタ羽を動かしたのですが、飛べませんでした。
「紫苑さん、太ったんじゃ………」
紫苑は人間に戻り、瑞穂の顔面に正拳を加え、怒りながら歩いて去っていきましたとさ。

(し、紫苑さん、正拳は痛いです………)

おしまい


125 :みどりん:2008/01/11(金) 23:40:58 ID:t99Zpgr60
大変失礼いたしました。
ではまた。

126 :名無しさん@初回限定:2008/01/13(日) 00:31:16 ID:zGDK5DPa0
GJ!
みどりんさん面白いですねw
まとめサイトのみどりんさんの作品も今から読ませてもらいます
では ノシ

127 :名無しさん@初回限定:2008/01/13(日) 16:50:16 ID:ky+qtrvX0
お二人おつかれさまー

自身で納得できるような作品はやはり難しいものです、やはりここは
自分の一番好きなジャンルで書いてみるのが良いのではないのでしょうか?

128 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 09:28:26 ID:tCgre5ox0
こんにちは。
久しぶりにゲームをして、カッコいいお姉さまを書いてみたくなりました。
だけど、今までバカ話とモテ話ばかりだったから…。


129 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 09:29:11 ID:tCgre5ox0
『統率』

恵泉女学院前、道路向かい側に15から18歳くらいで7,8人のガラの悪そうな男女が集まっている。
そして、それと対峙して恵泉女学院側に20人以上の生徒が行く手を阻んで並んでいる。
恵泉側の先頭に立っているのは御門まりや。

何故こんなことになっているのか?

話は三日前に遡る。
駅前の繁華街を歩いていた恵泉の生徒がガラの悪い少年に絡まれてしまった。
それを助けたのが、偶然通りかかったまりやだった。
ちょっと云いすぎじゃないかというくらいの言葉を浴びせかけて少年を追い払った。

一昨日、駅前で、生徒がガラの悪い少女たちに絡まれる事件があった。
このときは10分ほど絡まれた所で通りすがりの大人が数人で助けてくれた。
絡まれた生徒は泣きながら、事のあらましを生徒会長に語り、怖かったと震えていた。
幸い軽く小突かれた程度で怪我はなかった。

昨日、またもや駅前で女生徒2人が数人の男女に絡まれた。
まりやは連日の騒ぎに警戒して、風紀委員と一緒に駅前を見回りしていて、この現場を発見した。
尻込みする風紀委員を差し置いて、まりやは駆け付けざまのとび蹴りで男一人を叩きのめし、色めき立った残り数人相手に
スタンガン片手に大立ち回りをやろうとした時、風紀委員と教師たちが数人で駆け寄ってきたため、相手の少年たちは
逃げ散ってしまった。
学院に帰ってから、まりやはシスターたちにみっちりと説教を喰らったが、被害者の生徒たちからは多大に感謝された。

そして、今日、放課後、少年たちは自分たちのボスであろう人物を連れて恵泉までやってきた。
校門にはガードマンが数人いて、中に入ることは出来ない。
そこで校門の前の道にたむろしているのだが、これでは一般生徒たちが怖がって下校できない。
ガードマンが何度か注意したが、学校の敷地ではないので強制的に追い払うことが出来ない。
学校の体面を考えると迂闊に警察に連絡も出来ない。

130 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 09:29:50 ID:tCgre5ox0
そんなときに、この様子に気がついたまりやが単独で校門の外に飛び出した。
これに追いかける形でまりやに可愛がられている生徒も一緒についてきた。
そして睨み合い。

少年たちの先頭に立っている、皮ツナギを着て左手に鋲ツキ手袋を嵌めた17、8才くらいの大柄な少女。
おそらくこの少女がこの連中の女ボス。
少女はキツイ眼差しで口を開いた。
「連日、うちの連中が世話になったみたいだね。礼にきたよ」
「ご丁寧にどうも。有難迷惑だからさっさと帰っていただけません?」
まりやは全く怯まない。
「ん〜、そうしてもいいんだけど。一言悪かったと頭下げてもらえればね」
「被害者側が頭下げる道理がどこにあるのやら。それって何処の国のどうりかしら?教えてくださる?」
まりやは逆に挑発に出る。
「こっちにも面子ってのがあってね」
「面子ねえ〜。そんなや○ざまがいのこと云われてもね。あたしたちには分からないのよね〜」
「お嬢さま学校だって聞いてたけど、結構うるさいのもいるじゃないww」
不良集団の先頭に立っている少女がニヤニヤ笑いで云う。
「無様に追い払われた腹いせに学校まで押しかけてくるなんて。余りにみっともないんじゃありませんかw」
まりやも負けじと云い返す。
「ふん、温室育ちの怖いもん知らずの様だけど温室の外の寒さってやつを骨身に叩き込んであげようかしら」
少女の周りにいる連中もヤンヤと声を上げる。
「あら。あたしを温室の花扱いしてくれるの?これはどうも。じゃあお礼に、あたしもアナタに教えてあげる。
アンタたち野人が想像もつかない温室の怖さって奴をね…」
恵泉側は誰もまりや以外口を開かない。
ただ、息を潜めてまりやと相手のやり取りを見守っているだけ。
しかし、こうしている間にも恵泉の校舎からはチラホラと生徒が出てきている。
すでにまりやの周りには生徒が50人近く集まっている。

この状態にガードマンが登場しないのはおかしい。

131 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 09:37:09 ID:tCgre5ox0
それに、警備室から連絡を受けたであろう教職員も現れないのはさらにおかしい。
そのことに女リーダーはとうに気がついている。

「もう一度だけ云うよ。何も慰謝料よこせと云ってるんじゃない。聞けば、アンタが元凶だそうじゃない。
アンタがここで頭を下げてくれれば納得しようって云ってるんだよ」
リーダーの言葉に周りの少年たちから不満げな声が上がる。
…生ぬるい!
…こいつを連れていこう!
そんな声にまりやのそばにいる女生徒たちは怯えて、まりやの制服の裾をつかむ。
女リーダーは周りで騒いでいる連中に「うるさい!」と一喝した。
それで連中は不承不承に口を閉じる。恐らくこのリーダーは若年ながらも仲間内から恐れられているのだろう。
「聞いての通り、うちらの仲間は血の気が多くてね。アンタがさっさと謝ってくれないと何するかわかんないんだよ」
まりやが謝って、頭を下げる。
それだけで何もせずに引こうと云っている。仲間から見たら弱腰にも見える申し入れ。
女リーダーは最大に妥協しているようである。

勿論、ここまで妥協するには理由がある。
このリーダーは恐れていた。…何に?
昨日、仲間連中からこの話をされたとき、けじめを取るため直ぐに学校に乗り込もうと決めた。
さもないと自分が頼りないリーダーだと仲間から舐められてしまう。
それだけでなく自分のチームが他のチームからも軽く見られてしまう恐れもある。
そしてそのことを、自分と対等の付き合いをしているツレに話した。

132 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 09:40:48 ID:tCgre5ox0
だけどそのツレは首を振った。

……止めたほうがいい。
……「何故?」
……ああいう学校は普通の学校と考えないほうがいい。学校自体の力は勿論だけど、それ以上に通っている生徒に
   得体のしれないのがいるかもしれない。
……「?」
……金や権力持っている連中の集まりだよ。警察や組関係とも繋がっているかも知れない。興信所とも繋がっているかも。
   そんなのを怒らせたらあんたらの溜まり場やねぐらを草の根分けても暴き出されて叩き潰されるよ。
   まあ、クマ蜂の巣のようなものだから触らないほうがいいよ。
……「でも今更、仲間に引っ込みがつかない」
……じゃあ、適当に茶をにごして引き上げるんだね。いいかい、間違っても巣を突付き回すな。本気にさせるな。
   相手のキーパーソンが出てこないうちに下っ端相手に茶をにごして帰っておいで。

校門にガードマンがいて中に入れないことは、逆にリーダーをほっとさせた。
外で待ち構えて出てきた奴を数人、脅して詫びさせて引き上げればいいと思っていた。
だけど出てきたのが、この女。
怖いもん知らずでギャンギャン噛み付いてくる。
(せっかく穏便に済まそうと思っているのに)
これは2、3発ビンタでも入れてびびらせないと分からないか…と数歩まりやに向かって近づいていく。
まりやの周りの生徒が一斉に、ザッと後ろに引く。
かろうじてヘアバンドをした少女が真っ青な顔でまりやの制服の裾を掴んで立ち留まっている。
「下がっていなさい。由佳里」
当のまりやは全く動じていない。
(とにかくこれ以上時間をかけられない。ガードマンや学校関係者が出てくる前に片をつけたい)
一言、このまりやが悪かったと云えば片がつく。

「温室の怖さを教えてくれるって?そりゃどんな風に?警察でも呼んでみるかい?警察が来る前にアンタにけじめを取らせることは
わけなく出来るよ」
女リーダーが馬鹿にするようにせせら笑いながら近づいてくる。

133 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 09:44:21 ID:tCgre5ox0
まりやもそれに答えるかのようにせせら笑う。
「そんな生ぬるいことしないわよ」
(通報するのが生ぬるい?)
「そこのアナタ!」
まりやはリーダーの後ろで笑いながら様子を見ている連中の一人を指差した。
「アナタ、3日前にあたしに追い払われたでしょ。元凶のアナタ。隠さなくてもいいわよ。全部分かってるから。…名前も住所も」

(名前も?住所も?)

全員、一瞬ポカンとした。何を云っているのかわからない。

(まさか…)

女リーダーの脳裏にツレの言葉がよぎる。
……得体の知れないのがいるかもしれない。

「アンタ、携帯持ってるでしょ。それかけて見なさい」
云われた男は直ぐ、ニヤニヤ笑いに戻ると小馬鹿にしたようなことを云いながら携帯を取り出して画面を開く。
そして、不審気な表情で画面を眺めた。ボタンを何度も押してみる。携帯を耳に当ててみる。
「どう?繋がらないでしょ。あたしがさっき強制的に解約させたからね〜」
「「「・・・・・・・・・」」」
全員が驚愕の表情で、一斉にまりやの顔をみる。
「あたしはね、相手の出方を待つというのが苦手なのよね。ウチの生徒にちょっかいを出されてただで済まそうなんて思ってないの。
あんた達が来なくてもあたしから行くつもりだったから。あんた達、繁華街にしょっちゅう出入りしてるらしいわね。
昨日、顔写真もって聞き込みしたらあんた達の溜まり場が直ぐ分かったわよ。ついでにメンバー数人の名前もね。
あんた達の携帯、今すぐ使い物に出来なくするくらい訳ないのよ」
「………」
全員度肝を抜かれたようである。不良連中も恵泉の生徒達も声もなく、まりやの言葉を聴いている。
リーダーも足を止めてまりやの顔を見ている。
まりやは得意げな表情。自分が謝るなんて事は鼻から考えていない。
無論、リーダーもこちらから謝るなんて出来るわけもない。

134 :名無しさん@初回限定:2008/01/14(月) 09:55:23 ID:i0RMdIlWO
wkwk!

135 :名無しさん@初回限定:2008/01/14(月) 10:25:22 ID:tCgre5ox0
?

136 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 10:27:52 ID:tCgre5ox0

(コイツか…。得体の知れない奴というのはコイツだった。もう駄目だ、穏便に済ますことなんて…)
度肝を抜かれた後、リーダーの少女の心に猛烈な怒りが湧いてくる。
(この女、全く余計なことをしてくれた。せっかく穏便に済まそうとしていたのに)

こんな脅迫じみたことをされたらもう駄目だ。詫びなんて生ぬるいことでは引き下がれない。もう、後先考えずにこの女を連れて帰り、
滅多打ちにしなければ面子が保てない。警察だろうがや○ざだろうが関係ない。
「アンタ達、今住んでいるところを追い出されたい?親御さんに迷惑かけてみる?」
まりやはもう完全に勝負ありと思っているのか、余裕の笑みでさらに駄目押しの言葉を云う。
つまり、今の家から追い出すことも訳ないことだと云いたいのだろう。
不良たちは、もう誰一人笑っているものはいなかった。
ただ不安そうな目でまりやを、そしてリーダーを見ている。
まりやはすでにリーダーの少女の右ストレートの射程内にいる。
この余裕の表情を浮かべているまりやの顔面に右ストレートを叩き込もうとしたときだった。

「お待ちなさい!!」

137 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 10:31:37 ID:tCgre5ox0

凛とした声が響いた。
校門から数十人の生徒が一斉に飛び出してきた。
まりやの後ろに隠れるのではなく、不良たちを取り囲むようにあふれ出てくる。
そしてその後ろから3人の少女が出てきた。3人とも美しい顔立ち。
「瑞穂ちゃん!」
「お姉さま!」
まりやと由佳里が声を上げる。
3人の内、真ん中にいる美少女が声を上げる。
「お止めなさい。まりやさん」
続いて右側にいる少女がやれやれという風に、
「まったく貴女という人は…」
首を振りながら云う。
左側の黒髪少女は優しい笑みを浮かべたまま、リーダー少女の顔をじっと見つめている。

138 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 10:37:45 ID:tCgre5ox0

校門から出てきた生徒はこれで200人くらいになったであろう。
しかも、先ほどまでのおっかなびっくりという態度ではなくて、完全に取り巻かれてしまっている。
これではまりやをひっ捕まえて、バイクでさっさと連れて行くということも難しそうだ。
不良たちは完全に敵意を喪失しておろおろと周りを見回している。
数百人に取り囲まれては仕方ないだろう。
「なんだい、あんた達。さっさとどきな」
凄んでみるが、周りの女生徒たちはびくともしない。
「いくらなんでもやり過ぎよ、まりやさん」
「だって瑞穂ちゃん。先に手を出したのは向こうの方なんだし。こっちは正当防衛でしょ」
「いいえ、過剰防衛よ」
「違う違うっ!!あたしは悪くないっ!!悪いのはあっち!」
まりやが女リーダーを指差して地団太を踏む。
「まりやっ!いい加減になさいっ!」

139 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 10:41:17 ID:tCgre5ox0
ビクッ!
瑞穂と呼ばれる美少女が語気を強めて叱ると、まりやは不満げな表情ではあるが口を閉じた。
「そこのあなた、私の妹達が迷惑をお掛けしたようですね。申し訳ありませんでした」
瑞穂がリーダーの少女に云う。
「…何で瑞穂ちゃんが謝るのよ」
まりやが小声でぶちぶち云っている。
瑞穂が少女の元に歩み寄ってくる。
周りの取り巻きの女生徒たちが、さっと道をあける。

分かる。一目で分かる。
この美少女が、この学院のキーパーソン、女王蜂にあたる。
周りの女生徒たちが先ほどまでと違う態度をみせるのも、この少女がいるからだろう。
(…雰囲気が違う)
出てきた3人の少女はそれぞれ美人だが、特にこの少女は雰囲気が違う。
少女ではない雰囲気、鋭い雰囲気。
例えて云えば、抜き身の日本刀のような美しさ、皮製の細身の鞭の様な鋭さ。
そんなものが感じられる。

140 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 10:44:51 ID:tCgre5ox0
リーダーの少女は見惚れてぼやけた頭の片隅で考える。
(出てくる前に引き上げろと云われていたけど、とうとう引っ張り出してしまったか…)
こうなってしまったからには仕方がない。
警察沙汰になろうとも、この少女相手にひと暴れしてやろう。
乱闘騒ぎでせめて、この学院の看板に泥を塗ってやろう。
そう決意を固めて、右こぶしを握り締める。
「貴子さん」
「はい」
「生徒を全員、校舎に戻してください」
「わかりました」
貴子は外に出てきている生徒に呼びかける。
「さあ貴女たち。校舎に戻りなさい」
数人から、え〜とかでも…などと声が上がった。
「お姉さまがおっしゃったことが聞こえなかったのですか!?全員戻るように云われたのですよ!」
それを聞いて一斉に女生徒たちが校舎に戻り始める。
(大したものね…)
女王蜂の云うことは絶対らしい。
やがて校門の外にいるのは瑞穂、貴子、紫苑、まりや、由佳里、そして不良たちだけになった。
「まりや、あなたもよ」
そう云われて、まりやも不満な表情を見せながら瑞穂の後ろに引き下がった。
まりやは右ストレートの射程から外れていった。
代わってこの瑞穂が射程に入ってきた。
(どうする…)
瑞穂の目を見る。強い意志の光。
この美しい顔面に一発叩き込む。それで十分な気がした。
この女王蜂を殴り倒す、それでけじめをつけたことになるだろう。
この表情を汚すことは、なんだかぞくりとした背徳感をかんじさせて微かに興奮を覚えさせる。

141 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 10:53:26 ID:tCgre5ox0
リーダーは一瞬、グッと力を込めると渾身の右ストレートを瑞穂の顔面に放った。

…しかし…瑞穂はそれを軽く首を捻っただけでよけた。

呆気にとられるリーダーと不良たち。
喧嘩慣れしているリーダーのパンチは決して遅くはない。しかも至近距離。
それを平静な顔して瑞穂は難なく避けた。

「あんた…一体なんなの…」
「どうやらまだ、お怒りのようですね。どうすれば許して頂けるのでしょうか?」
それを後ろで聞いていたまりやが、再び声を荒げた。
「どうしてそこで譲歩するのよ、瑞穂ちゃん。うちの生徒に手を出されたのよ!それとも学校の体裁を気にしてるの!?」
「まりやさん!」
身を乗り出すまりやの肩をグッと紫苑が掴んだ。
「瑞穂さんは学院の体裁よりも皆が傷つくことを恐れているのです。まりやさん、貴女もです。このままでは堂々巡りでしょう?」
瑞穂の問いかけにリーダーが答える。
「そこの女に面子を完全に潰された。住所も握られて、脅迫までされている。これで引いたらあたしらの立つ瀬がなくなる」
「・・・そうですね。完全にまりやのやり過ぎでしたね」
「今更、あんたに詫びてもらっただけじゃどうしようもない」
後ろのほうでは、リーダーと瑞穂のやり取りをじっと仲間の少年、少女達が見つめている。
半端に引くことはできない。たとえ、行き着くとこまでいこうともやるしかない。
えらい奴に拘ってしまった。それもこれも全てはあの女のせい…。
怒りを込めてまりやを睨み付ける。
まりやも負けじと睨み返す。
どうしたものかと瑞穂が思案に暮れたとき、両者の視線をさえぎるように紫苑がリーダーの少女のほうを向いて立ち塞がった。
紫苑の表情にはもう、笑みは浮かんでいない。
瑞穂の横までやってきた紫苑は真剣な表情と眼差しで少女の瞳を見ている。
「体裁だと何だと拘っていては脇道にそれるばかりですよ。そんなちっぽけなものに拘らなくても本来の貴女の道筋はもっと別な
ところに在るのではないですか?」
「それは…どういうこと?今のあたしの仲間を否定してるのかい?」
「否定まではしませんが、本道ではないと貴女も思ってはいませんか?」

142 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 10:58:29 ID:tCgre5ox0
リーダーは自分が仲間からも影では狂犬呼ばわりされているのを知っている。
(簡単に云いやがって!!)
その心の底まで見透かしたような台詞と眼差しに、思わずカッとなる。
瞬間的にカッとなったのは、もしかして自分でも気づいていない核心を衝かれたからかもしれない。

咄嗟に、そして無意識に手が出た。
鋲ツキ手袋を嵌めた左手のジャブ。
…紫苑の顔面めがけて。

次の瞬間…
パンッ!!!
瑞穂の右手が紫苑の目の前で左ジャブを止めていた。

あたり一面凍りついたような時間…。
今度こそ、心の底より驚いた。
女ながら、左ジャブには自信がある。
威力はストレートほどには無くてもスピードは飛びっきりだ。
その威力を補うために鋲ツキ手袋を嵌めている。
しかも自分でも無意識に繰り出したパンチは予備動作を全くしていない。
そして至近距離。他人に目掛けて放ったパンチ。
それをこの女王蜂は…右手で受け止めた。

不良たち、そしてまりや、紫苑、貴子も目を見開いて瑞穂を見ている。

瑞穂は止めた左こぶしをグッと握り締めた。
真っ先に我に返ったのは紫苑だった。

143 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 11:02:54 ID:tCgre5ox0
「み、瑞穂さん!?」
まりやも我に返った。
「瑞穂ちゃん!アンタ…よくも!」
怒りに震えて飛び掛ろうとするまりやを瑞穂がけん制する。
「やめて!まりや!」
「で、でも…」
「良いからっ!」
リーダーの少女は瑞穂に掴まれた左コブシを引き戻そうとしたが、ピクリともしない。
まるで万力に挟まれたかのよう。
全く信じられない握力。
コブシを掴んだまま、瑞穂がリーダーの少女の耳元に顔を寄せた。
「これで詫びの代わりにして頂けませんか?」
至近距離でみる瑞穂の美しさに、リーダーの少女はクラクラとしながら、「何故?」と問いかけた。
「ほら、コレ」
やっと瑞穂は掴んでいた左コブシを離す。
開いた瑞穂の右手の平から真っ赤な血が滴り落ちる。かなりの出血である。
鋲手袋のパンチを素手で受け止めたのだから、手のひらに鋲が突き刺さるのも当然である。
「………」
「ね?貴女は私にけじめの為の傷を負わせた。さらに私は貴女にお詫びをします。それで勘弁してはいただけないでしょうか?」
小声でぼそぼそと云う瑞穂。
「………」
「教職員やガードマンさんたちは出てこないようにお願いしていますが、余り長引くと飛び出してくるかもしれません。
今なら…誰も傷つかずに事を収めることができるのです」
「…学校の体裁を気にしてるの?」
「いいえ。もし、貴女が今後も我が校の妹達にちょっかいを出すと云うのであれば、警察に頼るのもやぶさかではありません。
だけど、それ以前にあのまりやが…」
そう云ってちらりと後ろを見る。
恐ろしい顔でまりやが睨み付けている。
「まりやが黙ってはいないでしょう。暴走すれば法に触れるようなことも躊躇無くやってしまうかも知れません。
あの娘は私にとってかけがえの無い家族なんですよ。つまりはそう云うことです」
「…そう。学校よりもあの娘のほうが大事って訳」
「ええ。私は学校よりも自分の周りにいる人のほうが大事なんです。利己主義なんですよ」

144 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 11:07:44 ID:tCgre5ox0
「…わかった」
リーダーは首を縦に振った。
瑞穂の申し入れは全く有難い位のものだった。
当初の通り、お茶を濁して帰ることが出来る。
「それから、あんたの妹たちには今後、ちょっかいは出さないよ」
敵わない…と思った。
それに、強くて美しい、心も強い瑞穂のことを激しく気に入った。
瑞穂の顔面を狙うのは、もう出来そうに無かった。

二人はそれぞれ一歩ずつ後ろに下がって離れると、瑞穂が大きな声で謝罪した。
「申し訳ありませんでした。今後は気をつけますのでどうかお許しください」
学院トップの瑞穂の謝罪。しかも謝罪する瑞穂の右手からは血が滴り落ちている。
それを後ろの連中はしっかりと見ている。これ以上、ガタガタは云わせない。
「うん、わかったよ。今回は水に流してあげる」
リーダーはそう云うと、仲間に撤収を命じた。
皆がそれぞれバイクに跨りエンジンを吹かす。
瑞穂がリーダーの少女に声を掛ける。
「あの、貴女のお名前は?」
「何故、そんなこと聞くの?」
「せっかく知り合いになったんですもの。次回からは名前で呼び合いたいでしょ?」
「ふふん…変わった人だね、あんた」
少女が笑った。
それまでのにやりとした笑いではなく、自然と浮かんだ笑い顔はとても美しかった。
「あたしの名前はサキ。早紀だよ」
「私の名前は…」
「わかってる。瑞穂だろ。じゃあね、瑞穂!………アリガトウ」

〜えぴろーぐ〜
早紀たちが走り去ると、まりやや紫苑たちが瑞穂の元に駆け寄ってきた。
「瑞穂ちゃん…その手!」
「ああ、見た目ほどひどくは無いの」
「直ぐに保健室にいきましょ」

145 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 11:12:06 ID:tCgre5ox0
「でも校内でこの手を他の生徒達に見られるとまた、騒ぎになるかも」
「ではコレを嵌めてください、瑞穂さん」
そう云って紫苑が赤い色のカラー軍手を取り出した。
「ありがとう。紫苑さん」
手に嵌めると赤に混じって出血がわからなくなる。
「お礼なら私の方こそ。私がいらぬ差し出口をしたばっかりに…」
「そんなことありません。お陰で問題が解決したんですから」
「それにしてもあの女…今度会ったら…」
まりやがそう云うのへ、瑞穂が顔をしかめる。
「まりや。ほんとにもう止めて頂戴。今度のことは半分以上まりやの責任なんだから」
「なんでよ!」
「まりやがあそこまで追い詰めなかったら、恐らく、もっと簡単に片がついたんじゃないかと思うの。
先生方を説得するのに時間がかかってしまったけど、もしもっと私が来るのが遅くなってたらどうなっていたと思うの!?
今度同じ事をしたら、私も本気で怒るから」
「…分かったわよ。ゴメン、瑞穂ちゃん」

保健室で手当てした瑞穂の傷はたいしたことは無かった。
しかし、包帯を巻かれた瑞穂の右手を見るたびに、まりやと紫苑はつらそうな顔をした。

これ以降、生徒会と風紀委員により恵泉女学院では繁華街への寄り道は厳しく禁止された。
しかし、トラブルはどんなに気をつけていても起こる可能性はある。
恵泉の女生徒が駅前で、若い男にしつこくナンパされて弱っていたことがあった。
その時、助けてくれたのが早紀たちのグループだった。
あれ以降、早紀たちは恵泉の女生徒に絡むどころか、逆に助けてくれる存在になったようである。

ちなみに数年後、早紀は鏑木系列の芸能プロダクションの敏腕マネージャー兼取締役となり、鏑木グループ専属デザイナーの
御門まりやと組んで業界で大暴れすることになるが、それは先の話。

Fin

146 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/14(月) 11:18:43 ID:tCgre5ox0
お粗末さまでした。

うわー、投下に凄い時間がかかってしまった。
途中、規制に引っかかりまくった時にはどうなることかと思ったけど。

昨日徹夜で仕上げました。
まだこんなパワーが私に残っていたとは。

酒飲みながらだったからハイになってたのかも知れません。
またパワーが溜まったら書きます。
それでは。

147 :みどりん:2008/01/14(月) 14:44:55 ID:iq1L9jl+0
L鍋さん

いつもながらとてもいいです。
状況設定の絶妙さと話の進め方がいつも素晴らしいと思います。
私も参考にしようとは思っているのですが・・・まだまだですね。
また、次回作を期待しております。

148 :名無しさん@初回限定:2008/01/15(火) 00:25:16 ID:pOcGbAAhO
L鍋さんおつかれさん。今回シリアスですね。
そういや誘拐犯を追い払った強い瑞穂ちゃんな話は少ないですな。
GJ

149 :名無しさん@初回限定:2008/01/15(火) 12:21:57 ID:n1OsNHEy0
>>146
GJ! 瑞穂ちゃんの毅然とした格好良さは異常。
> 少女ではない雰囲気、鋭い雰囲気
そりゃそう(ry

ただ、ゆとり世代の喧嘩演出の為と分かってはいても、SS中にwを見るのは抵抗を感じた

150 :名無しさん@初回限定:2008/01/15(火) 18:47:28 ID:gDDbntxcO
乙&GJ
確かにこういうSSは少ねーな。

151 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/15(火) 20:19:40 ID:AwLyq08Z0
ご感想いただき有難うございます。
>>147
みどりんさん。
深く考えて書いていないので、そう言われると恥ずかしいです。

>>149
そうですね。台詞にwは違和感がありますね。
今後は使用しないようにします。

152 :みどりん:2008/01/17(木) 22:47:15 ID:Walaekhw0
裸の王様
        作:アンデル○ン
        訳:みどりん   (?!?!)

 ある女子高に、貴子という大変高慢な生徒会長がいました。
「オーーーーッホッホッホッホ。私がこの高校の生徒会長よ。法律なのよ。いいこと?私の言うことはすべて正しいのよ」
本当に高慢ですね。
 さて、貴子には趣味がありました。自分一人美しい服に身をつつみ、それを全校生徒に見せびらかすという趣味です。制服があるというのに困ったものです。
まったく服のセンスは悪いのに、よくまあこんな趣味を持ったものです。どのくらいセンスが悪いかというと、庶民の街に薄緑色のドレスを着ていくくらいセンスが悪いです。それでも本人は自分は美しいと思っているのですから処置なしです。
 そんなある日のことです。まりやという仕立て屋が貴子のところにやってきました。弟子の由佳里も一緒です。
「会長様、あたしは今まで見たこともないような服を作ることができます。馬鹿には見えない服です。どうでしょう、お一つ作って差し上げましょうか?」
「馬鹿には見えない服ですって?それは面白いですわね。早速準備なさい」

153 :みどりん:2008/01/17(木) 22:49:05 ID:Walaekhw0
 数日後、まりやと由佳里は箱を持ってきました。衣装の入っている箱です。
「会長様、できました!」
「お見せなさい」
由佳里は持ってきた箱を開けました。そして、何やら服を持つような手まねをしているように貴子には見えます。
「会長様、どうでしょうか?この艶、仕立て、品のいい型。どうみても会長様にぴったりです」
でも、貴子には何も見えません。が、ここで何も見えないといっては自分が馬鹿だといっているようなものです。そこで、貴子はこう答えます。
「ほほほ本当ですわね、素晴らしいドレスですわね」
まりやは由佳里に続いて言います。
「会長様、このドレスを生徒にお見せになってはいかがでしょうか?」
「そそそそそうですわね、そういたしましょう」
「では、早速お召し替えを………下着はこれに替えてください。体形が補正されるので、このドレスにぴったりですわ」
そういって黒革でできたパンツとブラを備えたコルセットを取り出しました。パンツは革の紐といったほうがいいような代物で、穿いても貴子の大事なところはほとんど隠れません。
というより、食い込んでいます。お尻も丸見えです。コルセットは貴子の大きい胸を、より大きく見せます。おまけにブラを備えているといっても乳房の下半分を支えるだけで、乳首から上が丸見えです。ノーブラといってもいいくらいです。
「靴はこれがよろしいですわ」
そういって、ヒールが10cmはありそうな、これもやはり黒のブーツを履かせます。

154 :みどりん:2008/01/17(木) 22:50:26 ID:Walaekhw0
「あと、小物はこれがよろしいでしょう」
そういって黒革のロングの手袋をつけ、先が分かれた鞭を持たせ、黒い革のチョーカーを着けます。出来た姿は………どうみても女王様です。
「こここここれはいやらしすぎる下着なのではないですか?」
「大丈夫です、この上にドレスを着るわけですから誰にも見られることはありませんわ」
「で、ですがこの鞭は何なのですか?」
「このドレスの模様を見てください。この鞭があると丁度映えると思いませんか?」
そうまりやはいいます。
「そ、そうですわね。」
貴子は仕方なく納得します。
「それではドレスをお着せしますわ」
まりやと由佳里は服を着せている仕草をしていますが、貴子にはどうにも何も見えません。
「出来ました。どうでしょうか?会長様」
そういって貴子を鏡の前に連れてきました。貴子には自分が女王様ルックをしているようにしか見えないのですが、そうは言えません。そこで、
「すすすす素晴らしいドレスですわね」
といって誤魔化します。まりやは追い討ちをかけるようにこういいます。
「早速生徒に見せに行きましょう」
「え、ええ」


155 :みどりん:2008/01/17(木) 22:51:37 ID:Walaekhw0
 まず、生徒会室に行きます。いつもの通り君江・葉子・可南子が侍っています。3人とも貴子の姿をみて驚愕します。
が、ドレスが見えないとは言えません。当然3人ともドレスが見える振りをします。まず、君江が声をかけます。
「か、会長………お美しいです、本当にお似合いです」
そういって、見えないドレスを触るまねをします。でも、心の中はこう言っています。
(かいちょー、私をいじめてください。その鞭でぶってください!!)
そして君江は自分がぶたれている妄想をします。そして、息がだんだん荒くなっていきます。
 葉子も声をかけます。
「か、会長………本当にお美しいです。今までで一番お似合いです」
そういって、見えないドレスを触るまねをします。でも、心の中はこう言っています。
(会長、私と同じ趣味だったのですね。一緒に可南子をいじめましょう。君江さんも奴隷にしましょうか)
 可南子も声をかけます。
「か、会長………お美しいです〜。本当に素晴らしいドレスですわ」
そういって、見えないドレスを触るまねをします。でも、心の中はこう言っています。
(会長、可南子をいじめないでください。葉子さまだけがわたしのご主人様です)
「そ、そうかしら?」
皆にほめられて貴子は満更でもないようです。
 それから校内を歩き回ります。生徒は全員貴子の姿に驚愕しますが、それを隠して貴子を賞賛します。皆自分が馬鹿だということを示したくないですからね。
貴子は皆にほめられて気分がよくなってきます。それでも本当は自分は殆ど裸なのではないだろうかという心配も心の片隅にひっかかっています。そう思うとだんだん体の中からいやらしい気持ちが湧き上がってきます。

156 :みどりん:2008/01/17(木) 22:53:04 ID:Walaekhw0
「た、貴子さん!どうしたんですか、その格好は?」
その気持ちを証明するような発言をするものがいます。高慢な貴子と対等に話が出来る殆ど唯一の生徒、エルダーシスターの瑞穂でした。
「ど、どう、って新しいドレスですわ」
「でも、どうみても………その手の女王様ですよ。その………おっぱいは丸見えですし………あの、下の方もほとんど………」
「そそそそそんなことはありませんわ。これは馬鹿な者には見えないドレスなのですわ」
「そんなドレスはないですよ。だって………ほら、やっぱり乳首に直に触れられますもの」
瑞穂は躊躇しつつも(嬉々として?)事実を認識させるため、貴子の両の乳首をつまんでみせました。
「ああああぁぁぁーーーーーーーっっ!!」
欲情していた貴子の体にこの刺激は甘美すぎました。余りの快感に貴子は絶頂を迎えてしまいました。そして力なくそのまま瑞穂の腕の中に倒れこんでしまいました。
 さて、瑞穂には実は秘密がありました。女子高の生徒なのですが男だったのです。そして密かに貴子に恋心を抱いていました。こんなに色っぽい格好の貴子が自分の腕の中で喘いでいたら………
これはもう自分を抑制するのは無理でしょう。そのまま瑞穂は貴子をお姫様だっこして、文字通りお持ち帰りしてしまいました。

 その後瑞穂の部屋で何が起こったのかは定かではありませんが、それ以降貴子の趣味と高慢さはなくなり、その代わり瑞穂を慕うようになっていったとのことです。
まりやと由佳里は代金を貰うとさっさとどこかに消えていったようです。
生徒会室は………葉子さまが恐ろしくてここに書くことができません。

おしまい

157 :名無しさん@初回限定:2008/01/18(金) 13:14:40 ID:WyGdCqxa0
盛大にワロタwwGJ!!

158 :名無しさん@初回限定:2008/01/18(金) 13:30:10 ID:Chsw4Hx80
>>152-156
ば、馬鹿すぎる、最高だ
生徒会メンバーの駄目駄目っぷりにワロタ

159 :名無しさん@初回限定:2008/01/18(金) 14:04:24 ID:M27d6BcF0
キャラの名前は正しく書いてくださいよ

160 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/01/18(金) 20:27:48 ID:uqfjwhnP0
GJです。
みどりんさんの持ち味全開ですね。

161 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 03:44:27 ID:+Qch8AX+0
みどりんさんの2作を見ていて、私も電波を受信しましたので、書かせていただきます。
モチーフは、日本の怪談話です。
なお、キャラを結構いじっていると思いますのでご注意ください。

162 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 03:49:46 ID:+Qch8AX+0
〜食わず女房〜

【導入部】
 昔々、あるところに、鏑木瑞穂という名の女性、もといほとんど女性同然の男性がいました。
 彼女もそろそろ年頃。妻をめとりたいと思ってはいたのですが……。
「でも、お嫁さんなんかもらっちゃったら、お米食べさせなきゃいけないからな……でも、お米は全部年貢に取られて、
食べさせられないからな……」
 今現在米不足の彼女の家ではそれができないと悩んでいました。そこへ……。
 トントン。
 夜遅く、瑞穂の家のドアを叩く音が。
「はい。どなたですか?」
 瑞穂が扉を開けると、そこにいたのは……。

163 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 03:54:30 ID:+Qch8AX+0
【奏の場合】
「お姉さま、どうか奏をお嫁にもらってほしいのですよ」
 奏ちゃんでした。奏ちゃんが、そう瑞穂にプロポーズしてきたのです。
「奏ちゃん。気持ちは嬉しいけど、僕と結婚しても、食べるお米は全然ないよ?」
「大丈夫なのです。奏はお米を食べないのですよ」
 申し訳なさそうに言う瑞穂に、奏は笑顔でそう言います。
「そう。ありがとう。じゃあとりあえずお試し期間、ということで、1ヶ月一緒に暮らしましょうか?」
「はいなのです。ありがとうございますのですよ」
 こうして瑞穂は、奏と仮結婚することになりました。

「お姉さま、お茶なのですよ」
「ああ、ありがとう、奏ちゃん」
 奏は、よく働き、おいしいお茶も淹れてくれるいいお嫁さんでした。そして……。
「お姉さま、街でこれを売ってきてくださいなのですよ」
 奏はそう言って、自分で織った布を瑞穂に渡しました。彼女は早速街に売りに出ると、あっという間に完売してしまいました。
 そんな毎日が続き、ある日噂を聞いた業者が取り引きを持ちかけ、奏の織る布の販売を任せることになりました。
 そして瑞穂が早く家に帰ってくると……。
「はわあ、とってもおいしいのですよお……」
 奏がうっとりした表情で生クリームと苺のデザートに囲まれて、それらを次々と食べていきます。
「やっぱりケーキ1つにメイプルシロップを瓶1つまるまる使っただけのことはありますのですよ……
これが食べられれば、お米なんて食べなくても平気なのですよ……」
 デザート1つにメイプルシロップの瓶1本まるまるって、冗談でしょ?
 瑞穂は奏の発言にひいてしまいます。
「正式に結婚したら、お姉さまとご一緒にいただいてみたいのですよお」
 ……まさか、奏ちゃんがこんなとんでもない超甘党だったなんて……冗談じゃない。
結婚なんかしたら、絶対に毎日食事の甘さに、胸焼けと嘔吐ばかりになってしまう。

164 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:01:39 ID:+Qch8AX+0
 そして1ヵ月後……。
「奏ちゃん、ごめんなさい……どうしても奏ちゃんのことを好きになれそうにないんだ……だから、悪いけど……」
 瑞穂がそう言うと、奏は泣き出してしまいました。
「お、お姉さま……やっぱり奏が孤児だからなのですか? 今までにも奏は孤児だからっていじめられてましたけど、
お姉さまも孤児とは結婚したくないのですね……」
 そう言われてしまっては、瑞穂もさすがに罪悪感を覚えてしまいます。
「わかったよ。奏ちゃん、僕の負けだ。今のは取り消すから、正式に結婚しよう」
「本当なのですか!? 奏、嬉しいのですよー!」
 結局、女の子の涙に逆らえるような瑞穂ではなく、奏と晴れて夫婦になりましたとさ。

165 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:06:57 ID:+Qch8AX+0
【由佳里の場合】
「お姉さま、どうか私をお嫁にもらってください」
 由佳里ちゃんでした。由佳里ちゃんが、そう瑞穂にプロポーズしてきたのです。
「由佳里ちゃん。気持ちは嬉しいけど、僕と結婚しても、食べるお米は全然ないよ?」
「大丈夫です。私はお米を食べませんから」
 申し訳なさそうに言う瑞穂に、由佳里は笑顔でそう言います。
「そう。ありがとう。じゃあとりあえずお試し期間、ということで、1ヶ月一緒に暮らしましょうか?」
「はい! ありがとうございますっ!」
 こうして瑞穂は、由佳里と仮結婚することになりました。

「お姉さま、お食事です」
「ああ、ありがとう、由佳里ちゃん」
 由佳里は、家事をそつなくこなし、おいしいご飯も作ってくれるいいお嫁さんでした。そして……。
「お姉さま、街でこれを売ってきてください」
 由佳里はそう言って、自分で作った弁当を瑞穂に渡しました。彼女は早速街に売りに出ると、
あっという間に完売してしまいました。
 そんな毎日が続き、ある日噂を聞いた業者が取り引きを持ちかけ、由佳里の作る弁当の販売を任せることになりました。
 そして瑞穂が早く家に帰ってくると……。
「はあ、とってもおいしい……」
 由佳里がうっとりした表情で無数のハンバーグに囲まれて、それらを次々と食べていました。
「ハンバーグが食べられれば、お米なんて食べなくても平気……」
 そう言って、ハンバーグをすべて食べ終えた後で……。
「さあて、精力をつけたところでっと……」
 瑞穂が何をするのかと見ていると、由佳里は洗濯前の瑞穂の下着と、大人のおもちゃを取ってきました。

166 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:12:11 ID:+Qch8AX+0
「お姉さまはすっごく魅力的だから、毎日これしなきゃ、いつお姉さまを襲ってしまうかわからないもんね」
 お、襲うって……。時計を見る由佳里に、自分がここにいることに気づかれませんように……と瑞穂は祈りました。
「今日は、あとたったの5時間しかできないけど、なんとかお姉さまの前で正常でいられそう。
正式に結婚して私に本気になってもらうまでは、これで我慢しなきゃ。逃げられちゃ元も子もないもんね」
 “たったの”5時間“しか”って……。
「もしお姉さまが私のこと本気で好きになってくれたら、2日ぐらいお姉さまの○ニスの中でいっぱい悶えていられ……
やだあ……そんなこと考えたら、感じてきちゃったあ……」
 そう言って下着の中に手を入れる由佳里。
 ……まさか、由佳里ちゃんがこんな性欲の塊みたいな女だったなんて……
冗談じゃない。結婚なんかしたら、絶対に精力を根こそぎ吸い取られてしまう。

 そして1ヵ月後……。
「由佳里ちゃん、ごめんなさい……どうしても由佳里ちゃんのことを好きになれそうにないんだ……だから、悪いけど……」
 瑞穂がそう言うと、由佳里は愕然とします。
「な、なんですか、それって……どういうことなんですかあっ!?」
 由佳里はそう叫ぶと、さらに続けます。
「今まで私を騙してたんですか!? 私、いったい何を信じたらいいんですか!? そんなのってない、ないです!!」
 由佳里はそう言って、自室に閉じこもってしまいました。
 そう言われてしまっては、瑞穂もさすがに自分がだましていたように感じてしまう。
「由佳里ちゃん、僕が悪かったよ。今のは取り消すから、正式に結婚しよう」
「本当ですか!? わあい! 嬉しいです!」
 結局、罪悪感をごまかせる瑞穂ではなく、由佳里と晴れて夫婦になりましたとさ。

167 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:22:44 ID:+Qch8AX+0
【まりやの場合】
「瑞穂ちゃん、あたしをお嫁にしてくれない?」
 まりやでした。まりやが、そう瑞穂にプロポーズしてきたのです。
「まりや。気持ちは嬉しいけど、僕と結婚しても、食べるお米は全然ないよ?」
「大丈夫よ。あたしはお米を食べないから」
 申し訳なさそうに言う瑞穂に、まりやは笑顔でそう言います。
「そう。ありがとう。じゃあとりあえずお試し期間、ということで、1ヶ月一緒に暮らしましょうか?」
「ありがと」
 こうして瑞穂は、まりやと仮結婚することになりました。

「瑞穂ちゃん、こないだのこと、うまくいったわよ」
「ああ、ありがとう、まりや」
 まりやは、家事は全部ペケでしたが、うまく瑞穂をいい方向に導いてくれるいいお嫁さんでした。そして……。
「瑞穂ちゃん、街でこれを見てもらってくれない?」
 まりやはそう言って、自分で作った衣装デザインのスケッチを瑞穂に渡しました。彼女は早速街に見せに行くと、
あっという間に注文が殺到しました。
 そんな毎日が続き、ある日噂を聞いた業者が取り引きを持ちかけ、
まりやの作るデザインの衣装の販売を任せることになりました。
 そして瑞穂が早く家に帰ってくると……。
「よっしゃ! どれもこれもいい出来映えだわ」
 まりやが、多数の女性服に囲まれていました。
「食べ物なんて、腹に入ればおんなじなんだから、米食べなくても、コンビニ弁当で十分だしね。
これ貸しにすれば、瑞穂ちゃんにこういう衣装着せたい放題出来るしね」
 まさか、まりやがこんな趣味の女だったなんて……
冗談じゃない。結婚なんかしたら、絶対に毎日恥ずかしい格好ばかりさせられてしまう。

168 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:28:58 ID:+Qch8AX+0
 そして1ヵ月後……。
「まりや、ごめん……どうしてもまりやのことを好きになれそうにないんだ……だから、悪いけど……」
 瑞穂がそう言うと、まりやは憤慨します。
「な、なんじゃそりゃーっ!! むっきーっ!!」
 まりやは、灰皿を瑞穂に向かって投げつけます。
 瑞穂がかろうじてよけると、灰皿の当たった天井が、半径5mきれいに消え去ってしまいました。
 ドッカーン!!
 さらには山の一部が消え、落ちた山の向こうから爆音が聞こえ、煙が上がってきました。
「結婚できないってどういうことなのよ、瑞穂ちゃん、たーっぷり詳しく聞かせてもらいましょうか」
 まりやはめいっぱいすごんで瑞穂に迫ります。
「ソソソ、ソンナコトイッテナイヨ。ソラミミジャナイ?」
 瑞穂はその恐怖に逆らうことは出来ず、思わずそう言ってしまいました。
「なーんだ、空耳かあ。じゃあ、問題ナッシングなわけね」
「は、はい……」
 結局、瑞穂はまりやと夫婦になり、毎日女装ファッションをさせられる羽目になりました。
 その辛さに、瑞穂は泣きながらつぶやきました。
「あんまりや……」

169 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:34:41 ID:+Qch8AX+0
【紫苑の場合】
「瑞穂さん、どうか私をお嫁にしてくださいませんか?」
 紫苑さんでした。紫苑さんが、そう瑞穂にプロポーズしてきたのです。
「紫苑さん。気持ちは嬉しいですけど、僕と結婚しても、食べるお米は全然ありませんよ?」
「大丈夫ですわ。私はお米を食べませんから」
 申し訳なさそうに言う瑞穂に、紫苑は笑顔でそう言います。
「そうですか。ありがとうございます。じゃあとりあえずお試し期間、ということで、1ヶ月一緒に暮らしましょうか?」
「はい。ありがとうございます」
 こうして瑞穂は、紫苑と仮結婚することになりました。

「瑞穂さん、どうぞ召し上がってください」
「ああ、ありがとうございます、紫苑さん」
 紫苑は、家事全般をそつなくこなし、よく働くいいお嫁さんでした。そして……。
「瑞穂さん、街でこれを売ってきてくださいな」
 紫苑はそう言って、自分で織った着物を瑞穂に渡しました。彼女は早速街に売りに出ると、あっという間に完売してしまいました。
 そんな毎日が続き、ある日噂を聞いた業者が取り引きを持ちかけ、紫苑の織る着物の販売を任せることになりました。
 そして瑞穂が早く家に帰ってくると……。
「……わかりましたよ。片付けます」
 路上でゴミをポイ捨てした男に、紫苑が注意していました。
「お待ちなさい! あなた今、私に対してうるさいと思っておられますわね?」
 と、紫苑がその男にそう言います。
「そ、そんなこと……」
「ごまかしてもムダですわ。私、他人の心が読めますの。いいですか、私は自分で片付けてもよかったのですけど、
それではあなたのためにならないと思って……」
 そして、男は紫苑にたっぷりしぼられることになりました。
 それを見た瑞穂はひいてしまいます。
 まさか、紫苑さんが人の心を読める能力を持っていたなんて……
冗談じゃない。結婚なんかしたら、プライバシーも何もなくなってしまう。

170 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:46:20 ID:+Qch8AX+0
 そして1ヵ月後……。
「紫苑さん、ごめんなさい……どうしても紫苑さんのことを好きになれそうにないんです……ですから、悪いけど……」
 瑞穂がそう言うと、紫苑は途端に話に割り込んできました。
「瑞穂さん、私に対して劣等感を抱いておりますのね。でも大丈夫ですわ。瑞穂さんは私などよりもずっと素敵な女性ですから」
「いえ、ですから……」
 瑞穂は、そうではなくて本当に……その前に僕は男ですと言おうとしますが……。
「いいえ、何もおっしゃらないでください。私は人の心が読めてしまいますので、瑞穂さんの心もわかりますのよ。
瑞穂さんは私のことを好いていらっしゃることも、私にコンプレックスを感じて、引き気味になっておられることも」
「ですから、そうじゃなくて……」
「でも、私も瑞穂さんのことを愛してますのよ。ですから、何の気兼ねもいりませんわ」
 結局、瑞穂は強引さのあまり自らの口を開けず、晴れて紫苑と夫婦になりましたとさ。

171 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:52:28 ID:+Qch8AX+0
【貴子の場合】
「お姉さま、どうか私をお嫁にしてくださいませんか?」
 貴子さんでした。貴子さんが、そう瑞穂にプロポーズしてきたのです。
「貴子さん。気持ちは嬉しいですけど、僕と結婚しても、食べるお米は全然ありませんよ?」
「大丈夫ですわ。私はお米を食べませんから」
 申し訳なさそうに言う瑞穂に、貴子は笑顔でそう言います。
「そうですか。ありがとうございます。じゃあとりあえずお試し期間、ということで、1ヶ月一緒に暮らしましょうか?」
「はい。ありがとうございます」
 こうして瑞穂は、貴子と仮結婚することになりました。

「お姉さま、どうぞ召し上がってください」
「ああ、ありがとうございます、貴子さん」
 貴子は、よく働くいいお嫁さんでした。そして……。
「お姉さま、街でこれを売ってきてくださいな」
 貴子はそう言って、自分で作ったお菓子を瑞穂に渡しました。彼女は早速街に売りに出ると、
あっという間に完売してしまいました。
 そんな毎日が続き、ある日噂を聞いた業者が取り引きを持ちかけ、貴子の作るお菓子の販売を任せることになりました。
 そして瑞穂が早く家に帰ってくると……。
「ちょっと貴子! あんたなんなのよ! あたしが食べようと思ってた分までラーメン買い占めるなんて!」
 家にはまりやがいました。貴子と何か言い争っています。
「これは私が食べる分ですからよろしいでしょう! お姉さまの家は今米不足ですから、
私は他のものを食べるしかありませんの!」
「だからってラーメンばっかりにすることはないでしょうが! ちっとはあたしの迷惑も考えなさいよ!」
「普段人に迷惑ばかりかけまくっている方に言われたくありませんわ!」
 それから、まりやと貴子のケンカはますますヒートアップしていった。
 まさか、貴子さんがこんな怖い人だったなんて……冗談じゃない。結婚なんかしたら、毎日怯えて過ごすことになってしまう。

172 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 04:58:31 ID:+Qch8AX+0
 そして1ヵ月後……。
「貴子さん、ごめんなさい……どうしても貴子さんのことを好きになれそうにないんです……ですから、悪いけど……」
 瑞穂がそう言うと、貴子は驚愕しました。
「おおお、お姉さま、何か私に落ち度でも……まさか、お父さまが鏑木家に全面戦争を仕掛けてきて、
それで私を妻にする事が出来なくなったとか……」←発想が飛躍しすぎです。
「いえ、ですから……」
「大変ですわ! はやくお父さまを止めなくては! 
このままでは、多くの方々が多大な迷惑をこうむることになりかねません!」
「あわわ、たたた貴子さん、冗談、冗談ですよ! ちょっとからかっただけです……」
 このまま放っておいては、妄想から大変な事態に発展しかねない、と瑞穂はそう言ってその場を収めることにした。
「そ、そうでしたか。お姉さまも人が悪いですわ」
「す、すみません……」
「でしたら、これで私と正式に結婚してくださいますのね?」
「は、はい……」
 結局、瑞穂は成り行き上そうとしか言えず、晴れて貴子と夫婦になりましたとさ。

173 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 05:04:46 ID:+Qch8AX+0
【一子の場合】
「お姉さまお姉さまお姉さま、この日をどんなに待ち望んだことでしょう思えば私が……(中略)……
そういうわけでどうか一子をお姉さまのお嫁さんにしてください!」
 一子ちゃんでした。一子ちゃんが、そう瑞穂にプロポーズしてきたのです。
「一子ちゃん。気持ちは嬉しいけど、僕と結婚しても、食べるお米は全然ないよ?」
「大丈夫です! 私はお米を食べませんから!」
 申し訳なさそうに言う瑞穂に、一子は笑顔でそう言います。
「そう。ありがとう。じゃあとりあえずお試し期間、ということで、1ヶ月一緒に暮らしましょうか?」
「はい! ありがとうございます! これこそまさにマリア様のお導き……(以下略)」
 こうして瑞穂は、一子と仮結婚することになりました。

「お姉さま、お茶をお持ちしました!」
「ああ、ありがとう、一子ちゃん」
 一子は、よく働き、おいしいお茶も淹れてくれる、というかどういうわけか淹れられるいいお嫁さんでした。そして……。
「お姉さま、街でこれを売ってきてください! 一子が丹精込めて作った……(以下略)」
 一子はそう言って、自分で織った布を瑞穂に渡しました。彼女は早速街に売りに出ると、あっという間に完売してしまいました。
 そんな毎日が続き、ある日噂を聞いた業者が取り引きを持ちかけ、一子の織る布の販売を任せることになりました。
 そして瑞穂が早く家に帰ってくると……。
「はあ……やっぱり実体化は疲れます……」
 なんと一子が宙に浮いていました。
「一子は幽霊だから食べ物を口にしなくても平気ですし、実体化は家事をこなす時だけしていれば問題ありませんけど、
やっぱりたまにはいちご大福の1つも食べてみたいです」
 どうやらこのお話での一子は、自分が必要な時だけ実体化できるという設定のようです。
 ところで、瑞穂が一子を見ると、宙に浮いています。それを見て彼女はビックリ。
「うわああっ! 幽霊ー!!」
 思わず叫んでしまいました。するとそれを聞いた一子は……。

174 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 05:09:38 ID:+Qch8AX+0
「ええーっ!? 幽霊!? どこですかどこですかどこですか!? 怖い怖い怖いですーっ!! 
お姉さま、早く帰ってきてください! このままでは、一子は呪い殺されてしまいますーっ!!」
 パニックになって、涙を流しながら飛び回っていました。
 ちょっと一子ちゃん、あなた自分で自分のこと幽霊って言ってなかった? ともかく……。
 ……まさか、一子ちゃんが幽霊だったなんて……冗談じゃない。結婚なんかしたら、絶対にとり憑かれて殺されてしまう。
 幽霊であることを知っても3歩歩けば、あるいは3秒たてば忘れてしまうような一子ちゃんだけど、
こう思わないことには話が進まないので、瑞穂はムリにそう思うことにしました。が……。
「ダメだ……どうしても、一子ちゃんと幽霊のイメージが一致しないよ……」
 ……ということで、瑞穂はそう思うのをあきらめてしまいました。

 そしておやすみの時間……。
「それじゃ一子ちゃん、一緒に寝ましょうか」
「はい! おやすみなさい、お姉さま」
「おやすみ、一子ちゃん」
 こうして2人は一緒の布団に寝ることになったのですが……。
「ふみゅう……お姉さまあ……」
 一子が瑞穂に抱きついてきます。
 ふーっ……ふーっ……。
 さらに、顔に甘い息を吹きかけてきます。
「ふにゅひひひ……おねえはまあ……ラブれふう……」
 一子は、瑞穂に抱きついたまま、まったく離そうとしません。
「こ、これじゃ寝られないよ……あ、そうか!」
 ようやく瑞穂は、別れる場面に進むための理由を見つけました。よかったね、瑞穂?

175 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 05:15:48 ID:+Qch8AX+0
 そして1ヵ月後……。
「一子ちゃん、ごめんなさい……どうしても一子ちゃんのことを好きになれそうにないんだ……だから、悪いけど……」
 瑞穂がそう言うと、一子は泣き出してしまいました。
「そ、そんな……お姉さま……うっ……」
「い、一子ちゃん……」
「うっ……ううっ……うわあああああああーーー!!」
 次第に泣き声が大きくなり、とうとう大泣きしてしまいました。
「うわーん!! っく、ううう……お姉さまのばかあーー!!」
「ちょ、ちょっと一子ちゃん、泣かないで……」
「だってえ、らっておねえはまが一子を捨てようとするんだものお! ……うええばかばかばかあ!!」
 瑞穂もまだまだ精神修養ができていない。こんなに大声で泣かれては、
いくら正当な? 理由を見つけられても内心おろおろするだろう。
「わ、わかった、わかったよ。一子ちゃん、今のは取り消すから、そんなに泣かないで」
「ひっく……ほんと?」
「ほんとほんと」
「ううーっ……お姉さま大好きーっ!」
「……今ばかって言ってなかった?」
「それは一時の気の迷い! もう全然お姉さま大好きですっ! ふにーごろごろ……」
 そう言って一子は瑞穂に甘えてきます。普段のうらめしやポーズがネコのポーズにしか見えないこともあって、
甘えるネコそのものでした。
 こうして瑞穂は晴れて一子と夫婦になり、ヒロイン達との食わず女房合戦? は、瑞穂の全戦全敗? に終わったのでした。

Fin

176 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/19(土) 05:30:31 ID:+Qch8AX+0
以上で終わりです。お目汚し失礼いたしました。

なんかこんなの瑞穂じゃない、という場面もありますが、(自覚はしています)そこは一子編で書いたとおり、
劇で話を進めるために無理やり言わされている、ということでご容赦ください。

PS みどりんさんへ
櫻の園のエトワール読み終えたら、よろしければ私の代わりに、奏ちゃん×薫子ちゃんの百合百合SSを書いてみてください。
みどりんさんなら私よりずっといい作品が出来ると思いますので。
もちろん、由佳里ちゃん×初音ちゃんも大歓迎ですよ。

それでは、これにて失礼いたします。


177 :みどりん:2008/01/19(土) 10:49:59 ID:rhcTNUJn0
>>159
失礼しました。
:152,156 s/君江/君枝/g
でお願いします。他はないと思うのですが、違ったら教えてください。
翻訳時に間違ったようです。
ゆかり、かなこもよく誤訳がありますが、ご容赦ください。

>>176
東の扉さん
期待されるほどの技量はありませんが、そのうち何かかけたらなと思います。
ところで、長い投稿は投稿所の方が楽ですね。

178 :みどりん:2008/01/19(土) 21:22:49 ID:rhcTNUJn0
再開(1)

「うん………うん………わかったわ。奏ちゃんの後輩にフェンシングを教えればいいのね。それじゃあ、今度の土曜日に………」
瑞穂は携帯で電話をしていた。
「あなた、奏さんからですの?」
「そうだよ、貴子。何でも奏ちゃんの後輩が成り行きでフェンシングの試合をすることになったんだけど、素人だから教えてもらいたいって電話してきたんだ」
瑞穂と同棲(ほとんど新婚生活)している貴子の質問に瑞穂は答えた。
「そうですか♪」
「何?貴子。嬉しそうじゃない」
「だ〜って、あなたが自ら女装するのですもの」
「あ………」

179 :みどりん:2008/01/19(土) 21:23:49 ID:rhcTNUJn0
再開(2)

「ほんの数ヶ月前までこの寮に住んでいたなんで信じられないね」
「本当ですわね。もう何年も来ていない気が致しますわ」
久しぶりに恵泉を訪れた瑞穂と貴子の会話です。
「………で、何であそこにまりやと紫苑さんがいるの?」
「さ、さあ、どうしてかしらね。奏さんが呼んだのではないでしょうか?」

180 :みどりん:2008/01/19(土) 21:25:54 ID:rhcTNUJn0
再開(3)

「ごきげんよう、まりや………紫苑………さん」
「瑞穂ちゃん、お久しぶり。やっぱり瑞穂ちゃんは女装が一番似合うわね」
「ごきげんよう、瑞穂さん………どう、なさいました?」
「いえ………なんでもないです、なんでもないですよ、紫苑さん」
そういいつつも瑞穂は紫苑の姿を頭から足先まで何度も眺める。
「瑞穂さん、何かとても不愉快な雰囲気があるのですが」
「き、気のせいではないでしょうか。アハハハハ」(言えない………急におばさんくさくなりましたねなんて、絶対言えない)

紫苑ファンの皆様、ごめんなさい。

181 :みどりん:2008/01/19(土) 21:27:14 ID:rhcTNUJn0
再開(4)

練習が終わったので、瑞穂と貴子は家に帰ります。
「あなた、ご苦労様。今晩、私にもフェンシングの稽古をつけてもらえますか?」
「フェンシングの稽古?」

そして、その晩………
「はっ、はっ、貴子、どうですか?少しは参りましたか?」
「あっ、あっ、あなた、あなた、もっと突いて!あなたの剣で私をめちゃくちゃにして!!」

何をしているんだか………

おしまい

182 :みどりん:2008/01/19(土) 21:30:17 ID:rhcTNUJn0
まさにSSです。気に入っていただけるといいのですが。
櫻の園のエトワールを読み終えたので、その一部の瑞穂・貴子シーンを考えて見ました。

183 :名無しさん@初回限定:2008/01/20(日) 00:07:39 ID:Hx7hwzJa0
>みどりんさん
 GJです!
 こういう原作(じゃないかもしれないけど)を保管するSSもすごく楽しいです。
 

184 :みどりん:2008/01/22(火) 23:51:30 ID:RA8rFju70
正誤表
:152,156 s/可南子/可奈子/g
:178,181 s/再開/再会/g
度々申し訳ありません。
タイトルまで間違えてしまうとは。

185 :みどりん:2008/01/22(火) 23:53:38 ID:RA8rFju70
お詫びに翻訳ものを一つ

北風と太陽
        作:イソッブ   (似た名前の作者がいますが、別人です、きっと)
        訳:みどりん   (?!?!)

 北風瑞穂がお日様紫苑に話しかけました。
「紫苑さん、エルダーが二代一緒いるというのは余りよい状態とは思えません。今日はどちらが強いか勝負して決めませんか?」
お日様紫苑はにっこり笑って答えます。
「ええ、よろしいですわ。それでどのように勝負するのですか?」
「そうですね。あそこに旅人が歩いています。あの服を先に脱がせたほうが強いということでどうでしょうか」
「いいですわ。それでどちらが先に試みますか?」
「それでは私から」
そう言って北風瑞穂は風を起こします。

 さて、地上では………
「急ぎませんと、明るいうちに帰ることができませんわ」
貴子さんがとことこと川沿いの道を歩いていました。と、そこに冷たい風が吹いてきました。
「ぅううぅ〜〜〜、寒い」
貴子さんは外套の端をしっかりもって寒さに耐えようとします。風はどんどん強くなっていきます。貴子さんはよりしっかりと外套を押さえます。

 空の様子は………
「はぁ………はぁ………はぁ………」
瑞穂が息を切らしていました。
「あらあら、瑞穂さん。だめだったようですわね。今度は私がやってみますわ。もう少し女性の扱いは優しくしないといけませんわよ」
そう言ってお日様紫苑は柔らかな日の光を貴子に向けます。

186 :みどりん:2008/01/22(火) 23:54:43 ID:RA8rFju70
 再び地上では………
「あら?急に風が止みましたわ」
貴子さんはそう言ってまた歩き始めます。そのうちにお日様の光はだんだん強くなってきます。貴子さんは急いで歩いているのでだんだん暑くなってきました。
「暑いですわ。外套を脱ぐことにいたしましょう」
そう言って、制服の上に着ていた外套を脱ぎました。でもお日様の光は更に強くなってきます。
「暑すぎますわ………でも、これ以上服を脱ぐわけにはいきませんし………」

 再び空に戻って………
「紫苑さん、確かに外套は脱ぎました。あなたのほうが強いことがわかりました。でも、ここまでですか?」
「ふふ、瑞穂さん。私は女性の扱いには慣れておりますのよ。どうしてエルダー選の時、皆私に票を譲渡したのか想像したことはないのですか?それは私が色々な意味で女性の扱いに慣れているからですのよ」
そういうと何やら妖しい光を地上に注ぎ始めました。

 またまた地上で………
貴子さんは辺りを見回します。誰もいません。ここは田舎の道です。人通りも滅多にありません。
「そうですわ。少し水浴びをしていきましょう」
そういって服をすべて脱いで川で水浴びを始めました。

 その様子を空から見ていた北風瑞穂は、貴子さんが余りにかわいいので、興奮して鼻息を出してしまいました。
「さ、寒い………」
急に冷たい風が吹いてきたので貴子さんは水浴びをやめることにしました。ところが荷物をおいたところには何もありません。北風瑞穂の鼻息で貴子さんの荷物は全部どこかに飛んでいってしまったのです。
可哀想に、貴子さんは一人裸で河原に取り残されてしまいました。
「い………イヤァーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 その後どうなったかはご想像にお任せします。北風瑞穂が人間に姿を変え、貴子さんを救いにいき、それから二人で幸せな生活を送ったという話もあるようですが、定かではありません。
北風瑞穂がお日様紫苑の尻に敷かれた生活を送ったという話もあるようです。瑞穂と紫苑が今回の出来事に味をしめて、女性を裸にして放置しては喜んでいたという話も聞いたことがあります。

おしまい

187 :みどりん:2008/01/22(火) 23:57:57 ID:RA8rFju70
駄作ですが追加

三匹の子豚

 あるところに三人の姉妹がいました。一番上は紫苑、二番目はまりや、そして一番下は奏という名前でした。
 ある日のことです。姉妹の親が三人を呼んでいいました。
「いいかい?みんな大きくなったのだから、これからは自分の力で生きていきなさい」
そういって、いくらかのお金を持たせて家を追い出してしまいました。

 さて、まず住むところを決めなくてはなりません。紫苑が歩いていると、藁をたくさん運んでいる男がいました。
「申し訳ありませんが、その藁を譲ってはいただけないでしょうか?」
紫苑は丁重に聞きます。男は
「いいよ、いくらでもやるよ」
といって、藁をたくさん紫苑に渡しました。紫苑はそれで家を建てました。
 紫苑が家でくつろいでいると、戸を叩くものがいます。
「紫苑さん、僕と気持ちのいいことをしませんか?」
外にいたのは瑞穂狼でした。瑞穂狼は若い女性を狙って、徘徊していたのです。そして美女の匂いを嗅ぎつけて紫苑の家にやってきたのでした。
「断りますわ。私はそのようなことをする女ではございません」
紫苑はきっぱりと断ります。
「そうですか。それでは無理やりやるしかないですね」
そういうと瑞穂は藁の隙間から家の中に入り込み、嫌がる紫苑を無理やり手篭めにしてしまいました。
「あぁ〜〜、瑞穂さん、私、感じています」
「そうでしょう?もっと気持ちよくなりましょうね」
「ああ〜〜、だめです、そんなところ、恥ずかしいですわ」
「紫苑さんのようなきれいな体は見られて恥ずかしいところはないですよ」
それから二人は夜通し快楽を追い続けました。そして、次の朝………
「瑞穂さん、また来てくださいね」
「ええ、いつでもきますよ、紫苑さん」
紫苑は瑞穂狼に食べられてしまいました。

188 :みどりん:2008/01/22(火) 23:58:53 ID:RA8rFju70
 次女のまりやも家を建てました。丁度材木屋が歩いていたので、材木を貰い、木で家を建てました。
 まりやが家でくつろいでいると、戸を叩くものがいます。
「まりや、僕と気持ちのいいことをしよう?」
外にいたのは瑞穂狼でした。瑞穂狼はまたも若い女性を狙って、今日も徘徊していたのです。そして美女の匂いを嗅ぎつけてまりやの家にやってきたのでした。
「いやよ、瑞穂ちゃん」
まりやはきっぱりと断ります。
「そう。それじゃあ無理やりやるしかないね」
そういうと瑞穂は壁を破って家の中に入り込み、嫌がるまりやを無理やり手篭めにしてしまいました。
「あぁ〜〜、瑞穂ちゃん、いい!とってもいい!!」
「そうでしょ?もっと気持ちよくなろうね」
「ああ〜〜、激しすぎる、激しすぎる」
「もっと激しくしてあげるよ、まりや」
それから二人は夜通し快楽を追い続けました。そして、次の朝………
「瑞穂ちゃん、また来てね」
「うん、いつでもくるよ、まりや」
まりやも瑞穂狼に食べられてしまいました。

189 :みどりん:2008/01/23(水) 00:03:51 ID:jYzf6K4X0
 三女の奏も家を建てました。煉瓦をたくさん運んでいる男から煉瓦を貰い、煉瓦で家を建てました。旭化○△ーベルハウスに負けないくらい、とても丈夫な家です。
 奏が家でくつろいでいると、戸を叩くものがいます。
「奏ちゃん、僕と気持ちのいいことをしようよ?」
外にいたのは瑞穂狼でした。瑞穂狼はまたまた若い女性を狙って、今日も徘徊していたのです。そして美女の匂いを嗅ぎつけて奏の家にやってきたのでした。
「え?そんな、困るのですよう。奏はそんなことしたくないのですよう」
奏はきっぱりと断ります。
「そうなの。それでは無理やりやるしかないですね」
そういって瑞穂は家に入ろうとしたのですが、丈夫な家だったので入ることが出来ませんでした。
「仕方がない、あきらめよう」
奏は瑞穂狼に食べられませんでした。

 さて、暫くして3姉妹が揃って買い物に行くことになりました。久しぶりの再会です。
「紫苑おねえさま、まりやおねえさま、何か急にとても女らしくなられたのですよう」
「それはね、奏さん、狼さんに愛されているからなのですよ」
「え?紫苑お姉さまも狼に愛されているのですか?あたしもです」
「そう。狼さんに愛されると女らしくなりますわね」
「そうですよね、奏ちゃんも愛してもらえばいいのに」
「その……追い返してしまったのですよう」
「それは残念ね」
その後も奏は狼に食べられることはなく、女らしくなることはありませんでした。
残念。

おしまい

190 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 19:54:03 ID:QM00lpxm0
受信した電波を投下させていただきます。よろしくお願いします。

191 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 19:59:38 ID:QM00lpxm0
 それは、普段とは何も変わらない朝……のはずなんだけど……お姉さまは生徒会に用があるらしく、
奏ちゃんも演劇部のことで朝早くに出かけ、朝食は私とまりやお姉さまとで食べることになった。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
「じゃ、あたしは用があって先に出るから。また学校でね」
「はい!」
 朝食を食べ終えて私は1人で登校することになった。いつも4人で一緒に登校してるから、1人だと寂しいな……。
「あ、おはよう!」
 ふと、クラスメイトの友達が2人いたので、挨拶をする。
「………!!」
 けど、その2人は、びくっとなったかと思うと、挨拶も返さず、私を避けるようにそそくさと学校に向かっていった。
「……どうしたのかな?」
 でも、その時私は気づいていなかった。これは、始まりでしかなかったことに……。

〜由佳里はなぜ孤立した?〜

「みんな、どうしたのかな?」
 私はあれから、全ての友達に避け続けられた。
「……奏ちゃんに聞いてみよう。奏ちゃんなら、何か知ってるのかもしれない」
 私は、奏ちゃんのクラスを訪ねてみることにした。

192 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:04:31 ID:QM00lpxm0
「周防院さん、1−Bの上岡さんがお見えよ」
 そう言う奏ちゃんのクラスの受付嬢でさえ、私のことを白い目で見ているかのようだ。
「はいなのです、今参りますのですよ」
 そう言うと、奏ちゃんが私のところに来た。
「由佳里ちゃん、どうしたのですか?」
「うん。今日、なぜかみんな私のことを避けてるみたいなんだけど、
理由が全然わからないから、奏ちゃんに相談しようと思って……」
 私がそう言うと、奏ちゃんは改めて私を見て、何か思い当たったような顔をした。
「由佳里ちゃん、それはおそらく……」
 そこまで言った途端、奏ちゃんの顔が蒼ざめた。
「おそらく?」
「あ、あの、何か由佳里ちゃんのプライバシーを偶然知られたのではないかと思うのですよー。
何か思い当たることを探してみるといいと思うのですよー。では、奏はこれで失礼いたしますのですよー」
「あっ、奏ちゃん!」
 奏ちゃんは、何かに脅えながらあさっての方角を向いたまま、そう言って教室に帰っていった。
「………?」
 私が後ろを振り返ると、後ろには誰もいない。
「なんなんだろ、いったい?」

193 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:10:14 ID:QM00lpxm0
 一体何が起こったんだろう? みんなが突然掌を返したように私のことを無視するほどのプライバシーって……。
 最近ハンバーグばかり食べてることかな? でもそれぐらいでこんなことになるとは思えないし……。
 じゃあ、テストで赤点とってしまったこと? でもそんなの今さらだし、
ていうかテストはいつもほとんど赤点ぎりぎりだし……。
 考えながら歩いていると、通りがかった生徒達が私を見てクスクス笑っている。
「笑わなくてもいいのに……気分悪いな……」
 でも、本当に一体なんなんだろ?
 お化けの話が嫌いなことがバレたのかな?
昨日は寮のみんなでやった百物語の最初の話が始まる前に気絶しちゃったみたいだし……。
 ま、まさか、一番恥ずかしい、私の最大の秘密がバレたんじゃ……!?
「ま、まりやお姉さまに聞いてみよう……今一体どうなってるのか……」
 私は次の休み時間に、まりやお姉さまの教室に行くことにした。

194 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:15:31 ID:QM00lpxm0
「で、由佳里があたしに話って?」
「まりやお姉さま、実は……」
 私は、まりやお姉さまに今朝から一連のことを全て話した。
「まりやお姉さま、一体どうしてこんなことになったんでしょうか?」
 私が半分泣きながら相談すると、まりやお姉さまは目を閉じて真剣な様子で言い始めた。
「……由佳里、悪いことは言わないから、おとなしく生徒会室に行きなさい。そして、潔く自首しなさい」
「自首……ですか?」
 自首って何を? そう言われても、私にはさっぱりわからないんだけど。
「今、あたしに言えるのはそれだけ。じゃあね」
 まりやお姉さまはそう言って戻っていった。

 まりやお姉さまの言うことだから、それが一番いいんだろうけど……。
「自首って言われても……何を言えばいいのかわかんないよ……」
 わからないことには、自首のしようもないし、それにやっぱり怖いし……。
 結局、この日は生徒会室に行くことなく、そのまま寮まで帰ってきた。

195 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:19:40 ID:QM00lpxm0
「ふう……」
 寮で少し休んだ私は、気晴らしのために、そのまま街へ買い物に出かけていた。
好きなゲームをしたり、好きなお菓子を買ったりしてイヤな気持ちを忘れよう。
 でも、気のせいか、街の人たちまで私を避けてるような……。
 そう思っていると、数人の軽そうな男に行く手を阻まれた。
「……な、なんですか?」
「ねえキミ、そんなにやりたいなら、俺らと遊ばない?」
 私が引き気味に言うと、向こうはニヤニヤ笑いながらそう言ってきた。
「け、結構です。間に合ってますから」
「ウソばっか。やりたいって、あんたにちゃーんと書いてあるぜ?」
 ……どういうこと? 関係ない外部の人にまで、私の恥ずかしい秘密がバレてるってこと!? どうして? どうして!?
 私は、弾かれるように男の人たちを押しのけて、その場を逃げ出した。
 どうしよう? どうしよう? どうしよう?
 まさか外部にまで私の恥ずかしい秘密がバレてるなんて……なんでこんなことに……
それより、私、一体どうしたらいいの?

196 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:23:23 ID:QM00lpxm0
「ただいま……」
「あ、由佳里ちゃん、お帰りなさい」
 私が寮の櫻館まで帰ってくると、お姉さまが先に帰ってらっしゃって、そう挨拶を返してきた。
「どうしたの? 泣きそうな顔して」
「だ、だって私、街に出かけたら……」
 私はお姉さまに全てを話した。するとお姉さまは、何かに気づいたように目を見開かれた。
「出かけたって、まさか、それつけたまま?」
 え? それって何?
 私が戸惑っていると、お姉さまは私の背中に手を回して、何かをはがした。
 お姉さまは、それを私に見える。紙だった。それにはこう書かれていた。

 いつも発情中。危険! 近寄ると襲われます。

 それを見て、私は凍りついた。そして凍りついた中で、今日一日あったことを振り返ってみる。
「まーりーやーおーねーさーまー!!」
 私は、怒り心頭にまりやお姉さまの部屋まで走っていった。

197 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:27:23 ID:QM00lpxm0
「まりやお姉さま! なんてことするんですか!」
 私は、食堂でまりやお姉さまに食ってかかった。
「ちょっと由佳里、あたしの言い分を聞きもしないで犯人扱いするのは横暴じゃない?」
 まりやお姉さまはそうわざとらしく言う。けど、私だって負けないんだから。
「あんなことするの、まりやお姉さま以外に誰がいるんですか!?」
「……誰もいないわよね」
「奏もそう思うのですよ」
 お姉さまと奏ちゃんも私に援護射撃してくれる。
「ちぇっ……」
「『ちぇっ』じゃありません! まりやお姉さまのせいで、しばらく外歩けなくなっちゃったんですよ!? 
どうしてくれるんですか!!」
「ああもううるさい! だから生徒会室に行くよう忠告したじゃないの! それ無視して外出てった由佳里が悪い! 
あたしの言うこと聞いてれば、可愛いいたずらですんだんじゃないの」
 まりやお姉さまは逆ギレした。
「そもそも、その可愛いいたずらからしてやる必要全然なかったんじゃないの!」
 そこへお姉さまが、まりやお姉さまの両目の横をげんこつでぐりぐりしながら言う。
「あだだだだだ!」

「そんなの心配ないって。3日もたてばみんな忘れてるわよ」
「まったくまりやって、こんな時にまで能天気なんだから……」
 何事もなかったかのように言うまりやお姉さまに、お姉さまも呆れていた。

198 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:31:18 ID:QM00lpxm0
 そして数日後、寮生4人で買い物に出かけてた時のこと……。
「や、やっぱり不安ですよ……」
「ったく。相変わらず気が小さいんだから由佳里は。そんなしょうもないこと、誰も覚えてないわよ」
「でも、奏だって同じ状況でしたら、不安になると思うのですよ」
 私たちがそう話しながら歩いていると……。
「お、こないだの乱交希望女じゃねえか」
「ちょうどいいや。俺たちとやろうぜ」
 い、言ってるそばから……。
「ちょっと、あんたたち!」
「あん? なんだ、あんたらも俺たちとやりたいってのか?」
「いいぜ。4人まとめて面倒見てやるよ」
「そんなわけあるかあっ!」
 遊び人っぽい男たち数人に対し、言い返すまりやお姉さまだけど……。
「こいつは俺たちとやりたいって言ってんだよ。違うなら口出しすんなよな」
「そんなこと言ってません!」
「いつも発情中って言いふらしてたくせによ。発情してないって言い切れんのかよ?」
「うーん……」
 ちょっとまりやお姉さま、そこで考えこまないでください!
「じゃ、こいつはいただいていくぜ」
 そう言って、男の1人が私の腕を掴んだ。
「申し訳ないですが、そうは参りませんわ」
「お、お姉さま!」
「その娘の欲情は、私が一手に引き受けることになりましたの。ですから、あなた方はご遠慮願いますわ。
由佳里ちゃん、行きましょう」
 そう言って私の手を引きずっていくお姉さま。見ると、男たちも、まりやお姉さまも奏ちゃんも呆然としている。
 でもお姉さま、それ本当ですか? もしそうならすごく嬉しいです♪

199 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:35:12 ID:QM00lpxm0
 そして次の日、なぜか私は学院内で注目の的になっていた。
「あの方ですわよ。お姉さまに慰めてもらってらっしゃるのは……」
「まあ、うらやましいですわ。お姉さまと愛し合えるなんて……」
 どうやら、昨日の街での一件を目撃した聖央の生徒が数人いたらしくて、そこから学院中に広まったらしい。
「……なんか、すごいことになってるわね」
「昨日の事がバレてたんだ。相変わらず、ウチはこの手の事が広まるの早いわねえ」
「えへへ。でも、お姉さまと公認カップルになれたみたいで、ちょっといい気分です」
「由佳里ちゃん、うらやましいのですよ……」
 そしてこの日、お姉さまとのキスシーンとか、ちょっと過激なシーンを
何度か頼まれて見せることになっちゃいました。えへ♪

200 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:39:08 ID:QM00lpxm0
「それはそれとしてまりや、やっぱり安心じゃなかったじゃない。まりやは軽い気持ちだったのかもしれないけど、
それがああいうとんでもない事態になることもあるのよ。もう少し考えて行動しなさい!」
 放課後、私とお姉さまはまりやお姉さまにそう抗議していた。
「まあまあ、細かいこと言いっこなし。あたしのおかげで瑞穂ちゃんとラブラブになれたんだからいいじゃない。
結果オーライよ」
 けど、まりやお姉さまはあっけらかんとしている。
「全然反省してないみたいね。由佳里ちゃん、思う存分懲らしめておやりなさい!」
「はい!」
「ちょ、ちょっと……」
 私は、お姉さまと一緒にまりやお姉さまに飛びかかった。

201 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:43:55 ID:QM00lpxm0
 その翌日の早朝。
「こらー! 見て笑ってないでなんとかしなさいよ!」
 まりやは、校門の桜並木の1つに逆さ吊りにされていた。道を行く生徒たちは、それを見て笑いながら通り過ぎる。
「まりやさん……プククク……」
「ちょっと、貴子まで! 見てないであたしを助けなさいよ!」
「ま、まりやさん、また何かやりましたの? し、しかしお姉さまのご命令では……プククククク……」
 貴子は、まりやを見ておなかを抱えて笑っている。そして、貴子はその後もおなかを抱えて、必死で笑いをこらえ、
フラフラしたまま学院に向かった。
 まりやの首には看板がぶら下がっていた。それには、こう書かれていた。

 ただいま狂犬のしつけ中。えさを与えないでください。宮小路瑞穂

Fin

202 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/23(水) 20:48:37 ID:QM00lpxm0
以上です。お目汚し失礼いたしました。

203 :みどりん:2008/01/25(金) 23:05:37 ID:dp62FKPt0
三匹の子豚 〜三女が由佳里の場合〜

 三女の由佳里も家を建てました。煉瓦をたくさん運んでいる男から煉瓦を貰い、煉瓦で家を建てました。旭○成ヘーベ△ハウスに負けないくらい、とても丈夫な家です。
 由佳里が家でくつろいでいると、戸を叩くものがいます。
「由佳里ちゃん、僕と気持ちのいいことをしようよ?」
外にいたのは瑞穂狼でした。瑞穂狼はまたまた若い女性を狙って、今日も徘徊していたのです。そして美女の匂いを嗅ぎつけて由佳里の家にやってきたのでした。
「はい、そうしましょう!」
由佳里は喜んで玄関の扉を開けます。
「うふふ。由佳里ちゃんは積極的なんだから………」
瑞穂も嬉しそうです。それから………
「ああ!お姉さま、もっと!もっと!」
「由佳里ちゃん、いい!とってもいい!」
それから二人は夜通し快楽を追い続けました。そして、次の朝………
「はぁ……はぁ……、由佳里ちゃん、僕、帰りたいんだけど……」
「そんなことは許しません。お姉さま、もっと続けましょう!!」
「えぇ〜〜〜!?」
瑞穂狼は由佳里に食べられてしまいました。

おしまい

204 :みどりん:2008/01/25(金) 23:06:55 ID:dp62FKPt0
紫苑さんのお正月

 今年の正月、紫苑は瑞穂の家に呼ばれています。奏ちゃんが一人だとさびしいでしょうから、三人で正月を過ごしましょうというわけです。瑞穂さんとは契りを結んだばかりですし、奏ちゃんは可愛いし、いいこと尽くめです。
 さて、元日も終わり、三人で寝床につきます。楓さんの計らいで(謀略で?)三人一緒の布団です。紫苑と瑞穂の妹のような奏ちゃんを真ん中に、川の字になって寝ます。奏ちゃんは夜に弱いのか、すぐ寝てしまいました。

と、この辺までは原作に記されているので詳細は割愛します。それから後の話です。


205 :みどりん:2008/01/25(金) 23:16:35 ID:dp62FKPt0
「奏ちゃん、もう寝ちゃいましたね」
瑞穂が紫苑に言います。
「本当ですね。こうやって見ていると、本当の妹のような気がいたしますわ」
紫苑は答えます。
「ところで紫苑、子供が寝たら大人の時間になるんですよ」
そういって、瑞穂は紫苑のところにごそごそと動いていきます。
「そ、そんな。奏さんに見られてしまいます……あん」
そういって拒否をする紫苑に対し、瑞穂は早速寝巻きの中に手を滑り込ませながら答えます。
「だから、大声を上げてはいけませんよ。どんなに気持ちよくても声を抑えなくてはなりません」
「そ、そんな……あうっ……ひどいです、瑞穂さん……ふあぁっ……」
瑞穂は紫苑の官能を刺激しながら、徐々に服を脱がせていきます。紫苑も口では嫌がっていますが、服を脱がせるのに協力しています。本当はやりたいのでしょう。
「僕の家でするのは初めてですね。何か興奮しませんか?」
瑞穂は囁くようにいいます。それを聞いて紫苑は催眠術にかかったようにますます興奮してしまいます。
 ゆったりとした寝巻きを脱がせるのは造作も無いことです。すぐに紫苑も瑞穂もうまれたままの姿になってしまいました。瑞穂は布団の中に潜って、紫苑の体中を愛撫したりキスしたりしています。
そのたびに紫苑の体の中を刺激が走り抜けます。それでも声をあげることができないので、紫苑は静かに興奮します。枕カバーを噛んで、シーツを掴んで、どうにか声をあげないようにしています。
「ん……んん……ハァハァ……」
胸は大きくても感じやすい紫苑のことです。他に人がいなければ大きな嬌声をあげていることでしょう。昂奮を隠さなくてはならないという状況で、紫苑はますます感じてしまいます。もう、紫苑の体は昂奮して真っ赤になっています。もっとも暗くてよく見えませんが……。

206 :みどりん:2008/01/25(金) 23:18:33 ID:dp62FKPt0
 瑞穂もそろそろ気持ちよくなりたくなってきました。そこで、紫苑に抱きつき、屹立を紫苑の膣(なか)に静かに埋めていきました。紫苑は足を開き、膝をたてて瑞穂を受け入れます。
「ん〜〜……ん〜〜……」
「はぁ〜〜……はぁ〜〜……」
紫苑も瑞穂も静かに昂奮します。横では奏ちゃんがすやすやと眠っています。寝息が聞こえてきます。今日は余り激しく動くことが出来ません。奏ちゃんが起きてしまうと困りますからね。寝つきは眠りが一番深くなるそうですので、大丈夫かもしれませんが。
そこで、瑞穂は上体は紫苑に抱きつき、腰だけを静かに動かして抜き差しを繰り返します。
 二人ともほとんど無言です。微かに喘ぎ声が聞こえるだけです。微かな喘ぎ声がお互いの耳元で囁かれ、くすぐったいような感覚が芽生えます。
瑞穂は時々紫苑の耳を軽く噛んでは、紫苑をより昂奮させます。紫苑はそのたびに「んっ」と喘ぎ声を出します。紫苑の膣はそのたびにピクッと収縮して、瑞穂を刺激します。
 瑞穂の屹立はゆっくりと紫苑を攻め立てます。紫苑の胸は瑞穂に密着して瑞穂を穏やかに昂奮させます。激しい交わりはないので、昂奮は緩やかに高まっていきます。
 瑞穂の屹立は昂奮とともに次第に太く逞しくなっているようです。紫苑の子宮は下のほうに降りてきているようです。紫苑の子宮が瑞穂の屹立で押されるようになりました。
急に快感が強くなってきました。それでもいつもしているような激しい快感ではないので、相変わらず昂奮は緩やかにしか上昇していきません。
 すぐに絶頂を迎えることはないので、長い時間昂奮が持続します。昂奮は徐々に高まってきたので、なかなか絶頂を迎えません。そのうちに今まで経験したことがないくらい二人とも高い昂奮を感じるようになりました。
「ん〜〜〜〜……ん〜〜〜〜……」
「はぁ〜〜〜〜……はぁ〜〜〜〜……」

207 :みどりん:2008/01/25(金) 23:18:55 ID:dp62FKPt0
そしてとうとう瑞穂の屹立が紫苑の奥深くに押し込まれ、子宮が強く押されたとき、紫苑は絶頂を迎えてしまいました。
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!……」
そして、きゅーっと瑞穂を締め付けたので、瑞穂もたまらず絶頂を迎えてしまいました。
「うぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!……」
瑞穂は自身の欲望を全て紫苑の中に吐き出してしまいました。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、………………あ、」
紫苑は瑞穂が何故そういう声を出したのか分かりました。そして、瑞穂の耳元でこう囁きました。
「はぁ、はぁ、今日は安全な日ですから……はぁ、はぁ、大丈夫ですわ……あ・な・た……」
そして、二人はしばし余韻を楽しんでから、寝巻きを着て、今度こそ本当に眠りにつきました。瑞穂は2回戦を始めたかったのですが、それは紫苑に窘(たしな)められてしまいました。

208 :みどりん:2008/01/25(金) 23:20:17 ID:dp62FKPt0
 次の朝、三人は目を覚まします。奏ちゃんはよく寝たようで、朝から元気です。瑞穂と紫苑は、長い時間夜のお勤めをしていたので、少しお疲れのようです。結局何時くらいまでやっていたのでしょうね?
「おはようございますなのですよう」
「おはよう、奏ちゃん。朝から元気ね」
瑞穂も挨拶します。
「夜弱い分、朝は元気なのですよう」
「おはようございます、奏さん。私は朝は低血圧なのか、どうも苦手ですわ」
紫苑も起きて、挨拶します。
「それはいけないのですよう。お体を大事にしてくださいなのですよう」
 それから朝風呂につかり、服を着替えて楓さんの作ってくれた朝食をとります。
「おはようございます、楓さん」
「おはようございます、楓様」
「おはようございますなのですよう、楓様ぁ」
「おはようございます、紫苑様、奏様、瑞穂様……紫苑様と瑞穂様はお元気が無いようですが、何か問題がありましたでしょうか?」
「い、いえ。昨日は紫苑さんと遅くまで話をしていたので、少し寝不足なだけです」
「そ、そうですわ」
「そうですか。睡眠不足は美容の大敵ですから、しっかりお休みくださいね」
「そ、そうですね、アハハ」
「え、ええ。そういたします」

209 :みどりん:2008/01/25(金) 23:24:57 ID:dp62FKPt0
 食後はコーヒーを飲みながらくつろぎます。瑞穂が奏ちゃんに聞きます。
「ねえ、奏ちゃん。昨日は初夢見た?」
「ええ、素敵な初夢を見たのですよう。でも少し変だったのですよう」
奏は答えます。
「そうなの。どんな夢だったのか聞かせてくれる?」
「はい。あの、お姉さまと紫苑お姉さまが結婚していたのです。とても仲がよろしくて、素敵だったのですよう」
「そ、そう。でも、女通しなのにおかしいわね」
瑞穂がいいます。紫苑はコーヒーを飲みながら聞いています。二人とも心なしか表情が引きつっているようにみえます。
「そう!そうなのですよ!それに……その………」
奏は少し赤くなりながら続けます。瑞穂は気を落ち着かせるために珈琲カップに口をつけます。
「子供を作っている最中だったのですよう!」
「ブーーーーー」
「ゲホゲホッホッ」
瑞穂は盛大に珈琲を吹き出します。紫苑はコーヒーに噎(む)せ返ります。
「あやや〜、奏はこぉひぃまみれなのですよう」
瑞穂の正面にいた奏は珈琲をもろに被ってしまいました。
「ご、ごめんなさい、奏ちゃん」
瑞穂は慌ててタオルで奏を拭きます。
「あらあら、これはもう一度お風呂に入って洗ったほうがよろしいですわ」
楓さんがいいます。そして、奏を風呂に連れて行き、着替えの準備をします。
 一人戻ってきた楓さんは二人を詰問します。
「さて、お話を聞かせていただけますかしら、瑞穂様、紫苑様」
「なななな何のことでしょうか、楓さん?」
「そそそそうですわ。全く分かりませんわ」

 結局、全部白状させられてしまった二人でした。あれだけ分かりやすいリアクションをしたら、仕方ないでしょう。もちろん、奏ちゃんには秘密です。でも、本当は知っているのかもしれないですね。

おしまい

210 :みどりん:2008/01/25(金) 23:30:22 ID:dp62FKPt0
宮小路家のお正月の夜のシーンを想像してみました。
驚いたときに口のものを出すということことが実際にあるとは思えませんが、まあご容赦してください。
今回は誤字はないと思うのですが。
ではまた。


211 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/26(土) 03:42:17 ID:vhU/JiBS0
>>203
ちなみに、姉が貴子さんだとどうなりますか?

>>204-209
笑いました。

212 :名無しさん@初回限定:2008/01/27(日) 23:48:45 ID:oc+JiMEk0
ほうほう、お正月の夜ありそうだわ。
このときから紫苑ルートですか

213 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/29(火) 19:57:57 ID:kafC2gF60
エトワールを読んで思いついたネタを勢いで書いてみました。
初SSです。ヤマもオチもイミも無いですがご容赦ください。

『エルダーの香り』

瑞穂がエルダーになってしばらく経った或る日の事。

「あら瑞穂さん、髪の毛にホコリが」
「あ、ありがとうございます紫苑さん」
紫苑が瑞穂の髪に付いていたホコリを取り除いたのだが……
「あら?」
突然紫苑が瑞穂の事を抱きしめた。
「ちょ、紫苑さんいきなり何を?!」
周りの人達が歓声を上げるのを、瑞穂はあえてスルーした。
「瑞穂さんの髪、良い香りが致しますのね」
「え?」
「……うん、確かに良い香りね」
何時の間にやら圭が瑞穂の背後に忍び寄っていた。
「うわっ、圭さんびっくりさせないで下さい」
「私の記憶に無い不思議な香りがするわ」
そう云って、圭は瑞穂の髪の毛をクンクンした。
「け・い・さん、一体何をなさっているのですか?」
いつものお約束と云うべきか、美智子が圭の耳を引っ張った。
「瑞穂さんにご迷惑を掛けてはいけませんよ、圭さん」
無論、美智子の本心は別の所に有った。
「美智子さんもいかがですか?」
紫苑が半ば強引に、瑞穂の頭を美智子に押し付ける。
「……確かに、何なのでしょう?この不思議な香りは」
「お使いになっているシャンプーでしょうか?」
「これは……」

214 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/29(火) 20:01:47 ID:kafC2gF60
 瑞穂が聖應に来たばかりの頃……

 「瑞穂ちゃん、コレ!」
 「いきなり何だよまりや」
 「まりや『さん』でしょ、……まあいいわ、これはあたし特製のシャンプーよ」
 無骨なデザインのボトルを手渡された。
 「え?シャンプーなんてどれも一緒でしょ?」
 「ちっちっちっ甘い甘い、由佳里特製チョコレートケーキより甘いわ!
  これはね瑞穂ちゃん、あたしが数種類のハーブを合成した手作りよ。
  その辺の市販品と一緒にしないでもらいたいわね」
 「……ふうん、でも確かに良い香りだね」
 「ふっふ〜んそうでしょ、これも瑞穂ちゃんをより美しくする為の布石!
  化粧や服装だけでは不十分。
  今まで以上にサラサラキュートな髪で、聖應女学院を魅了するのよ!」
 「何なのソレ……」


「とまあ、こう云う出来事がありまして……」
「なるほど、実際わたくし達も瑞穂さんの髪に魅了されてしまった訳ですから、
 まりやさんの思う壺……でしょうか?」


215 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/29(火) 20:06:08 ID:kafC2gF60
そして昼休み。
いつもの様に瑞穂達と食堂に行こうとしたまりやだったが、数人の生徒に囲まれた。
「まりやさん、食事をご一緒したいのですが……」
「わたくしもご一緒したいですわ!」
「わたくしもお願い致します!」
何故か瑞穂のクラスメイト大勢(何時の間にやら大勢になっていた)に囲まれたまりやだったが、
「え、ええ、よろしいですわ」
あまり気にしない事にした。

「……実はまりやさんに折り入ってお願いがありまして」
「な、何でしょう?」
あのまりやが、珍しく圧倒されている。
「お姉さまがお使いになっているシャンプーは、まりやさんの手作りだと御伺い致しました。
 わたくし達にも作り方を御教え願えないでしょうか?」
「……はい?」
「あ、あの、紫苑さまがお姉さまを抱きしめて、
 お姉さまの髪をお褒めになっていたのです。
 ですがわたくし達にはその様な事、恐れ多くて出来ません。
 せめてお姉さまがお使いになっているシャンプーが、
 どの様な物なのかだけでも知りたいと……」
「はあ、なるほど……別に構いませんわよ、企業秘密と云う訳でもありませんし
(瑞穂ちゃんを抱きしめるなんて、紫苑さまもやるわね)」
「あ、ありがとうございます!」
周りからも歓声が上がる。
「それでは、放課後にでもどこか部屋をお借りして講習会を開きましょう。
 何人くらい参加されますか?」
「わたくし、家庭科室を使えるように手配してまいります。
 あそこならかなりの人数を収容出来るでしょう」
「え、かなりの人数って……」


216 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/29(火) 20:09:54 ID:kafC2gF60
放課後。
家庭科室に助手(由佳里)を引き連れて現れたまりやは……絶句した。
「な、何なの?この人数は?!」
相変わらず、聖應女学院の噂伝達速度は異常だった。
3−A・3−Bはほぼ全員参加。更にどこで聞いたのか、1・2年生の姿もちらほら。
しかも意外(?)な人物まで……
「貴子、あんたまで!」
貴子があらわれた。君枝さんもいっしょだ。
「まりやさんが何やら良からぬことを企んでいる、と云う噂を聞きまして」
「何云ってんのよ、シャンプーを作るだけよ。ちゃんと生徒会にも伝わってるんでしょ?」
「そ、それはそうですが、まりやさんの事ですから、鵜呑みにはできませんわ」
「!はっは〜んなるほど、素直に白状しちゃいなさい。
 あんたも興味が有るんでしょう、瑞穂ちゃんのシャンプーに」
「な、何をおっしゃるかと思えば。シャンプーなんてどれも一緒ですわ。
 お姉さまと同じシャンプーを使ったところで、私がお姉さまになれる訳でもありませんし」
「どれも一緒ねぇ……瑞穂ちゃんも同じ事云ってたわよ、息ピッタリで妬けるわぁ」
「まりやさん、あなた私に喧嘩を売ってらっしゃるの?!」
「か、会長、落ち着いて下さい!」
「君枝さんだっけ?あんたも勉強していきなさい。髪の毛も女の子の重要な身嗜みの一つよ」

会場を講堂に変更して、講習会自体は特に波乱も無く終了した。
一番熱心にメモを取っていたのが誰だったのかは、あえて語る必要も無いだろう。


217 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/29(火) 20:14:33 ID:kafC2gF60
翌週の月曜日、聖應女学院に異様な光景が広がっていた。
至る所で特製シャンプーを使った生徒の髪をクンクンハァハァすると云う図。
第三者の目には、ただの変態集団にしか映らないかもしれない。
シャンプー単体で見てもかなりの出来なのに、
更にそこに『宮小路瑞穂』と云うブランド名が加わって、
あっと云う間に学院中に広まってしまった。
げに恐るべきはエルダーの御威光である。

3−Aの教室で、圭が美智子の髪に顔を埋めている。
「良い香りだけど……何かが違う」
「違う……とは?」
「紫苑さまも美智子の髪を嗅いでみて下さい」
「……それは遠慮致しますわ。命が惜しいですから」
「瑞穂さんの時の様な不思議な感じがしないのです。良い香りだけど、ただそれだけ……」
「わたくしは、圭さんの髪の方が好きですよ」
「ふふっ、やっぱりお二人は仲がよろしいのですね」
そう云うと、紫苑は瑞穂に耳打ちした。
「不思議な感じがするのは、瑞穂さんが……だからでしょうか?」


218 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/29(火) 20:20:56 ID:kafC2gF60
その日の帰り道、瑞穂とまりやは並んで帰宅の途に着いたのだが……
「まりやにしては珍しいよね。あのシャンプーで一商売するかと思ったんだけど」
「いやぁ、まさかあそこまで盛り上がるとは思わなかったわ。
 あたしとした事が、甘く見すぎたわ」
「でも、学院中の至る所で『これがお姉さまの香り、はぁはぁ』
 なんてやられるのは勘弁してほしい……」
「大丈夫よ。貴子も云ってたけど、あのシャンプーを使ったからって、
 その人が瑞穂ちゃんになれる訳じゃ無いんだから。しばらくすれば落ち着くわよ」
「そうだと良いけど……」
「あ!そういえば、圭が云ってたっけ?瑞穂ちゃんの香りは不思議な感じがするって」
「う、うん、そんな事云ってたけど」
「もしかすると……」
突然まりやが瑞穂の事を抱きしめた。
「ちょ、まりや、いきなり何?!」
「スンスン……やっぱりそうだ。あたしは大事な事を見落としていたのかもしれない」
「まりや?」
「これだ!わかったわ、瑞穂ちゃんの本当の香りの秘密が!先に帰るね瑞穂ちゃん」
まりやは、寮に向かって全力で走っていった。
「?」

219 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/29(火) 20:24:40 ID:kafC2gF60
寮に帰ったまりやは、部屋に入るや否や机の上を漁り始めた。
「有った、これだ。……もしもし、御門まりやです。ご無沙汰しております」
まりやが電話を掛けたのは、鏑木系列の化粧品会社だった。
「……ええ、はい。こう云った物は作れますでしょうか?
 ……出来ますか?!はい、よろしくお願いします。それでは失礼します」
電話を切ったまりやの顔には、満面の笑みが広がっていた。
「瑞穂ちゃんの体臭をベースにした香水、これはイケル!
 そうと決まれば、今夜は瑞穂ちゃんの香りをたっぷり採取しないとね♪」

「ううっ、何か寒気がする……」
瑞穂が感じた悪寒は、季節外れの強風のせいでは無い様だ。

『完』


以上です。正直疲れました。
ここにたくさんのSSを投稿されている方々には頭が下がります。
駄文失礼致しました。


220 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/01/29(火) 21:19:12 ID:is25Ftz+0
またひとり闇に堕ち・・・職人さんが現れました〜♪w

瑞穂ちゃんの香り・・・で、えちぃことを考えたのは俺だけじゃないはず。

221 :名無しさん@初回限定:2008/01/30(水) 00:50:04 ID:nBuWSjMv0
まとめサイトのSS名作選はいつになったら更新されるんだろ。
絶賛放置中でワロスww とか言ってられんくらい放置されてるしな。

222 :みどりん:2008/01/30(水) 23:44:03 ID:A2XMLZER0
三匹の子豚 〜次女が貴子の場合〜

 次女の貴子も家を建てました。丁度材木屋が歩いていたので、材木を貰い、木で家を建てました。
 貴子が家でくつろいでいると、戸を叩くものがいます。
「貴子さん、僕と気持ちのいいことをしませんか?」
外にいたのは瑞穂狼でした。瑞穂狼はまたも若い女性を狙って、今日も徘徊していたのです。そして美女の匂いを嗅ぎつけて貴子の家にやってきたのでした。
「断りますわ、瑞穂さん。それに、私は男嫌いなのですから」
貴子はきっぱりと断ります。
「そう。それじゃあ無理やりやるしかないね」
そういうと瑞穂は壁を破って家の中に入り込み、嫌がる貴子を無理やり手篭めにしてしまいました。
「あぁ〜〜、瑞穂さん、どうして?どうして、こんなに気持ちがいいのかしら」
「そうでしょ?もっと気持ちよくしてあげますよ。男女の営みというのはこんなに素晴らしいものなのですよ」
「ああ〜〜、ほんとうに、気持ちいいですわ。もっとしてください」
「貴子さんが満足するまでやってあげますから」
それから二人は夜通し快楽を追い続けました。そして、次の朝………
「それじゃあ、またきますね、貴子さん」
「待って………待ってください、瑞穂さん。私は今まで男の人に触れられるだけで嫌悪感をもよおしていました。
ですが、瑞穂さんに男女の営みを教えていただき、それが素晴らしいことだと分かりました。もう、瑞穂さんなしでは生きていけません。お願いです。どこにも行かないで………いかないでください」
まだ服を着ていない貴子は泣きながら瑞穂に抱きつき、その潤んだ瞳で瑞穂を見上げます。
「貴子さん………」
瑞穂狼は牙を抜かれてしまいました。

おしまい

223 :みどりん:2008/01/30(水) 23:46:23 ID:A2XMLZER0
当初予定になかったのですが、追加で考えてみました。

224 :みどりん:2008/01/30(水) 23:49:29 ID:A2XMLZER0
彼岸

「どうしてこんなに簡単なことに今まで気付かなかったんだろう」
瑞穂は図書室で何やら調べ物をしている。
「母様の卒業年度はこの年だから・・・学生名簿は・・・これだね。高島、高島・・・あったあった、高島一子(故人)間違いない。住所は埼玉県・・・・・・変わっていなければいいんだけど」

 さて、次の休日のこと。
「ちょっと出かけてくるね」
瑞穂は寮生に声をかけて朝早くから外に行く。
「お姉さまお姉さまお姉さまお姉さま、早く帰ってきてくださいね。折角の休日なのにお姉さまがいらっしゃらないとはこんなに悲しいことはありません。
あ、他の寮生の方が冷たいとかそういうわけではないのです。皆様優しくしてくださいますが、やはり昔から思いを寄せているお姉さまがいらっしゃると心が暖かくなるのです。お姉さまと最初に会ったのは、あ、お姉さまのお母様ですよ、(以下省略)」
一子の声が次第に遠のいていく。まだしゃべり続けている、と瑞穂は苦笑する。
 瑞穂は誰にも言っていないが、今日は一子の実家を訪れようとしている。ご両親が健在だったら一子ちゃんと会わせてあげたい、そう考えたのだ。

225 :みどりん:2008/01/30(水) 23:50:03 ID:A2XMLZER0
 電車を乗り継いで目的地に行き、駅からはバスを使う。そして調べた住所を頼りに、家を探す。普通の住宅街だ。
「この辺のはずなんだけど………佐藤………並木………あった、高島。ここだ。………緊張するね」
ピ〜ンポ〜〜ン
瑞穂は呼び鈴を押す。
「は〜い」
中から声がする。
「はい、なんでしょうか?」
程なく中から婦人が出てきた。何となく一子ちゃんに似ている気もする。きっと一子ちゃんのお母さんだろう。
「私は恵泉の生徒で宮小路と申します。あの一子さんのことでお話があるのですが………」
「恵泉?………ああ、ああ、そうですか。立ち話も何ですから中にどうぞ。散らかっていますが………」
「恐れ入ります」

226 :みどりん:2008/01/30(水) 23:51:01 ID:A2XMLZER0
 瑞穂は一子の仏前に焼香する。かかっている写真は一子ちゃんそのものだ。
「あの子は私たちに最初に出来た子供で、嬉しくて一子となずけたのです。子供のころから病弱だったのですが、それを感じさせないくらい明るい子で。妹たちもそれに似て明るく育ったんです。
だから、一子が亡くなったときはそれはもう家から明かりが消えてしまったような感じがして、呆然としたものでした」
一子の母親は瑞穂にお茶を勧めながら話し出した。
「でも、きっとあの子はみんな明るくいてもらいたかったに違いないと家族で話し合って、それからは普通に生活できるようになったのですよ」
「そうですか」
「今から思えばあの子がおしゃべりなのは、自分の不安を隠したかったからなのかもしれないですね」
「・・・」
「それで、今日はどのようなご用でしょうか?」
「ええ、実はわたしは今一子さんがお亡くなりになった寮の部屋に住んでいるのです」
「まあ……」
「それで、そこで一子さんを感じられるものを見つけまして、できればご家族の方にも見ていただきたいと思ったのです」
「そうなのですか」
「ええ、本当はお持ちしたかったのですが、動かせませんでしたので寮まで来ていただきたいと思いまして、今日ここに来た次第なのです」
「そうですか。それで、それはどのようなものですか?」
「それは秘密にしたいと思います。でも、それを見て一子さんを感じられたということで、信じてはいただけないでしょうか?」
「そうですね、こんなおばあさんを騙しても何の得にもなりませんものね。わかりました、案内していただけますか?本当は主人もいればいいのでしょうが、生憎出かけておりますので、私だけいきますわ」
そういって、一子の母親は出かける準備を始めた。

227 :みどりん:2008/01/30(水) 23:54:45 ID:A2XMLZER0
 道中二人は一子の話をする。とはいっても瑞穂は状況上知らない振りをしていなくてはならないので、聞き役に徹する。
「あの子は高校で素敵な先輩にあったらしいんですよ。本当にその人を慕っていたようなのです。それで、亡くなった日もその人に会いたいと病院を抜け出して寮まで行ったようなのです」
「そうなのですか」
「でも、その人は寮にはいなかったので、会えなかったようです」
「それは残念でしたね」
「そして、そのままその人の部屋で亡くなってしまったのです」
「一子さんは悲しかったのでしょうね」
「そうですね。それでも、少しはその人を感じられるところで亡くなったので幸せだったかもしれませんね。今となっては確認することもできませんが」
「そうですね」
「あの子が亡くなってから何年になるのでしょうね」
「もう、20年以上になるのではないですか?」
「そうですね。それなのに、新たな一子の思い出を見ることが出来るなんて、嬉しいことです」
一子の母親は目頭を押さえる。

228 :みどりん:2008/01/30(水) 23:55:29 ID:A2XMLZER0
 そのうちに学校についた。そして、門のところで部外者の入門手続きを済ませて、寮に向かう。
「ここに以前来たのも20年以上前のことなんですね」
一子の母親は感慨深そうに話す。
「ここにいらっしゃったことがあるのですか?」
「ええ、一子が亡くなった部屋も見せていただきました。確かピンクの部屋だったような気がしたのですが」
「そうです。今も多分ほとんど当時のままです」
「一子が慕っていた方ともお会いしたと思ったのですが、娘のことで手一杯で、余り覚えておりませんわ」
「そうですか」
 話をしているうちに寮に着く。
「みんな、ただいま」
「おかえりなさいませませー、おね………」
一子ちゃんが真っ先に玄関に飛んでくる。が、言葉が途中で止まる。
「瑞穂ちゃん、お帰り。………その方は?」
まりやも玄関にやって来て、瑞穂に尋ねる。
「いちこ………?」
「おかあ……さん?」
二人の顔は驚きで固まっている。だが、それもすぐに満面の笑顔へと変わっていって………
「一子ぉーー!!」
「おかあさーん!!」
一子が母親の許に飛んで行き、そして二人でしっかりと抱き合う。家族は瑞穂同様触れ合うことができるらしい。瑞穂は二人を寮の食堂に案内する。そして、寮生を自分の部屋に連れて行き、二人だけで話が出来るように取り計らった。

229 :みどりん:2008/01/30(水) 23:56:14 ID:A2XMLZER0
「もう、瑞穂ちゃんったら水臭いんだから。一人で一子ちゃんのお母さんを連れてくるなんて」
まりやが涙ぐみながら、瑞穂に言う。
「うん、いるかどうか分からなかったからね」
「ぅう、ぅえっ、ぅえっ、ぅえっ、よかったのですよう。一子さん、お母さんに会えて本当によかったのですよう」
「本当に、本当によかったです。一子さんも嬉しそうでした」
奏も由佳里も涙を流しながら瑞穂に言う。本当の母親を知らない奏は、嬉しさがどれほどのものかよく分かるのだろう。
「それで、何で一子ちゃんのお母さんを呼んでこようと思ったか教えてくれる?」
まりやが瑞穂に聞く。
「うん」

………
……



 夕刻、一子の母親は何度も何度も瑞穂に頭を下げて、帰途についていった。
 その夜、一子は瑞穂と一緒に寝る。
「お姉さま、今日は本当にありがとうございました」
「うん、もっと早く気付いてあげればよかったんだけどね」
「そんなことありません。お母さんに会えて本当に嬉しかったです。今日ほど生きててよかったって思ったことはないです」
一子ちゃん、生きていないんだけどという突っ込みは言葉にしない瑞穂である。
 翌日、一子ちゃんの母親と父親が一緒に来た。そして、3人水入らずでずっと話し込んでいた。暫くして、両親ともまた瑞穂に何度も頭を下げて帰途についていった。
 その週、一子は瑞穂とダンスをしながら昇天していった。瑞穂は、今度は一子ちゃんは戻ってこないだろうと何となく思った。電話でそのことを一子ちゃんの母親に連絡する。母親は電話口で泣きながら何度も何度も感謝をしていた。
 次の休みの日、寮生全員で一子ちゃんのお墓参りをした。一子ちゃんのマシンガントークが聞こえてきたような気がした。

おしまい

230 :みどりん:2008/01/31(木) 00:05:11 ID:A2XMLZER0
本当は去年のうちに投稿したかったのですが、少し時期を逸してしまいました。
まあ、礼節をもって対応ください。
ではまた。

231 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 04:35:46 ID:Z7evCShv0
>>221
現在合間を見てですが、必死に製作中だそうですので、もう少し長い目で見てあげてください!
まあ、14話分の作品チョイスは早くしていただきたいですが。

みどりんさん、3匹の子豚の貴子さんバージョン、ありがとうございました!
彼岸GJです! 一子ちゃんの聖誕祭記念SSのつもりだったんでしょうか?

以前言った時代劇版の作成がなかなか進まないので、小ネタから入ることにしました。
よくある、家老と側室の不義密通のシーン集です。


232 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 04:41:28 ID:Z7evCShv0
〜悪家老の陰謀〜

【紫苑編】
 聖央藩江戸屋敷の一室、江戸家老と側室が密会していた。側室は、家老にぴたりと寄り添っている。
「紫苑の方様、殿ももうお年、お方様とこの鏑木采女(うねめ)の子が次期藩主になれば、聖央藩は私達のものですよ」
「まあ、そんなことをたくらむ悪いご家老様には、お仕置きしなければなりませんわね」
「お方様ったら。お仕置きと言っても、どうせいつものでしょう?」
「うふふ……望まない結婚を強要され、人生をあきらめておりましたが、あなたのような方と出会えて、本当に光栄ですわ」
 そして2人は、着物を脱いで布団の中に入っていった。
「あっあっ、紫苑さま、いい、とっても気持ちいいです……」
「う、采女さん、私も、あなたを見てると、いい、すごくいいです……」
 2人は、朝まで肌を重ねあっていた。


233 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 04:44:52 ID:Z7evCShv0
【貴子編】
 聖央藩江戸屋敷の一室、江戸家老と側室が密会していた。側室は、家老にぴたりと寄り添っている。
「お貴の方様、殿ももうお年、お方様とこの鏑木采女の子が次期藩主になれば、聖央藩は私達のものです」
「その力があれば、私の実家の厳島家の悪政に苦しめられている多くの民百姓を救えますわね」
「ええ、そのとおりです。それではその第一歩を祝して、もう一度契りを交わしましょう」
「う、采女さん……」
 側室は真っ赤になって失神寸前。
「おっと……ふふふ、お方様、相変わらずですね。最初の時なんか、2桁は失神してましたから」
「お、思い出させないでください……恥ずかしいですわ」
 そして2人は、着物を脱いで布団の中に入っていった。
「あああ、采女さん、もっと、もっと愛してください……!」
「ふふふ、貴子様、言われなくてもたっぷり愛してあげますよ……うわあ、来る、来るーっ……!」
「はあ、はあ、わ、私もっ……!」
 2人は、朝まで肌を重ねあっていた。


234 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 05:30:02 ID:Z7evCShv0
【奏編】
 聖央藩江戸屋敷の一室、江戸家老と側室が密会していた。側室は、家老にぴたりと寄り添っている。
「お奏の方様、殿ももうお年、お方様とこの鏑木采女の子が次期藩主になれば、聖央藩は私達のものです。そうしたら、苺の抜け荷(密貿易)も思いのままですよ」
「わあ……そうしたら、奏の大好きな苺が食べ放題になるのですよ……嬉しいのですよ」
「もう、奏様ったら、可愛いですね。いじめたくなっちゃいますよ」
「采女様、奏は采女様にいじめられたいのですよ……お願いしますのですよ」
「ふふふ、わかりましたよ」
 そして2人は、着物を脱いで布団の中に入っていった。
「あっあっ、采女様、気持ちいいのですよ……奏、どんどんえっちになっていくのですよ……」
「ふふふ、奏様、いいですよ、私の前でだけえっちでいてくれれば……あああ……いい……僕もそろそろ……」
「う、采女様……い、一緒にイきましょうなのですよ……」
「う……うん……じゃあ僕に合わせて……」
 2人は、朝まで肌を重ねあっていた。


235 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 05:38:30 ID:Z7evCShv0
【由佳里編】
 聖央藩江戸屋敷の一室、江戸家老と側室が密会していた。側室は、家老にぴたりと寄り添っている。
「お由佳の方様、殿ももうお年、お方様とこの鏑木采女の子が次期藩主になれば、聖央藩は私達のものですよ。
そうすれば、肉の抜け荷も思いのままです」
「じゃあ、もうすぐハンバーグが食べ放題になるんですね!」
「そうですよ」
「わあ……今から待ち遠しいよお……」
 側室は、夢見る瞳でボーッとする。
「お方様ったら……」
「采女さん、私、もう我慢できません! 早く始めましょう!」
「ついさっきしたばかりなのに……いいですよ、それじゃあ……」
 そして2人は、着物を脱いで布団の中に入っていった。
「あっあっあーん! 采女様、すごいよお……」
「由佳様に鍛えられましたからね。どんどん磨きがかかって……くうっ……うわあっ……!」
「う、采女様……もっと強くう……はあんっ……!」
 2人は、翌々日の朝まで肌を重ねあっていた。


236 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 05:44:18 ID:Z7evCShv0
【まりや編】
 聖央藩江戸屋敷の一室、江戸家老と側室が密会していた。側室は、家老にぴたりと寄り添っている。
「瑞穂の方様、殿ももう年だから、あんたとこの鞠谷紋五郎の子が次期藩主になれば、聖央藩は私達のもんですよ」
「な、なんで私が側室なの?」
「瑞穂ちゃん、こんなにパターンがあるんだから、1回ぐらい側室役でやんなきゃ、罰当たるわよ」
「はあ……わかったわ」
「お方様、そうすれば、南蛮衣装の抜け荷も思いのままでございますよ?」
「もう、そんなこと言って。私に着せるのが目的なんでしょ?」
「もちろん。瑞穂の方様のいろんな衣装を見たいですからね」
「鞠谷。その衣装を着たまま私を抱いてくれるなら、着てあげてもいいわよ?」
「ええ、もちろんですよ。じゃあ、早速やりましょ?」
「もう、鞠谷ったら……」
 そうして、2人は着物を脱いで布団の中に入っていった。
「あああんっ! み、瑞穂ちゃん、は、激しすぎ……」
「私は鞠谷に着せ替え人形にされてるんだから、これでストレス発散よ!
あっ、わ、私も、鞠谷と一緒に感じてきちゃう……ふぁあああ……!」
 2人は、朝まで肌を重ねあっていた。


237 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 06:30:42 ID:Z7evCShv0
【番外 圭&美智子編】
 聖央藩江戸屋敷の一室、江戸家老と側室が密会していた。側室は、家老にぴたりと寄り添っている。
「お美智の方様、殿も寿命……お方様とこの小鳥遊圭太夫の子が次期藩主……聖央藩は私達のもの……」
「そうですわね。それはそれとして圭さん、今日までに私たちの一派を増やす計画、約束の人数に1人足りないみたいですわね」
「それは……病気で体調を……」
「言い訳は無用ですわ。約束を破った以上、罰は受けてもらいますから」
 そして、圭太夫はお美智の方に押し倒されてしまった。
「あっあっあ……お、お方様……もう……限界です……」
「まだ私の不快感がぬぐえませんの。そこに赤まむしがありますから、それをお飲みなさいな。あと10回は中に出していただきますから」
「う、うわ! お方様、激しすぎます!」
 こうして、圭太夫はお美智の方に何度も身体をもてあそばれてしまう。
「今日はこれぐらいでよろしいかしら。圭さん、次からは失態の無いよう、よろしく頼みますわね?」
(……自分の欲望を満たすために、少しでも気に入らないところを色々粗探ししてるだけのクセに……)
「何かおっしゃいまして?」
「何も……言ってない」
「では、よろしくお願いしますわよ」
 お美智の方には、どうあがいても頭の上がらない圭太夫であった。

Fin


238 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/01/31(木) 06:39:07 ID:Z7evCShv0
以上です。連投規制きつすぎる。あー疲れた……。

にしても、時々悪家老に見えない気がしますが、まあ瑞穂くんですから。

ところで、各所のSSスレリンクからここに来ると、>>212以降が表示されないのですが、どうしてなんでしょうか?

……と、いろいろ書いてしまいましたが、私はこれにて。お目汚し失礼いたしました。

239 :名無しさん@ピンキー :2008/01/31(木) 06:48:49 ID:NC7Gqh1F0
スレが移転したから、みたいですよ。

240 :名無しさん@初回限定:2008/01/31(木) 17:36:12 ID:CJMc2e320
スレというより板が移転してる

1月28日移転
(pie → set)
http://set.bbspink.com/erog/ エロゲネタ

241 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:19:05 ID:cibs88hD0
>>238
何か、私が戦犯みたいだ……orz
冗談はさて置き、東の扉さん、みどりんさん、ご苦労様です(生徒会式)
私にはエロは書けそうに無いので、お二方が羨ましかったりします。

またネタを思いついてしまったので、投下したいと思います。
時代設定は、エトワールが終わった後、奏ちゃんがエルダーになった年の10月頃です。
ゆかりんは陸上部を引退せず、部長兼生徒会長という状態です。
設定がテーマとほとんど関係ないのは、気のせいじゃないと思います。


242 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:25:19 ID:cibs88hD0
学生寮櫻館、いつものメンバーでの夕食時。

「……と云う訳で、薫子ちゃんに生徒会劇の出演をお願いしたいのですが」
初音が薫子にお願いをする。
「いや、何が『と云う訳で』なのかわからないし、何であたしが?」
「いつもならエルダーのお姉さまにお願いするところなんだけど、今年はねえ……」
由佳里が薫子に説明をする。

毎年学院祭で上演される生徒会主催の演劇。
一昨年は、瑞穂&貴子が学院に伝説を残した『ロミオとジュリエット』。
昨年は、君枝&葉子の共演で大好評だった『かぐや姫』。
その流れから行けば、今年はエルダー周防院奏の出番なのだが……
奏は演劇部部長であるため、事実上生徒会の催し物に参加するのは不可能である。
生徒会企画は、生徒からの投書を元に毎年決定するのだが、
エルダー周防院奏絡みの企画は、最初から除外される運命にあった。


243 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:28:50 ID:cibs88hD0
「てな訳で、今年は我が寮の誉、七々原薫子君に投書が集まったのだよ」
「いや、だから何で『てな訳で』になるんですか?」
「まあ、薫子は奏ちゃんの妹な訳だし、何よりもあの『騎士(ナイト)の君』だからねえ……」
「ぐはっ、由佳里さん、その恥ずかしい二つ名はやめてくださいよぉ」
「薫子ちゃん、茉清さん、それに由佳里お姉さまの御三方で『三銃士』にしようかと思いまして」
「え?初音、あたしも一緒なの?」
「もちろんです由佳里お姉さま。奏お姉さまの分まで由佳里お姉さまには頑張っていただかないと。
 既に副会長がその辺りは手配されているはずです」
「い、いや、あたしは陸上部の仕事もあるから、今回は裏方に徹したいかなあって……」
「それなら大丈夫です。陸上部一同、全力を挙げて生徒会のバックアップをする、
 と云う事で全会一致しましたので」
「全会一致って、あたしが参加してないじゃない……」
「『今回の企画は初音に一任する』とおっしゃったのは、他でもない由佳里お姉さまですから、
 よろしくお願い致します。茉清さんには、明日出演交渉をしたいと思います」
「……由佳里さん、最近初音が由佳里さんに似てきた気がするんですが」
「……いや、初音が似てきたのはまりやお姉さまだと思う。
 まあいいわ、そんな訳だからよろしく『騎士の君』殿!」
「だからその二つ名はやめてくださいよぉ。大体『騎士の君』なんて名前は、
 あたしなんかより瑞穂さんの方がふさわしいじゃないですか……ってアレ?」


244 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:33:52 ID:cibs88hD0
『二つ名』

突然動きが止まった薫子を、初音が心配そうに見つめた。
「どうしました、薫子ちゃん?」
「あ、いや、瑞穂さんには二つ名が無かったのかな〜って、ふと疑問に思ったんだけど……」
「そう云えばそうね、まあ瑞穂お姉さまは、聖應に在籍された期間が極端に短かったから、
 二つ名が付く暇すら無かったんだと思うけどね」
由佳里は、自分が知る限りの二つ名持ちを思い出してみた。

『白菊の君』周防院奏
『琥珀の君』上岡由佳里
『セイレーンの君』魚住響姫
『かぐやの君』菅原君枝
『帝の君』門倉葉子
『茉莉花の君』御門まりや
『秋桜(コスモス)の君』桜井夏央
そして『騎士(ナイト)の君』七々原薫子

「こうして並べて見ると、あたしはさて置き、錚々たるメンバーよね」
「でもやっぱり、瑞穂さんにもあの人にふさわしい二つ名が付くべきだと思います!」
「薫子、随分瑞穂お姉さまの事を持ち上げるわね。まあ気持ちはわかるけどね」


245 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:36:28 ID:cibs88hD0
「お姉さまには素敵な二つ名があるのです!」
何故か今まで無言だった奏が、突然発言をした。
「ええっ?」
三人の視線が奏に集中する。

「ちょっと奏ちゃん、そんなの初耳よ。瑞穂お姉さまに二つ名なんて有ったっけ?
 『ロミオの君』じゃ何か締まらないし……」
「あたしも聞いたことがないわお姉さま。それで、何て二つ名なんですか?」
「お姉さまの二つ名は……」
「「「……二つ名は?」」」
奏を除く三人は、いつの間にか身を乗り出していた。


246 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:40:25 ID:cibs88hD0
「『お姉さま』です!」
奏は、拳を振り上げて、彼女らしからぬ強い口調で言い放った。
「……はい?」
「?」
「……はぁ?」
由佳里・初音・薫子は、奏が何を云ったのか理解できなかった。
「ですから、お姉さまの二つ名は『お姉さま』です!」
「……いや、奏ちゃん、あのね」
「二つ名と云うのは、その人の特徴を端的に現すものです。私は演劇部の活動が基で、
 『白菊の君』などと云う過分な称号を頂きました。その事は誇りに思ってます。
 そう云った点から考えれば、瑞穂お姉さまに付けるべき二つ名は『お姉さま』なのです。
 他のどのような単語も、あの方にはふさわしくないと私は考えます。」
由佳里は、いや、薫子と初音も、奏の勢いに圧倒されてしまった。
「確かに、瑞穂お姉さまを表現する言葉って難しいわね。あの方はもう、物凄い所が多すぎて、
 一つの言葉で表現するのは無理って気がするわ……」
「なるほど、だからこそ瑞穂さんは『お姉さま』だと。お姉さまの云いたい事はなんとなく理解できるわ」
由佳里と薫子の言葉を受けて、奏は満面の笑みを浮かべた。


247 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:45:56 ID:cibs88hD0
学院祭当日。
演劇部の公演は、昨年・一昨年同様、拍手喝采の中幕を閉じた。
エルダー兼演劇部部長である奏は、大多数の生徒にもみくちゃにされていたのだが……
「奏ちゃん!」
奏は、声の主が誰なのか瞬時に理解した。
「お姉さま!むぎゅっ……」
声の主……ではなく、その隣にいた紫苑があっという間に奏のことを抱きしめる。
いつの間にか、もみくちゃにしていた生徒達は一歩退いていた。
「ぷはぁ!お姉さま、紫苑お姉さま、貴子お姉さま、見に来て下さってありがとうございます」
「今年の劇も最高でしたよ、奏ちゃん」
「劇は最高、奏ちゃんの抱き心地も最高ですわ」
「薫子さんや由佳里さんにはかなりのプレッシャーですわね」

薫子は、あえて輪の中には加わらず、遠くから奏の様子を見つめていた。
「お姉さま……か」
不思議だった。瑞穂の事を『お姉さま』と呼ぶ奏、奏の頭を優しい顔で撫でる瑞穂。
二人の間には、何者をも(紫苑や貴子すら)寄せ付けない強固な絆が存在した。
それなのに、薫子の心には一片の嫉妬心も存在しなかった。
(あたしも、お姉さまとあれだけの絆を築けるだろうか?)
奏が「お姉さまの二つ名は『お姉さま』」と云った理由を、薫子は完全に理解した。
(あたしにとっても、お姉さまの二つ名は『お姉さま』なんだろうな……)

次は自分達の番なのだが、薫子の心は自分でも信じられない位落ち着いていた。
(『お姉さま』が見守っていてくれる、あたしに恐れるものは何も無い!)
「それでは参りましょう、三銃士殿!」
「承知した、ダルタニャン(薫子)殿」
アトス(茉清)、ポルトス(由佳里)、アラミス(初音。由佳里の復讐に合い、役を押し付けられた)、
三銃士が高らかに返答した。

『完』


248 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/01/31(木) 19:54:46 ID:cibs88hD0
(おまけ1)
「三銃士ねえ、ワンフォーオール・オールフォーワンって奴だっけ?
 それじゃあたしは、『俺はこれからお前達を殴る!』って役どころかな?」
「??」
由佳里と初音が首をかしげる。
「いや薫子さん、そんなイソップな事を云っても、誰もわからないから……」
「……わかってるじゃない茉清さん」

(おまけ2)
「由佳里お姉さま、薫子ちゃん、茉清さん、これで配役は完璧です」
「初音、あなたもしかして、ダルタニャンが三銃士の一人だって勘違いしてない?」
「え?違うんですか?」
「三銃士は、ダルタニャンと三銃士の友情を描いた作品よ。あと一人はどうするの?」
「え?えーっと?」
「はい決まり!初音も三銃士の一員ね!」
「えー、そんなー」


以上です。
薫子のセリフの「アレ?」と云うのは、ここから本編が始まります、と云う意味です(嘘)。
奏ちゃんが無言だったのは、デザートの苺ショートに没頭していたからです。
つっこみ所満載なので、今ビクビクしてます。
駄文失礼しました。

P.S.質問
一子ちゃん(幽霊モード)って、嗅覚は有るんでしたっけ?
香りモノの続きを書こうと思ったんですが、話が意外と暗い方向に行ってしまいそうなので、
闇に葬ろうかどうか検討中だったりします。


249 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/01(金) 02:41:54 ID:XW8aerhM0
>>247

面白かったです。これからもその調子でお願いしますね。
瑞穂くんの2つ名ですが、「聖母(マリア)の君」なんていかがでしょうか?
そういえば、紫苑さんと貴子さんの2つ名も不明ですね。

>一子ちゃん(幽霊モード)って、嗅覚は有るんでしたっけ?
ありますよ。やるきばこ掲載の「卒業旅行に行きましょう!」のルートの1つでも、お酒の匂いで酔っ払ってますから。

250 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/01(金) 11:25:26 ID:X8D4QcIa0
>>249
ありがとうございます。おとぼくをインストールしたHDD(160GB)が吹っ飛んで以来、ショックで再インストールできないままなのでorz
ちなみに、『聖母(マリア)の君』にすると、あの方が登場します。
「あたしはま・り・や・だーっ! むきーっ!!」(AA略
とりあえず今回のテーマは、「お姉さまには余計な二つ名など不要!(少年漫画風に)」って事なので。

昨日から熱を出して寝込んでるので、おまけの追加分を投下します(いや、寝てろよ……)

(おまけ3)
奏が苺ショートを頬張る姿を、薫子が見つめていた。
(『白菊の君』の白は、ショートケーキの白だね)
「薫子ちゃん、私の顔に何か付いてますか?」
「……あっ!ほっぺにクリームが付いてますよ」
薫子は人差し指でクリームを拭うと、そのまま口の中に放り込んだ。
「か、薫子ちゃん?!」
奏の顔が真っ赤に染まった。
「ふふっ、真っ赤になってるお姉さまは『苺の君』だね」

(おまけ4)
「無理!あたしに演劇なんて無理!由佳里さんも初音も、少し考えればわかるでしょう」
「あー、もちろん拒否権はあるわよ。無理強いなんてする訳無いじゃない。
 薫子が拒否すると、投書してくれた生徒と奏ちゃんが悲しむ『だけ』よ」
「何?その逃げ場の無い脅迫……」
「薫子ちゃん、覚悟をお決めになった方がよろしいですよ。あ、もちろん拒否権はありますよ」
「由佳里さんと初音は『琥珀の君』ならぬ『酷薄の君』だー!」


251 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/01(金) 11:29:24 ID:X8D4QcIa0
(おまけ5)
君枝と葉子の会話。
「そう云えば、葉子さんは『帝の君』って二つ名を徹底的に嫌がってましたけど、何故なのでしょう?」
「……『私は君枝さんの黒幕になる』って宣言していたのは事実だけど、
 『帝の君』って呼ばれると、あからさまに『黒幕』って呼ばれている気がしてしまって」
「?」
「『帝の君』→『みかどの君』→『御門の君』。私が御門まりや二世になってしまった様な気がして」
「……ああ、なるほど。云われてみればそうですね」

「ほほ〜、何やら面白い話をされているみたいですね、お二方?」
「ま、まりやさま?!」
何時の間にやら、背後にまりやと貴子が出現していた。
「詳しい話は署でゆっくり聞かせて貰おうかしら?」
まりやが葉子を引きずっていった。
「え、ちょっと、君枝!貴子さま!助けて下さい!」
「心配しないでいいわよ。あなたの事を、立派な『御門の君』になれる様に叩き直してあげるから」
「いや〜!」
「……まあ、自業自得ですわね。葉子さんのお気持ちは理解できますが」
「ふふっ、黒幕には黒幕なりの苦労が有ると云う事で……」
貴子と君枝は顔を見合わせると、お互い微妙な笑みをこぼした。


以上です。


252 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/01(金) 12:11:53 ID:XW8aerhM0
>>250

>お姉さまには余計な二つ名など不要!
でも、そう言われると余計考えたくなるものです。「女神の君」とか。
そういえば、奏ルートで、奏ちゃんに「無敵のお姉さま」とか言われてましたね。

>『帝の君』→『みかどの君』→『御門の君』
これ私も思いました(笑)確かに本物の黒幕っぽいですね!

それでは、お大事に。

管理人さんへ
重箱の隅をつつくようで申し訳ないですけど、作品リストに、「『ばんくーばー』氏の作品リスト」が追加されてないのと、
私の作品の「悪家老の陰謀」と、みどりんさんの作品の「3匹の子豚」の3つ目と「彼岸」が
作者別の方に登録されてませんので、次回更新時よろしくお願いします。

「鏑木采女」の正体は、言わずともわかっていると思いますので、あえて書かないでおきますね。


253 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:22:50 ID:SQXr6Dce0
私の妄想ダダ漏れのSSを投下します。


254 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:23:51 ID:SQXr6Dce0
『勉学の妨げになるモノ』

「あぁんのぉカタブツがあぁ!!」
昼休みの食堂。
同じテーブルを瑞穂、まりや、紫苑、奏が囲んでいる。
「異議申立申請で目にモノ見せてやるわっ!」
荒々しくまりやが吼える。

今朝のこと。
登校してきた瑞穂たちと出逢った貴子は、奏のリボンに目を留め、それが学院の風紀にそぐわないのではないかと云い出した。
それにまりやが反論したのが更に火をつけた。
結果、貴子を意固地にさせてしまい、会長権限での戒告を行なわせることになってしまったのだ。
このままでは奏はリボンを今後はつけて登校できず、従わなかった場合は教職員からの処罰が下されてしまう。
しかし、奏はこのリボンを外す事はできないと青い顔で首を振る。
まりやは異議申立書を提出して生徒総会で赤っ恥を掻かしてやると息巻いている。

はあ〜、と瑞穂は小さく溜め息をついた。
「どうしたのですか、瑞穂さん」
「いえ…勿論、異議申し立てをしなければならないのは分かっています。ただ、私としては貴子さんと争いたくはないのです」
貴子の弁も必ずしも間違っているとは思っていない瑞穂である。
「ハァ!?奏ちゃんが悪者にされているのよ!それを見過ごすの!?」
「ううん。何よりも奏ちゃんが大切よ。それは先ず大前提…」
そう云って奏を見る瑞穂。
「…お姉さま」
奏の不安そうな表情に、感激の面持ちが浮かんでくる。
そんな奏の顔に、瑞穂は優しい笑みを返す。
「でも…」
そう云って言葉を切った瑞穂の続きを紫苑がつないだ。
「貴子さんに悪いとお思いになってらしゃいますか?うふふ、瑞穂さんはお優しい」
「………」

255 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:25:11 ID:SQXr6Dce0
「確かに生徒総会に諮ることになれば、生徒達の意見は校則が緩い方に傾くのは自明の理ですわね」
「ああっ!なあに甘いこと云ってるのよ!他に方法はないでしょ」
「…ええ、そうね」
うっすらと苦渋の表情を浮かべる瑞穂を見つめる紫苑。
「そうですわね、手がない訳ではないありませんわね」
「!?」
「要は貴子さんが戒告を撤回すれば良いのです」
「それはそうですが、無理な話でしょう。そもそも撤回してくれるくらいならこんな事になってはいないのでは?」
「そうでしょうか?あれから4時間以上たってますし、興奮していた頭も少しは冷めたのでは?双方冷静になって少し話してみては
如何でしょう」
「……そうですね。駄目でもともと。貴子さんと話をしてみましょう」
「ああん、もう!あたしは無駄だと思うけどね。ま、試してみたいってんなら良いわよ。じゃ、さっさと行きましょう」
「えっ、今から?」
「そうよ。善は急げって云うでしょ」
まりやが瑞穂の腕を引っ張る。
「そうね。それじゃ」
瑞穂も腰を上げる。
「奏ちゃん、そのリボン貸してくれる?」
「えっ?ええ。良いのですよ」



生徒会室前。
今、君枝が戒告書を生徒会室脇の掲示板に貼り付けようとしている所だった。
「君枝さん」
呼びかけられて振り向くと、瑞穂とまりやがやってくる。
「お、お姉さま」
「その戒告書を貼るのはちょっと待ってちょうだい」
「え、しかしこれは会長の指示ですのでお姉さまと云えども…」

256 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:31:47 ID:SQXr6Dce0
「これからそれに関して貴子さんと話をするの。貼ってしまったら話し合いの余地が無くなってしまうから。
さあ、君枝さんも一緒に中に入ってちょうだい」
強引に君枝を押して、生徒会室の中に入り込んでしまう。
カチャ…
ドアをあけると正面奥の会長席に貴子がいた。
「あら、お姉さま」
「ごきげんよう、貴子さん」
スタスタと会長席の前までやってくる瑞穂。
「どうしたのですか、お姉さま。今朝の話の続きですか?なんだかお姉さまの雰囲気が違うような」
「ふふ。何が違うか分かりますか?」
そう云われて貴子は瑞穂の顔を見て考え込む。
端正な顔立ちはいつもと同じ。美しい立ち居振る舞いもいつもの通り。
「ん〜。そうですわ、髪ですわ。後ろに束ねていらっしゃるのですか」
いつもなら瑞穂を正面から見て、左右に広がる長い髪が今は後ろに纏まっている様だ。
「これです」
瑞穂がくるりと後ろを向いた。
長い髪が束ねられていてその上にピンクのリボンが載っている。
「どうでしょうか?」
「お姉さま、とても良くお似合いですわ」
「有難うございます。このリボンは今日、貴子さんに注意を受けた周防院 奏のリボンなんですよ」
「!!」
「貴子さん、もし私がこのリボンをつけて校舎内を歩いていたら注意しますか?」
「……いいえ」
「それはおかしいのではありませんか。私がつけて大丈夫なものが周防院 奏がつけると駄目だというのは」
「で、ですが…周防院さんは小柄ですし、そのリボンが目立ってしまうので…」
「だからーそれが貴子の主観だって云ってるのよ!」
「まりやさん!!」
「Aさんが良くてBさんがダメなんてえこ贔屓か差別でしょ」
「………」

257 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:36:38 ID:SQXr6Dce0
「例えばよ、貴子。髪型ひとつとってみても、人によって印象が違うでしょ。あの髪型はOKでこの髪型はダメなんて云ってられないでしょ」
「い、いくらなんでも髪型のことまで云ったりしませんわ」
生徒達にはロングヘアーの子もいればショートカットの子もいる。
この学院は髪型に関しては比較的自由にしている。
「私は奏さんのリボンが派手なのではないかと云っているのです」
「だ〜か〜ら〜、アンタも分からず屋ね。瑞穂ちゃんがリボンつけてもOKなのは何故よ?ぶっちゃけた話、派手なのがダメって
云うんなら瑞穂ちゃんが髪型を変えてもアンタ、戒告するの?」
「どういう意味ですか?」
「瑞穂ちゃんの髪型は無難なロングヘアーだけど、これをいじったらきっと凄い派手になるわよ。皆が授業中でも注目するわよ。
それを勉学の妨げになると貴子は戒告処分にするのかと云ってるのよ」
「また、大げさなことを。それはどんな髪型ですか。丸坊主にするという訳ではあるまいし」
「あんた、宮小路 瑞穂という超高品質素材を甘くみてるわね」
「ちょ、ちょっとまりや、何云い出すの」
瑞穂が嫌な予感を感じて、まりやの袖をひっぱる。
「論より証拠。見せてあげるわ。じゃ、瑞穂ちゃん、ここに座って」
まりやが折りたたみ椅子を引っ張ってきて置いた。
「ほらほら」
戸惑う瑞穂を強引に座らせた。
「さあて、どんな髪型にしようかしら。…そうだ」
まりやは君枝を見て頷くと、瑞穂の髪をいじりだした。
「分かりやすい髪形で教えてあげるわ、貴子」
そう云って長い髪を後ろに梳き上げつくるのは、三つ編みのおさげ。君枝のヘアースタイルである。



……

………


258 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:41:15 ID:SQXr6Dce0
終始、皆、無言。
三人ともただ黙って瑞穂を見つめていた。
やがて…
「こ、これは…」
「イケる!イケるわあぁ!これだけで御飯3杯イケるわ!」
「わ、私と同じ…髪型…」
テンションが上がる3人。
おでこ三つ編みの瑞穂の姿はマニアにとっては、まさにツボ。
格段、デコ趣味があるわけでもない貴子ですら身をよじらせている。
「どうよ、貴子!凄いでしょ!」
「ううう…た、確かに…。これは…三つ編み…。目が…離せませんわね…」
気品と知性を感じさせる広い額…。
「……あわわ…私と同じ…」
「ちょっと、3人とも何云ってるの?」
鏡が無いので瑞穂は自分の姿が分からない。
「見たいの?瑞穂ちゃん。はい、コレ」
まりやがコンパクトを出して、瑞穂に渡した。
コンパクトの鏡で自分の姿を見る瑞穂。
そこには羞恥で転げまわりたくなるような破壊力の瑞穂の姿が!
「うわわわぁ!!こ、コレがボクっ!?」
思わずボクと叫んでしまう瑞穂。
「さらにここから…」
まりやはまだ、瑞穂をいじろうとしたとき、
「違うでしょ、まりや!本来の話に戻して!」
瑞穂がまりやに云う。
「あ…そうだった。オホン。貴子さん、お分かりいただけたかしら。人によって印象が変わるという事が。
この瑞穂さんの髪型は周りの人の勉学の妨げにはならないのかしら?…って、おい、こら、貴子!?」
ぶるぶると震える手で、瑞穂のデコに手を伸ばしていた貴子が、ハッと我に返る。
「アッ、そ、そうですわね。た、確かにお姉さまのこの髪型が周りの集中を欠くであろう事は認めます」

259 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:46:58 ID:SQXr6Dce0
「それでは周防院 奏に対する戒告を撤回して頂けますか?」
期待を込めて尋ねる瑞穂。

しかし思わぬ方角から伏兵が!!

「いや、しかし一例を見ただけでは到底納得できないわよね、貴子さん」

・・・まりやだった。

「まりや…何故に?!」
全く不条理なまりやの言。
この場にいる全員の頭から?マークが浮かんでいる。
「ここは更に別の例も見せなければ貴子さんも納得しないんじゃないかしら」
そう云いながら片手で携帯を使って瑞穂を激写しているまりや。
「ちょっと、何云ってるのさ」
思わず言葉も素に戻る瑞穂。
「そうですわね。私もこれで納得した訳ではありませんわ」
「わっ、貴子さんまで」
「もしかするとこの一例だけが特別かもしれませんし。もっと他の例も見てみた…検証の必要があるかも知れませんわね」
「何云ってるんですか。そもそも良く考えれば、リボンと私の髪型の話では筋が違っているのではないですか!」
「違ってねー!必要なのは貴子を納得させることよ。そうよね、貴子?」
もう完全にまりやの云わんとしているところを理解したのか、コクコクと貴子が頷く。
「うううっ…」
「お姉さま…同じ…私と…」
君枝は先ほどから何やらぶつぶつと呟いている。
予鈴がなり、昼休みの時間が無くなった。
「ではこの続きは放課後ということで。それまでは戒告書のほうは」
まりやの言葉に貴子が頷く。
「ええ。この話し合いが終了するまで保留ということにします」

260 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 20:52:18 ID:SQXr6Dce0
「グーッド!じゃ、行くわよ、瑞穂ちゃん」
まりやは青い顔で口をパクパクさせている瑞穂の腕を掴むと引き摺るようにして生徒会室から出て行った。
まりや達が生徒会室から出た瞬間、廊下では瑞穂を見た生徒達の悲鳴とも喚声ともつかない声が上がった。



「いや。離して。まりや、紫苑さん」
放課後、まりやと紫苑に両脇を抱えられて嫌がる瑞穂が生徒会室に連行…話し合いの続きにやってきた。
瑞穂は頭からフード付コートを被っている。
生徒会室には貴子の他、君枝、葉子、可奈子がいた。
なぜか君枝はデジカメを手に持っている。
「そのフードは何ですの?」
貴子の質問にまりやが、にははと笑う。
「いや〜、この頭のままで廊下を歩いてきたら大騒ぎになるから隠してきたの」
「えっ!それほどの!?」
「ええ、それほどのよ。教室で紫苑さまと二人で作業してたら紫苑さまが途中で堪らず抱きついちゃった位だから」
「とても我慢できませんでしたの」
にこやかに云う紫苑。
「恥ずかしい。お願い。もう勘弁して頂戴」
情けなさと恥ずかしさで許しを請う瑞穂。当然、瑞穂のそんな願いは全員にスルーされる。
「さて、では拝見しましょうか」
「と、その前に形式は大事だから。…こほん。貴子さん、戒告が貴女の主観に基づいたものであるという懸念を
示すものである証拠としてお姉さまの髪型によるイメージの変化を見ていただきます」
「…あ、ああ。そう云う話でしたわね。…おほん。宜しいでしょう。是非、見せていただきたいですわね。まりやさん。
私が納得できれば戒告は撤回しましょう」
「えっ、今、形式って云ったよね?まりや、形式って…」
「ウルサイわよ、瑞穂ちゃん。では注目〜。それっ」
掛け声とともにコートを剥ぎ取る。

261 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 21:00:49 ID:SQXr6Dce0

「「「「・・・・・・・・・」」」」

声も無く呆然と瑞穂を見詰める生徒会4人組。

髪を結い上げたアップスタイル。
(参考例 ttp://www.rasysa.com/pkg/style/model/sex/female/d.phtml?st=22430&page=6)
大人の女性の雰囲気を漂わせて、露になった瑞穂の首周り。
凄まじい色気。妖艶と云って良い。

「イケるっ!いや、むしろ逝けるわあぁぁ」
絶叫してゴロゴロと転げまわるまりや。
潤んだ瞳でうっとりと眺める紫苑。
震える手でカシャカシャと撮影を始める君枝。
口をあけてぼけ〜っと呆けて見ている可奈子。
「うなじ…うなじが…」
ぶつぶつと呟く葉子。

262 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 21:03:50 ID:SQXr6Dce0
「どうよ、貴子。どうよっ!!おうおうっ!って貴子!よだれ、よだれっ!鼻血も出てるわよっ!紫苑さまっ!抱きつき禁止!
吸い付き禁止!見るだけ、見るだけ!ホラホラ、あんたたちももっと、瑞穂ちゃんから離れて離れて!踊り子に手を触れないでっ!」
まりやが手際よく、ちゃっちゃと場を仕切る。
目を血走らせた女の子が6人で、瑞穂の周りをぐるりと取り囲んでいる異様な風景。
「うううっ、怖いよぅ」
「ふひひひ、どうかしら瑞穂ちゃん。6人の乙女に視姦されている気分は?」
「乙女はそんな言葉を口にしないわよ!」
貴子は先ほどから鼻血が止まらない。
「た、たた貴子さん大丈夫ですか!?そ、そのままでは死んじゃいますよ」
「・・・・・・だ、大丈夫ですわ。慣れていますから」
「そうですか…。それで貴子さん。周防院 奏に対する戒告を撤回して頂けますか?」
「ええ。お陰でとても素晴しいものも拝見できましたし…」
「よ、良かった。私も恥ずかしい思いをした甲斐がありました」

しかし思わぬ方角から伏兵が!!

263 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 21:08:08 ID:SQXr6Dce0

「少々宜しいでしょうか?」

・・・紫苑がおもむろに口を開く。

「紫苑さん!?」
「私が思いますのに瑞穂さんの髪型と周防院 奏さんのリボンはちょっと違うと思うのです。今回の瑞穂さんの髪型だけでもって
判断、戒告の撤回というのは筋違いではありませんか?」
そう云っている間も紫苑は、視姦バリバリの視線を瑞穂の首筋から離さない。
「ちょっとちょっと、何を云っているんですか!?紫苑さん」
全く不条理な紫苑の言。
この場にいる全員の頭から?マークが浮かんでいる。
「髪型は身体の一部。リボンは服飾品。そこで私は提案します。瑞穂さんに服装を変えていただくことで、判断すべきではないでしょうか?」
それを聞いてまりやがにやりとした。
「なるほど。紫苑さまの云わんとされていることは理解できました。それで具体的には?」
「ツインテール、ミニスカート」
ざわざわ・・・・・・
他の5人が一斉にざわつき始める。瑞穂はブクブクと口から泡を吹いている。

264 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 21:13:13 ID:SQXr6Dce0
「さすがは紫苑さま」
「確かに…紫苑さまのおっしゃることにも一理ありますわね」
「お姉さまのミニスカート見てみた〜い」
「こら。興味本位の意見を云わないの。私たちは意見を云う立場に無いのだから会長の指示に従うだけ」
「そ、そうですね」
涙目の瑞穂がただ一人反対する。

「異議あり!」

「「「「「却下!!」」」」」」

瞬時に全員一致で否決される。

265 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 21:16:32 ID:SQXr6Dce0
「それでは紫苑さまの提案どおり、お姉さまには明日、もう一度『参考例』を示していただきましょう。その…
ツツツ、ツ、ツインテールとミ、ミニスカートで」
「なんで!?どうして!?もはや関係ないじゃないの!」
「「「「「異議なし!!」」」」」
瑞穂の抗議は完全にスルーされて可決した。
「にはは。明日が楽しみね〜。それじゃ行きましょうか」
「嫌ー!絶対に嫌ぁぁ!」
「それではまた明日」
喚く瑞穂の両腕を左右からまりやと紫苑ががっちりと掴むと、ズルズルと引き摺って生徒会室から出て行った。
まりや達が生徒会室から出た瞬間、廊下では待ち構えていた生徒達の悲鳴とも喚声ともつかない声が上がった。



翌日の朝、恵泉女学院でかつて聞いたことの無いような悲鳴や喚声が響き渡った。

鼻血出血による貧血者数 35人
失神者数 89人
心身虚脱状態になった生徒の数 200人以上

周防院 奏のリボンに対する戒告は撤回され、かわりに瑞穂の髪型に対してシスターよりの指導と瑞穂の心に深いトラウマが残った。
「怖い…怖いよ。皆の目が怖いよぅ…」

今後、宮小路 瑞穂のツインテール禁止の旨が生徒会室横の掲示板に張り出され、その時撮影された
幻のツインテール写真は裏オークションでとてつもない高値がついたらしい。

Fin

266 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/01(金) 21:20:33 ID:SQXr6Dce0
お粗末さまでした。
キーワードは視姦です。
おとボクコミックのツインテールを見て妄想しました。

267 :名無しさん@初回限定:2008/02/01(金) 23:44:07 ID:6AyY2DilO
面白かった。
グッジョブ!


268 :名無しさん@初回限定:2008/02/02(土) 00:28:49 ID:nYuD2QLW0
おつかれさま
ワロタ!!ワロタ!!



269 :名無しさん@初回限定:2008/02/03(日) 11:37:09 ID:mXqZviIHO
GJ!
毎度のことながら笑わせてもらいました

270 :みどりん:2008/02/04(月) 22:39:23 ID:dHjZBjI30
トゥーランドット

 トゥーランドット:知らない人用にオリジナルのあらすじ(プッチーニ版)。

 昔、中国にトゥーランドットというたいそう美しい姫がいた。姫と結婚するためには3つの謎を解かなくてはならない。が、未だかつてその謎を全て解いたものはいない。解けないものは首を切られてしまう。
 今日もペルシャの王子が処刑された。そこに亡国ダッタンの王子カラフがやってきて3つの謎を全て解いて、結婚するという話。
 ところで中国にトゥーランドットという名前があるのでしょうか?それに、そんな制約を付けたら、自分が年増になってしまうと思うのですが………。

 まあ、前置きはそのくらいにして本編です。

 セイオウ国に貴子という大変美しい姫がいました。ですが、この姫、たいそう我侭で、結婚相手は3つの謎を解かないとならないと言っておりました。
 さて、近隣のカイセイ国には瑞穂という王子がいました。瑞穂王子は貴子姫の噂を聞きつけ、結婚を申し込むためセイオウ国に乗り込みました。
「そなたが私に結婚を申し込もうというのですね」
貴子姫は言います。
「はい、貴子姫。あなたのようなお美しい人と是非結婚したいと思います」
瑞穂王子は答えます。
「よろしい。それではこれから3つの謎を出すので、それに全て答えなさい。それが出来ればそなたとの結婚に応じましょう。その代わり、答えられなかった場合はそなたは打ち首となる。よいですね?」
「ええ、構いません」
「よろしい。まりや、まりや!」
貴子姫は、そう言って宰相まりやを呼びます。
「この者が私との結婚を望んでおります。早速3つの謎を示しなさい」
「かしこまりました、貴子姫」
宰相まりやは返答し、そして瑞穂王子に向かって謎を示します。
「それでは、第1の謎です」
いよいよ瑞穂王子試練の時です。辺りに緊張が走ります。

271 :みどりん:2008/02/04(月) 22:40:38 ID:dHjZBjI30
「貴子姫が今穿いているパンツは何色でしょう?」
「えーーーーーーー?!」
余りにくだらないというか変わった問いだったので、瑞穂王子は呆れてしまいました。一方、貴子姫も質問を聞いて驚きます。
「ままままままりやさん、何なのですか、その質問は。そんな破廉恥でおかしな質問は認められません!」
「でも、貴子。セイオウ国に伝わる文書にはそう書いてあるけど………」
いつの間にかため口になっている宰相まりやは答えます。
「そそそそれでは仕方ありませんわね」
貴子姫はあきらめます。
「それでは、瑞穂王子。ご回答を!」
「えーー、貴子さんのパンツの色?」
瑞穂王子は真っ赤になって、貴子姫のパンツの辺りを凝視します。貴子姫もパンツを見られているような気がして真っ赤です。質問はくだらないですが、答えるのは案外難しいです。
「………くろ………かな?」
瑞穂王子の答えを聞いて、宰相まりやが皆に聞こえるよう、大きな声で繰り返します。広場には瑞穂王子の結果を見ようと国民が大勢集まってきています。
「瑞穂王子の答えは、貴子姫のパンツは黒!」
そんなことを皆の前で大声で言われたら恥ずかしくて仕方ないでしょう。
「それでは、貴子姫、判定を!」
「…………ヮ」
もう、貴子姫、恥ずかしすぎて声が出ません。宰相まりや、聞きなおします。
「貴子姫、よく聞き取れませんが」
「……正解ですわ」
貴子姫、本当に真っ赤です。そんな貴子姫に宰相まりやが更に追い討ちをかけます。
「貴子姫、ここは正確を期す必要があります。本当に正解かどうか、その場でスカートを捲って皆に姫のパンツをお示しください」
「どうしてそんなことをしなくてはならないのですか!やってられませんわ!!」
貴子姫、恥ずかしがりながらも激怒しています。まあ、当然でしょう。
「ですが、姫。姫の結婚相手といえば国の将来を決める重大事。私ども家来も国民も、その結果を確認する義務がございます」
宰相まりや、全く貴子姫の反論を気にすることもなく、このように答えます。
「し、仕方ないですわね………」
貴子姫はしぶしぶスカートを捲っていきます。全校生徒が……間違いました、全国民が貴子を凝視しています。

272 :みどりん:2008/02/04(月) 22:41:22 ID:dHjZBjI30
「貴子姫、もう少し上まで上げてください」
宰相まりやがいいます。貴子姫、ゆでだこより真っ赤です。見ている瑞穂王子も真っ赤です。
 宰相まりやは貴子姫の前に立っていいます。
「これは困りましたね。黒くは見えますが、黒いパンストを穿いているので、色がよくわかりません。パンストの所為で黒く見えているだけかもしれません。瑞穂王子、申し訳ないですが貴子姫のパンストを脱がせていただけますか?」
「えーーーー〜〜〜?僕がぁ?」
瑞穂王子、驚きます。でももっと驚いているのは貴子姫です。
「どどどどどうして、そんなことをしなくてはならないのですか!見れば分かるではないですか!」
そんな貴子姫の文句に、宰相まりやは説教で答えます。
「貴子姫、先ほども申し上げたように国家の重大事なのです。もっと、そのことに自覚を持って正確に判定することに協力ください!では、瑞穂王子、どうぞ」
「う、うん……」
貴子姫、こう言われてしまうともう文句を言うことができません。瑞穂王子は貴子姫の前に跪(ひざまず)き、パンストをゆっくり下ろしていきます。パンツも一緒に脱げないように気をつけます。その間、貴子姫はスカートを上げ続けています。
「まりや、こんな感じでいい?」
瑞穂王子はパンストを膝まで下ろしました。
「いいわよ、瑞穂ちゃん、じゃなかった瑞穂王子。貴子姫、確かにパンツは黒で間違いございません。第1の謎は正解です!」
宰相まりやが高らかに宣言します。でもそれを聞いて緊張が解けたのか、貴子姫は………
「キュ〜〜〜」
鼻血を出してひっくり返ってしまいました。
「わぁ〜〜、貴子さん………」
瑞穂王子は貴子姫が倒れる前に、抱きかかえました。
「大丈夫ですか?貴子さん」
「は、恥ずかしすぎますわ………」
貴子姫、蚊が鳴くような声で言います。
「これも僕たちが結婚するための試練です。耐えてください」
「はい………」
これでは一体だれが試練を受けているか分からないですね。

273 :みどりん:2008/02/04(月) 22:45:17 ID:dHjZBjI30
「それでは、第2の謎です」
宰相まりやが言います。また、ろくでもない謎でしょう。
「昨日、貴子姫はお風呂で体のどこから洗い始めたでしょうか?」
「えーーーーーーー?!」
またまた瑞穂王子は驚きます。またまた貴子姫にとって恥ずかしい謎です。貴子姫、さっき倒れてからもう力なく瑞穂王子に抱かれていて、怒る気力もありません。
「貴子さんのお風呂………」
 瑞穂王子、貴子姫の入浴シーンを想像して、貴子姫を見ます。瑞穂王子に抱かれている貴子姫は、瑞穂王子と目が合います。貴子姫、瑞穂王子が自分の入浴シーンを妄想していると思うと、恥ずかしくて仕方ありません。
「………あまりHな想像をなさらないで………」
瑞穂王子、唾をごくっと飲み込みます。二人ともまたまた真っ赤な顔です。
「体のどこを最初に洗ったかですよね………」
瑞穂王子はそういって、貴子姫の顔を見つめます。貴子姫、昨日の入浴シーンを思い出します。
(どこでしたかしら?………え〜と………!!)
貴子姫、どこから洗い始めたか思い出したようです。そして、真っ赤な顔が更に赤くなってきてしまいました。顔から湯気が出ているようです。それを見て、瑞穂王子は何となく分かってしまいました。
「女の子の大事なところ………かな?」
瑞穂王子の答えを聞いて、宰相まりやが皆に聞こえるよう、大きな声で繰り返します。
「瑞穂王子の答えは、貴子姫が昨日お風呂で最初に洗ったところは女の子の大事なところ!」
本当に言われると恥ずかしすぎますね。貴子姫、とうとう顔が燃焼を始めてしまいました。でも、宰相まりや、正確を期してさらに瑞穂王子に要求します。
「瑞穂王子、女の子の大事なところでは曖昧です。具体的な名前でお答えください」
「えーーーーーーー?!具体的な名前で言うの〜?」
「そうよ、瑞穂ちゃん。じゃなかった、瑞穂王子。具体的な名前でいえなければあなたは打ち首となります」
「だって〜〜」
瑞穂王子、躊躇しています。それはそうでしょう。
「早く答えないと答えられないとみなします。さあ、早くお答えください!」
宰相まりやが催促します。瑞穂王子、仕方なく答えます。

274 :みどりん:2008/02/04(月) 22:46:07 ID:dHjZBjI30
「・・・ぉ」
「瑞穂王子、よく聞こえません。もう少し大きな声でお願いします」
「お○ん○!!」
もう、瑞穂王子、自棄(やけ)です。その答えを聞いて、宰相まりや、例によって大声で繰り返します。
「瑞穂王子の答えは、貴子姫が昨日お風呂で最初に洗ったところは○ま○こ!」
貴子姫、宰相まりやがそういうのを聞いて恥ずかしすぎて爆発し、とうとう気を失ってしまいました。
「それでは、貴子姫、判定を!って、貴子、気を失っていて答えられなそうだから、正解はビデオで見てみましょう」
「えーーーー?まりや、貴子さんの入浴をビデオで撮ったの?」
「そうよ、瑞穂ちゃん」
「い、いけないことだと思うんだけど」
「正確な判定のためよ。仕方なかったの」
まりやはあっさり答えます。
「本当かなぁ」
「でも、瑞穂ちゃんだって見たいんでしょ?」
「う、うん……まあ」
瑞穂王子はそういって抱いている貴子姫を見ます。まだ気を失っています。見ても大丈夫そうです。
「じゃ、上映するわね」
瑞穂とまりやはテレビで貴子の入浴シーンを見始めました。

275 :みどりん:2008/02/04(月) 22:47:10 ID:dHjZBjI30
 ところが、生徒から……間違いました、国民から不満の声があがりました。
「まりやさん!」
「なんでしょうか、君枝さん」
貴子姫親衛隊隊長の君枝さんの発言です。
「私たち国民も入浴シーンをみてみた………いえ、確認する義務があると思います。お二人だけで確認するのは不正があっても私たちに確認する術がございません!是非全国民が見られるよう大画面での上映を希望します」
他の国民もその通りと頷いています。もっともな指摘ですので、宰相まりやはその要求に応えることにしました。
「そうね。それじゃあ大スクリーンで上映しましょう」
それから、大スクリーンが準備され、貴子の入浴シーンが上映されました。
 扉が開いて、お風呂に貴子さんが入ってきます。どことなく恥じらいが感じられます。脚も手もきゅっと絞っているからでしょうか。
 大画面一杯に貴子姫が映っています。正確な判定をするため、ぼかしもモザイクもなしです。真っ白い肌です。下は手で隠していて、よく見えません。胸は腕で隠そうとしているのですが、隠しきれず、かなりよく見えます。
 そして浴槽の傍まで歩いていき、片膝をついて手桶をとり、湯船の湯を汲み取ります。その湯を………女の子の大事なところにかけて洗い始めました。
 国民の間でキャ〜キャ〜声が聞こえます。昂奮しすぎて失神している国民もいるようです。
「貴子姫、確かにオ○○○から洗い始めました。第2の謎も正解です!」
宰相まりやが高らかに宣言します。貴子姫、気を失っていて本当によかったです。これで意識がはっきりしていたら、もう恥ずかしすぎて生きてはいけないことでしょう。

276 :みどりん:2008/02/04(月) 22:48:26 ID:dHjZBjI30
「それでは、第3の謎です。って、貴子、気を失っているからサービス問題ね」
宰相まりやが言います。
「頭が固くて融通が利かなくて世間とずれているところがあるけれど、でもセイオウ国を誰よりも大事に考えているちょっと可愛くて憎めない姫は誰?」
「それは、貴子姫です」
瑞穂王子、即答します。
「瑞穂王子の答えは、貴子姫!………正解です。瑞穂王子、3つの謎全て正解いたしました!これで、貴子姫の結婚相手は瑞穂王子と決まりました!!」
宰相まりやが高らかに宣言します。国民から喝采の声があがります。
 小声で瑞穂王子が宰相まりやに聞きます。
「ね、ねえ、まりや。意識がはっきりしていたらどんな謎を出すつもりだったの?」
「うん、『貴子姫の体にあるほくろの個数は?』だったんだけど、この答えは瑞穂ちゃん、自分で調べておいて」
こんな謎を国民の前で確認させられたら、本当に貴子姫、恥ずかしさで死んでしまうところでした。本当に、本当に気を失っていてよかったです。
「ねえ、それって本当にセイオウ国に伝わる謎なの?」
「う〜ん、まあそうだといえばそうね。正確には
   第1の謎……持ち物の謎
   第2の謎……行動の謎
   第3の謎……体の謎、または姫自身が答えとなる謎
 なのよ。どう?違ってはいないでしょ?」
「ま、まあ、そうだね………アハハ」
宰相まりやの貴子姫に対する心構えがよく分かったような気がした瑞穂王子でした。
「それじゃあ、寝室はこっちだから。あとはがんばって、お世継ぎをい〜っぱい作ってね♪」
宰相まりや、瑞穂王子に寝室を案内します。
「うん」

277 :みどりん:2008/02/04(月) 22:49:46 ID:dHjZBjI30
「う、う〜〜ん」
暫くして貴子姫はベッドの上で目を覚ましました。
「あ、貴子さん、気が付きましたね」
隣で横たわっている瑞穂王子は貴子姫に声をかけます。
「ここは?」
「貴子さんの……というより、僕らの寝室ですよ」
「え?ということは………」
「そうです。3つとも謎を解いたので、僕らは目出度く結婚です」
「そ、そうですか。仕方ありませんわね、あなたを夫として迎えることにいたしますわ」
「フフ、貴子さん、ベッドで裸でそんなこといっても迫力がないですよ」
「えっ?あっ!い、いつの間に………」
貴子姫、言われて初めて自分が裸であることに気が付きました。またまた顔があかくなってきました。
「だぁ〜って、あんなに長い間寝ていたらいくらでも服を脱がせる時間がありますもの」
「だ、だからって、いきなりこんな……」
貴子姫、またまた蚊の鳴くような小さな声になってしまいました。
「貴子さんが眠っている間、ず〜っとお預けだったんですよ。もう待てません。覚悟してくださいね」
瑞穂王子、そういうと貴子姫の体中にキスの嵐を加え始めました。

278 :みどりん:2008/02/04(月) 23:03:18 ID:dHjZBjI30
「あ、いや、あ、あ、あぁぁ〜〜」
「まりやは貴子さんの意識がしっかりしていたら、第3の謎は体にあるほくろの数にしたかったんですって」
「そ、そんなこと、国民の前で調べられたら、恥ずかしくて死んでしまいます………」
「でしょ?だから、今、僕が二人だけで調べているのですよ。まりやがあとで調べておいてねっていうから……」
「そ、そんな……あぁぁ……だからって、体中にキスしなくてもよいではないですか」
「だって、どこを調べたか分からなくなってしまいますもの」
「ぅあぁぁ〜〜……き、気持ちよすぎます………部屋を暗くしてください…いってしまいそうです……」
「暗いとほくろを数えられませんもの」
「あん……ふあぁ……そんな……ひどい……」
「貴子さんのいくときの顔をよく見せてくださいね……」
「ぅぅ……ぁぁ……アアアアアァァァァーーーーーーッッ!!」
貴子姫、キスの嵐だけでいってしまったようです。
「貴子さん、まだ休む時間ではありませんよ」
その後の瑞穂王子の絶倫ぶりについては記載を割愛します。

 それから二人は国民の前で盛大な結婚式を執り行い、末永く幸せに暮らしたということです。

おしまい

279 :みどりん:2008/02/04(月) 23:04:59 ID:dHjZBjI30
すみません、根がバカなのでバカな話がほとんどです。
楽しんでいただければよいのですが。
ではまた。

280 :名無しさん@初回限定:2008/02/06(水) 08:33:03 ID:piHRJGihO
GJ!!
みどりんさん絶好調ですねw
次も期待してます!

281 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/06(水) 19:39:51 ID:JUgCKaLR0
今書いている話が、想定より長くなってしまい(現在15kb位)、行き詰ってしまったので、
気分転換に書いた話を投下したいと思います。
『エルダーの香り』の外伝です。
本編は特にルート指定が無かったですが、今回は貴子ルートに入るか否か(学院祭直後位)を想定してます。


282 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/06(水) 19:43:59 ID:JUgCKaLR0
『生徒会長の香り』(エルダーの香り外伝)

昼休み、瑞穂は廊下で貴子と遭遇した。
「貴子さん、ごきげんよう」
「ご、ごきげんようお姉さま」
貴子はそのまま瑞穂の横を通り過ぎようとしたのだが……
「あれ?貴子さん、リボンが解けかかってますよ」
そう指摘された貴子が慌てる。
「ほ、本当ですかお姉さま?……わたくしとした事が……」
貴子はリボンを直すため、洗面所に向おうとしたが……
「貴子さん、そのままで!」
瑞穂が貴子の後ろに回りこんだ。
「お、お姉さま?!」(気絶値45%)
「そのままじっとしていて下さい。私が直しますから」
そう云って、貴子のリボンを直し始めたのだが……
「……ん?……貴子さんの髪、良い香りがしますね」
「え?(気絶値70%)
 お、おお、お姉さま?わたくしを莫迦にしてらっしゃるのですか?!
 わたくし今日は、お姉さまと同じシャンプーを使用しております。香りなど一緒なはずでしょう?」
「貴子さんもあのシャンプーを使われているのですね。貴子さんと一緒で嬉しいですわ」
「なっ?!」(気絶値82%)
瑞穂が更に、貴子の髪を嗅ぐ。
「……でもシャンプーだけでは、ここまでの香りは出ません。
 恐らくこれは、貴子さんご自身の香りなのでしょうね。やはり貴子さんは素敵な方です」
「……(気絶値99.89%)
 お、お姉さま、リボンはまだでしょうか?」
何とか体勢を立て直し、瑞穂を急かせる。
瑞穂は何時の間にやら、貴子の髪に夢中になっていた。
「あ、ああ、ごめんなさい貴子さん。……よし!これで大丈夫ですよ」
瑞穂が結んだリボンは、貴子の頭で綺麗に整っていた。
「あ、ありがとうございます。お姉さまリボンを結ぶのがお上手なのですね」
照れかくしのためか、貴子が早口でまくし立てる。

283 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/06(水) 19:47:59 ID:JUgCKaLR0
「ええ、奏ちゃんのリボンで慣れてますから……」
「……(ブチッ!)」(怒りゲージMAX!)
「直していただいてありがとうございました。授業がありますので失礼致します!」
肩を怒らせながら貴子が去って行った。
「……私、貴子さんを怒らせるような事したかな?……って、ああっ!」
(僕は今、何をやっていた?!)
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;;;;;;;;;;;;;;;  /"////////il | | | i! ゙ヾヽ、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;   ' '/ト{ ! !! !i、!l-ヽヽ | | '  ,ノ /ノ ;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;  (~ト( ゙ ゙ ゙ ゙ ゙ ゙ ゙ `⌒ヽ入,__    ;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;  /`ノ/`ー-、(`ハ, -‐´))_イ〉ノ‐^`   ;;;;;;;;;;;;;;;;
;;.;.;.;.;.;;...`='-'   /`ノ/-一'´`ー'     ..;.;.;.;.;.;.;.;.;
;;.;.;.;.;.;.;.;;.;......   `='-'         ......;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
――女性の髪をクンクンハァハァして喜ぶ、変態女装男(エルダー)――
「貴子さん怒って当然だよ。はぁ……orz」
鈍感キン……もとい、鈍感クィーン宮小路瑞穂ここに在り、である。

『完』

「あら?あそこでうなだれているのは瑞穂さんでは?」
「……瑞穂さんの髪を嗅ぎに行くチャンス……」
「け・い・さ・ん!」
美智子さんの『超必殺技ゲージ』がMAXになる前に、自重したほうが良いです圭さん……

284 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/06(水) 19:51:43 ID:JUgCKaLR0
以上です。
瑞穂ちゃんにハァハァする圭さん、ってシチュエーションが地味にお気に入りな私は異常です。
格ゲーをやってない方でも大丈夫な様に書いたつもりですが、意味不明だったらごめんなさい。
駄文失礼致しました。


285 :みどりん:2008/02/09(土) 22:20:47 ID:gzI8dLsG0
ばんくーばーさん
とても面白いです。次回作を期待しております。

286 :みどりん:2008/02/09(土) 22:22:38 ID:gzI8dLsG0
卒業旅行の貴子ちゃん

 卒業旅行に行った面子は酒を飲んで風呂に入り、その結果として貴子はひっくり返ってしまいました。気を失った貴子を瑞穂が一人更衣室で介抱しています。
 貴子の意識が戻ったので、部屋に戻ろうというところです。

 と、この辺までは原作に記載があるので詳細は割愛します。その後の情景です。

「貴子さん、浴衣を着て戻りませんか?その姿では戻れませんから………」
瑞穂が言います。貴子は今バスタオルを巻いているだけです。瑞穂のいうとおりですから貴子は起き上がって着替えを始めようとします。
「そ、そうですわね。浴衣を着ないと………」
といって、立ち上がります。が、まだ酒が抜けていないのかふらふらします。
「貴子さん、危ない!」
倒れそうになった貴子を瑞穂は抱きとめます。
「あ、ありがとうございます………」
と、その拍子に貴子を覆っていたバスタオルがはらりと落ちてしまいました。温泉では裸の貴子に抱きつかれるし、温泉からここまで裸の貴子を運んできたし、濡れた体を隅から隅まで拭いてあげたし、二人きりでほとんど裸の貴子に膝枕をされていたし………
その間瑞穂はずっと自分の欲望を抑えてきました。でも、もう限界です。
「貴子さん………」
瑞穂はそういうと裸の貴子をしっかりと抱きしめます。
「瑞穂さん?」
貴子は、そういって怪訝そうに瑞穂の顔を見上げます。その貴子の顔に瑞穂の顔が近づいていき、そうして二人の唇はしっかりと結ばれます。
「!」

287 :みどりん:2008/02/09(土) 22:24:11 ID:gzI8dLsG0
貴子、生まれて始めてのキスです。長い長いキスです。貴子も内心瑞穂となら、と思っていたのでしょうか、最初は少し体がこわばりましたが、次第に瑞穂に体を預けるようになりました。そうして次第に力が抜けてきました。そんな貴子を瑞穂はゆっくりと長椅子に横たえます。
「貴子さん、かわいすぎます。もう、僕は自分の欲望を抑えることができません」
「瑞穂さん………」
貴子は瑞穂の言葉にやや違和感を覚えましたが、それが何だか理解することは出来ませんでした。一人称を僕といっているところがおかしいですが、昂奮しているのでそれに気付くことがなかったのです。
でも無意識のうちに認識していたのでしょうか?貴子は瑞穂を男らしいように感じました。
 瑞穂は貴子を椅子に横たえます。そして、貴子の上に重なります。またキスを始めます。長い長いキスです。それを終えると瑞穂は唇を他のところに移していきます。
 まず、首筋にキスをします。肩にキスをします。胸にキスをします。乳首にもキスをします。その度に貴子の口からは「あっ……」と喘ぎ声が聞こえます。
 瑞穂に男らしさを感じた貴子ですが、全然嫌ではありません。むしろ、そうなることを望んでいます。
 瑞穂はだんだん唇を女性自身のほうに近づけていきます。そして、とうとう貴子の女性自身を瑞穂が捕らえようとしたとき、貴子が口を開きました。
「ハァ………ハァ………瑞穂さん、私だけ裸なのはずるいです。瑞穂さんも服を脱いでください………」
貴子としては当然の要求でしょう。でも、それを聞いた瑞穂の体はびくっとし、そして貴子を攻めるのをやめ、そして立ち上がってしまいました。
「貴子さん、ごめんなさい。今まで貴子さんやみんなを騙していました」
「え?何のことですの?」
「僕は、女ではありません。本当は男なのです」
「う……そ……」
「うそではないです。その証拠に……」
瑞穂はそういうと服を脱いで、貴子と同じように裸になると、自分の体を貴子に晒しました。
「………本当に……本当に男の方なのですね……」
貴子はそういうとぽろぽろと涙を流し始めました。

288 :みどりん:2008/02/09(土) 22:26:06 ID:gzI8dLsG0
「本当にごめんなさい。この償いはどんなことでもしますから。貴子さんの体を見てしまったし、泣かせてしまったし、本当にすまないと思っています。本当にごめんなさい」
瑞穂は土下座して謝ります。そんな瑞穂に貴子は言います。
「瑞穂さん、違うんです………立ってください」
「え?」
「私は今まで男嫌いでした。男の人に触れられるだけで嫌悪感を催したものです。そして一生独身を通さないとならないのだろうと思っていました。
ですが、先ほど瑞穂さんに抱きしめていただいたとき、とても幸せな気持ちがしました。瑞穂さんと結ばれることがあったらどんなにか幸せだろう、と。でも、それは適わない夢、所詮女通しですから。
 それが、瑞穂さんが男だと分かったので、瑞穂さんと愛し合ってもよいのだということが分かって嬉しくなって、それで泣いたのです。最初は驚きましたわ。理由もそのうちお聞かせください。でも、今は私を愛してください。一杯瑞穂さんを感じさせてください」
そして、瑞穂に抱きつきました。もう、瑞穂を押さえるものは何もありません。それから二人は激しく愛し合いました。今まで押さえていたものが一気に開放された、というくらい激しいものでした。

 瑞穂も貴子も十分愛し合いました。もう、二人が離れることはないでしょう。
「貴子さん、幸せです」
「私もです。ですが、愛するということは疲れるのですね」
「本当ですね。体も少し汚れましたし、もう一回温泉に入ってから戻りましょうか……」
「ええ、というより先ほど入ったことは全く覚えておりませんので、ほとんど始めて入る気分ですわ」
「フフ。あまり飲み過ぎないようにしないといけませんね」
「まりやさんがお酒なんか持ってくるのがいけないのですわ」
「でも、それが原因で貴子さんとこうやって結ばれたわけですし、少しは感謝してもいいかもしれませんね」
「ウフフ。本当ですわね」
そして、二人揃って温泉に入り、普通に浴衣を着て部屋に戻っていきました。温泉で二人でもう少し遊びたかったのですが、余り帰るのが遅いと怪しまれるかもしれないので、余り長湯はしませんでした。
帰る途中、貴子は瑞穂の腕にしっかりとつかまっています。本当に嬉しかったのでしょう。

289 :みどりん:2008/02/09(土) 22:28:02 ID:gzI8dLsG0
 部屋では紫苑、まりや、由佳里がゲームをしています。ババ抜きか何かでしょう。奏は………もう寝ています。
圭と美智子は………布団には入っています。この二人のことはあまり深く追求しないようにしましょう。
一子は………行方不明です。押入れにでも入っているのでしょうか?
「あ、み、瑞穂ちゃん、お、遅かったわね……」
まりやがいいます。何となくどぎまぎしているようです。
「お帰りなさい、瑞穂さん、貴子さん」
紫苑も声をかけます。
「おかえりなさい、お姉さま、会長さん」
由佳里も声をかけます。
「うん、貴子さんがなかなか目が覚めなくて……」
瑞穂が答えます。
「あ、あなたがお酒なんかもってくるから………」
貴子はまりやを非難するのですが、何となく声は小さくなり、いつもの迫力がありません。
「ご、ごめんね……」
まりやは、こちらも普段の威勢のよさはなく、素直に謝ります。
「貴子さん、瑞穂さんの腕をしっかり掴んでいますが、何かいいことでもあったのですか」
紫苑が鋭い指摘をします。
「え、あ、」
貴子は返答に窮しています。
「いえ、紫苑さん、まだお酒が抜けないみたいでふらふらしているので私の腕に掴まって体を支えているのです」
瑞穂は無難に切り返します。
「そ、そうなのです」
貴子も追随します。
「そうですか。それではもうお休みになったほうがよろしいかもしれませんね」
「そうですね。少し早いですが貴子さんは横になっていたほうがいいでしょうね」
「そ、そうですわね」
「じゃあ、貴子と瑞穂ちゃんがそっちの端っこ、紫苑様がそこ、由佳里がこっち、で、あたしがここ。他はもう寝ているからそんな感じでいいかしら?」
まりやが寝る場所を仕切ります。
「よろしいのではないかしら」
紫苑が答えます。
「い、いいんじゃない?」
瑞穂も悟られないくらい赤くなって答えます。だって、隣に貴子さんがねるんですもの。

290 :みどりん:2008/02/09(土) 22:30:28 ID:gzI8dLsG0
 そして布団を敷いて、結局みんな寝初めました。とはいっても女の子通し。暗くしてもおしゃべりは延々と続いています。
 そのうちに一人、また一人と眠りについていきます。部屋はひっそりとしてしまいました。それを確認して瑞穂は貴子のところに移動します。
「貴子さん……」
「瑞穂さん……」
二人は小さな声でささやきあいます。それから、瑞穂は貴子の浴衣をはだけ、胸を揉みます。
「あん、瑞穂さん………」
と貴子はいいたいのですが、口が塞がれているので声が出ません。「んっ」というようなこもった声がするだけです。
 そのうちに瑞穂も貴子も眠りにつきました。貴子は浴衣が少し乱れ、そして瑞穂の腕にしっかり抱きついて眠っています。

 二人がその姿を写真に撮られているのを知ったのは少したってからのことでした。

・・・

 ここはまりやの部屋です。まりやは写真を見ています。でも、その写真を見ているまりやは少し悲しそうです。
「あ〜あ、瑞穂ちゃんは貴子を選んだのか。少し残念………」
手には、瑞穂と貴子が更衣室で交わっているまさにその現場が写っている写真や、温泉で抱き合っている写真などがあります。学校には持っていかなかったようです。この写真はさすがに誰にも見せられませんものね。
「でも、何かに使えるかも……」
まりやはいつもの悪戯っぽい瞳に戻りました。失恋に似た感情から早くも復帰したようです。

おしまい

291 :みどりん:2008/02/09(土) 22:38:15 ID:gzI8dLsG0
卒業旅行に行きましょう!の描写のない部分の補完をイメージしてみました。
あのシーンのあとは、ルートが決まっていないならこんな感じではないかと思うのですが。
ではまた。

292 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 19:57:37 ID:hmQX/vMp0
>>281の時点で止まっていた話を、無理矢理完結させたので、投下したいと思います
貴子ルート、瑞穂が貴子にひどい事をした直後の話です。


293 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:00:33 ID:hmQX/vMp0
『口紅(ルージュ)をひかないお姉さま』

瑞穂と貴子の『愛の営み』を、寮生達に見られてしまった後の話……

三月某日、聖應女学院学生寮前。
瑞穂が玄関を出ると、愛しの人が待ち構えていた。
「おはようございます、貴子さん」
「お、おはようございます瑞穂さん。あ、あの、ご一緒に……」
「ええ、参りましょうか」
二人だけの時間……と思いきや……
「おっはよ〜貴子!」
「お、おはようございます、まりやさん……」
貴子の表情が急変した。
「会長さん、おはようございますなのですよー」
奏の顔が、やや赤みを帯びている。
「貴子さま、おはようございます……」
由佳里の声は、可聴領域ギリギリの小ささだった。顔は奏よりも真っ赤である。
「……おはようございます。周防院さん、上岡さん」
正直見られたくない場面を見られてしまった貴子は、すぐにでも逃げ出したい気分だったが、
彼女達(特にまりや)に弱い所は見せられないので、何とか平静を保っていた。
「じ、じゃあ行きましょう皆さん」
これ以上留まると墓穴を掘るだけなので、瑞穂はやや強引に皆を急かした。

294 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:03:50 ID:hmQX/vMp0
「おはようございます会長、お姉さま、皆様」
「おはようございます。お姉さま、会長、皆様」
「おはようございま〜す♪」
君枝・葉子・可奈子と、通学路の途中で合流した。
「会長〜、今日はお姉さまとご一緒なんですね〜」
可奈子がいきなり茶々を入れる。
「え、ええ、先程偶然お会いしまして……」
「な〜に、正直に云っちゃえばいいじゃない。愛しのお姉さまを寮の玄関でお待ちしておりましたって」
「「「えーっ!」」」
まりやの冷やかしに、生徒会三人衆(貴子は既に生徒会役員ではない)が過剰に反応した。
「うわ〜、らぶらぶなんですね〜会長とお姉さま」
「流石お姉さま。私から『聖應のレディーキラー』の称号をお送りします」
「会長……お姉さま……ブツブツ……」
三種三様の反応に、瑞穂と貴子は神経を磨り減らしたが、まだかろうじて踏み止まっている様だ。
「わ、わたくしはもう会長ではありません!」
とりあえず大声を出して、その場を誤魔化そうとする。
「いいじゃないですか〜、喧嘩するよりもらぶらぶの方が幸せですもの〜。
 だからでしょうか?会長もお姉さまも、今日はより一段とおきれいです〜」
「あ、ありがとう可奈子さん」
場を収めるため、瑞穂が締めくくろうとした……のだが……

295 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:06:57 ID:hmQX/vMp0
「ふっふ〜ん、そうよね。貴子はともかく、瑞穂ちゃんは日に日に美しさを増してるものねー。
 こんな素敵な瑞穂ちゃんの彼女になれて、貴子は幸せ者よ。
 まあ、瑞穂ちゃんをここまで綺麗にしたのは、他でもないこのあたしなんだけどね」
「……な・ん・で・す・っ・て?!」
貴子の表情が、別方向に急変した。
「瑞穂さんを綺麗にしたのはご自分だと、本気で思ってらっしゃるのですか、まりやさん?」
「当たり前じゃない。メイクから服装から髪型から、あたしがマンツーマンで鍛えてきたのよ。
 今の瑞穂ちゃんには、あたしの血が半分くらい流れてるのよ!」
まりやの云ってる事は暴言に近かったが、あながち外れている訳でもなかったので、
周りは口を挟めずに動向を見守った。
「ちゃんちゃらおかしいですわ!茶で臍(へそ)を沸かすくらいナンセンスですわ!
 まりやさん、あなた瑞穂さんの美しさを半分も理解されてないですわ!」
「た、貴子さん。云ってる事が滅茶苦茶です!」
「瑞穂ちゃんは黙ってて!じゃあ貴子、あんたは瑞穂ちゃんの美しさをどこまで理解してるって云うの?」
「少なくともまりやさん、あなたよりは遥かに!」
「……云ってくれるわね。じゃあ貴子、あんたがどれだけ瑞穂ちゃんを綺麗に出来るか見せて貰おうじゃない。
 瑞穂ちゃんメイク勝負を申し込むわ!」
「その勝負お受け致します。わたくしが瑞穂さんの美しさを最大限まで引き出して見せます!」
「瑞穂ちゃんとのデートに、あんな素敵な服を着てきた貴子さんですもの、本当に楽しみですわあ!」
「上等ですまりやさん。今度と云う今度はコテンパンに叩きのめして差し上げますわ!」
「それはこっちのセリフよ!それじゃ勝負は三日後の放課後、生徒会室でこのメンバーに勝敗を決めて貰うわ!」
「あのーもしもし?」
瑞穂の呼びかけも空しく、なし崩しに勝負が決まってしまう。
(相変わらず当事者の僕が完全に無視されてるし……)
何よりも『貴子が瑞穂のメイクをする』と云う事に、言い知れぬ不安がよぎった。
(嫌な予感がする、じゃない。僕は貴子さんを信じなくちゃ……)
瑞穂の嫌な予感は、実は別方面に存在していた。
朝から大騒ぎする彼女達を見つめる六つの目が有った事を、ここにいるメンバーは誰一人気付いていなかった。

296 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:10:25 ID:hmQX/vMp0
そして三日後……ではなく二日後の夜、寮に電話がかかってきた。
「もしもし?聖應女学院学生寮です」
「ああ、まりやさん、十条紫苑です。ごきげんよう」
「ごきげんよう紫苑さま。どうかなさいましたか?こんな時間に」
「ええ、まりやさんに連絡事項をお伝えしておこうと思いまして。明日の朝、全校集会が有りますので、
 まりやさんは、瑞穂さんのメイクの準備をして講堂までお越し下さい……との事です」
「……は?」
「七時半頃に迎えがいらっしゃると思いますので、よろしくお願い致します」
がちゃっ!プーっプーっプーっ……
一方的に電話を切られた。
「何で紫苑さまが知ってるのよ……って云うか、全校集会?!」
「どうしたのまりや?」
「……いつの間にか、今回の勝負のことが周りに伝わってたみたい。
 明日全校集会で瑞穂ちゃんのメイクをしろって紫苑さまが……」
その言葉を聞いて、妹二人が目を輝かせた。
「うわ〜、お姉さまの晴れ姿を舞台で見られるなんて!明日が楽しみです!生徒会室じゃ盛り上がらないですから」
「まりやお姉さまには申し訳ないですが、今回奏は会長さんを応援するのですよー」
「あたしゃここまで大事(おおごと)にする気は無かったんだけどねぇ……」
「あれ?まりやにしては大人しいね」
「流石のあたしも、瑞穂ちゃんと結ばれた貴子を貶めるのは抵抗があるのよ。
 それに最初から勝ちが確定してる勝負だもん。勝ったって面白くも何とも無いわ」
「そ、そんな事はないのです!会長さんは、お姉さまに素敵なコーディネートを出来る方なのですよー!」
「おっ、奏ちゃん強気ね。でもあたしは一切手抜きはしないわよ。
 明日は全校生徒の前で、貴子の事を完膚なきまで叩きのめしてあげるわ。
 元はと云えば、挑発してきたのは貴子の方なんだから、どうなっても恨まないでね奏ちゃん」
「貶めるのは抵抗があるっておっしゃったばかりなのに。まりやお姉さま鬼畜です……」
由佳里のツッコミは当然なのだが……
「ああ無理!あたしは瑞穂ちゃんのメイクに関してだけは、絶対に妥協出来ないのよ。
 瑞穂ちゃんの彼女が誰になろうとも、メイク担当はあたし。絶対!」
「まりや……卒業してからも、ずっと私に付き纏う気?」

297 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:13:39 ID:hmQX/vMp0
今度こそ運命の日。
「おはようございます、瑞穂さん、まりやさん」
迎えに来た美智子(この時点で、全校集会の仕掛け人が誰なのかを理解した。UJN恐るべし……)に連れられて、
瑞穂・まりや・貴子の三人は舞台に上がった。(註:UJN=受付嬢ネットワーク)
「きゃーーーーーーっ!」
「お姉さまーーーーーーっ!」
「やっぱり普段のお姉さまも素敵ですわーーーっ!」
「まりやさまと貴子さまは、どの様なメイクをされるのでしょう?」
大歓声を受けて、瑞穂の表情は既に引きつっていた。
それでも生徒達に向かって可愛く手を振ってしまうのは、エルダーの悲しい性である。
舞台袖でスタンバイしていた緋紗子がマイクを取った。
「さあ、遂にやってまいりました。宿命のライバル最終決戦!
 『春夏秋冬いつでもノンストップ』御門まりや VS 『早春のメルトダウン』厳島貴子!」
「お二人には、最高の素材『宮小路瑞穂』さんを、思う存分飾っていただきます……」
どうやら解説は圭らしい……
「それでは先攻、御門まりやさん。控え室で瑞穂さんのメイクをお願いします」
「あたしが先攻なんですか?緋紗子先生」
「聞く所によると、あなたが勝負を持ちかけたらしいから。あ、そうそう、上岡さんを助手として連れて行ってね」
「わかりました」
まりや・由佳里・瑞穂が一旦舞台から退く。
「まりやお姉さまマズいですよ。こう云う勝負って、先に出した方が負けるって法則が……」
「いや由佳里ちゃん、それはマンガの読みすぎじゃない?某グルメマンガとか……」
「そうよ、先攻後攻なんて関係ないわ、圧倒的大差で勝つんだから。かえって後攻の方がきついわよ、貴子にはね
 ……って、瑞穂ちゃんもマンガの読みすぎなんじゃない?」
(僕は男なんだから、マンガくらい読みますって……)
「で、私にどんな服を着せるのまりや?」
「ふっふっふ、由佳里、ちゃっちゃとやるわよ!」
「はい、まりやお姉さま!」
まりやが、袋から瑞穂の想像通り(悪い意味で)の服を取り出した。
「いやーーーーーーっ!こんな服はいやーーーーーーっ!由佳里ちゃん、僕の性別知ってるよね?」
「え?お姉さまの性別は『お姉さま』ですよね?」
「うんうん、由佳里あんたわかってるわ♪」

298 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:16:50 ID:hmQX/vMp0
……約十分後。
「それでは準備が整ったようです。我らがエルダー宮小路瑞穂@御門まりやヴァージョンの登場です!」
♪夢まで(以下略)
何時の間に用意したのやら、軽快なサウンドに乗って瑞穂が登場する。
「きゃーーーーーーっ!」
「お姉さまーーーーーーっ!」
「キュートですわーーーーーーっ!」
「ああ、わたくしの屋敷にこの様なメイドさんがいらっしゃったら、何て幸せなのでしょう……」
瑞穂がまりやに無理矢理着せられたのは……メイド服だった。
本来の意味でのメイドさんは絶対に着ないと思われる、黒を基調にした装飾過剰なフリフリのドレスが、
瑞穂の可愛らしさを「これでもか!」と云うくらいにアピールしている。スカートは無論『ミニ』である。
顔の(特に瑞穂の)メイクはまりやの十八番。
目立ちすぎず、かと云って薄すぎない、絶妙なノリのファンデーション。
鏑木系列の化粧品会社から入手した、今春発売される新作リップが、春の訪れを感じさせる。
他にも隅から隅まで入念に施されたメイクで、非の打ち所がない顔立ちに仕上がっていた。
そして髪型はもちろん『十条紫苑公認ツインテール』である。
更に頭には、メイドさんの必須アイテム(?)であるヘッドドレスが燦然と輝き、最高のワンポイントになっている。
会場の反応は云うまでもなく上々だ。

「流石は宮小路瑞穂の幼馴染、御門まりやです。万事そつがありません。どう見ますか?解説の小鳥遊さん」
「全校生徒の頂点に君臨するエルダーシスター。それをメイドさんにする事による逆転の妙……見事です」
「おおっと!あの滅多に人を褒めない小鳥遊さんも高評価だ!これは高得点が期待できそうです」

「……さて、皆様方に大好評なのは見ての通りだけど、それでも続ける?貴子……」
「……」
「ま、あたしもここまでやるのは大人気無いと思ったけど、勝負は勝負だからねえ。
 土下座しろ、とまでは云わないけど、とりあえず一言謝ってくれれば勘弁してあげてもいいわよ」
「……」
「あたしはこれでも、瑞穂ちゃんとの事は祝福してるんだから。こんな所でケチが付くのは嫌でしょ?」
「……」
「ちょっとまりや、いくら何でも云いすぎだって!」

299 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:19:57 ID:hmQX/vMp0
「……ぷっ」
無表情&無言だった貴子が、いきなり吹き出した。
「ぷっ……うくくっ……あははははははははははっ!」
「な、何?貴子、もしかして壊れちゃった?」
「た、貴子さん?」
「くくくっ……もうダメ、我慢出来ません。まりやさん、あなたとことん笑わせてくれますわ!」
「何ですって?!」
「謝れば勘弁してあげる?あなたもしかして、勝ったつもりでいるのですか?」
「当たり前じゃない。会場の反応を見れば一目瞭然でしょ。貴子がこれ以上沸かせるなんて有り得ないでしょ!」
「確かにまりやさんのコーディネートは見事ですが……わたくしの想像を一歩もはみ出さない服装に、
 いつも通りのそつないメイク、ただそれだけですわ。この程度ではお話になりません」
(貴子さん、メイド服姿を想像してたんだ……)
「……わかったわよ。それじゃ貴子のお手並み拝見と行きましょうか。
 せっかくだから、顔のメイクはこのままにしておく?少しはマシになるんじゃない?」
「それではまりやさんのご好意に甘えて、一つお願いがあります」
「んー?やっぱりギブアップするのかな?」
「瑞穂さんの顔のメイクを、全て落としてきていただけますか?
 細かい所までは、わたくしでは手が回りませんから。あ、ついでに髪も解いておいて下さい」
「……」
既にまりやの表情からは余裕が消え、貴子に対する怒りが満ち溢れていた。

300 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:23:19 ID:hmQX/vMp0
瑞穂とまりやは、メイクを落とすため、先に控え室へ退いた。
「さあ、それでは次に参ります。後攻厳島貴子さん、控え室で瑞穂さんのメイクをお願いします」
「承知しました」
「会長さんのアシスタントは、奏が務めさせていただきますのですよー」
「ええ、よろしくお願いしますね、奏さん」

「貴子、瑞穂ちゃんのメイクは、綺麗サッパリ落としておいたわよ。これなら文句無いでしょ?」
「ええ、お手数かけて申し訳ないですわ」
「ねえ貴子、本ッ当にこれでいいの?あんたがあまりにも自信満々だから、逆に心配になってきたわ」
瑞穂のメイクを落としている間に、まりやの頭はすっかり冷えてしまったらしい。
「大丈夫ですわ。わたくしなりのメイク術を、まりやさん……いえ、全校生徒にお見せしましょう」
まりやが去り、控え室は瑞穂・貴子・奏の三人だけになった。
「奏さん、瑞穂さんに例の物をお出しして下さい」
「はい、かしこまりましたのですよー」
奏から受け取った袋から、貴子が服を取り出す。それを見た瑞穂の動きが……止まった。
「こ、これを着るんですか?」
瑞穂にとってかなり意外だったらしい。しかし、まりやの時と決定的に違うのは、
瑞穂が『貴子が用意した服を着るのを嫌がっていない』と云う所である。
服・髪型は、まりやの時の1/5以下の時間であっと云う間に終わった……のだが。
「奏さん、しばらくの間瑞穂さんとわたくし、二人きりにさせてもらえますか?」
「は、はいなのですよー」
何故か顔を真っ赤にしながら、奏が退出した。

301 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:26:30 ID:hmQX/vMp0
「さてと、服装と髪型はこれで問題なし。あとは瑞穂さんご自身のメイクだけですね」
控え室のドアに鍵をかけた後、貴子がにじり寄る。何やら様子がおかしい。
「な、何をなさるのですか貴子さん?」
いつもと違う貴子の様子に、瑞穂の警報装置(アホ毛?)が敏感に反応した。(今まで役に立った例が無い)
「ちゅーーーーーーっ!」
「んん゛ーーーーーーっ!」
いきなり貴子が瑞穂の唇を塞いだ。瑞穂は自分自身に何が起きているのかわからず混乱した。
「ちゅっ……ちゅぱっ……れろれろ……こくっこくっ…………ぷはぁっ!」
「んーーーっ!ん゛ーーーっ!」
瑞穂は頭がボーッとしてきた。
「はぁ……はぁ……な、何をするんですか貴子さん?!」
「……瑞穂さんは、わたくしとキスをするのはお嫌ですか?」
「い、嫌じゃないです……じゃない。貴子さんとキスをするのはむしろ望む所……ですが」
「……まだ足りませんね。では続きを致しましょう」
「え?ちょ、ちょっと?!」
「ちゅーーーーーーっ!」
その後十数分にわたり、貴子は瑞穂にキスを続けた。そして瑞穂の表情を確認する。
「……ええ、これくらいで良いでしょう。では参りましょうか」
控え室の外で見張りに立っていた奏がため息をついた。
「お姉さま、会長さん、全部聞こえているのですよー……」

302 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 20:30:01 ID:hmQX/vMp0
……約『数』十分後。
「大変お待たせ致しました。我らがエルダー宮小路瑞穂@厳島貴子ヴァージョンの登場です!」
生徒達は、長時間待たされてしまったので、緊張の糸が緩みがちになっていた。
そのため私語が多くなり、会場はややざわついていた。
「さあ『貴子なりのメイク術』とやらを見せて貰いましょうか。
 あれだけ大口叩いたんだから、鑑賞に堪えらんない瑞穂ちゃんを出してきたら大笑いしてやるわ」
「だ、駄目ですよまりやお姉さま。どんなモノが出てきても、きちんと評価しないと……」
「……由佳里、あんたの方がひどい事云ってるわね……」
♪あーなーたー(んんんんーーんーんんんんーーん)イッツビュリホデーィエー
壇上に瑞穂が現れた……のだが……
「え?……」
「……」
「……まあ」
瑞穂の姿を見て、ざわついていた生徒達が途端に大人しくなった。
賞賛の声は一つも無い。批判の声も一つも無い。会場全体が沈黙に包まれた。そして……
バタッ!……バタバタッ!……バタバタバタッ!……
失敗したドミノ倒しの様に、所々で生徒の倒れる音が聞こえた。
他の生徒達も、ほとんどが茫然自失状態になっている。

303 :名無しさん@初回限定:2008/02/12(火) 20:53:37 ID:bhph9tu20
支援?

304 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 21:00:13 ID:hmQX/vMp0
……瑞穂の格好に特筆するべき物は無い。
上は無地の白いワイシャツ(男物)、ノーネクタイで第二ボタンまで開けている。
下は何の変哲も無いGパンである。シャツはズボンの中には入れていない。
髪型はポニーテール……と云うよりは、ただ単にゴムで後ろを縛っただけである。
そして顔は……と見ると、何とノーメイクだった。まりやが落とした状態そのままで出てきたのだ。
バレると不味いので胸パットは入れてあるが、それ以外は完全にすっぴん瑞穂(開正学園仕様改)だった。
しかし、すっぴんで無い場所が一つだけ有った。瑞穂の左腕である。
瑞穂の左腕に貴子がしがみついていたのである。
貴子の格好は、緑の豪奢なロングドレス……などではなく、黒の地味目なワンピース。両者共とことん地味だった。
貴子の視線は真っ直ぐ瑞穂の顔を捉えていて、瑞穂はそんな貴子を見つめ返している。
全校生徒の注目を浴びているにも拘らず、瑞穂と貴子は、完全に二人だけの世界を構築していた。

「こ、これはどうした事でしょう小鳥遊さん?」
何とか正気を保っていた緋紗子が、圭に話を振ってみるが……
「……あ、あう……瑞穂さん……綺麗……」
圭まで瑞穂に見惚れてしまっている。
そんな圭をロックオンする二つの目が有ったのだが、後の結果は……怖いので書けない。
気が付けば、生徒の半数近くが気絶、残りの大半も惚けてしまっていた。
「……参ったわね。全校集会は中止致します。
 実行委員会及び生徒会役員は、倒れた生徒の介抱と、会場の撤収を速やかに行って下さい」
諦め顔で緋紗子が宣言する。
尤も、何時の間にやら出来ていた実行委員会とやらも、半分以上が機能しない状態だったのだが……
「……はっ!私も意識を持って行かれる所だったわ。君枝、君枝!私達も行動に移るわよ!」
緋紗子の言葉でようやく現世に帰還した葉子が君枝に働きかけるが……もう手遅れだった。
「……かい、ちょー……お、ねえ、さ……ま…………ガクッ」
ある意味、君枝に対するダメージが一番大きかったのかもしれない。菅原君枝、三月某日没。(死んでません)

305 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 21:06:24 ID:hmQX/vMp0
制服に着替え直した後、主要メンバー(瑞穂・貴子・まりや・奏・由佳里)は生徒会室に退避する事にした。
「どうなってんじゃーっ!」
ガシャーン!!
教室に入るや否や、まりやが暴れだした。
「あらあらまりやさん、ご機嫌ナナメですのね……」
少し遅れて紫苑がやってきた。
「紫苑さん、講堂の様子はいかがですか?」
「……ええ、わたくしも救護活動をお手伝いしようと思ったのですが、
 葉子さんに『お体にさわります』などと云われて追い出されてしまいましたので……」
貴子が瑞穂にしがみついたままなのだが、紫苑はその事には触れず、瑞穂に向って軽く微笑んだ。
「救護活動って……」
「ああ云うのを『阿鼻叫喚の地獄絵図』と申すのでしょうか?気絶された方々には天国かもしれませんが……」
「うがーっ!そんな事はどうでもいいです。何でこんなのが、あんな風になっちゃったんですか?」
「まりやお姉さま、何をおっしゃってるのか訳がわかりません!」
「それではまりやさん。まりやさんご自身の感想はいかがだったのでしょう?」
紫苑の言葉で、まりやは我に返った。
「……今改めて見ると、単なるすっぴん瑞穂ちゃんのはずなのに……
 何故でしょう?舞台に上がっていた時の瑞穂ちゃんは、何だか輝いて見えました」
「……ええ、恐らくそれが正解なのでしょう。『瑞穂さんに恋する貴子さん』が、
 『貴子さんに恋する瑞穂さん』を飾る最高のメイクだったのです。ある意味反則だと思いますが」
「……」

306 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 21:10:24 ID:hmQX/vMp0
「ま、まあいいじゃないまりや。全校集会は中止、今回はノーコンテストって事で……」
全てが丸く収まりそうな提案をするのは、瑞穂の長所なのか短所なのか……
「いや、今回はあたしの負け。生徒達のあんな反応を見せられたら仕方ないわ。
 まさか貴子が、こんな捨て身の策を仕掛けてくるとはね……」
「え、どうしちゃったのまりや?何か悪いものでも食べた?」
瑞穂達は驚いた。あのまりやが、貴子に対して敗北を認めている。何の冗談だ?と……
「な、何よその顔は。瑞穂ちゃんあたし云ったでしょ。瑞穂ちゃんのメイクに関してだけは、絶対に妥協出来ないって。
 譲れないからこそ、現実逃避も許されないの。だから今回貴子がやった事も認めるしかないの。
 ちょっと貴子、あたしが負けを認めてるんだから返事くらいしたらどう?……って貴子?」

頭に血が上っていたまりや以外は既に気付いていたが、
生徒会室に入った段階で、貴子は瑞穂にしがみついたまま気絶していたのである。
「あらら?あんだけ大胆な事しておいて、案外だらしないのね……」
何となく格好良いセリフを吐いたつもりなのに、一番肝心の貴子が聞いてなかったため、
まりやはすっかり気勢をそがれてしまった。
(瑞穂ちゃんは完全に貴子のモノって事なのね。嬉しいやら寂しいやら……)
瑞穂にしがみついた貴子の幸せそうな寝顔を見る、まりやの表情は複雑だった。

この事がきっかけとなり、それ以降まりやのメイクターゲットは、瑞穂から、貴子や君枝に移行する事となる。
とは云っても、瑞穂のメイクをやめる気は無い様だが……
(あたしはせいぜい、瑞穂ちゃんの外見を飾ることに専念しましょうかねぇ……)

307 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 21:14:32 ID:hmQX/vMp0
翌日の事……
「まりやさん、あの時わたくしが気を失っている間に何かおっしゃっていたそうですが、一体何を?」
「あんな事二度とあたしの口からは云えないわ。瑞穂ちゃんか紫苑さまにでも聞いたら?」
「それが……お二方共、何も教えて下さらずに微笑を返されるだけなので。わたくし気になって仕方がないですわ」
「じゃあそれでいいじゃない。深い事は気にしない方がいいわよ。
 それよりこっちが聞きたいわ。あんた控え室で瑞穂ちゃんと何やってたの?
 ほとんどノーメイクだったのに、やけに出てくるのが遅かったじゃない。
 奏ちゃんに聞いても何も教えてくれなくて、顔を真っ赤にするだけだし……」
「な、なな、何って、瑞穂さんのメイクに決まっているではありませんか!
 目がガラス玉で出来ているまりやさんにはわからないかもしれませんが……」
「(ピクッ!)ああ、もういいわ大体わかったから。しかし、我が学院のエルダーと生徒会長が、
 人目をはばかって乳繰り合ってるなんてねえ。いや、はばかってすらいないみたいだし。
 こんな露出狂カップルが学院のツートップだなんて、誰かさんが口を酸っぱくして云っていた
 『学院の伝統』とやらは、どこへ行ってしまったんでしょうね?」
「(ピクピクッ!)……誰が露出狂ですって?」
「あんたをお姫様抱っこする瑞穂ちゃんの姿なんかは、生徒達の語り草になってるし。
 舞台じゃ二人で抱き合って、周りにラブラブオーラを振り撒きまくってるし。
 挙句の果てには、寮であたし達が居るにもかかわらず『ひどい事』してたもんねえ。
 このままだと、貴子が『見られると感じちゃう!』なんてド変態になっちゃいそうで心配だわ……」
「(ビクビクッ!)わ、わ、わたくし、その様なはしたない女にはなりません!
 まりやさん、あなたやきもちを妬いているだけでしょう、みっともない……」
「(プチッ!)ぬあんですって〜!」
以下、いつもの喧嘩が続くだけなので省略……

308 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 21:19:05 ID:hmQX/vMp0
他のメンバーは、まりやと貴子のやり取りを、少し離れた場所から生暖かい目で見守っていた。
「瑞穂さんと結ばれても、やはり貴子さんは貴子さんですのね。あのお二方を見ていると、何だか安心してしまいます」
紫苑の言葉に瑞穂は頷くが、その反面、二人の仲の良さ(?)に嫉妬を感じてしまっていたりした。
「お姉さま、会長の事を幸せにして差し上げて下さい。そうでないと、亡くなった君枝が浮かばれません」
「葉子さ〜ん、君枝さんを勝手に殺しちゃダメですよ〜」
珍しく葉子と可奈子の役割(ボケとツッコミ)が逆転している。
君枝はショックが大きかったためか、今日は欠席しているらしい。
「まりやお姉さま、色々な意味で最近負けっぱなしですから、私にとばっちりが来ないと良いんですけど。
 だから先に出したほうが負けるって云ったのに……」
「色々な意味?昨日の勝負以外で、まりやって貴子さんに負けたの?」
由佳里の言葉の意味を理解してないあたり、やはり瑞穂は鈍感である。
「奏はお姉さまと会長さんの事を全面的に応援するのです。
 昨日は、楓さんにお願いして衣装を用意していただいた甲斐があったのですよー」
「え?あの服って、楓さんが用意した物なの?」
「はいなのですよー」
奏は全校集会の存在を知らないフリをして、陰で暗躍していたらしい。用意周到な所は圭直伝か?
「……ところで瑞穂さん。『ひどい事』って何の事かしら?」
圭の素朴な疑問に、瑞穂の表情が固まった。何とかポーカーフェイスを保つ事には成功したが、
奏と由佳里がその後ろで顔を真っ赤にしてしまったため、大体の事情(情事?)は皆に悟られてしまった。
「うふふっ、瑞穂さんと貴子さんもお盛んですのね」
すぐさま美智子のツッコミが入ったのだが……
「美智子さんまでやめて下さい……って……ええっ?!」
全員の視線が、美智子(と圭)に集中した。

『完』

309 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/12(火) 21:29:59 ID:hmQX/vMp0
以上です。相変わらずヤマもオチもイミも無いですな……
しかも、L鍋さんやみどりんさんのネタと被ってるし。お二方共申し訳ないです。
ファッションセンスゼロなのに、こんな話をだらだらと書いてしまった自分に反省。
奏と楓のやりとり、瑞穂と圭のやりとり、由佳里のセリフなどを、大幅に削除してしまいました。
(収拾が付かなくなったので)

>>303さんありがとうございます
投稿制限とか、そう言ったものを良くわかってなかったりします。無知の罪という奴です

それでは、駄文失礼致しました


310 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/02/14(木) 22:45:04 ID:SWw1C3of0
世界おとボク童話2  みにくいアヒルの子改 さえないおとこの子

 ある学校に男の子がいました。
男の子は長いきれいな髪と可愛い顔立ちでしたから、いつもまわりの男の子から
「きっとあいつは女の子だよ」
「うん、そうだな。あの髪をくんくんしてぇー」
「鏑木は俺の嫁」
などと言われていました。

 成績は優秀でしたが、優柔不断な性格にくわえて目立ちたがらないこともあって、
男の子は女の子にモテませんでした。
「鏑木クンは女の敵だわ」
「そうよ。男のクセにあんなにきれいな髪をして」
「鏑木はあたしの嫁」
そう言われても、男の子は気にしませんでした。
なぜなら男の子にはお友達がいなかったからです。
ひとりぼっちの世界の住人だったのです。

 ところがある日、男の子のおじいさんが亡くなりました。
とうぜん男の子は悲しみましたが、やがて時がたって涙もかわきました。
いくにちかして、男の人がその子のもとへやってきました。
おじいさんにつかえていた弁護士さんです。なぜか幼なじみの女の子も一緒でした。

311 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/02/14(木) 22:46:30 ID:SWw1C3of0
「きみに言わなければならないことがある。きみはこの学校へ通わねばならない。
 なぜなら、きみのおじいさんの遺言だから」
「そうよ。遺言なのよ。瑞穂ちゃん。さあ、さっさとお化粧しましょう」
混乱しているあいだに化粧をされて、男の子は女の子になりました。
血判も押させられて、女子校へ通う手続きもすんでしまいました。

「うう・・・僕、男の子なのに・・・」
「しょうがないじゃない。そのほうが似合うんだから」
うちひしがれる男の子に、女の子は追い打ちをかけました。

 こうして男の子は女の子になって、処女の園へ通うことになりました。
ところがどっこい、初日にして、背の高い女の人にばれてしまいました。
「貴方、男性・・・ですね?」
「え・・・えと・・・なんのことでしょう?」
男の子はすっとぼけてみましたが、
「バラされたくなかったら、エルダーになりなさい」
「そうよそうよ。エルダーになると良いわ」
まわりの女の子たちもはしゃぎました。

312 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/02/14(木) 22:48:42 ID:SWw1C3of0

「エルダー選挙には・・・金が要るわ・・・」
「わかってますわ。圭さん」
裏工作もサクサクっとはかどり、とうとう男の子はエルダーとやらに祭りあげられてしまいました。

そのとき、事情を知っているみんなが納得しました。
そうです。男の子はただのさえない男の子ではなく、ひかりかがやくエルダーだったのです。

「エルダーはすべての生徒のもの。がんばってね。瑞穂クン?」
「エルダーたるもの、退かぬ、媚びぬ、かえりみぬ! そうですわ。瑞穂さん」
「エルダーさんは甘いモノがお好きなのですよー」
「つまりエルダーはつまみ食いのし放題ってことよ。なんのことかは聞いちゃダメ」
「お姉さま、まずは由佳里からお願いします・・・」
好き放題言われましたが、男の子はさっぱりエルダーとはなにか分かりませんでした。
「エルダーって・・・なに?」


男の子がエルダーおぶエルダーとして、さらに乙女たちのお腹の上に君臨するお話は・・・
童話シリーズ3巻を買ってね!

313 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/02/14(木) 22:54:35 ID:SWw1C3of0
1ヶ月前から、目の前を飛んでいた電波をとうとう捕まえました。

もうひとつ、大きな電波がぶんぶん唸りを上げて飛んでいるのですが、大きすぎてめんどくさいですw
こっそり通販シリーズ第4巻 『闇狩りエルダー』。
現代版、必殺仕事人らしいです。闇狩人ってしってる?

                ボク
(3巻は『なんて素敵にお姉さまネスク』。)

314 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/15(金) 19:20:27 ID:FNRHvylf0
圭さんモノを3発投下します(一度書いてみたかったので)
何故か(1)だけ瑞穂視点です



315 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/15(金) 19:24:52 ID:FNRHvylf0
『圭圭圭』(1)

3−Aに奏ちゃんが遊びに来た。紫苑さんが呼んだらしい。
『女三人寄ればかしましい』(紫苑さん・美智子さん・奏ちゃんの事だよ。僕は一応男だから……)
の言葉通り、他愛の無い事で話が弾む。ふと、この場に居ない圭さんの話題になった。
「圭さんが、不器用……ですか?」
パッと見その様には見えないので、僕は首をかしげた。
「はい。普段の圭さんは問題無いのですが、一つの事に集中してしまうと、
 他のモノが全く見えなくなってしまうのです。出来るだけ、わたくしの方を向いていただきたいのに……」
「そう云えば、ひと月後に演劇コンクールを控えてらっしゃるとか」
美智子さんと紫苑さんの言葉にどう答えようか思案したのだが、その横で奏ちゃんが震えている事に気付いた。
「どうしたの奏ちゃん?」
「……さ、最近の部長さんは面白くて怖いのです。演劇部一同ガクガクブルブルなのですよー」
「「「?」」」
「部長さんのご指導が、日に日に厳しくなっているのです。それだけならまだ良いのですが……
 ご指導に熱が入りすぎると、周りが見えなくなってしまうらしくて。
 大道具に躓いて、派手に転んだりするのです。しかも絶妙なタイミングで。
 ○本新喜劇なら大爆笑の場面なのですが、部長さんの真剣なお顔を見ると、笑うに笑えないのですよー」
「なるほど……圭さんらしいと云うか何と云うか。演劇に対する真剣さの表れだと思うけれど……」


316 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/15(金) 19:28:01 ID:FNRHvylf0
「あと、以前演劇部にリンゴの差し入れが有ったのですが、
 部長さんは果物ナイフを持ったまま固まってしまったのです。
 奏、命の危険を感じたので、ナイフを受け取って皮を剥いて差し上げたのですよー」
「……そう云えば、調理実習の時、圭さんが刃物を扱ったのを見た事無い気がする……」
「美智子さんが代わりに全て行ってしまっていますね」
「わたくしも命が惜しいですから。圭さんに刺し殺されるなら本望ですが……」
「それ以来、演劇部で部長さんに付いた二つ名は『キングオブ不器用』!」
「クィーン……」
「はやや?!部長さん、こ、これは、その……」
何時の間にやら、圭さんが奏ちゃんの背後を取っていた。相変わらず神出鬼没だなぁ……
「キングじゃない。『クィーンオブ不器用』……」
奏ちゃんにそう告げると、圭さんはまた何処かへ行ってしまった。
「『不器用』は否定しないんですね……」
圭さんらしいリアクションに、皆から笑いがこぼれた。奏ちゃんは震えが大きくなっちゃったけれど……

317 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/15(金) 19:31:14 ID:FNRHvylf0
『圭圭圭』(2)

小鳥遊圭には意外(?)な趣味がある。それは、テレビドラマを鑑賞する事である。
聖應女学院は、普通の学校とは違い、生徒達がテレビドラマを見ることはほとんど無い。
と云うよりも、テレビ自体あまり見ない。勉強・習い事・クラブ活動などを優先するからだ。
見るのは、ニュースと天気予報くらいである。
圭は、基本的には美智子と一緒に居る事が多いが、四六時中一緒な訳ではない。
部活動が無く、かつ美智子が一緒でない時は、家に帰ってドラマを鑑賞するのが圭の楽しみになっている。

(さて、この前録画したドラマでも見ましょうか……)
以下、圭の独り言を抜粋してみた。
 「何このダメ脚本。セットにお金かけてるみたいだけど、アレじゃ台無しね……」
 「あ、犯人コイツね。開始10分でバレバレって正直どうなのかしら?」
 「またこのアイドルが主役?顔だけで配役決めてる様では話にならないわね。
  これなら瑞穂さんにやらせた方が、3倍は視聴率取れそうね」
 「この女優、長い間やってる割にはちっとも演技が上達しないわね。
  他の役者も大根ばっかりだし、ここは畑かっての……」


「……と云う訳で、ドラマは楽しいです。瑞穂さんも一緒にいかが?」
「いや、圭さん、それは……」
皆ドン引きである。ちなみに、美智子には遥か昔に拒絶されている。

318 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/15(金) 19:34:56 ID:FNRHvylf0
『圭圭圭』(3)

「お姉さま大変です!」
放課後、下校しようとした瑞穂の元に、由佳里が駆け込んできた。
「そんなに慌てなくても、世界は滅びませんよ由佳里ちゃん。で、どうしたの?」
「まりやお姉さまが……」
由佳里の話を要約すると……
陸上部部長であるまりやが、部の予算の交渉に生徒会室へ行ったらしい。
生徒会長厳島貴子が「運動部の予算を一律10%削減致します」と云う声明を発表したのが、そもそもの原因だそうだ。
まりやと貴子が交渉。この時点で一筋縄では行かないのは明らか。案の定生徒会室は炎上してしまった。
「とにかく生徒会室へ行ってみましょう」
「お願いしますお姉さま!」

「……何コレ?」
生徒会室は人であふれ返っていた。
どこからか噂を聞きつけた体育系部員と文化系部員合わせて十数人が、
それぞれまりやと貴子に付いて、抜き差しならない状態になっていたのである。
「ですから、何故この様な一方的な仕打ちを我々に課すのですか、生徒会長殿?」
「ここ最近、運動部の予算請求は度が過ぎているのです。このままでは、文化部の予算に影響が出てしまいます」
「別に無茶な請求はしていないでしょう。正しい手順を踏んで予算を請求する。何が悪いのですか?」
ワーッ!(体育系部員の士気が上がった)
「予算には限りが有ります。全ての部に公平に予算を分配する。それがわたくし共の役割です」
ワーッ!(生徒会役員&文化系部員の士気が上がった)
このままではどうにもならない、と判断した瑞穂は、二人を止めに入る事にした。
「まりやさん、貴子さん、二人とも落ち着いて下さい」
「「お姉さまには関係無い事です。申し訳有りませんが黙っていて下さい!」」
「ハイ……」(こんな時だけは、仲良くハモるんだ……)
宮小路瑞穂、1R13秒KO負け。(『エルダーには生徒会長を凌ぐ発言力が有る』なんてウソだ!)
「ごめんなさい由佳里ちゃん。あえなく玉砕してしまいました」
「……」
(ああっ……由佳里ちゃんの視線が痛い!)

319 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/15(金) 19:39:29 ID:FNRHvylf0
「……私にお任せ下さい」
「わわっ!圭さん、脅かさないで下さい」
やはり圭は神出鬼没である。
「確かに圭さんは演劇部の部長さんですが、今あそこへ行くのは火に油を注ぐ状態になる思うのですが」
「そ、そうですよ。お姉さまでもダメだったのに……危険です!」
(だから由佳里ちゃん。僕を白い目で見るのはヤメテ!)
「……大丈夫。私は体育系ではなく、文化系でもなく、不思議系だから……」
コメントしづらいセリフを残し、圭はサイクロンの中に飛び込んで行った。

「小鳥遊さん良い所に!まりやさん達運動部の暴挙を止めるのに、力を貸して下さい!」
「……『運動部』・『文化部』などと云うカテゴリー分けをして、まとめて処理をする……
 生徒会は何時から、その様な面倒臭がり集団になってしまったのですか?」
ブーッ!(生徒会役員の士気が下がった)
「流石は圭さん、器が違うわ。あなたも予算に不満が有るなら、生徒会長にガツンと云っておやりなさい!」
「……元はと云えばまりやさん。あなたが陸上部の予算を適切に使わなかったのがそもそもの原因。
 それなのに、あたかも運動部の代表になったかの様な振る舞いはいかがなものかと……」
ブーッ!(まりやWith体育系部員の士気が下がった)
瞬く間に生徒会室を沈黙させた圭は、鼻白む貴子とまりやを一瞥すると、禁断のセリフを云い放った。

「……私達の戦いは、これからよ……」
「「……」」


ご愛読ありがとうございました。ばんくーばー先生の次回作にご期待下さい。

『未完』

320 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/15(金) 19:45:08 ID:FNRHvylf0
以上で打ち切りです。『未完』となってますが、云うまでも無く続きを書く気は全く有りません。
この件に関して、エルダー宮小路瑞穂氏からコメントが入っております。
「私はようやくのぼりはじめたばかりだから。このはてしなく遠いエルダー坂を…」

某ゲーム(複数)から、ネタをパク……参考にしましたが、元ネタ知らなくても問題ないです

kamakiriさん
>闇狩人ってしってる?
申し訳有りません。私は『ブラック・エンジェルズ』しか知らないです(ぉぃ

それでは、駄文失礼致しました。

321 :kamakiri ◆0XucCTxAGU :2008/02/15(金) 20:03:50 ID:LBFAJr5D0
ブラックエンジェルズ、懐かしい・・・
いま、アレを週刊少年ジャンプでやると「マンガの影響を受けて惨殺事件が!」とかなるんだろうか・・・

お姉さまに影響を受けて、女装したくなった奴はどのくらい居るのだろうか?w

322 :みどりん:2008/02/16(土) 10:07:39 ID:h8/YP5Re0
涼宮ミドリの憂鬱

 涼宮ミドリは恵泉女学院に在学する普通の女生徒です。趣味はエロゲのSSを書く、というのはこの年と性別にしてはずいぶん変わった趣味だといってよいでしょう。さて、彼女のいる教室には彼女を悩ます問題がありました。
「ごきげんよう、君江さん。今日も生徒会活動ご苦労様です」
ミドリが教室に戻ってきた君江に声をかけます。
「ごきげんよう、ミドリさん。ですが、生徒会活動をしているのは私ではありません。君枝さんですわ」
「え?あ、失礼しました。君江さんは公江さんや喜美恵さんや君恵さんと一緒にお食事している君江さんですか?」
「いいえ、それも違いますわ。公江さんや喜美恵さんや君恵さんと一緒にお食事しているのは喜美枝さんですわ。私は公恵さんや貴美江さんや貴美恵さんとよくご一緒にお食事いたしますわ」
「あれ?公恵さんと一緒にお食事するのは紀美江さんや君絵さんや貴三恵さんではなかったのではないかしら」
「違いますわ。紀美江さんや君絵さんや貴三恵さんはよく季実枝さんとご一緒していらっしゃいますわ」
「・・・あの、全部で何人くらいキミエさんがいらっしゃるのでしたでしょうか?」
「ミドリさん、このクラスはあなた以外全員キミエですわ」
「・・・・・・」
 名前を書くのが憂鬱なミドリでした。

おしまい

323 :みどりん:2008/02/16(土) 10:09:51 ID:h8/YP5Re0
護るべきもの(1)

 瑞穂は久しぶりに恵泉に来ています。奏の後輩にフェンシングを教えるためです。瑞穂はフェンシングを昔からやっていたというわけではありませんが、持ち前の格闘技のセンスが奏功したのか、性差なのか在学中は授業では圧倒的な強さを発揮したという事実があります。
ということを聞いていたので、奏がフェンシングの指導を瑞穂に依頼したのです。
 今日の瑞穂の姿は、Tシャツにジーンズ、ずいぶんラフな格好です。運動するからそのほうがいいでしょう。今日は胸のふくらみを忘れられませんね。男とばれたら困りますから。久しぶりに身に着ける気がします。案外重いものだったんだ、と瑞穂は思います。
 フェンシングの用具一式は奏が準備してくれますので持っていく必要はありません。大体、持ってこいと言われたら困ります、普通。身一つでいけば十分です。
と申しましても貴子と一緒に向かうので、しかも貴子が腕にぶら下がって歩いているので、身一つというわけではないですね。身二つです。
 最近、瑞穂と貴子は何をするのも一緒です。まあ、同棲しているから当然といえば当然ですが、それにしても仲のよいことです。喧嘩をすることはないのでしょうか?
貴子は今まで抑鬱した生活を送っていたのですが、それから開放されたため、その反動で普通の人々以上に仲がよくなっているのかもしれません。愛に飢えていたのでしょう。それを瑞穂に満たされたので一緒にいたいに違いありません。
 さて、寮に向かう瑞穂と貴子の会話を聞いてみましょう。
「ねえ、あなた。フェンシングの経験はどのくらいありますの?」
「体育の授業でやった6回だけ……」
「………あの、それで教えて大丈夫なのですか?」
「まあ………何故か圧倒的に強かったから。奏ちゃんがそれを知ってて指導を頼んできたんだ」
「ふ〜ん………そうですのぉ?」
「何、その眼は?思いっきり疑っている感じじゃない」
「だぁってぇ〜」
「でも、却ってその方がいいんと思うんだけど」
「どうしてですか?」

324 :みどりん:2008/02/16(土) 10:10:27 ID:h8/YP5Re0

「型とか基本姿勢とかそういうことよりも勝つためのノウハウとか心構えを教えられそうな気がするから………」
「なるほど、それはそうかもしれませんわね。普通は基本の型の練習から始めますから。ですが、相手はフェンシングの専門の方でしょ?勝てるのですか?」
「何でも剣道は三段の腕前を持ってるそうだから、案外筋はいいんじゃないの?僕だってフェンシングは素人だけど空手をやってたし、男で力があるからきっと強かったんだよ」
「そうなのですか………ねえ、剣道とフェンシングとどちらが強いのですか?」
「う〜ん、………試合だとほとんど互角らしいよ。フェンシングが勝つこともあるし、剣道が勝つこともあるみたい。昔見たテレビの番組では、フェンシングが勝ったけど、ほとんど互角に見えたね。
 でも、真剣だと剣の破壊力が剣道のほうが高いんで、生死をかけたとか、倒れるまでの戦いだと剣道に分があるみたいよ。
明治時代に武士と騎士が戦って、武士が勝ったって聞いたことがあるような気がする。でもほとんどそんな戦いはされないから、本当のところはよくわからないんじゃないの?」
「そうですか………剣道三段って、強いのですか?」
「うん、高校生で三段だったら最強のランクなんじゃないの?」
「すごいのですね………」
「本当だね〜」
「………ねえねえ、あなたとはどちらが強いのですか?」
「さあ………でも、貴子を護るためだったら、僕は誰にも負けない。たとえ、相手がナイフを持っていても、拳銃を持っていても、大勢でも………」
「あなた………」
眼に強い光を持って、そう言う瑞穂を見て、貴子は瑞穂への愛がより深まるのを感じました。そして、瑞穂の腕をよりしっかりと掴むのです。
「ちょ、ちょっと、………貴子、重いよ」
「いいの」
「よくないよ」
「いいんです♪」
貴子は嬉しそうに瑞穂の腕にぶら下がっているのでした。

325 :みどりん:2008/02/16(土) 10:22:02 ID:h8/YP5Re0
誤字の多いみどりんの原因をSS風に表現してみました。きっと由佳里や可奈子も一杯いるのです。
護るべきものの続きは本で確認しながら書くので、少し時間がかかると思います。
出羽又。

326 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 13:38:48 ID:pDkyPQDh0
東の扉です。

>>322
まるで、「南の島のハメハメハ大王」状態ですね。
歌詞に「覚えやすいがややこしい」とありますが、私はそれ以前の問題だと思いますが。

私の都合でフライングになりますが、由佳里ちゃんの聖誕祭記念のSSを投下させていただきます。
なお、タイトルについてですが、由佳里編APPENDIX Tは「おしまいの姉妹対決」

ラウンド1 http://takayan.otbk.root-node.net/tlog/eroparo_10.html#a297
ラウンド2 http://takayan.otbk.root-node.net/ss/bbs_view.cgi?thread=000003&from=68&to=68
ラウンド3 http://takayan.otbk.root-node.net/ss/bbs_view.cgi?thread=000003&from=69&to=69
ラウンド3.5 http://takayan.otbk.root-node.net/tlog/eroparo_10.html#a357
ラウンド4 http://takayan.otbk.root-node.net/ss/bbs_view.cgi?thread=000004&from=65&to=65
ラウンド4.5 http://takayan.otbk.root-node.net/tlog/eroparo_10.html#a363
最終ラウンド http://takayan.otbk.root-node.net/ss/bbs_view.cgi?thread=000004&from=66&to=66

です。
なおこれは、投下した時点ではですので、後で正規の由佳里編APPENDIXが発表されても、苦情はご容赦ください。
それでは、よろしくお願いします。

327 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 13:43:55 ID:pDkyPQDh0
 僕は今、聖央女学院の女子寮、櫻館を訪ねている。女装してだけど。
 こうして女装して訪れるのもあとは卒業式だけだろう。そう思うと、ホッとする反面、なんか名残惜しくなってくる。
「あはは……あんなに嫌がってた女装を卒業できて名残惜しいなんて……僕もすっかり毒されたかな……」
 でも、まあいいかな。その後は、由佳里との甘い甘いキャンパスライフが待っているんだから。

〜由佳里編APPENDIX U シンデレラへのステップ プロローグ〜

「由佳里、誕生日おめでとう。それから、翔耀大学合格もね」
「瑞穂さん、ありがとうございます」
「由佳里ちゃん、おめでとうございます!」
「由佳里お姉さま、おめでとうございます!」
「由佳里さん、おめでとう」
「ありがとう、みんな」
 今日は、櫻館で由佳里の誕生パーティー兼大学合格祝いパーティーを開いている。
「でも由佳里ちゃん、最初はお姉さまと同じ大学に合格なんて出来るのかと思っていましたが、
なんでも頑張れば出来るものですね」
「うん……瑞穂さんがよく教えに来てくださったおかげだよ」
 奏ちゃんが言うと、由佳里は頬を染めながらそう返す。でも、僕が教えていたのは最初の頃だけで、
あとはほとんど普通に恋人同士が会うような感じだったけどね。
「そんなことないよ。由佳里自身の頑張りだって」
「そ、そんな……あ、瑞穂さん、お料理ができる頃ですので、取って参りますね!」
 由佳里は耳まで真っ赤になって厨房の方に向かっていった。本当に可愛いな。

328 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 13:49:27 ID:pDkyPQDh0
「すごいね。これ全部由佳里が作ったんでしょ?」
 僕はテーブルに並べられた料理を見て驚く。そこにあったのは、まるで一流レストランのフルコースみたいだ。
「違いますよ。初音や奏ちゃんにも結構手伝ってもらいましたし」
「でも、ほとんど由佳里お姉さまがお作りになったものですし……
こんな料理がご自分で作れるんですから、うらやましいです……」
 初音ちゃんは頬を染めて由佳里を見る。
「しかも、今では成績は私に負けないくらいになっていますし、通っているダンス教室でも、
ベスト5に入る実力を持っているそうなのですよ」
「礼儀作法も完璧に演じてるし、由佳里さんがエルダー選挙で3位に選ばれるのもうなずけますよ」
 ちなみに、エルダー選挙の獲得票は、奏ちゃんが約37%、放送部の魚住響姫さんが34%、
そして由佳里が28%だったらしい。奏ちゃんは、由佳里と響姫さんに票をもらってエルダーになったわけだ。
「そうね。ところで、薫子ちゃんは手伝わなかったの?」
「うっ……どーせあたしはガサツで不器用ですよ」
 僕が何気なく聞くと、薫子ちゃんはすねてしまった。悪いこと聞いちゃったかな?
「あーあ……あたしも瑞穂さんとかお姉さま方の半分でも女っぽさがあったらなあ……」
「薫子、私は演じてるだけでホントに女っぽくはないよ?」
「いいえ、由佳里お姉さまも瑞穂さまも、しゃべり方とかは粗野に見えても、中身は誰よりも女性らしいと思いますよ?」
 ガーン! ガーン!! ガーン!!
「お……女っ……ぽい……誰より……」
「ゆ、由佳里ちゃん、お姉さまが落ち込んでしまいましたよ!」
「み、瑞穂さん、初音も薫子も瑞穂さんのこと褒めてるつもりなんですから、元気出してください!」
 だから由佳里、僕はそのケースが一番傷つくんだけど……。

329 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 13:54:12 ID:pDkyPQDh0
「それじゃ、由佳里の手作りの料理をいただくとしましょうか。主よ、今から我々がこの糧をいただくことに
感謝させたまえ。アーメン」
「アーメン」
 僕がそう言うと、寮のみんなは僕に続いてそう言う。
「うわあっ! 由佳里さんのお料理、今日はいつにも増しておいしいよ!」
「本当です! 由佳里お姉さま、一流のシェフも真っ青ですよ……」
「由佳里ちゃん、お姉さまがいらっしゃるからってはりきっていましたからね」
「ふふふ、奏ちゃん、今ではあなたがみんなのお姉さまなんだから、いつまでもその呼び方だと、みんなが戸惑ってしまうわよ?」
 僕が少し意地悪にツッコミを入れると、奏ちゃんは笑顔で返してきた。
「ふふふ、そんなの今さらじゃないですか。それに、私にとってお姉さまはお姉さまですから、
それ以外の呼び方は考えられませんよ」
 ガーン!!
「そ、それ以外の呼び方は……考え……られない……」
「お、お姉さま、また瑞穂さんが……」
「あ……」
「……瑞穂さまが性別のことで落ち込んでいるのを拝見するの、一体これで何度目でしょうか?」
「こういうところも好きなんだけどね。瑞穂さん、ファイトです!」
「ううう……」

330 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 13:59:10 ID:pDkyPQDh0
 それから十数秒、僕は由佳里の料理の感想をせがむ声に立ち上がって、料理を食べることにした。
 由佳里はというと、相変わらず緊張したように、僕を真剣に凝視している。
 僕はそれを見て苦笑しながらも、ハンバーグを口に運んだ。
「………!!」
「どう……ですか?」
「すごいわ! 私もごくたまに一流のレストランに行くことがあるんだけど、それよりもずっとおいしい!!」
「ほ、本当ですか!? それじゃあ、もしかしてもう瑞穂さんの奥さんに合格ですか!?」
 頬を染めて嬉しそうにそういう由佳里に、僕は苦笑しながら答える。
「もう、初めて会ったときから、由佳里は私のお嫁さんに合格だって」
「瑞穂さん……」
「どうでもいいけど由佳里さん、あんまり瑞穂さんの評点を当てにしない方がいいと思いますよ?」
「ひどいわね薫子って。瑞穂さんが味音痴だってこと?」
 ……いや、まあ確かに料理評論家になれるほどの舌は持ってないけどね。
「いや、そうじゃなくて、由佳里さんの手料理なら、普通の人が100点つけるところでも、
瑞穂さんは200点つけるんじゃないかってこと」
「愛の欲目ってこと?」
「確かにそれはありそうですね」
 薫子ちゃんが言うと、初音ちゃんも奏ちゃんも僕をからかってくる。
「もう、みんなやめてよ」
 そして、僕と由佳里は、パーティーの間中からかわれ続けた。


331 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:04:32 ID:pDkyPQDh0
「瑞穂さん、今日はどうしますか?」
 パーティーも終わったところで、由佳里が僕に聞いてくる。
「じゃ、今日も由佳里の部屋に泊まろうかな」
 それを聞いて由佳里は笑顔になる。
 ちなみに奏ちゃんたちは、僕たちに気を利かせて、後片付けを全部引き受けてくれた。
「その前に、お風呂に入ろう」
「あ、そうですか。瑞穂さんはいつもしまい湯でしたね」
 由佳里は、僕が櫻館にいた時のことを思い出して言う。
「あの時は正体がばれると困ったからね。そういえば、由佳里は卒業旅行の時、僕と一緒に入りたがってたね。
せっかくだから、一緒に入ろうか?」
「え? いいんですか!?」
 それを聞いた由佳里は、顔を真っ赤にして嬉しそうに言う。よっぽどそれを望んでたみたいだ。
「もちろんだよ。もう正体を隠す必要もないしね」
 こうして僕たちは、一緒にお風呂に入ることになった。

332 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:09:12 ID:pDkyPQDh0
「み、瑞穂さん、そんなに見ないでください……」
 お風呂に入るなり、由佳里は恥ずかしそうに胸とあそこを両手で隠しながら言う。
「そういう由佳里だって、僕のことじろじろ見てるじゃない。それに、今さらでしょ?」
 僕も由佳里に見られて少し恥ずかしい。お互いの裸を見るのは今まで何度もあったけど、こういうシチュエーションは
初めてだから、かな?
「それはそうですけど……」
「由佳里の裸を見たのって、第2音楽室で……あ、あの時はまだ裸じゃなかったっけ……でもあそこを見たのは……
あ、詩織さんに会った時だ」
「み、瑞穂さん……思い出さないでください! 恥ずかしいですよ!」
 由佳里はますます顔を赤らめた。それがすごく可愛くて、意地悪したくなってくる。
「僕はあの時、興奮を抑えるのに必死だったんだけどね」
「も、もう、瑞穂さんのえっち!」
 由佳里はそういうけど、口調は怒っているのか甘えているのかわからない。
「あれえ? そういう由佳里も、僕に見られてえっちな気持ちになってたんじゃないの?」
「なっ……!」
 由佳里は固まる。あまりに予想通りの反応だな。
「そ、そんなワケないじゃないですか!」
「そうだよね。そんなとこ、スケベ心まるだしの男に見られても、気持ち悪いだけに決まってるからね。ごめんね、由佳里……」
 僕はわざと落ち込んだフリをした。こうすれば、由佳里はのってくれるはず。
「そ、そんなことないですよ? だって私は……」
「私は?」
 あまりにもうまくいくので、僕はこらえてくる笑いを必死にこらえながら聞く。
それを見て、由佳里は自分がはめられたことに気づいたようだ。
「み、瑞穂さん!」
「どうしたの? 黙ってちゃわからないよ?」
「……ました」
 由佳里は、赤くなりながら小さな声でぼそぼそと話す。もう一押しだ。
「なんだって? もっと大きな声で言わないと聞こえないよ?」
「私も瑞穂さんに見られて感じちゃいました! 興奮しちゃいました! ついでにあの後何度か、あそこで瑞穂さんが
私に手を出してくださるところを想像しながらオナニーしてました! もう、瑞穂さんの意地悪!!」
 由佳里は、なおも顔を真っ赤にして大声で言う。だけど、その後のことまでは聞いてないんだけどね。

333 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:14:11 ID:pDkyPQDh0
「あはは。ごめんごめん。じゃあ、お詫びに、僕が身体を洗ってあげるね」
「え……?」
 僕はそう言うなり、バスタオルに石鹸をつけて、由佳里の身体を優しくこすり始める。
「あっ……」
 そっとバスタオルを当てただけで、由佳里はそう悩ましげな嬌声を発する。
「じゃあ、擦るね」
 僕はそう断ると、まずは由佳里の背中を、次におなかをごしごし。
「んっ、はあっ、くうんっ……!」
「あらら、普通に洗ってるだけで感じちゃうの?」
「はあ……はあ……だ、だってえ、瑞穂さん、すごく優しいんだもーん……」
 そういえば、由佳里は優しくされるのが好みだったな。
「ふふふ、由佳里もたまってたんだね。そういえば、受験勉強に集中するために、
ここのところ僕とは全然してなかったからね」
 1人では、してたかどうかは知らないけどね。
「じゃあ、由佳里のえっちなところも洗っちゃおっかな?」
 今度は由佳里の胸をバスタオルで。
「ふぁああっ! やっ、み、瑞穂さん、そ、そこはダメ……」
「全部きれいに洗わなきゃ、お風呂に入った意味がないでしょ?」
「で、でも、それ以上そこを擦られたら、私……」
「わかった。じゃあ、こっちを洗うことにするね」
 次は、由佳里のあそこ。
「ひゃあああっ! そ、そこはもっとダメですうん!」
「わがまま言わないの」
 そう言って、交互にごしごし。
「ふぁああああっ、瑞穂さん、ダメ、もうダメえっ! イく、イく、イっちゃうううん!!」
 そう言うと、由佳里のあそこから、大量の蜜が流れてきた。
「はあ……はあ……はあ……はあ……」
 ぐったりとする由佳里。僕は身体を抱きながら、石鹸をシャワーで流してあげた。

334 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:19:31 ID:pDkyPQDh0
「どうだった、由佳里?」
「と、とってもよかったです……」
 由佳里はボーッと僕を見つめながら答えた。
「そう。よかった。でも、由佳里だけ気持ちよくなるのはちょっとね」
「あ……」
「僕の身体も洗ってくれないかな?」
「は、はい……」
 由佳里はそう言って、バスタオルに石鹸をつけて僕の身体を洗ってくれる。
「んっ、んうっ……」
「瑞穂さんの身体を洗わせていただけるなんて、夢みたいです……」
 由佳里はそう言って、僕の身体を、丁寧に優しく洗ってくれる。僕への愛情がよく伝わってきて、とても気持ちいい。
「瑞穂さん、ここも洗わせてもらって、いいですか?」
 由佳里はそう言って、顔を赤くしながら、僕のあそこを指差す。
「じゃあ、お願いしようかな」
 苦笑いしながら言う。まあ、僕だけ断るわけにはいかないからね。
「あっ! あうっ! くううっ!!」
 由佳里は僕のあそこを、丹念に何度もよく洗ってくれる。僕への欲情がよく伝わってきて、とても気持ちいい。
 由佳里は僕の身体をこすってくれると同時に、シャワーで石鹸を流してくれている。
そうしながら、時々自分の胸やあそこにもシャワーをかけてるみたいだけど。
「み、瑞穂さあん……瑞穂さんのを洗っていたら、もう……もうっ!!」
 見ると、由佳里は熱っぽい視線で元気になった僕のあそこを凝視している。由佳里のあそこも、もう大洪水だった。
「もう、どこまでもえっちだね、由佳里は」
「瑞穂さんなら、どこまでもえっちになるよおっ……」
「いいよ。僕の前でだけえっちでいてくれれば。じゃあ、マットの上に寝て」
 由佳里は恥ずかしそうにしながら、マットに仰向けに寝そべった。
「じゃあ、入れるよ。いい?」
 由佳里は身体をビクンビクンと震わせながら、こくっとうなずく。
 僕はそこに元気になったものを入れると、それだけで我慢していた快楽が、途端に堰を切ったようにこみ上げてくる。
「ゆ、由佳里、僕、もうダメ……」
「み、瑞穂さあんっ! 私も、もうダメですうん!!」
 奥まで入れると同時に、僕は由佳里の中に大量の弾丸の嵐を放出してしまった。

335 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:24:27 ID:pDkyPQDh0
「ゆ、由佳里、ごめん……」
「いいですよ。私も中に出してもらった方が嬉しいですし、法律上、結婚しても問題はないんですから、できてしまっても……」
 由佳里は頬を染めて、自分のおなかを愛しそうにさすりながら言う。
なんだかすごく愛しいというか、すごく微笑ましいというか。
「も、もうそろそろあがろっか? 奏ちゃんたちを待たせるのも悪いし……」
「そ、そうですね……」
 そして僕たちはお風呂を出て、着替えると由佳里の部屋に向かった。

336 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:29:19 ID:pDkyPQDh0
「由佳里お姉さま、まりやさまから宅配便です!」
 僕たちが部屋で休んでいると、初音ちゃんが部屋に入って来て、僕たちにアメリカにいるまりやからの小包を渡してくれた。
「ありがと初音」
「まりやからか。由佳里の誕生プレゼントかな?」
「そうですね。開けてみましょう」
「わあ!」
 僕たちが小包を開けると、中から出てきたのは、斬新なデザインの服と、1枚のCD−Rだった。
「わあ、素敵な服です」
「そうだね。由佳里にぴったり似合いそうだよ」
 由佳里は、早速その服を試着してみてくれた。
「瑞穂さん、どうですか?」
「うん。すごくいい。やっぱりまりやの選んだ服だけのことはあるね。由佳里のきれいなところが、一段と映えるよ」
「あ、ありがとうございます……」
 由佳里は嬉しそうに頬を染めて、手で口もとを隠しながら言う。すごく可愛いポーズが嬉しくて、
僕はみんなにも見てもらいたいと思い、みんなを呼んできた。

337 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:34:21 ID:pDkyPQDh0
「わあ、由佳里ちゃん、とっても美しいです……」
「由佳里お姉さま、素敵です……」
「なんか、由佳里さんの全然違う一面が見れた気がする……」
 3人も、新しい衣装に身を包んだ由佳里に見とれている。
「あ、CD−R、聞いてみない?」
 その恥ずかしさに耐えかねてか、由佳里がそう言ってCD−Rをプレーヤーに入れた。
再生ボタンを押すと、まりやの声が聞こえてきた。
『由佳里、誕生日おめでとう。ちょっと時差の関係で送る時間ミスっちゃったから、
着くのは早くて夜ぐらいになると思うけど。
 それで、プレゼントだけどね。それ、あたしがデザインした服第1号よ。
由佳里のよさが引き立つようにデザインしてあげたの。
 喜びなよ。歴史に名を残すことになる天才デザイナー、御門まりや様の服を最初に着れるんだからね』
 僕たちはそれを聞いて苦笑した。もうその気満々だな。でも大丈夫。きっとまりやならそうなれるから。
『合格発表ももうそろそろね。確かめてないけど、由佳里なら瑞穂ちゃんと同じ大学に合格してると思うから、
そっちもおめでとうって言っとくわね』
「お姉さま……」
 由佳里が嬉しそうに言う、直接のメッセージじゃないけど、それでもまりやの温かい気持ちがよく伝わってくるな。

338 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:39:20 ID:pDkyPQDh0
『あ、そうそう。エロボケゆかりんのことだから、勉強ばかりで相当たまってると思うから、
ひょっとして瑞穂ちゃんとベッドを待たずに、お風呂場あたりでやっちゃってるのかにゃー?
 でも、瑞穂ちゃんは無限の性欲持ってる由佳里と違って男の限界があるんだから、適度に休ませてあげなよ? じゃあね』
「………!!」
 メッセージはそこで終わっていた。由佳里は顔を真っ赤にして凍りついている。きっと、僕も同じ表情をしているだろう。
「あ、あの……」
「由佳里ちゃん、もしかして今お風呂でお姉さまと……」
「楽しんでたり……します?」
 奏ちゃんたちが、顔を真っ赤にして聞いてくる。
「あ……いや……」
「その……えっと……」
 僕たちは、何も言葉が思いつかない。奏ちゃんたちは、そのリアクションを肯定と受け取ったみたいだった。
「あ、あの、お姉さま、由佳里ちゃん、じゃあ、私たちはこれで失礼いたしますね」
「瑞穂さま、由佳里お姉さま、ごゆっくりお楽しみくださ……お休みなさいませ」
「み、瑞穂さん、由佳里さん、おやすみ……」
 みんな、そう言ってそそくさと部屋に戻っていった。
「ゆ、由佳里……」
 僕が恐る恐る由佳里を見ると、由佳里は顔を真っ赤にして全身が震えさせていた。
「ま、まりやお姉さまのバカーッ!! どうしてくれるんですかーっ!!」
 櫻館に、由佳里の叫びが響き渡った。

To be continued……

339 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:44:40 ID:pDkyPQDh0
 海を隔てて、まりやからのツッコミ……。
「そこまであたしが責任持てないわよ。だいたいそんなの、普通人に聞かせたりしないでしょ? 
あたしの性格よく知ってるクセに、人前で再生するほうが不用心じゃない」

340 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/16(土) 14:49:45 ID:pDkyPQDh0
とりあえず、これで一区切りです。
それではみなさんも、あさってには、どうか由佳里ちゃんを祝ってあげてください。
よろしくお願いします。

それでは、これで失礼いたします。

341 :みどりん:2008/02/17(日) 13:41:27 ID:xNSJ2o6l0
楓さんの秘密

1)エクササイズ
 楓さんは日々の体力増進を欠かしません。今日もエクササイズをしています。話題のビ△ーズブートキャンプをやっているようです。が、普通の人と何かが少し違うようです。
「コ、コマンダー・カエデ。自分はもうついていけないのであります」
「あら、ビリー。軍を辞めて体が鈍ったんじゃないの?もう一度鍛えなおさないとだめね」

2)水着
 楓さんは慶行さんと一緒に南の島に来ています。海を目の前にしたコテージで二人くつろいでいます。
「それで、楓さんはどんな水着にしたのかね」
「もう、慶行さん、エッチなんですから。あんなご命令でしたので探してしまいましたわ」
「見せてもらえんだろうか」
「ええ、少しお待ちください」
楓さんは、そういって別の部屋に行きました。部屋はたくさんありますから、楓さんの部屋もあります。
「こんな水着にしてみました………」
ttp://galleries.wickedweasel.com/contributors/wickedest/305/7 のようなものでしょうか?
「楓さん、それは!!………ウォーーー!!」
「イヤーーー」
慶行さんは豹変してしまいました。それから、何をしているのか知りませんが、南の島にいる間中、部屋から出てきませんでした。ベッドの軋む音はしますが。これでは一体何のために水着を買ったのかわかりませんね。

 日本に帰ってきてから………
「楓さん、父様、お帰りなさい。旅行はどうでした?」
家に着くと瑞穂が出迎えます。
「いや、まあ、なんだ………」
慶行さん、歯切れが悪いです。
「あの……瑞穂様の弟か妹を作りたいと思うのですが……」
楓さんは少しもじもじしながら言います。
「え?!それじゃあ………」
「まあ、そういうことだ」
「おめでとう、楓さん」
よかったね、楓さん。

342 :みどりん:2008/02/17(日) 13:43:49 ID:xNSJ2o6l0
3)人間ドッグ
「あれ?今日は楓さんは?」
瑞穂が聞きます。
「ああ、楓さんはメンテだ」
書類に目を通している慶行は何の気なしに答えます。
「メンテ?」
瑞穂は聞きなおします。
「え゛!!!  あ、あ、その、何だ。人間ドッグだ」
慶行は突然あわてたように答えます。
「人間ドッグ?楓さんってそんな年なの?」
「い、いや、その、そういうわけではないのだが………」
「???………わかった。父様との結婚を前に、悪いところが無いか調べておこうっていう楓さんの優しさでしょ?」
「そ、そういうことだ」
「ふ〜ん。父様もとうとう再婚かぁ」
「ワハ、ワハハハハ………………」

「楓さん、どこか具合の悪いところはありませんか?」
「右腕の使用頻度が高いので、少しがたがきてますわ。今度開発された新型のAR-1000K型に交換しておいていただけますか?」
「わかりました。あれは最大握力が1tありますから、何かを力いっぱい掴むときは気をつけてくださいね。他はパーツの交換は不要ですか?」


343 :みどりん:2008/02/17(日) 13:44:09 ID:xNSJ2o6l0
4)パソコン
「もう、瑞穂さんも貴子さんもパソコンの教え方が厳しいのですから、困りますわ。普段直接接続しているから、タイピングはいらないのに………」
楓さんは奥の青い歯(ブルートゥース)を起動させ、本体とリンクしました。
「直接接続ならこんなに早いのに………」
すさまじい速度でパソコンにインプット、というより目から入力した情報を転送していきました。

5)料理
「やはり、楓殿のお料理は上手なのであります」『同意』
メイド仲間のヴィルヘルミナ・カルメルさんが楓の料理を褒めます。変な声がしますが、無視しましょう。
「そ、そうかしら?」
楓さんは一応喜びます。でも、彼女に褒められても………ねぇ。


おしまい

344 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/18(月) 00:37:03 ID:yR4Jbrpr0
『みずほはへんたいさん』

20XX年2月18日。瑞穂と由佳里が結婚して最初の、由佳里の誕生日……
「誕生日おめでとう由佳里。これプレゼント……」
結構大きな箱である。
「ありがとうございます瑞穂さん。開けてもいいですか?」
「もちろん!」
わくわくしながら包装を破り、箱を開けたのだが……

「な、何ですかこれは〜?!」
「由佳里に着て欲しいなって思ったから。ダメかな?」
瑞穂は、二人きりの時特有の甘えた視線で由佳里を見つめた。
「……う、そんな目で見ないで下さい。わかりました、着替えてきますから」

そして五分後……
「……やっぱり恥ずかしいですよコレ」
 ∧_∧
γ〈从从)〉
│リ!"ロ"ル
│U  つ
人   ノ
 U ̄U

「かっ……」
「か?」

345 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/18(月) 00:40:50 ID:yR4Jbrpr0
「可愛い!やっぱり僕の見立てに間違いは無かった。可愛いよ由佳里!」
(云える。『僕の由佳里は可愛い』って、声を大にして云える!)
「そ、そうですか?瑞穂さんに喜んでもらえて良かったです。でも、何故これを?」
ネコの着ぐるみパジャマをプレゼントされたのだ。由佳里の疑問は当然だろう。
「由佳里ちゃん覚えてるかな?僕が聖應に居た時の学院祭の事……」
「?」
瑞穂が昔みたいに『由佳里ちゃん』と呼んだので、由佳里は首をかしげた。
「由佳里ちゃんのクラスの喫茶店を覗いた時、『猫を被った由佳里ちゃん』を想像したのを思い出して……
 恐らく僕はあれ以来『猫を被った由佳里ちゃん』を何時か見てみたいって思ってたんだ」
「……それ、シリアスに語る話じゃないです」
「と、とにかく、僕は長年の夢がかなった。由佳里はネコパジャマでヌクヌク。と云う訳で……」

瑞穂が由佳里に襲い掛かった。
「ちょ、瑞穂さん、何が『と云う訳で』なんですか?今日の瑞穂さん変態みたいです」
瑞穂の動きが一瞬だけ止まった。
「だって由佳里が云ったんだよ。僕の事『男でも女でも、へんたいさんでもいい』って」
「だ、だからってそんな……」
「このパジャマって、ファスナーが前に付いてるんだ。何故だと思う?」
ジーーーッ!
「あ……」
既に由佳里の顔は真っ赤っかだ。
「この前のバレンタイン、由佳里のチョコレートケーキは美味しかったけれど、
 僕はね、由佳里が自分の身体にチョコを塗って『私を食べて♪』ってやってくれるのを期待してたんだ。
 あの時何もしなかったから、欲求が溜まっちゃって……
 今月に入ってから全然シテないから、今日は覚悟してね!」
「瑞穂さん……あん♪」

『完』

346 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/18(月) 00:44:14 ID:yR4Jbrpr0
以上です。ヒネリもオチも有りません。次回作にご期待下さいって云っておいてこれか……orz
この先はご想像にお任せします……と云う事で。具体的な描写をしないのが私のジャスティス!
(ただ単に、表現力とか根本的な技量とかが無いだけです)
瑞穂ちゃんがどんどん三枚目になってきてるので、そろそろ修正しないといけないですね。
由佳里エンドの瑞穂ちゃんはツンデレ、と云うのが私の脳内設定だったりします。

とりあえず由佳里モノを一つ書けてひと安心。
HNの由来も、以前新聞を読んでいた時に、『バンクーバー』を素で『ハンバーグ』と読み間違えたのが原因だったりするので。

それでは、由佳里ちゃん、誕生日おめでとうございます。

347 :みどりん:2008/02/18(月) 22:48:57 ID:guQbqdS70
ばんくーばーさん
(感想の時期が遅すぎますが……)口紅(ルージュ)をひかないお姉さまが面白いです。
私が貴子ファンなだけかもしれませんが。

東の扉さん
>>326 私もそれ以前の問題だと思います。
投稿に1時間を要する大作の投稿、ごくろうさまでした。
おもしろかったです。
まもなく奏薫編に到着しそうです。
期待に沿えればよいのですが。
あと、感想欄へのアイデアありがとうございます。
それは面白そうです。考えて見ます。

348 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/19(火) 11:00:41 ID:dt5SLyuh0
>>345
私はいつも『猫をかぶった由佳里ちゃん』で、某ゲームの同名キャラのあだ名「ゆかにゃん」を連想してしまいます。

今月に入ってしてないって、由佳里ちゃん、それでよく耐えられたな……。
由佳里ちゃんの方が瑞穂くん以上に溜まってるんじゃ……。
何はともあれ、面白かったです。

>>347
楽しみにお待ちしていますね。

ちなみに書き忘れましたが、私の中では、由佳里ちゃんは由佳里ルートでは礼儀作法その他色々習っているので、
エルダー候補になっていると思っています。(まあ、他のルートでも、1,2票はもらってるでしょうが)
まあ、奏ちゃんや響姫ちゃんがいますので、3位になってもらっていますが。
……それにしても、奏ちゃんと響姫ちゃん、名前の相性がいいですね。

349 :名無しさん@初回限定:2008/02/20(水) 23:39:51 ID:uEAnW9vo0
  

350 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/21(木) 19:24:06 ID:Cd3+qmiw0
『驚異の肺活量』

「スタート5分前です」
緋紗子のアナウンスが寒空に響き渡る。
上岡由佳里は、スタート地点で入念にウォーミングアップをしていた。


……二月下旬、聖應女学院では新入生(入学して1年近く経つのに『新入生』と云うのもおかしな話だが……)
を対象にしたイベントが行われる。新入生限定マラソン大会である。
基本的には全員参加で、距離は10km。お嬢様学院である事を考えると、明らかに無茶な設定だ。
この大会の基本理念は、『どこまで頑張れるか』である。
完走することを求められている訳ではなく、また、勝ち負けを競う物でもない。
コースの至る所に、上級生のヘルパーがスタンバイしており、リタイアした生徒のフォローが速やかに行われる。
それ故、大会の過酷さの割には和やかなムードで行われるはずだったのだが……

大会前、出所不明の噂が学院中を駆け巡った。
『トップでゴールした生徒には、お姉さまがタオルをかけて下さる』と云う噂である。
本来なら、俄然ヤル気が出るシチュエーションなのだが、生徒達の反応は冷ややかだった。
単勝1.1倍、断然の1番人気、陸上部長距離のエース『上岡由佳里』。
上級生を押しのけて部の代表になっている彼女の存在は、他の生徒達のヤル気を失わせるのに十分過ぎたのである。
その為、和やか……と云うよりは、しらけムードが漂っていた。

351 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/21(木) 19:28:21 ID:Cd3+qmiw0
完走する生徒は自分を含めて十人行かないであろう大会。それでも由佳里は、手加減するつもりは全く無かった。
目標の一つは自己ベストの更新。やはり大会形式の方が真剣味が増すと云う物だ。
そしてもう一つはもちろん、お姉さまに抱きしめてもらう事(誰もそこまで云ってません)である。

スタート地点に、スターターを務める瑞穂がスタンバイした。
スタート地点=ゴール地点なので、噂は恐らく事実なのだろう。
「みなさん、頑張って下さい」
スピーチを2秒で済ませるのと同時に、瑞穂は電子ピストルを構えた。
「用意……」パーンッ!
号砲と共に、生徒達が走り出した。

由佳里を含む十数人が先頭集団を形成した。
運動部に所属しているのは由佳里だけではない。身体能力だけなら、由佳里に勝るとも劣らない者は幾人も存在する。
序盤の数kmは、何の変化も無くまったりと進行した……が、
半分の5kmを過ぎた辺りで、由佳里以外の生徒は、徐々にスピードが落ちてきた。
身体能力は兎も角、長距離走の適正では、やはり由佳里に一日の長が有る。
ちなみに、この時点で大半の生徒はリタイアしている。
(うん、今日は絶好調!良いタイムが出そうね♪)
由佳里のペースは衰えない。お姉さまの抱擁(だから誰もそんな事云ってないって)はもうすぐだ。

352 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/21(木) 19:32:29 ID:Cd3+qmiw0
結局、自己ベストを更新するタイムで由佳里はゴールした……のだが……
「由佳里、お疲れ様!」
まりやが、完走した由佳里にタオルをかけて抱きしめた。
「ま、まりやお姉さま?!あ、あの……」
(コンナハズデハ?オネエサマハ??)
由佳里は周りを見渡して瑞穂の姿を探す。すると、信じられない光景を見つけた。
「奏ちゃんお疲れ様。凄かったわよ」
瑞穂は奏にタオルをかけ、労をねぎらっていたのである。
(ナゼ?イッチャクデゴールシタノハワタシノハズナノニ……)
「ああ由佳里、もしかしたら気付いてないのかもしれないけど、優勝したのは奏ちゃんよ」
「え?」

 少し遡って8km地点。
 (行ける!このペースなら、自己ベストも更新出来る!)
 由佳里の目には、既にゴール(瑞穂)しか見えていない。絶好調の由佳里は、正にランニングハイ状態だった。
 しかしそれ故に、後ろから猛スピードで追い抜いていくピンクのリボンに、由佳里は全く気付かなかったのである。

 更に遡ってスタート直後。
 「はやや?!人がゴチャゴチャしていて出られないのですよー」
 奏は小柄故、集団の中に埋もれてしまう。そのせいで、先頭から大きく遅れてしまった。

「ちょっと待って下さい。私自己ベストを更新したんですよ。
 何で奏ちゃんがそれよりも早いんですか?まさか奏ちゃん……」
奏に疑いの目を向ける由佳里を、まりやは軽く小突いた。
「奏ちゃんがそんなズルする訳ないでしょ。第一、コースにはあたしたち上級生がびっしりと配置されてたんだから、
 ショートカットとかは無理よ。全く……恥を、恥を知りなさい!」
(にゃははっ!瑞穂ちゃんのモノマネ、一度やってみたかったんだ♪)
それでもやはり、由佳里には納得が行かない様だ。
「いや〜、でもまさか奏ちゃんがこんな凄かったなんてねぇ。演劇部なんか辞めて陸上部に入……」
まりやは、二時の方角から禍々しい気配が接近するのを敏感に察知した為、陸上部への勧誘を断念した。

353 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/21(木) 19:36:19 ID:Cd3+qmiw0
「……奏、良くやったわ。それでこそ演劇部次期部長よ」
「部長さん!ありがとうございますなのですよー」
二時の方角からやってきた圭が、奏をねぎらった。
「あ、あの、圭お姉さま。奏ちゃんに何かしたのですか?まさか怪しげな儀式で奏ちゃんを……」
疑いの目を向ける由佳里を、圭は軽く小突いた。
「失礼な、そんな野暮な事はしてないわよ。演劇と云うのはね上岡さん、何よりも体力が必要なの。
 だから演劇部では、運動部顔負けのトレーニングをしているのよ。奏のこの結果は当然……」
それでもやはり、由佳里には納得が行かない様だ。
演劇部に所属しているのは奏一人だけではない。他にも演劇部員が参加しているはずなのに、
完走しているのが奏だけ、と云うのはおかしいではないか。

「奏ちゃん、凄いですわ!」
「紫苑お姉さま!むぎゅ、むぎゅぎゅぎゅ……」
紫苑がいつもの様に奏の事を抱きしめる。
1分経過……2分経過……
「し、紫苑さんストップ!奏ちゃんが窒息してしまいます」
瑞穂は、何とか奏の事を紫苑から引き剥がす事に成功した。紫苑に対する嫉妬が若干混ざっていたのかもしれない。
「ぷはぁっ!大丈夫なのですよお姉さま」
意外な事に、紫苑から開放された奏は、長時間息をしていないにも拘らず平然としていたのである。
「か、奏ちゃん平気なの?」
「え?数秒程度なら流石に平気なのですよー」
「いや、数秒って……明らかに数分経っていたんだけれど……」
どうやら奏は、紫苑に何度も抱きしめられる事により、心肺機能が飛躍的に発達してしまったらしい。
奏の激走の理由を知った瑞穂は、賞賛とも呆れともつかないため息をついた。

そんな奏達の様子を呆然と眺めていた由佳里は、起死回生一石二鳥のアイデアを思いついた。

354 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/21(木) 19:39:41 ID:Cd3+qmiw0
その日の夜の事。
就寝しようとした瑞穂の部屋のドアをノックする音がした。
コンコンッ!
「あの……お姉さま、起きてらっしゃいますか?」
「由佳里ちゃん?」
瑞穂はドアを開け、由佳里を招き入れた。
「えっと……少しお時間よろしいでしょうか?」
「ええ、もちろんよ。何かしら?」
「あっ、はい、あの……その……」
「ん?」
もじもじしていた由佳里は、何とか体の奥から声を振り絞った。
「えっと、お、お姉さま……私の事、息が出来なくなる位抱きしめてください!」
「……それは、まりやじゃダメなのかしら?」
由佳里の野望、あえなく潰える。

『完』

355 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/02/21(木) 19:44:31 ID:Cd3+qmiw0
以上です。「んな訳ねーだろ!」モノを書いてみました。
タイトルの由来は、胸囲が驚異じゃない人たちが主役だからです(ぉぃ
元々はゆかりん誕生日記念だったのですが、内容がアレなのでやめました。
一応奏ルートがベースになってます。瑞穂ちゃんがゆかりんを拒絶したのは、既に奏ちゃんと結ばれていたからです。

>>347みどりんさん
ありがとうございます。私も典型的な貴子ファンでして。それ故に、貴子が貧乏くじを引く話は書かないと思います。
誤字関連は大変です、特におとボクは。七々原とか小鳥遊とかは、真っ先に辞書登録しました。
誤字が無い様に心がけてきたのですが、『圭圭圭』で凡ミス(脱字)をやっちゃったので、心が折れそうです。

>>348東の扉さん
ありがとうございます。由佳里エンドの由佳里は、私の中ではゲーム最強ヒロイン(瑞穂ちゃん除く)だったりします。
それこそエルダー選挙で最多票を得る位の。(でも即座に奏ちゃんに譲渡)
>今月に入ってしてないって、由佳里ちゃん、それでよく耐えられたな……。
そう云えばそうですね。まあ、具体的に何をシテないのかは明言してない訳で。
多分二人がシテなかったのは、『一緒にハンバーグを作る』とかだったんでしょう。
瑞穂は、○○○の肉をこねくり回した。(○○○に入るのは、モチロン『合挽き』です)

それでは、お二方共、今後の作品も楽しみにしております。

356 :名無しさん@初回限定:2008/02/22(金) 00:39:55 ID:DikUpm880
お前は一体何を言っているんだ?(ミルコ風)

357 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/22(金) 16:59:17 ID:JPT7mfAL0
……なんか最近、L鍋さんの新作が無性に読みたくなってきました。
あとどれくらいかかるのかな?

358 :名無しさん@初回限定:2008/02/22(金) 20:09:35 ID:DikUpm880
>>355
空気嫁

359 :名無しさん@初回限定:2008/02/22(金) 20:17:41 ID:mepJC9ab0
>>358
お前がな

360 :みどりん:2008/02/22(金) 23:40:09 ID:pLyvx8Le0
マッサージ

「あなた、今日もマッサージしてくださいます?」
風呂上り、貴子さんは瑞穂さんにお願いをします。
「いいよ。ベッドで待ってて」
風呂から一緒に出てきた瑞穂さんは答えます。

瑞穂さんは寝室でエステの道具を確認します。
アロマキャンドルを灯します。
部屋の電気は落とします。
キャンドルの灯りがゆらゆらと部屋を照らしています。
電気と違ってやわらかいあかりです。
アロマキャンドルのいい香りで部屋が満たされます。
音楽もかけます。
モーツァルトでしょうか?ゆったりした音楽です。
部屋は暖炉で暖かくなっています。
貴子さんはベッドに一糸纏わぬ姿でうつ伏せで寝ています。
夫婦ですから、エステと違ってどこかを隠すようなことはありません。
何も身に着けていません。
目を瞑って瑞穂さんがマッサージしてくれるのを待っています。
瑞穂さんも何も身に着けていません。
その姿でマッサージを始めます。
瑞穂さんはアロマオイルを手に取ります。
そして、貴子さんの背中をマッサージしていきます。
ゆっくりと、ゆっくりとマッサージしていきます。
瑞穂さんはなかなかマッサージが上手です。
貴子さんは気持ちよさそうに横たわっています。
貴子さんのウェストラインはきゅっと締まっていて素敵です。
そこもマッサージを怠りません。
もっと綺麗になるようにと思いを込めてマッサージします。

361 :みどりん:2008/02/22(金) 23:41:30 ID:pLyvx8Le0
背中が終わると下半身のマッサージです。
お尻のマッサージを始めます。
貴子さんのお尻はとても形がよく、綺麗なお尻です。
尾てい骨の辺りは疲れやすいので念入りにマッサージします。
お尻をマッサージしていると、時々割れ目が開きます。
貴子さんのお尻の穴が時々見えます。
でも、貴子さんは全身美しいです。
お尻の穴まで綺麗です。
瑞穂さんはお尻の中までマッサージしたいと思いますが、その気持ちを抑えます。
お尻の次は脚のマッサージを始めます。
腿のマッサージをします。
貴子さんは気持ちよさそうです。
脹脛のマッサージをします。
足首、足の裏、足の指とマッサージの場所を移していきます。
貴子さんの一日の疲れがとれていきます。
体の後ろ側のマッサージは終わりました。
瑞穂さんは貴子さんを仰向けにします。
貴子さんは黙って上を向きます。
目は閉じたままです。
首筋をマッサージします。
ここは疲れやすいところですから……
肩もマッサージします。
瑞穂さんは本当にマッサージが上手です。
瑞穂さんは貴子さんの右腕をとります。
そして、右腕を肩から指先までゆったりとマッサージしていきます。
それから左腕をマッサージします。
腕の次は胸のマッサージです。
大きく、はりのある形のよい胸です。
瑞穂さんはその胸を包むようにマッサージします。

362 :みどりん:2008/02/22(金) 23:43:04 ID:pLyvx8Le0
「んぁっ」

貴子さんの軽い喘ぎ声が聞こえます。
胸は念入りにマッサージします。
オイルでてかてか光り輝いています。
貴子さんは軽く口を開け、口で呼吸をするようになりました。
かなり気持ちよさそうです。
瑞穂さんはマッサージの場所を下へ下へと移していきます。
お腹もマッサージします。
腰もマッサージします。

「あん……」

お腹や腰をマッサージするとくすぐったいのか貴子さんは体をくねらせます。
脚は前からもマッサージします。
腿も脛も丁寧にマッサージします。
そして、体全部のマッサージがおわりました。
貴子さんの全身はアロマオイルでぬらぬらとしています。
でも、一箇所だけそれ以外のオイルで濡れているところがあります。
脚の間にあるところです。
オイルがあふれていて、脚の間に座っている瑞穂さんからよく見えます。
そのオイルがキャンドルの灯りを反射して妖しく光っています。
瑞穂さんはそこに自分の足の付け根についているマッサージ棒を入れていきます。

「あぁぁっ……」

貴子さんはちょっと大きめな喘ぎ声をあげます。

363 :みどりん:2008/02/22(金) 23:47:50 ID:pLyvx8Le0
「んっ……」

瑞穂さんも喘ぎ声をあげます。
そして、貴子さんをマッサージ棒で体の中からマッサージしていきます。
貴子さんの腰をしっかりと抱えています。
ゆっくりとマッサージ棒を出し入れします。
貴子さんも瑞穂さんも本当に気持ちよさそうです。
喘ぎ声も次第に大きくなっていきます。
瑞穂さんはマッサージ棒の出し入れを激しくしていきます。
二人の喘ぎ声は最高潮に達します。
最後に瑞穂さん特製のオイルを貴子さんの中に注ぎこみます。
貴子さんは一瞬全身が硬直し、それから脱力します。
瑞穂さんのマッサージ棒は、オイルを注ぎ込んだ後は小さくなってしまいます。
どうしてでしょうね?
二人とも息遣いが荒いです。
こうして貴子さんは体の外からも中からも美しくなっていきます。
瑞穂さんは貴子さんの横に寝ます。
そして、二人で見つめあいます。
そのまま二人抱き合って眠りにつきます。

鏑木夫婦のいつもの夜の情景でした。



落ちも盛り上がりも何もありませんが、何となく書いてみたくなったので投稿しました。

364 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/02/24(日) 13:56:05 ID:Aq48i3YG0
職人の皆さん、作品投下GJです。

>>357 
最近、このスレへの作品投下が活発でしたので私も読者側に回ってました。
なので今のところは何も用意していません。
書くのを止めたつもりは無いので、ゆっくりとでもまた書き始めようと思います。
ハイな状態で書ければ、1日15KB位書けるので、ネタ次第ですね。
3月には何か1個でもと…。あのお方『教皇さま』(東の扉さん命名)の聖誕祭もありますしね。

365 :みどりん:2008/02/25(月) 17:15:57 ID:FLurxj6Y0
幸福の王子

 あるところに王子の像が立っていました。とても美しい王子でした。街のみんなは王子が自慢でした。
 さて、ある日のことまりやつばめが恵泉高校に戻ろうとしていました。その途中王子の足元で休憩をとることにしました。
「あ〜、今日は疲れた。ちょっと休憩」
店で買ったソフトクリームを食べています。と、空から何か冷たいものが降ってきました。
「あら、やだ。雨かしら?傘持ってきてないのに……」
まりやつばめは空を見てみました。でも雲ひとつないいい天気です。
「おかしいわね」
まりやつばめは尚も空をよーーーくみてみました。そして、何で水が落っこちてきたのかわかりました。王子が泣いていたのです。
「どうしたの、瑞穂ちゃん。そんなところで泣いて……」
そうそう、言い忘れましたが王子の名前は瑞穂と言われていました。
「うん、ここから街の様子が良く見えるんだけど、恵泉高校の寮に住んでいる由佳里ちゃんが体の疼きを鎮めるのにいろいろなおもちゃを買っているのがみえるんだ。本物で疼きを鎮められないんだって思うとかわいそうでかわいそうで………」
そういうと王子はまた涙を流し始めました。
「僕が慰められてあげられればいいんだけど、見ての通り動けないからできないんだ」
それを聞いたまりやつばめがいいました。
「それじゃあ瑞穂ちゃんのナニを切って持っていってあげようか?」
王子は像ですから体を部分的に破壊しても痛いとかいうことはありません。
「え?いいの?そんなことお願いして………」
「いいわよ。それじゃあ早速……」
まりやつばめは王子のナニを切って由佳里のところに持っていきました。
由佳里は大喜び。早速瑞穂のナニで遊び始めました。
「どう?瑞穂ちゃん。由佳里は喜んでいるみたい?」
戻ってきたまりやつばめは瑞穂王子に聞きました。
「うん、由佳里ちゃん、とっても喜んでいるみたい。ありがとう、まりや」
瑞穂王子はまりやつばめに感謝します。

366 :みどりん:2008/02/25(月) 17:16:58 ID:FLurxj6Y0
「大したことないわよ。さて…と、瑞穂ちゃん。体が動かないんだって?」
瑞穂王子、何やら悪寒を感じました。
「こんなチャンス二度とないわよね」
「ま、まりや……やめて!やめてーーー!!」
その後の阿鼻叫喚の様子はとても書けません。でも暫く時が経った後の瑞穂王子は………本物の女の子になってしまっていました。ナニは当然もうありません。胸も何が起こったのか本物の胸です。
そして、まりやつばめの謀で恵泉女子高のエルダーシスターとなり、伝説のエルダーとして生徒に慕われるようになったと言うことです。
よかった、よかった。

(よくなーーーい!! by瑞穂)

おしまい

367 :みどりん:2008/02/25(月) 17:26:58 ID:FLurxj6Y0
少し品がありませんが、申し訳ありません。
まあ、毎度のことですのでご容赦ください。

368 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 10:32:48 ID:kmN7/Njt0
SS投稿させていただきます。
これは誰かが続きを書いてくださることを期待した、いわば“勝手にプロローグ”です。
もちろん強制ではありませんが、これを見て電波受信してくださると嬉しいな……と祈っています。
(まあ、私にそれほどの技量はないかもしれませんが)

それでは、よろしくお願いします。

369 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 10:38:30 ID:kmN7/Njt0
〜エルダーミルク大盛況!〜

 聖央女学院の女子寮、櫻館。夕食後由佳里は、デザートと一緒に牛乳を飲んでいる。
「んっ……」
「やっほーゆかりん」
 そこへまりやが降りてきた。
「私はゆかりんじゃありません!」
「そういえば由佳里、最近牛乳ばっかり飲んでるわよね」
 いつものやり取りをした後、まりやは疑問に思って聞いた。
「ひょっとして、ハンバーグと同じくらい牛乳を好きになっちゃったのかにゃ?」
「ち、違いますよ! スタイル良くするためです!」
「スタイル?」
「そうです。私もお姉さま方みたいにスタイル良くなりたいですから。それには、牛乳がいいって聞いたもんですから」
 由佳里はそう言って再び牛乳を飲む。
「ふうん。あたしはてっきりエロボケゆかりんのことだから、牛乳を飲んで、
瑞穂ちゃんのおっぱいから母乳を飲んでる気分を味わってるのかと思った」
 ぶーっ!!
 由佳里は飲んでた牛乳をまりやに向かって噴き出した。
「うわっ! 何すんのよ由佳里、汚いわねえ」
「まりやお姉さまがいきなり変なこと言うからです!」
「図星さされたからじゃないの? ゆかりん」
「そんなこと考えたこともありません! ついでにゆかりんじゃありません!」
「なはは。まあ、“今日のところは”そういうことにしときましょ。じゃあね。お休みゆかりん」
「だからゆかりんじゃありません!」
 由佳里の抗議をまったく聞かずに、まりやは自分の部屋に戻っていった。
「まったく、まりやお姉さまったら……」
 由佳里はまりやを見送った後、飲みかけのミルクをじいっと見ていた……。

370 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 10:42:07 ID:kmN7/Njt0
 そして翌日。朝食の時間。
「………」
「ねえ、どうしたの? 由佳里ちゃん」
 自分の方をじいっと凝視している由佳里に、瑞穂が引き気味になりながら聞いた。
「え? な、なんでもありません」
 由佳里はそう言うと、赤くなって視線をそらす。
「………?」
 瑞穂は怪訝な表情をしながらも、追求せずに朝食を再開した。
「んっ……」
 再び由佳里は瑞穂を見ると、牛乳を少しずつ飲んでいく。
「はあーっ……」
 牛乳を飲み終えた由佳里は、まるでお酒でも飲んだように陶酔に浸っていた。
まりやは、その様子をニヤニヤしながら見ていた。

371 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 10:47:12 ID:kmN7/Njt0
 そして、その日、1−Bの教室で……。
「ねえ、由佳里さん」
 クラスメイトの1人が、由佳里に話しかけてきた。
「どうしたの?」
「由佳里さん、最近バストアップのために、よく牛乳をお飲みになってられるそうですわね。
私も始めたいのですが、牛乳が苦手で……」
 相談を聞いた由佳里は、しばらく考え込んだ後……。
「ねえ、だったらこういうのはどうかな? まりやお姉さまの受け売りなんだけど、
牛乳を飲みながら、お姉さまの母乳を飲んでるところを思い浮かべるの」
 由佳里は、途中からは小声でアドバイス。内容が内容だけに。
「わかりました。試してみます! ありがとうございます、由佳里さん!」
 クラスメイトは、ワクワクしながら由佳里に礼を言って去っていった。

372 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 10:52:23 ID:kmN7/Njt0
 そして、昼食の時間……。
「……ね、ねえ、どうしたの、みんな?」
 食堂で和食を食べていた瑞穂は、引き気味になりながら聞いてみた。
 周りの女生徒たちは、みんな顔を赤くしてじいっと瑞穂を見ていた。全ての生徒は、手に牛乳パックを持っている。
「なんでもありませんわ。お姉さま、どうかお気になさらずに」
「そう? ならいいんだけど」
 瑞穂は再び和食を食べに戻る。しかし、無数の視線を感じて思うように味わえない。
(みんな、なんでそんな目で僕を見るの? どうして? いったい何があったの?)
 瑞穂が脅えた顔をしていると、突然後ろから胸パッドをもむ手がのびてきた。
「し、紫苑さん!」
 瑞穂が振り返ると、紫苑が満面のスマイルを浮かべながら、パッドの感触を楽しんでいた。
「い、いきなり何をするんですか?」
 瑞穂が見ると、紫苑の近くにはやはり牛乳パックが……。
「牛乳をよりおいしく飲むための儀式ですわ」
 紫苑は笑みを崩さぬままそう答える。周りの生徒達は、それを見てより表情を蕩けさせた。
「牛乳の味と、ぼ……私の胸をもむこととどういう関係があるんですか!?」
 瑞穂は思わず“僕”と言いかけてしまうほど動揺していた。
「関係大ありですわ。私たちの心理の問題ですから」
「………???」
 パニックになっている瑞穂をよそに、紫苑はうっとりとしながら牛乳パックを飲み干した。
周りの生徒達も、うっとりとしながら牛乳を飲んでいる。
「はあーっ……」
 生徒たちは、いっせいに瑞穂を……瑞穂の胸を見ながら、感嘆のため息をつくのだった。

373 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 10:57:38 ID:kmN7/Njt0
 そして放課後、瑞穂は手伝いのために生徒会室を訪れていた。のではあるけど……。
「どうしたんですか、みなさん? 牛乳なんか持って」
「別によろしいではありませんか? 私たちが牛乳を飲むことで、お姉さまにご迷惑がかかりますか?」
 瑞穂の疑問を、葉子は即座に冷静に返した。
「い、いえ、そんなことは……」
 生徒会役員たちは、みな瑞穂を、いや、瑞穂の胸を凝視している。とくに貴子の視線が強かった。
「あ、あの、それでは、生徒会のお仕事を始めましょうか?」
 瑞穂は気まずさを紛らわせるため、そう言って仕事を始めようとした。
「んっ……んぐっ……ぐうううううっ……」
「た、貴子さんっ!?」
 と、瑞穂が見ると、貴子が瑞穂の胸を凝視しながら、牛乳を飲み、どんどん鼻血を出している。
「ど、どうしたんですか!」
「ぼに……ぎ、牛乳……ほいひい……」
 貴子はそう言うと、パックを持っていた手を滑らせた。他の生徒会メンバーは、すでに牛乳を飲み終えている。
「……そんなにおいしいんですか?」
「あ、いや……その……それは……」
 君枝は真っ赤になってしどろもどろだ。
「それはもう、お姉さまと一緒に飲む牛乳はおいしいですよー」
 可奈子はマイペースなのんびり調のしゃべり方で説明する。
「お姉さまと一緒だから、会長もここまでになったのでしょうね」
「私と一緒? この牛乳、そんなにおいしいのかしら? 飲んでみていいですか?」
 瑞穂はあたりを見回すが、生徒会メンバーが飲んでた以外の牛乳は見当たらない。
そして、貴子の飲んでいたもの以外は残っていない。
「ええ。ですが、ストローを短くしてからにしてください」
 葉子はそう言うと、ストローの先をストロー口の上1cmのところまで押して縮めた。
「………? じゃ、じゃあ、いただきますね」
 瑞穂はそう言って牛乳を飲んでみた。

374 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 11:07:32 ID:kmN7/Njt0
「………!!」
 それを見た貴子は仰天する。
 お姉さまが、私の飲んでいた牛乳を……すなわち間接キス……。
 しかも、瑞穂の母乳を飲む感覚で牛乳を飲んでいた貴子には、
それを見て瑞穂が自分の母乳を飲んでいるところを想像するのは簡単だった。
「おおお……おねえはまがわたひのおっぱ……は、はむはむはむ……ふぁぶーっ!!」
 見ていた貴子は、鼻血を生徒会室の天井に向けて思いっきり噴射して倒れてしまった。
「か、会長!」
「会長!」
「貴子さん!」
「会長、妄想しすぎですう」
 その後貴子を保健室に連れて行き、生徒会室の鼻血を拭き取るのに、1時間近くを要したのだった。

375 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 11:12:37 ID:kmN7/Njt0
「明日の調理実習はクラムチャウダーと牛乳かんか……上手にできるかな?」
 櫻館に帰ってきた瑞穂は、1人で明日の授業について考えていた。
「調理実習の時間はなぜか僕のクラス以外自習らしいし、もしかしたら、貴子さんたちも様子を見に来てくれるかもね……
できたら貴子さんやまりや、奏ちゃんと由佳里ちゃんにも、味見してもらおうかな……おいしくできるといいな」
 明日の調理実習で起こる大波乱など知るはずもなく、瑞穂はのんきにそんなことを考えているのであった……。

To be continued……というより……

376 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/02/27(水) 11:20:35 ID:kmN7/Njt0
とりあえず、私の書く部分は以上です。
この続きを書こうという方がいらっしゃってくださるかどうかはわかりませんが、
書いてくださる分には設定などをいじっていても文句はありませんので。

……というか、私のダメダメ妄想がどんどん表面化していますね。仕事疲れの影響か……。

ともかく、私はこれで失礼いたします。

377 :みどりん:2008/02/27(水) 23:50:42 ID:vYYRPVN60
護るべきもの(2)

 瑞穂と貴子は途中で合流した紫苑と一緒に寮に向かいます。寮で奏ちゃんを呼ぶと、噂の後輩と一緒に外に出てきます。薫子はもうフェンシングの防具を身に着けています。
「おねえさま、紫苑様、会長さん、お忙しいところどうもありがとうございます」
「ごきげんよう、奏ちゃん。何か少し会わない間に急にお姉さまらしくなったのね」
そういう瑞穂に紫苑も同意します。
「本当ですわ。ムギュ〜としにくくなってしまいましたわ」
「か、奏お姉さま、そんなことをなさっていたのですか?」
会話を聞いていた薫子が割り込んできます。
「ごきげんよう、あなたが噂の後輩ですわね」
紫苑がにこやかに挨拶します。でも、何となくそれ以上詮索するなという圧力も感じられます。さすがは紫苑さんです。
「あ、はい。七々原薫子です。よろしくおねがいします」
「ごきげんよう、薫子さん。こんな形で再開するとは思いませんでしたね」
「はい、本当ですね。で……あの、瑞穂お姉さまってフェンシングはお強いのですか……?」
「さあ……それは何とも云えませんけれど。薫子ちゃん、確か剣道は強いのよね?」
「え、一応三段ですけれど……」
「そう聞いているわ。で、始めに言っておきますけど実はわたしもフェンシングの経験はほとんどないの」
「え?!そうなのですか?」
「でも、授業ではたまたま誰にも負けなかったの。要は剣先で相手の有効範囲を突けば勝ちなの。紫苑さん、そうですよね」
「ええ、まあ単純にいえばそういうことになります」
「それに素人相手の試合ですから、ルールもあまり細かいことは言わないでしょう。だから型とかルールはあまり気にせず、剣を打ち込むことだけに集中してくださいね」
「は、はい……」
「期間がそれほど無いから付け焼刃になってしまうけれど……そうね、必ず薫子ちゃんを勝たせてあげるわ。但し、ちょっと厳しいわよ。それから、勝つための練習なので、基本訓練などはあまりやらず、実戦の繰り返しでいきたいと思います」
「よろしくお願いしますっ……瑞穂お姉さま!それで、あの、そちらのお姉さまは………」
薫子はそう言って貴子のほうを向きます。

378 :みどりん:2008/02/27(水) 23:54:13 ID:vYYRPVN60
「アヤヤ、薫子ちゃん、そういう野暮なことは聞いてはいけないのです」
奏は慌てて薫子を嗜めます。
「え?」
貴子もそう言われると自己紹介の機会を逸してしまいます。加えて奏が何を想像したか何となく分かってしまいましたので、顔が赤くなってしまいました。
「あ……」
薫子も何となく奏が言わんとしたことが分かってしまいました。そして貴子と奏と薫子の間に気まずい雰囲気が流れました。そんな雰囲気を瑞穂が破ってくれます。
「こちらは貴子さん。先代の生徒会会長で、わたしの親しい友人です」
「ウフフ、本当に親密ですわよね」
「しおんさん!」
二人を茶化すように言う紫苑を瑞穂はたしなめます。
「よ、よろしくおねがいします……」
薫子は真っ赤になって貴子に挨拶します。
「こ、こちらこそ……」
貴子も赤くなりながら返答します。
「それでは、わたしは防具を付けてきますので、その間に紫苑さんに基本の動きとか簡単なルールを教わっておいてもらえますか?」
「はい、わかりました」
「紫苑さん、お願いしますね」
「わかりましたわ」

 程なく瑞穂は防具を着けて戻ってきます。薫子はファントの練習をしています。なんといっても一番の基本ですから。
「どう?少しは勘がつかめたかしら?」
「いえ、どうも剣が軽いので調子がでないです」
「そう……まあ、そんなものでしょう。それでは、始めましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
二人は剣を交え始めます。薫子はフェンシングはやったことはありませんが、剣道は有段者です。加えてフェンシングより剣道のほうが強いと信じています。そのうえ、相手が由佳里お姉さまの推薦だと言っても、本人が素人だといっています。
気が緩んでしまうのは仕方なかったことかもしれません。でも、その考えが甘いことはすぐに証明されました。
「わわっ」
薫子の持っていた剣が跳ね飛ばされ、瑞穂の剣先が胸元に食い込んできました。フルーレの剣は人間工学的に持ちやすいように出来ているので、そうそう簡単には飛ばされることがないはずなのですが、余程力が強いのでしょうか?それとも何かコツがあるのでしょうか?
「もっとしっかり剣をもって!腰を落ち着けて!」

379 :みどりん:2008/02/27(水) 23:56:40 ID:vYYRPVN60
瑞穂の叱責が飛びます。薫子は今の太刀裁きで瑞穂が只者でないことを知りました。まず、スピードが違います。剣裁きの正確さが違います。そういえば由佳里お姉さまが瑞穂お姉さまは剣道の有段者だったと言っていたことを思い出しました。
そして、練習に対する態度が一気に真剣になりました。
 でも、状況はあまり変わりませんでした。何度も剣が吹き飛ばされます。数知れない剣先が体を痛めつけます。瑞穂の叱責が数多く聞かれます。それに、まだ一度も瑞穂に剣が届いたことがありません。
剣を使ってこれほどボコボコにやられたのはほとんど経験がないほど圧倒的な差でした。
薫子は悔しさと瑞穂に対する憎しみで目にうっすらと涙が滲んできました。瑞穂は素人相手でも一切手加減をしていないように見えます。それでも練習しなくてはうまくなりませんから、それに耐えます。
 数十分も剣を合わせると、さすがは剣道の有段者です、何となく勘がつかめてきます。そして剣が吹き飛ばされることはなくなりました。最初ほどには剣先を食らうこともなくなってきました。多少瑞穂と剣を交えることもできるようになりました。
でも、相変わらず瑞穂の体は遥かに遠いです。
「今日はこの辺で止めにしましょうか」
陽も落ちてきたので、瑞穂がマスクをとって薫子に言います。
「はい、どうもありがとうございました!」
薫子はマスクも取らずに深々と瑞穂に礼を述べます。よく観察すれば薫子の肩が小刻みに震えているのが分かったでしょう。薫子も泣き顔を見られたくはなかったのです。

 瑞穂、貴子、紫苑の3人は帰途につきます。
「どうですか?瑞穂さん。今日の練習で少し太刀筋がよくなってきたのではないですか?」
紫苑が瑞穂に意見を求めます。
「うん、そうですね……」
「素人の私からみても、急激にうまくなってきているのを感じましたわ」
貴子も紫苑に同意します。
「ひょっとすると、ひょっとするかもしれませんわね」
「本当ですわね」
「うん……」
そういう瑞穂の表情は、心持ち厳しく見えました。

380 :みどりん:2008/02/28(木) 00:09:43 ID:c50JuHD90
>375
調理実習で起こる大波乱
って、一体・・・
まさか、ミルクでなくカルピ○とか!!

381 :みどりん:2008/02/28(木) 23:04:06 ID:c50JuHD90
眠りの森の美女

 オーロラ姫は100年の眠りについていました。そこにデジレ王子がやってきました。そして、額にキスをしました。姫はゆっくり目を開き………
「止め!何なのそれは?」
演劇部部長圭の声がします。かなりいらついているような感じです。
「え?何なのって、キスしたんだけど……」
デジレ王子役の瑞穂が答えます。
「キスは口にするものでしょ。はい、もう一度やり直し」
「えーーーー!!口にするの?!」
「は、恥ずかしすぎますわ」
オーロラ姫役の貴子も反論します。
「いいじゃない。男と女というわけではないのだから……」
「そ、そういう問題ではありませんわ」
「そうですよ。やる方の身にもなってくださいよ。その……初めてなんですから」
貴子と瑞穂は赤くなりながらも必死に反論します。
「だから……?」
さすがに演劇部部長です。そんなことは気にも留めません。劇の成功が彼女のファーストプライオリティーです。
「だ、だから……額でいいことにするとか、隠して見えないようにキスするとか……」
「そうですわ。それがいいですわ」
と、食い下がる瑞穂と貴子に圭はこう言い放ちます。
「いいこと?ここはこの劇の一番のクライマックスのシーンなのよ。もっと印象付けるように演技してもらわないと劇が引き立たないわ」
ここまでいわれると、さすがに瑞穂も貴子も返す言葉がありません。
「わかった?さ、もう一度」
「う、うん……」
瑞穂は仕方なく頷きます。貴子も黙ってベッドに横たわります。
「貴子さん、ごめんなさいね」
「し、仕方ありませんわ」
二人とも顔が真っ赤です。そして、瑞穂は貴子の口にチュッと軽く口付けしました。瑞穂も貴子も生まれて始めてのキスです。二人とも恥ずかしくて仕方ありません。でも………
「止め!何なのそれは?」
「言われたとおり口にキスしたじゃない!」
瑞穂は不満そうに反論します。

382 :みどりん:2008/02/28(木) 23:05:38 ID:c50JuHD90
「いいこと?さっきも言ったけどここはこの劇の一番のクライマックスのシーンなの。観客に夢を与えなくてはならないの。そんなキスではお姫様は起きないわ。もっと印象付けるような濃厚なキスをしてください」
「えーーーー!!そんな〜!!!」
「み、皆様の前でそんなこと恥ずかしくて出来ません……」
「………お二人ともエルダーと生徒会会長という立場なのですからもっと劇が成功するよう協力してくれないと困ります。
裸になれというような無茶を言っているわけではありません。あたしも演劇部との掛け持ちで忙しいところこのように指導しているのですからそれに従ってください」
それを言われるともう何も言い返せません。
「はい、もう一度!!」
それからも演劇部部長の厳しい指導は続きます。
「もっと長く!」
「舌を絡ませて!」
「瑞穂さん、もっと強く貴子さんを抱きしめて!」
「貴子さんを深い眠りから覚ますように!!」
もう二人とも息が絶え絶えです。顔も欲情しているように見えます。
「貴子さん……はぁ……はぁ……」
「瑞穂さん……はぁ……あぁ〜……」
そんな二人に圭はいいます。
「今日はここまでにしましょう。お二人ともまだまだです。観客がみていてうっとりするようなキスになるようにしてください。個人的にキスの練習を続けるといいでしょう。
毎回お二人にかかりきりになるわけにはいきませんから。いいですね。では、今日は終わります」
「はい………どうもありがとうございました」
貴子は恥ずかしくて仕方ありませんでしたが、立場上礼を欠かしません。さすがです。

383 :名無しさん@初回限定:2008/02/28(木) 23:06:12 ID:c50JuHD90

 それから、瑞穂と貴子は時間があると二人で抱き合ってキスの練習をするようになりました。二人とも根がまじめですから、一生懸命練習します。廊下で、階段の踊り場で、屋上で、生徒会室で……時には寮の瑞穂の部屋で。
 他の生徒はそんな二人を暖かく見守っています。キスをしている理由を知っていますから。劇の宣伝にもなるでしょう。もっともそんなことをしなくてもみんな劇を見たいと思っているでしょうけれど。
 二人抱き合ってお互いの口を貪るような濃厚なキスをするようになってきました。舌使いも上手です。これなら観客が見てうっとりするでしょう。
 今日も階段の踊り場でしっかり抱き合ってキスをしています。いつまでもいつまでもキスを続けています。二人ともうっとりした表情をして、二人の世界を作っています。
 と、そこに圭が通りかかりました。
「あなたたち、いつまでキスの練習しているの?もう、劇は終わったのに……」

おしまい


 寮に行くと余計なこと(ひどいこと?)もやっているでしょうか?

384 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 21:38:45 ID:8hGOXJ4c0
投下します。

385 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 21:39:26 ID:8hGOXJ4c0
『銀の指輪』


紫苑ルート
舞台は3学期、紫苑退院後。

紫苑が学院に戻ってきて3日が経った。
毎朝、紫苑は瑞穂を寮まで迎えに来て一緒に登校している。
退院して間もないのだから止めるように瑞穂は云うのだが、お構いなしである。
今日も二人、手を繋いで登校するとあちらこちらでヒソヒソ声や興味津々の視線が投げかけられる。
「お姉さま、紫苑さま、お早うございます」
多くの生徒達が挨拶をしてくる。
挨拶を返すと喜びの声を上げながら離れていく。
「きゃ〜、お二人に声をかけて頂きましたわ」
「今日は朝から良いことがありそうですわ〜」
何だか自分が何かの神様になってお参りでもされているような気分になる瑞穂だが、隣の紫苑が楽しそうなので
まあ、良いかと思っている。
「ふふ〜ん、二人揃うと凄い人気ですわね〜」
後ろを歩いていたまりやが声をかけてきた。
「それとも…」
瑞穂と紫苑の繋いだ手を指して、
「お二人のアツアツぶりが、更に周りの反応を加速させているのかな〜?」
「からかわないで頂戴、まりや」
咄嗟に繋いだ手を離そうとした瑞穂だったが、紫苑がしっかりと握り締めていて離れなかった。
登校時だけでなく、下校時も紫苑は瑞穂に手を繋いでもらっている。
学院に復帰して初日、紫苑はこれから卒業まで瑞穂に甘えようと思っていると宣言したとおり、何かにつけて
紫苑は瑞穂にべたべたとしたがるようになった。
「でもね、まりやさん。瑞穂さんは通学路では手を繋いでくださるのですけど、校舎内では繋いでくださらないんですよ」
「当たり前です。紫苑…さん。女の子同士なんですから、不自然でしょう?」
「瑞穂ちゃんってば頭固いわね〜。ていうか、踏ん切りが悪いって云うか…。それじゃあ紫苑さまが可哀想でしょ」

386 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 21:40:45 ID:8hGOXJ4c0
「まあ、有難うございます。まりやさん」
しかしなんと云われようとも、違和感というか気恥ずかしさというものが瑞穂には拭いきれない。
人前ではこうやって手を繋いで登下校するというのが今のところ、最大の譲歩である。
だけど紫苑はそれでは満足ではないらしい。
学校内でも、教室でも、手を繋ぎ、腕を組んで一日中一緒にいたいようである。
正面玄関の所までやってきたとき、紫苑が何かを見つけたらしく、声をあげた。
「あら、あれは何でしょうか?」
「うん?どうしたんですか?」
「ほら、コレです」
紫苑に手を引っ張られて下駄箱の前までやってくる。
紫苑が指差す地面を見ると、なにやらキラリと光る物があった。
「何だろう、コレ」
拾い上げて見る。下駄箱の下に落ちていたそれは、指輪だった。
「あらあ、シルバーね」
後ろから覗き込んだまりやが目を光らせる。
「ダメよ、あげないわよ」
「むう、ケチ」
「まあ、綺麗ですわね」
紫苑もなんだか目を輝かして見ている。
瑞穂にはよく分からないが、何やら女の子受けの良さそうな意匠らしい。
「どれどれ、よく見せて」
まりやが手に取って、じっくりと眺める。
「う〜ん、コレは結構な値打ち物かもね〜」
「えっ、そうなの?」
「うん。ほら、指輪の表面に彫金が施されているでしょ」
云われてよくみて見ると、確かに模様がある。
「月桂樹の模様だと思うけど、大量生産的に同じ模様がグルリと彫ってあるんじゃなくて、微妙に変わっているのよね。
多分、職人さんの仕事だと思うの」

387 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 21:45:23 ID:8hGOXJ4c0
「へえ〜、だとすると値が張るものなのかな」
「多分ね」
さて、どうしようかと瑞穂が考えている間にも、まりやと紫苑がキャッキャと指輪を眺めている。
きっと落とした人は困っているだろう。
「もしかすると落とし主にとって特別な意味を持つ指輪なのかも知れませんわね」
紫苑がそう云うのを聞き、
出来ることなら直ぐに届けてあげたいけど…。
と思う。
――キンコンカンコ〜ン…
予鈴が鳴った。
どうやらのんびりしすぎた様である。
とりあえず、指輪は瑞穂が預かっておいて、休み時間にでも職員室に届けることにした。

1時限目が終わり、休み時間。
教室を出ようとすると、紫苑が寄ってきた。
「瑞穂さん、どちらへお出かけですか?」
「職員室です。朝の指輪を届けようと思いまして」
「先生にお預けになるんですか…」
紫苑が首をかしげる。
「どうしました?」
「いえ、職員室に落し物を受け取りに行くことに抵抗を感じる方もいらっしゃるかも知れないと思いまして」
云われて瑞穂も考え込む。
瑞穂自身は何ら抵抗無く職員室に出入りしているが、例えばまりやなどは職員室に入ることに若干、抵抗を感じているかもしれない。
この指輪の落とし主もそうでないとも限らない。
「だけどそうすると、どうやって落とし主を探せば良いのか…」
「では生徒会は如何ですか?貴子さんにお願いして掲示板でお知らせしてもらうのは」
「なるほど。そうですね、生徒会室に届けることにしましょうか」
そうと決まれば早速、と教室を出ようとする瑞穂に紫苑がくっついてくる。
「私もご一緒いたします」

388 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 21:50:46 ID:8hGOXJ4c0
そう云って、瑞穂の腕に自分の腕を組んでくる。
「ダメです。校内では目立ちすぎます」
スルリと腕を離す瑞穂。
「んんっ、瑞穂さん。いけずですのね」
そんなふたりのやり取りを、離れたところから美智子と圭が見ている。
「ほら、圭さん。瑞穂さんたちも私たちと同じですね」
「…果たしてそうかしら」

生徒会室に貴子はいた。
「なるほど。事情は了解いたしました。会長職はとうに引退していますがお手伝いさせていただきますわ」
そう云うと、隣の席にいる君枝に掲示板に落し物の連絡を張り出すように云いつけた。
「それにしてもこの指輪を届けに来るだけですのにお二人揃ってとは、仲がおよろしいですわね」
「いえ、そう云う訳では…」
「ええ。私は瑞穂さんと四六時中一緒にいたいと思っているのですけど。瑞穂さんはなんだかつれないんですの」
それを聞いて慌てる瑞穂の姿に、貴子やそこに居合わせている他の生徒会メンバーも笑う。
「まあまあ、お姉さま。紫苑さまにこれほど云ってもらえるなんて結構なことではありませんか」
「何を云うんですか、貴子さん。その…女の子同士なのに…」
勿論、貴子は瑞穂が男であることは知っている。
だからそれは知らない振りをしてからかっている。
「あら、既に性別を超えたカップルとして全生徒に認知されているではありませんか」
瑞穂が大学を受験しなかったことで、紫苑のために浪人するのだろうとの噂が瞬く間に学院中に流れた。
学年主席と次席が揃って浪人するのだから、かなりショッキングで生徒達には好意的に、教職員達には
頭の痛い話題となってしまった。
「それにしてもこの指輪、素敵なデザインですね。きっとこの彫金はオリジナルのものではないでしょうか」
「貴子さんもそう思いますか。まりやもそう云っていました」
「ええ。ですから、掲示板に張り出せばきっと直ぐに落とし主が見つかると思いますよ。もしかすると、落とした人は
今も探しているかもしれませんし」
「そうですね。私も教室に戻ったら、周りの人に指輪を落とした人がいないか聞いてみます」


389 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 21:55:22 ID:8hGOXJ4c0
――放課後
「落とし主は見つかったのでしょうか?」
「さあ?」
瑞穂と紫苑が教室で喋っていると、まりやがやって来た。
「やっほー。まだ指輪の人を探してんの?」
「なかなか見つからなくて」
「もう先生か生徒会に預けておけばいいんじゃないの?」
「…そうね」
それを聞いて紫苑が云う。
「でも瑞穂さん。来週は卒業式。拾った指輪の決着がつかないまま、学院を去るのはなんだか後味が良くありませんわね」
「……ちょっと貴子さんの所へ行ってきます」
「では私もご一緒します」
「あん、待ってよ。あたしも行く」
紫苑が瑞穂の手を握ろうとする。
「駄目です」
「瑞穂さんの意地悪」
「瑞穂ちゃん、融通が利かないわね。手くらい握ってあげればいいのに。今更なに体裁繕ってんだか」
それを離れたところから圭と美智子が見ていた。
「ほら、圭さん。やっぱり瑞穂さんたちも私たちと同じ側の人ですわ」
「…でもホロスコープでは違うと出てるんだけどね」

「まだ名乗り出てきていませんの」
生徒会室に行き、貴子に尋ねると首を振った。
「ほんとに告知してるのぉ?」
まりやが意地悪い口調で云う。
「失礼な!生徒会室横の掲示板を見てください。ちゃんと張り紙をしています」
「では掲示板を見ていないのでしょうか」
「そうかも知れません」
「まあ、生徒会の掲示板なんてよっぽど興味そそることでも書いてない限り見に来ようとは思わないものね〜」

390 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 22:00:22 ID:8hGOXJ4c0
「その通りですが、まりやさんに云われるとなんだか腹がたちますわね」
「でも瑞穂ちゃんが指輪を拾って落とし主を探しているって、結構噂になってるのよ。
例え掲示板を見て無くても名乗り出てきそうな気がするけど」
「ということは?」
「まだ噂を聞いていないのか、はたまた本日は学院にいないのか」
「でも拾ったのは今朝なんだけど」
「落としたのは昨日の放課後かも知れないじゃない」
「あ、そうか」
「では明日1日待って見ますか?それでも現れないときは先生方にお預けするということで」
貴子がそう提案するのに瑞穂も頷く。
「そうですね」
「良いことを思いつきましたわ」
それまで黙っていた紫苑が云う。
「明日は全体朝礼ですよね。瑞穂さん、明日朝礼で呼びかけては如何ですか」
「ええっ!?朝礼でですか!」
突拍子も無い提案に驚く瑞穂。
「はい。そうすればきっと見つかると思いますわ」
「で、でも…」
「紫苑さま、そこまでする必要があるのでしょうか。たかだか指輪一個の落し物。お姉さまが拾われたからと云って、
お姉さまがその人に届けなければならない理由はありませんよ」
「そうよね。瑞穂ちゃんも朝から周りの人に訊いて回ったりして充分に探したと思うわよ。
これ以上は必要無いんじゃないかとあたしも思う」
躊躇う瑞穂に、貴子とまりやは否定的な意見。
しかし、紫苑はニッコリと微笑んで、
「ね、瑞穂さん。我々は来週の卒業式でこの学院とお別れです。それ以降はここに来ることはほとんど無いでしょう。
この指輪の落とし主も、3年生で、もし指輪を見つけないまま卒業してしまったら、このまま指輪だけが学院に
置き去りになってしまうんですよね…」
そう云う風に話をされると、瑞穂の性格上、嫌とはとても云えなくなってしまう。
落し物の連絡を朝礼で話をするなんていうことは、明らかに一生徒として出過ぎた行動だろう。しかし…

391 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 22:07:23 ID:8hGOXJ4c0
「……分かりました。明日、朝礼で呼びかけてみます」
「もう…瑞穂ちゃんってば。どこまでお人よし何だか」
「お優し過ぎますわね」
「うふふ、そこが瑞穂さんの良いところなんです」
「貴子さん。明日の朝礼のとき、少し時間を頂けますか?」
「では生徒会からの連絡の時間をお姉さまにお譲りします」
「…ちょっと大袈裟な事になっちゃったけど仕方ないですね」
では、と挨拶して席を立つ。
確かにちょっと面倒なことになってしまったが、それでも拾わなければ良かったとは思わない。
紫苑の云うとおり、『特別な物』のように見えるこの指輪が、落とし主にとって大事なものであるかもしれない。
もしそうならばやっぱり自分が拾うべきだったのだろうと思う瑞穂だった。

――翌朝。
週に2回、全校生徒が講堂に集まって行われる全体朝礼。
「まあ、瑞穂さんが前に出てお話するんですか」
美智子が楽しそうに話す。
「瑞穂っち、ガンバ」
圭が抑揚のない喋りで励ます。
「圭さん。それは励ましてくれてるんですか」
「そうよ。だって瑞穂さんの今日の運勢は……ま、いいか。なるようになるわ」
「何ですか、それ。物凄く気になるんですけどっ!」
「瑞穂さん、しっかり。きっと落とし主は見つかりますから」
紫苑がいつもの笑みを浮かべながら云う。
「私がこんなことをするのは紫苑さんが原因なんですけどね」
「そうでしたわね。ふふふ」
「では行ってきます」
講堂では生徒達はクラス毎に並んで整列しているが、壇上で話をする出番待ちの生徒、生徒会や風紀委員、
瑞穂たちは壇上舞台の横に教職員と同じように並んで朝礼をする。
賛美歌を歌い、朝のお祈り、シスターのお話、生活指導部からのお話があって、生徒会からの連絡になった。
瑞穂の出番である。

392 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 22:12:25 ID:8hGOXJ4c0
瑞穂が壇上に上ると、一瞬、講堂内がどよめきかける。
生徒たちは退屈な朝礼の最中にアイドルを見たような気分になったのだろう。
瑞穂は先ず挨拶をして、指輪を拾った状況を説明し始めた。
徐々にざわめき出す場内、そして…

「お心当たりの方は後ほどで結構ですので、私のところもしくは生徒会室までお越しください」

「はい、それは私のです!」

即答!早っ!!

生徒たちの列がモーゼの奇跡のように左右に割れ、その中を壇上に向かってその声の主が歩いてくる。


・・・・・・紫苑だった。


ブゥッッ!!!
壇上で思わず噴き出す瑞穂。
貴子もまりやもあんぐりと口を開けたまま、呆然と見ている。
美智子は口に手をやり驚いた目で見つめている。
圭は無表情だ。

皆が見守る中、ゆったりと壇上に上った紫苑は瑞穂に向かって優雅にお辞儀をする。
「その指輪は私のです。拾っていただきまして有難うございます」
「…あ、あれ?な、なんで…」
「お返しくださいますか」
なにが何だか分からないまま、コクコクと頷く瑞穂。

393 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 22:17:40 ID:8hGOXJ4c0
紫苑がスッと左手を出す。手の甲を上に向けて。…薬指を真っ直ぐに伸ばして。

「すいませんが填めて頂けますか」

すっかり気が動転している瑞穂は、云われるがまま紫苑の左手の薬指にシルバーリングを嵌める。
ピッタリのサイズだった。

キャ〜〜ッ!!

沸き起こる喚声、場内に響き渡る話し声!
「素敵ですわ」
「とても美しいものを見ました」
「まるで一枚のフレスコ画のよう」

興奮している生徒達。我に返ったシスターたちが静粛にするように呼びかけている。

「有難うございます、瑞穂さん。拾っていただいたお礼をしなければいけませんね」
紫苑はそう云いながら、懐から金色のリングを取り出した。
「これは銀のリングと同じ模様が彫ってありますの。さ、手をお貸しくださいな」
そう云って唖然としている瑞穂の左手をとる。
「ふふふ、エンゲージは男性から女性に贈るものですが、瑞穂さんも今は『女性』ですから」
小さく瑞穂にだけ聞こえるような小声でそう云うと、紫苑は瑞穂の左手の薬指にゴールデンリングを填めた。
その台詞にハッと我に返る瑞穂。
「紫苑、さては…」

キャ〜〜!!

またもや沸き起こる大歓声。
壇下の生徒達からすると、学院の2大マドンナが指輪交換しているようにしか見えない。
沸き起こる喚声は、シスターたちが静粛にするように呼びかけたくらいでは到底収まりそうに無かった。

394 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 22:23:27 ID:8hGOXJ4c0

貴子はボタボタと鼻血を流して、未だ呆然としたまま。
「…十条紫苑…恐ろしい人ね…」
まりやの顔も引きつっている。
「圭さん!ほら!アレ!ほらほら!」
美智子も珍しく興奮を隠しきれないようだ。圭の袖を引っ張って、壇上を指差している。
「ふふん、流石は紫苑さま。お見事」
圭はいつもどおり。
この日の朝礼は、結局、このまま喧騒のまま解散となり、瑞穂と紫苑はシスターにこのあとみっちりと怒られた。


395 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 22:29:08 ID:8hGOXJ4c0
〜えぴろーぐ〜
「いやあ〜さすがのあたしも分からなかったわよ」
翌日の朝、登校時。
瑞穂と紫苑が手を繋いで登校している。
その後ろをまりや、由佳里、奏が歩いている。
「昨日は一日中、ずっとあの話で持ちきりだったのですよ〜。凄かったのですよ」
「あたしのクラスでも指輪交換ごっこが流行りだしちゃいましたよ」
瑞穂と紫苑の左手の薬指には、昨日の指輪がそのまま填められている。
結局、この指輪は『紫苑』にとって『特別』な指輪だった。
「うふふ、これで完全に学院中公認ですわ。瑞穂さんも余計な体裁を気にしなくて済みますでしょう?」
「…もう、好きにしてください…」
昨日の朝礼以来、校舎内で紫苑が手を握ってこようとも、腕を絡ませてこようとも、抱きついてこようとも、
もはや抵抗する気力さえない瑞穂である。
学院に通うのもあと2日間。
その間、常にべったりと甘えようと考えている紫苑である。
「あらあ、瑞穂ちゃん。疲れたような顔しちゃって」
「いや別に。ただ紫苑…さんはこれからもこんな調子なんだろうなと思って…」
「あら、迷惑でしょうか」
「とんでもない」
紫苑が楽しそうに笑っていられるのならば、瑞穂としては云うことは何もないのだか…なんと云うか…。
「今回は特別。滅多にはこんなことはしませんから」
「滅多にって…。それじゃ、またこんなことをするかも知れないんですか!?」
「欲しいものは手に入りましたから。ご安心ください、瑞穂さん。少なくともこれから2日間はしませんから」
瑞穂が愕然とするようなことを、あっさりと云うと、周りからの挨拶の声ににこやかに返事を返す紫苑だった。

Fin

396 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/01(土) 22:35:40 ID:8hGOXJ4c0
お粗末さまでした。
紫苑さま聖誕祭に投下したほうが良いネタでしたね。

397 :名無しさん@初回限定:2008/03/02(日) 00:01:32 ID:FHjcbjvs0
L鍋さん GJです。
毎度ながら、腹筋鍛えさしてもらいました。

398 :名無しさん@初回限定:2008/03/02(日) 00:47:10 ID:SA4UOeM1O
最近スレが早いけどGJと素直に書き込めなかったんだよなあ。
なにかちがうのかはよく分からないけどGJといれさせていただきます。
他の方々も楽しく読ませてもらってます。
本当、乙僕ていいなあ。

399 :名無しさん@初回限定:2008/03/02(日) 09:50:11 ID:xcNk+Gxx0
GJ!!
紫苑さまテラ孔明www
最近投下が増えて読者としては嬉しい限りです
職人の方々これからも頑張って下さい

400 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/02(日) 11:10:05 ID:3MzwaD4m0
>>396
ありがとうございます。いつもながら楽しく読ませていただきました!
おかげさまで元気出ました!

401 :名無しさん@初回限定:2008/03/02(日) 23:53:59 ID:BWKv8jQa0
( ゚∀゚)o彡°紫苑!紫苑!

( ゚∀゚)o彡°L鍋!L鍋!

402 :名無しさん@初回限定:2008/03/03(月) 23:26:21 ID:u9zwIjh1O
ちょwww
紫苑さまwwwやりすぎwww
ワロタ!

403 :名無しさん@初回限定:2008/03/04(火) 20:13:23 ID:DmCFGzAL0
さすが紫苑さま
手段の選ばなさにセンスがあるぜ

404 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 07:44:01 ID:xKqPhlQT0
少し早いですが、電波受信したSSを投下させていただきます。
どうかよろしくお願いします。

405 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 07:51:33 ID:xKqPhlQT0
 ある暖かな春の日……空は快晴、桜も満開で、何かいいことがありそうな予感……。
 1年前に聖央女学院を卒業し、翔耀大学の2年生になった僕は、そんな思いを噛みしめていた。

〜諸行無常、盛者必衰!?〜

「うーっ……」
 今日は、留学から一時帰国していたまりやに、またしても女装させられてしまった。
「あれ? 瑞穂じゃないか」
「ほんまや」
「あっ、隼人先輩に桃子ちゃん、おはようございます」
 女装姿のままとぼとぼと歩いていると、そこへ、黒澤隼人先輩と恋人の松下桃子ちゃんが来た。
「なあ、瑞穂っち」
「どうしたの、桃子ちゃん?」
「その女装やけど……」
 女装がどうしたんだろう。また似合うとか、ひどいこと言われるのかな?

406 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 07:55:25 ID:xKqPhlQT0
「見とって気色悪いから、やめてくれへんか?」
 き、きしょくわるい?
「ね……ねえ桃子ちゃん、もう一度言ってくれない?」
「やから、見とって気色悪いからやめてくれんかって、なあ、隼人?」
「……ああ、確かに気色悪いな」
 気色悪い……? 僕の女装が気色悪い……? そんな……そんなことって……。
 なんて……なんて……なんて素敵な響きなんだあっ!!
「るんるんるん♪」
 嬉しいな♪ 嬉しいな♪ 嬉しいなったら嬉しいな♪

407 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 08:10:45 ID:xKqPhlQT0
「あら、瑞穂さん、おはようございます」
「ごきげんよう、瑞穂さん」
 僕が歩いていると、紫苑さんと貴子さんが僕に挨拶してきた。
「紫苑さん、貴子さん、おはようございます!」
 僕はそう言うなり、紫苑さんと貴子さんのほっぺにキス。
 嬉しそうな顔をする紫苑さんと、クラクラしている貴子さん。
「瑞穂さん、スキップなんかして、やけにテンションが高いですけど、何かいいことでもおありになったのですか?」
 貴子さんを介抱した紫苑さんが、僕にそう聞いてくる。
「あ、それなんですけどね、隼人先輩と桃子ちゃんが、僕の女装が気色悪いって!」
 僕は興奮して紫苑さんと貴子さんに先ほどあったことを告げる。
 それを聞いた2人は何かひそひそ話し合っていた。
「あ、そうだ、紫苑さんと貴子さんはどう思います?」
「……そうですわね。聖央にいた頃はともかく、今となっては……」
「ええ、見ているだけで吐き気がしますわ」
 僕の女装、見ているだけで吐き気がする……。
「宇宙的におぞましいですわね」
 宇宙的におぞましい……僕の女装が……。
「わあーいっ!! バンザーイ!!」
 僕は嬉しさのあまり両腕を広げ、スキップのまま校外に駆け出していた。

「……紫苑さま、貴子……瑞穂ちゃん、すごい喜んでたわね」
 陰に隠れていたまりやが、紫苑と貴子の前にひょいと姿を現した。
「ええ。今まで女性扱いされるのが、よほど辛かったようですわね」
「瑞穂ちゃんも、今日がどういう日かわかってないみたいね」
「そうですわね……」

408 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 08:20:24 ID:xKqPhlQT0
「春が来ーたー♪ 春が来ーたー♪ どーこーにー来た♪ 山に来ーたー♪ 里に来ーたー♪ 僕にーもー来たー♪」
 瑞穂は歌を口ずさみながら、聖央までの道をスキップしていた。
「あ、お姉さま、おはようございます!」
 そこへ、聖央の制服を着た女の子が、瑞穂に挨拶をする。おそらく3年で、彼女が1年だった時のエルダーである
瑞穂の顔を覚えているのだろう。
「おはよっ♪」
 チュッ♪
 ハイテンションの瑞穂は、そう言って彼女のほっぺたにキス。
 バタン……。
「きゅうううううう……」
 と、その女生徒は、恍惚の表情を浮かべたままその場に倒れこんでしまった。

「お姉さま、おはようございます!」
 しばらくすると、また聖央の生徒が瑞穂に挨拶。
「おはよう♪」
 チュッ♪
 バタン……。
「ふにゃあああ……」
 ……こんなことが、瑞穂が聖央に向かうまでの間、延々と続いた。
(ふふっ、今の僕の女装は気色悪いんだ♪ 吐き気がするんだ♪ 宇宙的におぞましいんだ♪)
 今の瑞穂は完全に浮かれていた。脳裏には、今朝紫苑や貴子たちが言った瑞穂にとっては“褒め言葉”が、
何度も何度もリフレインしている。

409 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 08:25:44 ID:xKqPhlQT0
「あ、お姉さま、おはようございます」
「お姉さま、おはようございます」
「おはよう、奏ちゃん♪ 由佳里ちゃん♪」
 あの後も何人もの聖央の生徒を失神させながら櫻館を訪れた瑞穂は、奏と由佳里にご挨拶。
「お姉さま、すごく嬉しそうですけど、いいことでもあったのですか?」
「私もそう思います。こんな一子さんみたいにテンションの高いお姉さまは見たことないです……」
「ええ、そうよ。だから2人にも、幸せのおすそわけ♪」
 瑞穂はそう言って、奏の顔の至るところにキス。
「きゅうううううう……」
「由佳里ちゃんにも♪」
 瑞穂はそう言って、由佳里の顔の至るところにキス。
「ふにゃあああああ……」
 そして、聖央女学院の敷地内でも、帰る道でも、何人もの聖央の生徒を失神させながら、瑞穂は帰っていった。

410 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 08:31:17 ID:xKqPhlQT0
 それからしばらくして……。
「な……なんだこれは……聖央の生徒ばかり、道端で倒れているではないか!」
 パトロール中の警官が、その光景に仰天した。
「黒田巡査長、これは事件でしょうか?」
「うむ、聖央に恨みを持つもの、あるいは聖央の何かを狙ったテロリストの仕業ということも考えられる。
金城巡査、直ちに署に報告を!」
「はい!」

 一方、聖央女学院……。
「きゃあっ! これは一体……」
 登校していた女生徒が、敷地内で死屍累々としている生徒の山を見て驚愕していた。
「大変! 生徒会長の由佳里お姉さまに報告しないと!」
「私が報告するわ。二階堂さんは生徒達を介抱してくれませんか?」
「わかりました。宇津井さん、お願いしますね」
 そう言って1人は生徒達を解放し、もう1人は櫻館に向かった。

411 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 08:35:34 ID:xKqPhlQT0
「お姉さま! 由佳里お姉さま! 大変です!」
 由佳里に報告するため、由佳里の部屋のドアをどんどん叩くが、いっこうに返事がない。
「じゃあ奏お姉さまに……」
 しかし、奏の部屋も同じだった。どうしたらいいか考えていると……。
「薫子さん! 初音さん!」
 2人のいる方向を見ると、薫子が失神した奏を、初音が失神した由佳里を介抱していた。
「ま、まさか、由佳里お姉さまと奏お姉さままで……」
「あたしたちが起きたら、すでに2人ともこんな状態で……」
「私達も何がどうなったのかわからなくて、困っているんです……」
「生徒会長とエルダー候補筆頭がそろってやられるなんて、一体誰が……」

 その後、瑞穂が道路上で168人、聖央の敷地内で132人もの生徒を失神させたことは、事件として扱われ、
生徒達が正気に戻るまで復讐鬼だのテロだの第3次世界大戦の前触れだの、様々な噂が飛び交うことになったのである。

412 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 08:52:40 ID:xKqPhlQT0
 そして夕刻、翔耀大学に帰ってきた瑞穂は……。
「あ、あの、瑞穂さん……瑞穂さんの女装がおぞましいと申し上げた件ですけど……」
 大学のメンバープラスまりやが集う中、貴子がばつが悪そうに瑞穂に話しかけた。
「うん。それが?」
 瑞穂は興味津々に聞き返す。
「瑞穂ちゃん、今日、何月何日?」
「え? 4月1日じゃない」
「そっ……つまり、エイプリルフールってこと……」
「え……?」
 瑞穂は固まった。思考回路がうまくつながらない。
「瑞穂ちゃんの女装が気色悪いなんて、ウソに決まってるじゃない」
「ほうや。これほど女装の似合う人もおらへんのにな」
「ああ、まったくだ」
 まりやの言葉に、桃子と隼人がつなげる。
「瑞穂さんでしたら、普通の状態でも女性にしか見えませんものね」
「瑞穂さんの女装は、言葉では言い表せないような神々しさと美しさがそなわっていますものね」
 ………。
 バターン!!
 瑞穂は、そのまま失神して倒れてしまった。
「ああっ!! 瑞穂っち!!」
「おい、瑞穂!」
「瑞穂さん、しっかり!」
「瑞穂さん、お気を確かに!!」
「……瑞穂ちゃん、嬉しかった分、反動も大きかったのね」
 瑞穂は、この後1ヶ月ほど昏睡状態が続き、目覚めた時にはエイプリルフールの記憶は完全に消え失せていたのであった。

Fin

413 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/06(木) 09:00:16 ID:xKqPhlQT0
以上です。お目汚し失礼いたしました。

瑞穂くんが女装を褒められて落ち込むなら、逆にけなせば……と思ったらこうなりました。
その日に投下した方がいいかな、とも思ったのですが、それだとばれてしまう可能性がありますので。

しかし、このスレも残り約100KB……そろそろ前の14話の名作収録決定とあと1歩の作品を教えてほしいです。

414 :名無しさん@初回限定:2008/03/06(木) 09:52:34 ID:4g7dKTdm0
>413
nice電波!!
good電波!!

415 :みどりん:2008/03/07(金) 22:48:00 ID:peUbPSNl0
>>398
そうですよねぇ、違うんですよねぇ。
でも、書けないんです。粗製濫造だから数は多かったと思うのですが。
では、さようなら。


416 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/08(土) 06:55:14 ID:UwSqQjM20
お早うございます。
出勤前に一言。
>>415
粗製濫造だなんてとんでもない。楽しく読んでましたよ。
私は書くより読むのが好きなので、作品が多いのは凄く嬉しいです。
何より私はみどりんさんの作品は好きで、全部読んでます。

417 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/15(土) 10:12:18 ID:0Dz97Scd0
……もう1週間も何の音沙汰も無しですか。
今まで頻繁にみどりんさんの作品が拝見できましたので、まったく新しい作品が見られないのはさびしいです。
私も頑張って新しい作品を作っていこうと思いますが、やっぱり皆さんの作品も拝見したいな、と思ってしまいます。
来週には聖誕祭記念がありますので、たくさんの作品が投稿されるかと思うと、今から待ち遠しいです。

P.S.みどりんさん
よろしければ、スランプ? 脱出できましたら、またよろしくお願いしますね。
気長にお待ちいたしております。

418 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/15(土) 18:16:23 ID:WnnoAJZ90
日本全土に突風が吹き荒れたあの日から、私達の生活は一変してしまった……

『花粉処女(おとめ)注意報』


もしも御門まりやが花粉症だったら(ルート指定なし)

「ぶえっくしょん!こんちくしょう」
「ま、まりや?何故江戸っ子?」
「いやー参ったわ。今年も花粉症になっちゃったみたい……ぶえっくしょん!」
「お姉さま、お薬を飲んだ方がよろしいのでは?」
「あ゛ーそうね。この季節になると、集中力が切れちゃうのか、言葉遣いが乱暴になっちゃってね〜」
(いや、まりや(お姉さま)の言葉遣いが乱暴なのはいつもの事だろう……)
と思ったが、瑞穂と由佳里は口に出すのをかろうじて堪えた。


もしも上岡由佳里が花粉症だったら(由佳里ルート)

「……はぁ」
「どうしたのよ由佳里?」
「はい……私、花粉症になっちゃったみたいで……」
「由佳里ちゃん大丈夫なのですか?」
「うん……私の場合、くしゃみはそんなに出ないんだけど、何だかムズムズして、身体が重くなるのよね……」
そう云うと、由佳里は再び深いため息を吐いた。
「……ところでゆかりん、一体どこがムズムズするのかにゃー?」
「ど、どこって……鼻とか目とかに決まってるじゃないですか!それと私はゆかりんじゃありません!」
「あ、ゴメンねゆかりん。アッチの方は瑞穂ちゃんに慰めてもらってるから問題無いか……」
「ま、まりやお姉さま!」
「えっと……アッチってどこの事なのですか?」
「「……え?」」

419 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/15(土) 18:19:46 ID:WnnoAJZ90
もしも高島一子が花粉症だったら(一子ルート)

「お姉さま、一子は幽霊ですからへくしょん花粉症になんてなるわけないじゃないですかあ。
 花粉なんてへくしょんお姉さまへの愛が有れば克服できますからへくしょんいくら来たって怖くないです。
 お姉さまお姉さまお姉さまへくしょんお姉さまお姉さまお姉さまお姉さまお姉さまーっ!!」
(特に変わった所は無い様ね……)


もしも厳島貴子が花粉症だったら(貴子ルート)

「貴子さん、一緒に帰りましょう」
「え、ええ、もちろんですわ瑞穂さん♪」
寮までの、短い間だけの、2人きりの、至福の時間だったのだが……
「へっくしょん!」
「貴子さん?」
「……グスッ、あら?今日は風が強いです……へっくしょん!」
「もしかして花粉症ですか貴子さん?」
「かふんしょう?わたくし今までその様な病気になった事はないのですが……」
「ある日突然発症する方も結構居るみたいですから、貴子さんも気を付けて下さいね」
「あ、ありがとうございます……へっくしょん!この様な場合わたくしどうしたら?」
瑞穂は、周りに人がいない事を素早く確かめると、貴子の身体を抱きしめた。
「み、瑞穂さん?!」
「この辺りを暖めると、症状が少し和らぐんですよ」
そう云って、右手で貴子の首の後ろをナデナデする。
「…………きゅぅ」
突然の不意打ちに耐えかねて、貴子は気絶してしまった。
「あ……やっちゃった……でもくしゃみは止まったからいいか……」
全然良くないのだが、とりあえず貴子を寮に(お姫様抱っこで)連れて行く事にした。
「ただいままりや」
「……瑞穂ちゃん。貴子を連れ込んで何する気?」

420 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/15(土) 18:23:02 ID:WnnoAJZ90
もしも十条紫苑が花粉症だったら(奏ルート)

「くしゅん!……あら?わたくしったらはしたない」
紫苑の顔が桜色に染まった。
「かっ……」
「か?」
「か、花粉症ですか?紫苑さん」
(云えない、くしゃみをした紫苑さんが『可愛い』だなんて云えない……)
「ええ、わたくし身体が弱いせいか、抵抗力も弱いみたいで……」
(花粉症は、抵抗力の問題じゃないと思うけれど……)
「紫苑お姉さま、お身体には気を付けて下さいなのですよー」
「まあ!奏ちゃんは可愛いだけじゃなくて優しいのね」
いつもの様に、紫苑が奏を抱きしめた。
「紫苑お姉さ……むぎゅ……」
「……はあ、やっぱり奏ちゃんは抱き心地が最高……くしゅん!」
ぴくっ!
奏の身体が、紫苑のくしゃみに合わせて反応した。
「くしゅん!」
ぴくっ!
「くしゅん!くしゅん!」
ぴくっ!ぴくっ!
(面白いなあ……)
何だか微笑ましい光景なので、瑞穂はしばらく見守る事にした。
「くしゅん!」
ぴくっ!
「くしゅん!」
ぴくっ!
「くしゅん!」
……
「くしゅん!」
……
「し、紫苑さんストップストップ!」

421 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/15(土) 18:26:23 ID:WnnoAJZ90
そして周防院奏は……

奏があの世に行きかけた日の夜の事。
「ごめんなさい奏ちゃん。今回は止めるのが遅れてしまいました」
瑞穂はひたすら平謝りである。
「奏、奏、一子さんが手招きするのを見たのですよー」
「全く……未来のお嫁さんは大事にしなきゃダメじゃない瑞穂ちゃん」
「お嫁さんって……」
「あれ?違ったっけ?」
「そ、それはさて置き、奏ちゃんは花粉症とかは大丈夫かな?」
「はいなのですよー。奏は花粉症どころか、風邪を引いた事もないのですよー」
「莫迦ねー瑞穂ちゃん。奏ちゃんは平気に決まってるじゃない」
「「?」」
「奏ちゃんはちっちゃいから、花粉とかウィルスとかは入り込めないのよ!」
「いや、まりや、あのね……」
「まりやお姉さま、いくらなんでもひどいのですよー」
まりやは二人の文句を、何事も無かったかの様に聞き流す。
「あっ、でも花粉が入れないのは良い事だけど、将来瑞穂ちゃんが入れないのは困るわよねぇ……」
「何言ってるのまりや、そんな訳無いでしょ!僕と奏ちゃんは……」
「はやや、お姉さま?!」
つい熱くなってしまった瑞穂を、真っ赤になった奏が慌てて制止する。
「……ほほーっ、詳しい話をお聞かせ願いましょうか?このロリ!」

『完』


以上です。特にオチは無いです。思いの丈を書き殴っただけですので……
日本全土に突風が吹き荒れたあの日から、私の生活は一変してしまいました。
この時期になると、何だかムズムズして、身体が重くなり、くしゃみ連発モードに入ってしまいます。
何より、モチベーションが大幅に低下するのが辛いです。orz
瑞穂編『花粉お姉さま(ボク)注意報』(紫苑ルート)は、もしかしたら書くかもしれません。(多分ムリ)
それでは駄文失礼致しました。

422 :名無しさん@初回限定:2008/03/16(日) 21:53:57 ID:a9cI8mR9O
>>421
GJ!
『このロリ!』がツボでしたw

423 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/21(金) 10:54:30 ID:1FaAMeI80
東の扉です。
昨年は書けなかった、さきの教皇、アリエスの紫苑聖誕祭記念のSSを投下させていただきます。
(小ネタですが)
どうかよろしくお願いします。

424 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/21(金) 11:01:01 ID:1FaAMeI80
書き忘れましたが、設定は紫苑エンドの2年後です。
それでは、どうぞ見てやってください。

「瑞穂さん、奏ちゃんたちの卒業式、とてもよかったですわね」
「ええ……あの時とは、答辞が2人から3人に増えてたのは驚きましたけど……」
 僕と紫苑は、あれから奏ちゃんと由佳里ちゃんの卒業式を見に行っていた。
 奏ちゃんは、卒業と同時に正式に鏑木家の養女になることになり、紫苑さんは奏ちゃんが自分の“妹”になることに、
新しく僕のお母さんになった楓さんは、自分の娘になることに、喜びを隠せないでいた。
 次期生徒会長でエルダー候補筆頭である初音ちゃんの送辞に対して、奏ちゃん、由佳里ちゃん、響姫さんの3人で
答辞を読んだのを見たときには、さすがに驚いたっけ。
 それよりもっと驚いたのは、僕と紫苑が特別ゲストとして、
アドリブで卒業生と在校生に贈る言葉を言わされたことなんだけど……。

〜残酷な運命〜

「いずれにしろ、いい想い出になる卒業式でしたわね」
「そうですね……」
 紫苑の誕生パーティーも終わり、僕たちはベッドの上でその時のことを話し合っていた。
「ええ。これで安心して眠りにつくことができますわ……」
「……紫苑?」
 ふと、紫苑が真顔でそんなことを言う。眠りって……。
「紫苑……眠りにつくって……どういう意味ですか?」

425 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/21(金) 11:05:12 ID:1FaAMeI80
「言葉通りの意味ですわ」
 言葉通りって……紫苑が死ぬってこと……? 手術も終わって、病弱な身体もやっと治ったっていうのに……。
「また病気が再発したんですか?」
「いいえ、今度は別の病に侵されておりますの。治しようのない病に……」
 そんな……治せないなんて……そんなことが……そんなことが……!
「瑞穂さん、今まで、ありがとうございます。本当に楽しかったですわ……」
「そんな……縁起でもないこと言わないでください!」
「私はそろそろ、眠りにつかなければいけません……瑞穂さんの幸せを願っておりますわ……」
 紫苑はそう言って静かにまぶたを閉じた。
「紫苑……紫苑……」
 僕は紫苑を揺さぶり続けた。でも、何の反応もない。そ、そんなことって……。
「紫苑ーっ!!」
 それから僕は一晩中紫苑の身体にすがって泣き続けた。

426 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/21(金) 11:11:11 ID:1FaAMeI80
 翌日……。
「う……ん……」
 僕が目を覚ますと、そこには紫苑の身体がなかった。父さまたちが、葬式のために運び出したんだろう……。
「紫苑……」
 僕もさすがにショックを隠しきれない。だけど、乗り越えていかなきゃ。落ち込んだり、悲しむだけでは申し訳ないから。
紫苑にも、一子ちゃんにも。
「……朝ごはん、食べに行かなきゃ」
 僕は力なくも、なんとか着替えて部屋を出た。

427 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/21(金) 11:20:23 ID:1FaAMeI80
「瑞穂さん、おはようございます」
「………!!」
 食堂に下りると、僕は目を疑った。
「ししししし、紫苑!!」
「いやですわ瑞穂さん。指で人を指さないでくださいな。失礼ですわよ」
 紫苑がにっこりと笑いながらそう言う。いったいどういうこと?
「し、紫苑、死んだはずじゃ……」
「勝手に殺されては困りますわ、瑞穂さん」
「で、でも、昨日、眠りにつかなきゃいけないって……」
「“永遠の”とは申し上げておりませんわよ?」
「じゃ、じゃあ、病にかかっているというのは……」
「恋の病のことですわ。瑞穂さんに対する。これは治しようがありませんから……」
 僕は口をあんぐりとあけたまま固まっていた。あまりのことに、言葉も出ない。
 目の前では、紫苑が口とおなかをおさえながら必死に笑いをこらえている。
僕は、ようやく紫苑にもてあそばれたことに気がついた。
「しーおーんー!!」
 僕は涙目で紫苑を睨む。
「もう、僕がどれだけ悲しい思いをしたと思ってるの!!」
「ごめんなさい。でも、瑞穂さんを見ていると、どうしてもおもちゃにしてみたくなって、そんな自分を抑えられませんの」
 紫苑は、まったく悪びれた様子もなくそう語った。
「それに、それだけ悲しい思いをされるということは、それだけ愛されているということですわよね? 
いたずらした甲斐がありましたわ」
「………」
 僕は一気にぐったりしてしまった。もう言葉を返す気力もない。
 きっと、一生こんな感じなんだろうな。僕たち。
 これからの大変な、それでも幸せな未来を僕は遠い目でしばらく考えているのだった。

Fin

428 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/03/21(金) 11:28:08 ID:1FaAMeI80
以上です。お目汚し失礼いたしました。
これで、一応緋紗子先生以外の聖誕祭記念SSを書けたのかな? 出来はともかく……。
まあ、何はともあれ、紫苑さん、お誕生日おめでとうございます!
今日かあるいは近いうちに、L鍋さんからも投稿いただけるかと思うと、今からすっごく楽しみです!

それでは、私はこれにて。

429 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:06:48 ID:J3a2uVCm0
東の扉さんGJです。
それでは私も投下させていただきます。

ご注意
オリキャラ注意!
この話は瑞穂ちゃんが転校してくる前の4月、オリキャラ視点での
紫苑さまストーリーです。
オリキャラ嫌いの方ご容赦ください。
あと、私がいつも書いているバカ話でもありません。
お笑い派の方、ご注意ください。

430 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:07:49 ID:J3a2uVCm0
『救われる心』

今年、中学校卒業の私は、両親に勧められるまま、この恵泉女学院を受験した。
幸い、競争率はそれほど高くは無く、普通に受験勉強をして合格した。
――4月
この学院に来て先ず驚いたこと…
裕福な家庭の子女が多いこと。世間で云うところの「お嬢さま」が多い。
全員がそうと云うわけではなかったが、平均すれば世間一般の家庭の上流に位置するだろう。
私は「お嬢さま」ではないつもりだが、私の家も裕福と云える。
ここ数年間で、IT関連の父の事業は急速に成長し、住んでいる家もマンションから10LLDKの一戸建てに変わった。
つまりは、成金。しかし、金持ちになったからといって中身の人間が変わるわけではない。
私自身は相変わらず庶民感覚で、人前でがさつに話すし、大声で笑ったりする。
そのことを両親がどう思ったのかは知らないが、高校進学を決めるときにこの学院に入ってはどうかと勧めてきた。
特に、行きたい学校があったわけでもない私は、軽い気持ちで了解した。
そして、入学して後悔している。

生徒は皆、おしとやか

挨拶は、ごきげんよう

上級生の呼び名は、お姉さま

食事の前にはお祈り

何?このハイソな学院は。基督教系の学校だとは知っていたが、上流階級の集まりとは思わなかった。
いや、全員が上流階級という訳ではないんだけど。
両親の見栄の為に、私はここに来たのかと思ったくらいである。

431 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:10:37 ID:J3a2uVCm0
ここに来てから、私は少し消極的になったかも知れない。
もともと、活発的に動き回るほうでは無かったが、人並みには友達と遊びまわったりしていた。
だけど、この学院では、入学してから2週間たった今でも、プライベートで遊びに行く親しい友達は出来ていない。
嫌われている訳ではない様だが周りの雰囲気に合わせようとするだけで精一杯の状態。
普段からネコを被って、ボロが出ないようにビクビクしている。
周りの人たちはというと、中等部からのエスカレーターで上がってきた人がほとんどのようで、お互いが顔見知りらしい。
クラスメート同士、気さくに話をしている。その話し方にも余裕が感じられる。
私にはそれがとても羨ましい。

昼休み、昼食の後には話し相手のいない私は図書室にいつも通っている。
午後の授業が始まるまでの間、本をなんとなくペラペラとめくったりして、時間を潰すのを日課にしている。
この日もそう。
図書室で、時間つぶしのための本を棚から物色していた。
いつか、私にも親しい友人が出来るのだろうかと思い憂鬱な気分で棚の本の背表紙を眺めている。
『恵泉女学院校史』
そのタイトルを見て、興味が湧いた。
その本は書庫の一番上の棚に並んでいた。
私の身長は155センチ。背伸びをして、ギリギリ手が届くかどうか。
ちょっと離れたところには、乗るための台が置いてあったが横着な私はとりあえず、その場でつま先立ちして取れるかどうか試してみる。
伸ばした指が背表紙の下のほうに当たった。
(あと、もうちょっと…)
その時、横から伸びてきた手が、私が取ろうとしていた本をスルッと掴んだ。
「あっ」
「はい、どうぞ」
その人は手に取った本を微笑みながら私に渡してくれた。
「………」
「どうしました?」
「いえ!あ、有難うございます!」

432 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:11:42 ID:J3a2uVCm0

ここに来てから、私は少し消極的になったかも知れない。
もともと、活発的に動き回るほうでは無かったが、人並みには友達と遊びまわったりしていた。
だけど、この学院では、入学してから2週間たった今でも、プライベートで遊びに行く親しい友達は出来ていない。
嫌われている訳ではない様だが周りの雰囲気に合わせようとするだけで精一杯の状態。
普段からネコを被って、ボロが出ないようにビクビクしている。
周りの人たちはというと、中等部からのエスカレーターで上がってきた人がほとんどのようで、お互いが顔見知りらしい。
クラスメート同士、気さくに話をしている。その話し方にも余裕が感じられる。
私にはそれがとても羨ましい。

昼休み、昼食の後には話し相手のいない私は図書室にいつも通っている。
午後の授業が始まるまでの間、本をなんとなくペラペラとめくったりして、時間を潰すのを日課にしている。
この日もそう。
図書室で、時間つぶしのための本を棚から物色していた。
いつか、私にも親しい友人が出来るのだろうかと思い憂鬱な気分で棚の本の背表紙を眺めている。
『恵泉女学院校史』
そのタイトルを見て、興味が湧いた。
その本は書庫の一番上の棚に並んでいた。
私の身長は155センチ。背伸びをして、ギリギリ手が届くかどうか。
ちょっと離れたところには、乗るための台が置いてあったが横着な私はとりあえず、その場でつま先立ちして取れるかどうか試してみる。
伸ばした指が背表紙の下のほうに当たった。

433 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:12:54 ID:J3a2uVCm0
(あと、もうちょっと…)
その時、横から伸びてきた手が、私が取ろうとしていた本をスルッと掴んだ。
「あっ」
「はい、どうぞ」
その人は手に取った本を微笑みながら私に渡してくれた。
「………」
「どうしました?」
「いえ!あ、有難うございます!」
その人の顔を見て思わず呆けてしまった。
綺麗な人だった。
女の私から見ても、こんな美しい人みたことないと思ってしまった。
腰まで伸びた長い艶やかな黒髪。
高い身長。恐らく175センチくらいあるかも。
そしてスラリとした姿。
「ふふ、高い所の本は素直に台を使ったほうが早いですよ」
「は、はい。申し訳ありません!」
私が謝ったのが面白かったのか、楽しそうな笑みを浮かべて
「それでは」
そう云って去って行く。
立ち去る姿も美しかった。

434 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:15:01 ID:J3a2uVCm0
つかの間、ぼーっとしていた私は、ハッと我に返ると慌てて、書棚の列の間から出入り口の方を覗き込む。
あの人が本を手に持って図書室から出ていく所だった。
周りの人たちが、全員、あの人に挨拶をしている。
(どういう人なのかしら?)
恐らく3年生だと思うのだが…。
(追いかけるべき?)
でも何を話せば良いのか…。
迷っているうちにあの人は出て行ってしまった。
手に持った『恵泉女学院校史』を眺める。
周りの人たちは皆、あの人を知っているようだった。
全員、当たり前のように丁寧に挨拶をしていた。
(…全員?丁寧に?)
ただの3年生ではないのだろうか。
ここが他の学校とはもっとも違うところ。
この学院には、特別な憧憬を集めている生徒が何人か存在しているという。
そう云った生徒は別なあだ名で呼ばれているらしい。所謂、二つ名持ちの生徒たち。

435 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:19:57 ID:J3a2uVCm0
(あの人もそうなの?)
外部からの新入生で、まだ学院に馴染んでいない私にはわからない。
皆が知っていることも、私はまだ知らない。
他の人に、今の人のことを聞こうかと思った。
あの人が手に本を持って出て行ったのを思い出す。
きっと、また図書室にやってくる。
(また会うことが出来る。そのときに…)
そのときに何を話すのかは我ながらわからないが、とりあえずそう考えて気を落ち着けた。
…何故、あの人とこんなに話がしたいのだろう?


恵泉女学院
 明治19年に創建された伝統あるキリスト教系のお嬢様学校。校訓は慈悲と寛容。
 創立から現在の運営に至るまで、鏑木財閥の支援を受けている幼等部から大学院までの一貫校である。
 イギリスのパブリックスクールをモデルに日本の近代化に合った女子のための教育の場として建てられた女学院で、
 創立当初はイギリスの影響によりプロテスタントの学校であった。
 しかし、戦後は一貫校への再編と同時にマリア信仰の性質が強いカトリックへと改宗した。 (『恵泉女学院校史』より)


次の日の昼休み、急いで昼食を済ませた私は図書室であの人が来るのを待ち構えた。
そして…現れたあの人。
周りの人たちが、「しおんお姉さま」と云って挨拶をしている。
しおん…それがあの人の名前。
机に座って本を開くしおんお姉さま。
その周りには座る人が誰もいない。何故だか皆、一定の距離を置いているようである。
だけど、私はそんなことをその時は全く気にもしなかった。
おずおずと近寄って、小声で声をかける。
何を話すかなんて考えてもいない。

436 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:24:10 ID:J3a2uVCm0
とにかく、昨日から、一目見てこの人と話してみたい。出来ることなら親しくしてもらいたいという思いだけが募っていた。
全く、我が事ながら変としか云いようがない。
「あの…し、しおんお姉さま…」
小さな私の声に気がついて、その人が顔を上げる。
「まあ、昨日の方ね」
「は、はい。昨日はどうも有難うございました」
「ふふふ、これはご丁寧に。どういたしまして」
そこでしおんお姉さまは悪戯っぽく笑った。
「でもあれくらいお礼を云われるようなことではありませんわよ」
「あ…は、はい…」
そう云われて言葉に詰まってしまう。
もともと話しかけたい一心で、何について話そうかなどと考えていない。
話すことも出来ず、ただモジモジとしてしまう。
「宜しければどうぞ、そちらにお座りになっては如何?」
しおんお姉さまはそう云って自分の目の前の席を指す。
これは、私に一緒にいても良いということなんだと勝手に解釈して大喜びで席につく。
そんな私の動作が面白かったのだろう。
その昼休みの間、しおんお姉さまのほうから、色々と話しかけて来てくれた。
私はあがってしまい、後から思い出そうとしてもどういう話をしたのかあまり覚えていない。
ただ、私のことはしおんお姉さまにきっちりと覚えてもらうことが出来たようで、次の日の昼休みも、次の次の日の昼休みも
私は図書室でしおんお姉さまとお話することが出来た。
しかし、相変わらずあがっていたようで、私のほうからはまともに話しかけることが出来ずに、殆どはしおんお姉さまからの
話に相槌を打ったり、返事を返したりするだけという体たらくである。
何ゆえ、こんなにあがってしまうのだろう?


この三日間で判ったこと。
 ・お姉さまの名前は『十条紫苑』
 ・クラスは3-A
 ・私は紫苑お姉さまと色々とお話したいのに、「あ〜」とか「はい」とかばかりで気の利いた受け答えができなかったこと

437 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:30:11 ID:J3a2uVCm0


紫苑お姉さまの笑顔は美しい。
品の良い微笑。
何気ない仕草も気品がある。
私は紫苑お姉さまが、この学院で一番憧憬を集めている人物だと疑わない。
外見だけでなく、内面も美しいこの方より優れた人はいる筈がない。
…ちょっとこれは言い過ぎかな…
紫苑お姉さまが楽しそうだと私も嬉しい。
短期間にここまでとは…自分でも呆れ返るのめり込みよう。女同士でこんなことを云うのも変だが一目惚れも甚だしい。
三日間過ぎると、そういう感覚が既に当たり前のような気になっていた。
自分のクラス1−Eの教室に帰ったとき、クラスメートに話しかけられた。
「最近紫苑お姉さまと御一緒の所をよくお見かけしますわ。凄いですわねぇ」
(凄い?何のこと?)
さっぱり云っている意味が分からない。
「私なんてとてもお話なんて…。挨拶するのが精一杯で」
(???)
益々分からない。

438 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:31:05 ID:J3a2uVCm0
最初、皆の憧れを集めている紫苑お姉さまと話をしていることに対する皮肉かと思った。
だけどそれは違った。
純粋に私は、他の人たちから感嘆されていたのだ。
「何故でしょうか?お話くらいいつでも出来るでしょう?」
「だって…何だか怖いですし…」
(怖い!?)
「何が怖いのでしょうか?とても優しくて楽しい方です。紫苑お姉さまは」
「そ、そうでしょう。と、思うのですけど。何だか近寄りがたくて」
「近寄りがたい?」
全校生徒に慕われているのではなかったのか、紫苑お姉さまは…。
考えてみれば、私が紫苑お姉さまとお逢いするとき、いつも紫苑お姉さまはお一人でいらした。
友人の方と一緒に図書室にいらしたことは無かった。
「紫苑お姉さまはどんな方なのでしょうか?」
そのクラスメートは興味深々な様子で訊いてくる。
私たちの会話を漏れ聞いた他のクラスメートも集まってきた。

439 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:32:02 ID:J3a2uVCm0
「私も一度、お話したいと思っておりますの」
「素敵なお姿ですものね〜」
「挨拶するのが精一杯ですわ」
…おかしい。
私なんかより、昔からこの学院に通っているクラスメート達のほうが紫苑お姉さまについては詳しいはずなのに。
先ほどからの会話と何かそぐわない。
やはり私が知らない何かがあるようなので、私の方から尋ねてみる。
「私にとってはとても優しくて素敵な方なのですが、何故、皆さんは近寄りがたいと思っていらしゃるんでしょうか?」
私の質問に、驚いたような表情をする。
ちょっと、ストレートに訊きすぎたかも。
「あ、あの、私は紫苑お姉さまのことを嫌っているわけではなくて…」
「はい、分かっております。私の尋ね方が悪かったようですね。申し訳ありません。云い直します。
紫苑お姉さまに近寄りがたくさせている理由は何なのでしょうか?」
今、私の周りにいるクラスメート達は皆、紫苑お姉さまに近寄りがたさを感じているようだ。
あんなに優しい方なのに。
私の質問に、一瞬周りの人全員が黙り込んでしまったがやがてゆっくりと口を開いた。
「……紫苑お姉さまが去年のエルダーシスターだったのはご存知ですか」


440 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:36:49 ID:J3a2uVCm0

エルダーシスター
 毎年6月末、恵泉女学院の最上級生の中から、全生徒の代表生徒を選挙によって選出する。
 全校生徒の投票の75%以上の得票で決定となるが、通常は得票者同士の票の譲り合いにより最終的に決定となる。
 選出された生徒はエルダーシスターと呼ばれ、全校生徒の『姉』としての立場に立つ。
 生徒会長のような公式の役職ではないが、生徒たちからの強力な支持によって立つ為、
 その発言力は生徒会長職に次ぐものである。
 学院内では上級生を「○○お姉さま」と呼ぶのが習わしだが、エルダーは同級生も含めて単に「お姉さま」と呼ばれる。


やはり、私の知らないことは多い。
エルダーシスター制については、話には聞いていた。
だけどあまり興味を持って訊いていなかった。
この学院において、エルダーシスターの持つ権威など創造したこともなかった。
単にお祭り騒ぎの一環くらいにしか思っていなかった。
「どうかしましたか?」
昼休み、いつものように図書室で紫苑お姉さまに会っていた。

441 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:40:55 ID:J3a2uVCm0
慧敏な紫苑お姉さまは直ぐに私の様子に気がついてしまった。
「……いえ、その」
なんでもありませんと云おうとし、しかし思いかえした。
紫苑お姉さまは既に私の様子がいつもと違うと気がついている。
ここで私が否定すれば…紫苑お姉さまにどう思われてしまうだろうか…
私は素直に、紫苑お姉さまが去年のエルダーであることを知らなかったことを打ち明けた。
紫苑お姉さまが留年していることも知らなかった。
知らなかった。そう!知らなかっただけ。ただ、それだけ。別に深い意味は無い。
だけど、紫苑お姉さまの目の色が少し変わったような気がした。
「そうですか。黙っていて御免なさいね」
「い、いえ!怒っている訳ではありませんから!お気になさらないでください」
「……外部からの新入生の貴女に壁を作りたくなかったのです。せっかく気さくに話しかけてくれるのに…」

442 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:42:03 ID:J3a2uVCm0
私はここで、この崇拝するお姉さまの深い心の懊悩を知った。
「どうやら私は皆さんに気兼ねされてしまう存在のようです」
(紫苑お姉さまは孤独を感じて!?)
「そんなことはありません!」
私は即座に否定する。
「有難う。でも、そう云ってくれるのは貴女だからこそですよ」
私だから?去年までの紫苑お姉さまのことを知らなかった私だから何の躊躇いもなく近づいたの?
クラスメートが云った「何だか怖い」という言葉。あれはその他大勢の人の言葉でもあったのかも知れない。
もしも私が元からこの学院に通っている生徒だったならば、気さくに紫苑お姉さまに近づいたり出来ただろうか。
「私は元々、友人が多いほうでは有りませんでしたし、今年は私が文字通り、『最年長』になってしまいましたしね。
皆さん、腫れ物に触るようになってしまうでしょう?」
そう云って寂しそうに微笑む紫苑お姉さま。

…紫苑お姉さまは下級生にお優しい、それは全校生徒の最年長であることの裏返し
…立ち居振る舞いが美しい、それは自らを律して振舞う精神の強さの顕れ

この二つの美点が皮肉にも他人から見るこの方の姿を近寄りがたいものにしてしまっている。
最上級生でさえ、「紫苑お姉さま」と呼び敬うこの方、ましてや新入生たちがどのような心持で接するのか。
華道講師の資格を持ち、華道部や茶道部の指導さえ行うこの方。
昨年度のエルダーシスター、その影響力は未だに大きいことだろう。
離れた年齢のこともある。同じ生徒としてよりも教師に対するような気持ちになるかもしれない。
「親しい友人がいなくて…。これも私の不徳の致すところですが」
そんなことはありません…と云いたかった。
だけど寂しそうな紫苑お姉さまの顔を見て、何も云えなくなってしまった。
私が最初に紫苑お姉さまに近づきたがった理由、もしかするとコレだったのかも知れない。
自分と同じ寂しさを紫苑お姉さまに感じたからだろうか。
私もこの学院に入学してから、まだ親しい友人は出来ていない。
だがいずれ、この学院に慣れた時、きっと数人の友人が出来ていると思う。
(だけど紫苑お姉さまは?)

443 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:46:01 ID:J3a2uVCm0
周りの紫苑お姉さまに対する接し方は既に決定付けられている。
「私は皆さんにもっと親しまれたいのですが、エルダーとしての任を全う出来なかった身にはそれは過ぎた望みですわね」
その言葉に私はショックを受ける。

(…紫苑お姉さまは罪悪感を感じていらっしゃる!)

昨年、病気のために学院に通えず、エルダーとしての責務をほとんど果たせなかったことを…。
皆の憧憬を集め、全生徒の上におられる紫苑お姉さま。
だけどその憧憬は、この方の望む『親しみ』ではなく『畏敬』。
この方を畏れ敬まう生徒たちと、親しまれ気さくに接してもらうことを望むこの方の気持ちの間に横たわる溝はとても深い。
こんなにも優しくて柔らかな方なのに!
「わ、私は…私は違います!」
思わず叫ぶ私の台詞に、紫苑お姉さまは少し言葉を詰まらせた。
「……有難う」
寂しげな表情の紫苑お姉さまのために私には何が出来るというのだろう。


紫苑お姉さま
 同学年の生徒間の呼称は「○○さん」と云うのが通常である。
 4月当初、3-Aの級友からも呼ばれていた「紫苑お姉さま」と云う呼称は不自然さからか使われなくなり始めていた。
 代わりに畏敬の妥協点として「紫苑さま」と呼ばれるようになっていた。


――時間は流れ、入学してから2ヶ月が経とうとしている。
学院にも慣れ始めた私は、学院内と帰宅後との二つの顔を使い分けられるようになった。
苦もなくネコを被れるようになった私にも、ようやく友人と呼べるような人が2人ほど出来た。
そしてクラス内にも違和感無く溶け込めるようになった。
思ったよりも早く馴染むことが出来たが、それには理由がある。

444 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:47:51 ID:J3a2uVCm0
あの時、紫苑お姉さまのお心を知ったとき以来、私はよく紫苑お姉さまが優しく親しみやすい方であることを、
クラスメートに話をするようになった。
その所為で私は、紫苑お姉さまに可愛がられている下級生、有力な上級生と親交の深い人間と周りに思われるようになったらしい。
結果、私のような取柄のない、中途半端な丁寧語を使う成金の娘をクラスの皆はすんなりと受け入れてくれた。
今も週に2度ほど、私は紫苑お姉さまと図書室で昼休みを過ごす。
友人ができた今でも、私はこまめに昼休みに図書室に顔を出すようにしている。
そして紫苑お姉さまの姿をさがすのだ。
あの時以来、私と紫苑お姉さまとの間で『あの話題』が持ち出されることはない。
だけど、紫苑お姉さまの身辺が何も変わっていないことは私にも分かっている。
何故なら、私が見かけるとき常に紫苑お姉さまはお一人だから。
私は少しは紫苑お姉さまのお役に立てているのか、慰めになれているのかときどき思う。
これは同情なんかではない。
私なんかが紫苑お姉さまに同情なんておこがましい。
私が純粋にこの方の晴れやかな顔を見たいだけ。
紫苑お姉さまは、あれ以来、私に寂しそうな顔を見せることは無くなった。
常に優しく微笑んでいる。

だから、きっと、紫苑お姉さまの孤独感や寂しさは癒されているのだと…思っていた。

――今週、紫苑お姉さまは一度も図書室に姿をお見せにならなかった。
ご病気なのかと思ったが、そうではないらしい。
紫苑お姉さまのクラスに転入生が来て、その人に学院の案内をしているのだという噂。
こんな時期はずれに、しかも3年生。この学院の学生寮に入ったらしい。
刺激の少ない女子高で、この転校生は話題になり始めている。
…外部からの転入生。その人は紫苑お姉さまの友人と成り得るのだろうか。
(そういえば確か転入生と同じ寮住まいの人がクラスにいたっけ)

その生徒、周防院 奏さんとは同じクラスでありながら今まであまり話をしたことがなかった。
大きなリボンが特徴の彼女はこれまで目立ったことがなく、おとなしい性格のようだった。
「瑞穂お姉さまのことですか」

445 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:51:58 ID:J3a2uVCm0
転入生のことについて訊いてみると周防院さんは、特徴のある口調で話してくれた。
転校生の名前は、宮小路瑞穂。とある事情でこの時期に転向してきたそうである。
「お綺麗で素敵なお方なのですよ〜。それに凛々しく頭脳明晰、運動神経抜群…」
嬉しそうな顔で延々と彼女を褒め称える言葉を話し続ける。
あの人は確か先週に転向してきたばかりの筈。
会って数日の人にここまで崇拝される転校生に興味が出てきた。
何でも寮では周防院さんの姉ということになったらしい。
一緒に住んでいる周防院さんの言葉を身内びいきとして話し半分に聞いても、相当な人物らしい。
あの全国トップレベルの進学校の開正学園でも学年トップの成績だったという。
そんな完璧な人間がいるとは思えないが、だけどそういう噂の人物が紫苑お姉さまの近くにいるというだけで
私の心は波立ってくる。
(何かが変わるかもしれない)
何かとは勿論、紫苑お姉さまの身辺のこと。
期待と不安がないまぜになった複雑な心境。
期待はともかく、私は一体何に不安になっているのだろう。

休み時間に3-Aの教室の前まで出かけてみる。
我ながら何をしてるのかと思ってしまうが、一目紫苑お姉さまの顔を見てみたかった。
教室の後ろ側のドア、開いている隙間から中を覗き込んで見る。
(…居た!)
大勢の人が教室内にいたが、教室の奥に一際異彩を放つ3人組のグループが居た。
ショートヘアの人、こちらに背を向けている腰まである栗色の髪のロングヘアの人、
そしてそのロングヘアの人に向き合う形で紫苑お姉さまがいる。
周防院さんが云っていた。
瑞穂お姉さまは、栗色の長い髪だと。
きっとあの人が転入生。
ちょっと不思議な光景。
教室中の人たちがその3人組に視線を向けているような…。

446 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:54:35 ID:J3a2uVCm0
紫苑お姉さまは…その栗色のロングヘアの人と楽しそうに話をしていた…。

…なにか…何かが…分からない…

「あら、誰かに御用でしょうか?」
ドアの近くに居た人が声をかけてくる。
「い、いえ。あの…」
云い淀んでしまう。
(どうしよう、声をかけるべきなのか…)
心に沸き立つ感情。

…違う…違う…私は…

その間も私の視線は紫苑お姉さまを捉え続けている。
「もしかして紫苑さまに御用でしょうか?」

447 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:55:46 ID:J3a2uVCm0
その時、紫苑お姉さまが楽しそうに笑っているのが見えた。


…楽しそうに…肩を震わせて…心底楽しそうに…


・・・・・・・・・心の底から嬉しそうに・・・笑 っ て い る !


私の心の中で、何かが、嫌な何かが、大量に噴き出してくるのを感じ、そして、私は、





その場から走って・・・・・・・・・・・・・・・・・逃げ出した!!





途中、すれ違う生徒が驚いた顔で私を見る。
きっと、私の顔は…きっと…


東階段を駆け上がり、人気のない屋上前の踊り場まで来て、私はその場に蹲った。
目からとめどなく涙が溢れている。
口から嗚咽が漏れそうになるのをかみ殺す。

448 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 20:59:30 ID:J3a2uVCm0

(………!!)

ダンッ!
コブシを固めて床を叩く。


(・・・・・・汚いッ!!汚い汚い汚いッ!!)


ダンダンダンダンッッ!!






449 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:00:31 ID:J3a2uVCm0
(・・・・・・わわ・・・私・・・の心は・・・汚い!!!!)





泣いている自分自身が許せない。だけど涙が止まらない。

(紫苑お姉さまの為だなんて云っていたのは出鱈目なの!?)

(お姉さまは気さくな人だと級友に云っていたのは口だけなの!?)

(紫苑お姉さまの安息を願ったのは形だけなのっ!?)

450 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:02:47 ID:J3a2uVCm0
自分ではそう思っていたつもりだった。
転校生の方が紫苑お姉さまの友人になってくれればいいと思っていたつもりだった。
でも、あの笑顔を見たとき、分かった。分かってしまった。
私の汚さに気づいてしまった。
あの笑顔、心の底から楽しそうな紫苑お姉さまの笑顔。
私と二人の時には見たことがなかった。
私と二人の時には優しい笑みしかなかった。
いつも柔らかな微笑だった。
なのにあの転入生は数日で、たった数日で…。
私はお姉さまにとって、一体…。
自惚れだった。
その他大勢の他人と同じだった。

451 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:04:14 ID:J3a2uVCm0

(いいえ、そんな風に思う私の心こそ浅ましい!)



あの笑顔を見たとき、心の中で湧き上がった感情は…嫉妬だった!!
噴き出してきたのは転校生に対する激しい嫉妬だった!!



(お姉さまの寂しさを知ったつもりになって、同情ではなく共感したつもりになって、友人が出来ることを願って、
そして、お姉さまの笑顔を見て感じた感情が嫉妬だったなんて!…私は汚い、本当に汚い人間だ!
私がお姉さまに感じていたのは同情でも共感でもなく、独占欲だった!
クラスメートには紫苑お姉さまの話をして羨ましがられることに優越感を感じ、
そして心の奥底では紫苑お姉さまに親しい人が現れないで、私だけのものであることを願っていた!
なのに…)

452 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:06:51 ID:J3a2uVCm0

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンッッッ!!!!

ひたすら床を叩き続ける。

(何を泣いている!?被害者ヅラして何を泣いているの!)

私は私自身を許せなかった。

(紫苑お姉さまの笑顔を見て、何故喜ばない!何故!どこまで薄汚いの、私は!)

これほどの感情は生まれてから味わったことがなかった。
これまで生きてきて、初めて自分の醜さに気がついた。
自分がこれほど醜悪な心の持ち主だとは思わなかった。
「うぅっ、うっ……」
嗚咽を殺して、床を叩き続ける。
涙を流し続ける自分が許せない。悲しんでいる自分が許せない。

泣き続けた。
私は成す術もなく、ただ、声を押し殺して、涙を流し続けた。

453 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:08:15 ID:J3a2uVCm0


――それから数日後。

あの時以降、私は図書室に近寄るのを止めた。
クラスメートに紫苑お姉さまの話をするのも止めた。
校内でお姉さまの姿を見かけたら、急いでその場から立ち去った。
私は紫苑お姉さまに合わせる顔がないと思った。
もし、会って話をしたら何かの感情が爆発しそうだった。
それが怖かった。

454 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:09:50 ID:J3a2uVCm0
ある日の放課後、掃除当番で調理室の清掃をしていた。
この日は調理実習があったらしく、ゴミ箱の中に大量に野菜くずなどが入っていた。
いつもは軽いものだから一人でごみ捨ても簡単だけど、今回はかなり重い。
私はフーフー云いながら引き摺るようにしてゴミ箱を運んでいた。
ゴミ捨て場までが遠く感じる。
階段を下りるとき、引き摺るわけには行かないのでヨロヨロしながら持ち上げる。
そのとき、横から誰かの手が伸びてきて急にゴミ箱が軽くなった。
「大丈夫?このまま下りると危ないわよ」
驚いて横を向くと、そこには栗色のロングヘアの人。
(……キレイ…)
紫苑お姉さまに匹敵する。
直ぐに、あの時の後姿の人だと分かった。
「…ん?」
マジマジと見つめる私に、にこやかな笑顔で返すこの人。
「あ、あの…貴女は宮小路さまですか?」
「まあ?私を知っているの」
(やっぱり…)
不思議な人だった。
高身長に知性的な表情。スマートな動作。
紫苑お姉さまとは違った人を引き付ける雰囲気をもった人。
「…はい」
「そうね。噂になっちゃってるものね」
そう云って少し落ち込んだように見える。
「さあ、ごみを捨てに行きましょう」
(すごい。こんな重いゴミ箱を軽々と…)
「あ、あの、そんな」
「いいのよ。このごみのほとんどは、今日のウチのクラスの調理実習の野菜くずなんだから。
それに女の子ひとりじゃこのごみ箱は重いでしょ?」
一人でゴミ箱を持ち上げながら、この人は不思議なことを云う。

455 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:14:30 ID:J3a2uVCm0
「あの、宮小路さま」
「はい?」
訊いて見たい衝動にかられる。
(紫苑お姉さまのことをどこまで知っているのですか?どう思っているのですか?)
何の為に?と自分でも思う。
差し出がましいと思う。
紫苑お姉さまから離れるつもりだったのではなかったのか。
…その時、
「瑞穂さん」
ビクッ
私の体が硬直する。
紫苑お姉さまの声がした。
そして、その声に、返事をするこの人…。

「紫苑さん」

その言葉を聴いて、私はもう充分だと思った。
問いかけたかったモノの答えが、そこにあった。
この人は他の人たちとは違う。
『紫苑さん』という言葉。
間違いなくこの人は、紫苑お姉さまの横に立っている人だと思った。
目の前がぼんやりとぼやけてくる。
私は顔を俯ける。
「瑞穂さん、どちら?…あら?」
以前と比べて、明るい表情の紫苑お姉さまが現れて、私を見て驚く。
「まあ。最近、お会いできなかったから気になってましたのよ」
「…は、はあ。忙しかったものですから。申し訳ありません」
目が潤むのを悟られないよう、伏し目がちで小さな声で返事をする。

456 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:17:06 ID:J3a2uVCm0
それを紫苑お姉さまはどう勘違いしたのか、
「瑞穂さん、この子に何かなさったのですか?」
「え、いいえ!ぼ…私は何も」
私も慌てて否定する。
「何にもありません。紫苑お姉さま」
「そう?」
「それにしても紫苑さん。こちらの方は紫苑さんのご友人ですか?」
「はい。私の親しい大事な友人で、大切な妹ですの」
紫苑お姉さまが嬉しそうに云う。

その言葉で私の心の何かが一気に吹き飛ぶ。

(…馬鹿だった。私は本当に馬鹿だった)

「とても優しくて、面白くて、人を明るくしてくれる人ですの」
「そうですか。では、私とも親しい友人になって頂けますか?」
宮小路さまは、晴れやかで屈託のない笑顔を私に向ける。

(なんて優しい人たち…)

紫苑お姉さまが月の魅力なら、宮小路さまは太陽の魅力。
二人がやさしく私を照らしてくれる。
「宮小路さま。…親しく瑞穂お姉さまと御呼びさせて頂いても宜しいのでしょうか?」
(私を、こんな私を、お二人の近くに招いてくださるのですか?)
震え声で尋ねる私の言葉に、嬉しそうに頷いてくださる瑞穂お姉さま。
「勿論ですよ。それでは貴女のお名前を…」
限界だった。
私の心の堤防が決壊する。
涙が溢れ出し、声を出して私は泣く。

457 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:19:29 ID:J3a2uVCm0
突然、私が泣き出したので驚いたのだろう。
瑞穂お姉さまは狼狽し、紫苑お姉さまは心配そうに私の肩に手をかける。
「どうしましたの?なにか…」
私は泣きながら、紫苑お姉さまに抱きつく。
「御免なさい、御免なさい、御免なさい」
そして、泣きながら謝る。それしか胸のうちを吐き出す言葉は無い。
説明など出来るわけが無い。
だが、
「許しますよ。なんであっても」
そう云って、紫苑お姉さまは私の頭を撫でてくれた。
それ以降、何も聞かずに紫苑お姉さまは私の頭を撫で続けてくれた。
その手で撫でられる毎に、私の心が軽くなっていくような気がした。


458 :支援:2008/03/21(金) 21:23:32 ID:arhXP/Qr0 ?2BP(512)


459 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:24:09 ID:J3a2uVCm0
〜エピローグ〜
――6月末。
全校生徒によるエルダー選挙が行われる。
今年の有力候補は2名、瑞穂お姉さまと厳島生徒会長。
でも、眉目秀麗、成績優秀な瑞穂お姉さまが選ばれるであろうと私は確信している。
手元にあるエルダー選出用投票用紙を眺める。
そこには学年、組、記入者名、推薦する生徒名の記入欄。
そしてその下には1行だけの注意書き。

※A組十条紫苑さんの名前を記入することはできません

(瑞穂お姉さまには申し訳ありませんが…)
私の記入するお名前は一人しかいない。
私はボールペンで、下の注意書きを二重線を引いて削除した。
そして、その方の名前を丁寧に記入欄に書き込む。

エルダー選挙の結果、最初の投票において82%の得票を得て瑞穂お姉さまが第72代エルダーシスターとなった。
単独にてこれほどの高い支持を得たエルダーは学院史上、例がないことなのだそうだ。

その稀有な人の傍らで、今日も紫苑お姉さまが楽しそうに微笑んでいる。


Fin

460 :L鍋 ◆DYAKFqD80g :2008/03/21(金) 21:24:59 ID:J3a2uVCm0
お粗末さまでした。
ちょっと長すぎたかも。
スイマセン。

461 :名無しさん@初回限定:2008/03/21(金) 22:20:11 ID:oIH4XvAS0
東の扉さん、GJ!
L鍋さん、GJ!


462 :おとボクまとめ中の人 ◆OTBKTbDm8M :2008/03/21(金) 23:22:16 ID:QmB35WOT0
東の扉さん、L鍋さん、
紫苑さま聖誕祭作品をありがとうございます。
お二人とも普段とは違うタイプの作品で、
これも紫苑さまのなせるワザなのか? と思いつつ、
楽しませていただきました。
東の扉さんの作品からは紫苑さまの茶目っ気が、
L鍋さんの作品からは、紫苑さまの慈愛の深さが、
そして「おとボク」作品世界への「愛」が、
それぞれ強く感じられて良かったと思います。

……さて、「SS名作選」の件ですが、
作成が遅れに遅れてしまい、大変申し訳ございません。
最近仕事量も増えており、「おとボク」関連のTo Doについて、
私ひとりではとても対処しきれない状況になっております。
近日中に、皆さまに作成をお手伝いいただくかたちで、
「SS作品集」としてリニューアルを考えております。
お手伝いいただける状況になりましたら、
まとめサイト側で告知させていただきます。
なにとぞご了承ならびにご理解のほど、お願いいたします。

それでは、余分な戯れ言はこの辺で。
引き続き「おとボク」SS作品をお楽しみくださいませ。

463 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 00:59:52 ID:fgafxSqt0
『花粉お姉さま(ボク)注意報』

もしも宮小路(鏑木)瑞穂が花粉症だったら(紫苑ルート)

3月21日早朝、鏑木邸。
瑞穂の目覚めは爽やか……とは云い難かった。
「うう……頭が重いーっ」
2年前から花粉症になってしまった瑞穂。
くしゃみ、鼻水、(主に目の)かゆみ、頭重などの症状に悩まされてきた。
とりあえず、瑞穂の体質に合った薬などを処方して貰い、何とか乗り切ってきた。
特に今年は、聖應女学院エルダーシスターとしての立場が有ったため、細心の注意を払い、最悪の事態を回避し続けた。
その結果、特に問題を起こす事無く、無事卒業式を迎える事が出来たのである。
(さてと、朝食を食べてから薬を飲まなくっちゃね。今日は大事な日だから……)

「瑞穂様、おはようございます」
「おはよう楓さん。いつもの薬が切れてるから、朝食の後に貰えるかな?」
「それが瑞穂様……」
楓の態度がおかしい。
「?」
「申し訳有りません。私の手違いで、お薬を用意するのを忘れてしまいまして……」
「ええっ?!それじゃ困るよ!今日は紫苑さんの誕生パーティーに行くのに……」
楓は、能力値が非常に高い代わりに、時々とんでもないヘマをやらかす事が有る。
(よりによって今日とは……)
「高島先生がご旅行中だそうで、瑞穂様の処方箋が見付からないそうなのです。連絡先も不明と云う事で……
 本日夕方には帰られるそうなので、なるべく早く用意致しますので」
「……(どうしよう)」

464 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:03:19 ID:fgafxSqt0
10時半頃。
「瑞穂様、紫苑様がおいでです」
「あ゛、ありがとう楓さん……へっくしょん!」
「おはようございます瑞穂さん♪」
「おはようございます紫苑……さん」
「あら?『紫苑』ではないのですか?わたくし拗ねましてよ」
「……ごめんなさい。今日はそれどころではないです」
「何か有ったのですか瑞穂さん?」
紫苑に今日これまでのやりとりを説明した。所々でくしゃみが入るので、無意味に時間がかかってしまったが……
「……まあ、大変ですのね。それでは今日一日、わたくしが瑞穂さんのお世話を致しますわ」
「ええっ?!それじゃ悪いですよ。今日はせっかくの紫苑の誕生日なのに……」
「瑞穂さんは、わたくしに世話をされるのはお嫌ですか?」
「い、嫌とか……へっくしょん……じゃなくて……」
「ふふっ、遠慮なさらないで下さい。わたくしは瑞穂さんの妻になるのですから。
 それでは参りましょう。寮で奏ちゃん達がお待ちかねです」
まりやの鶴の一声で、今年の十条紫苑誕生パーティーは、学生寮櫻館で行われる事となったのである。
「まりやがまだ来てませんが……」
「ああ、まりやさんは直接寮に向かわれるそうです。
 『瑞穂ちゃんとの2人きりを邪魔する気は無いですよ紫苑さま』……なんて云われてしまいました」
「……へっくしょん!」

465 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:06:56 ID:fgafxSqt0
学院に向かう道中。
「ねえ紫苑、マスクをしちゃダメかな?」
「ダメです!マスクなんてしたら、瑞穂さんの美しさが半減してしまいますから」
聖應に行くため、瑞穂は女装をしている。まりやがでしゃばると厄介なので、紫苑と一緒に制服姿である。
「……でも、くしゃみとか沢山しそうだから、周りに迷惑がかかってしまうから……」
「少なくともわたくしは、迷惑だなんて思わないですよ。他の方々も、瑞穂さんのくしゃみなら大歓迎でしょう」
「大歓迎って……へっくしょん!」
「瑞穂さん、もっとこちらに寄って下さい。花粉症の場合は、身体を温めたほうが良いのですよ」
寄って下さいと云いつつ、紫苑は強引に瑞穂の身体を引き寄せた。
そんな美女美女のカップルに、道行く人々が羨望の眼差しを向けた。
  (これ↑って誤字だよね、そうだよね?!)
「うふふっ、瑞穂さんと腕を組んで歩く。それだけでわたくし幸せですわ!」
紫苑のハイテンションな様子を眺めるのは、瑞穂にとっても幸せな事だった。
「……へっくしょん!」

昼前に寮に到着した。
「いらっしゃい!瑞穂ちゃん、紫苑さま」
「いや、まりやもここの住人じゃないでしょもう……」
「細かい事は気にしない!……ってあれ?瑞穂ちゃんなんか変だよ」
「実はまりやさん。かくかくしかじか……」
紫苑が大まかな事情をまりやに説明した。
「ははーんなるほど。瑞穂ちゃんも大変だね〜。ま、それは兎も角、みんながお待ちかねよ」

466 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:10:12 ID:fgafxSqt0
食堂では、奏・由佳里・貴子・圭・美智子が待ち構えていた。
パンッ!パパンッ!パーンッ!
皆がクラッカーを一斉に鳴らした。
「紫苑お姉さま、おめでとうございますなのですよー」
「紫苑さま、お姉さま、おめでとうございます!」
「全く……わたくし騒がしいのは好きではありませんが、紫苑さまおめでとうございます」
「……紫苑さまおめでとう。瑞穂さんグッジョブ」
「うふふっ圭さんったら……何がグッジョブなのですか?紫苑さまおめでとうございます」
紫苑の目にうっすらと涙が浮かんだ。
「皆さん……ありがとうございます。こうして祝ってもらえるなんて……わたくしは幸せ者ですね」
紫苑の隣に立っていた瑞穂の目にも、うっすらと涙が浮かんだが、様子がおかしかった。
瑞穂のテンションが妙に低い事に気付き、皆がクエスチョンマークを浮かべた。
「すみません、誰かティッシュを持ってきてもらえませんか……へっくしょん!」
「……瑞穂ちゃん、いきなり雰囲気をぶち壊さないでよ。まあいいわ由佳里、ティッシュを持ってきてあげて」
「は、はい!」
由佳里が音速でティッシュの箱を持ってきた。
「どうぞお姉さま」
「ありがとう……由佳里ちゃん」
「さっすがゆかりん。ティッシュの場所の把握は完璧ね!」
「な、何をおっしゃるのですか、まりやお姉さま?!」
紫苑・奏・貴子は『?』、圭は(表向きは)無表情、美智子はニコニコ顔、まりやはニヤニヤ顔、瑞穂は困惑、
そして由佳里は真っ赤。皆の表情がそれぞれの個性に合った変化を見せた。

467 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:14:09 ID:fgafxSqt0
「う゛ー……鼻をかませて下さい……」
瑞穂は皆から離れて、部屋の隅っこで鼻をかもうとしたのだが……
「瑞穂さん!」
ティッシュを持った紫苑が、瑞穂を自分の側に引き寄せた。
「し、紫苑……さん?!」
「さあ瑞穂さんどうぞ」
「え?は、恥ずかしいですよ……」
「云ったでしょう、今日一日わたくしが瑞穂さんのお世話をすると。はい、ちーん!」
ちーん!ズルズル……
「はい、左側も、ちーん!」
ちーん!ズルズル……
「紫苑お姉さま、ゴミ箱なのですよー」
「まあ、ありがとう奏ちゃん!」
鼻をかんだティッシュが、ゴミ箱にダイブした。
「さあ!本日のチャリティーオークション。ロットナンバー1番、瑞穂ちゃんが鼻をかんだティッシュ、百円から!」
「……やめてよまりや」
紫苑の『ちーん』が、余程恥ずかしかったらしく、瑞穂は真っ赤になりながらまりやを止める。
「あのねー、瑞穂ちゃんが暗そうにしてるからいけないんでしょ。
 何とか盛り上げようとする、あたしの努力を否定するのかね?」
「……ごめんまりや」
「ちっがーう!謝る相手はあたしじゃないでしょ!」
「そ、そうだね。ごめん紫苑……さん」
「ふふっ、わたくしは構いませんよ。突然のアクシデントですから仕方が無いですわ。
 でも皆さんの前では、できるだけ笑顔でいて下さいね。瑞穂さんはエルダーなのですから」
瑞穂と紫苑の会話の間に、まりやが一同に瑞穂の状態を説明した。
「もう卒業したのですから、私はエルダーでは無いでしょう?」
「……違う瑞穂さん。私達が卒業するのは3月31日。だからそれまでは瑞穂さんがエルダー……」
「『家に帰るまでが遠足』と云う言葉が有るでしょう。それと同じですよ瑞穂さん」
圭と美智子のコンビネーションは、相変わらず健在の様だ。
(150円!)由佳里は思わず叫びそうになったが、かろうじて自制した。
(200円!)貴子は視線がゴミ箱に向いている事に、自分自身が気付いていなかった。

468 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:17:32 ID:fgafxSqt0
「さ、それじゃ、紫苑さまと瑞穂ちゃんはこっちに座って!」
「え?上座は紫苑……さんだけでしょ?……へっくしょん!」
「わたくしは瑞穂さんと一緒がいいですわ」
と云う訳で、上座に瑞穂と紫苑が並び、テーブルの瑞穂サイドにまりや・由佳里・貴子が、
紫苑サイドに奏・圭・美智子が、それぞれ陣取った。
「今日は由佳里ちゃんがケーキを焼いたのですよー」
巨大なチョコレートケーキを由佳里が運んできた。ロウソクが18本なのは秘密である。
「今日は私が、思う存分腕を振るわせていただきますね、お姉さま方」

「それじゃ、みんな準備はいい?」
「はいなのですよー」「はい!」「当然ですわ」「……了解」「いつでもどうぞ」
「……さんはい!」
♪(前略)ハッピバースデーディア紫苑さまーーーーーーっ、ハッピバースデートゥー
奏「ユーーーッ(O4G1)」
由佳里・美智子「ユーーーッ(O4D1)」
まりや・貴子「ユーーーッ(O3B1)」
圭「ユーーーッ(O3G1)」

「ふーっ!」
紫苑がロウソクに息を吹きかけたが、一度だけでは全てのロウソクは消えなかった。
「瑞穂さんもご一緒にいかがですか?」
「……いえ、今の私がやると大惨事になりそうなので」
「あら残念ですわ」
結局紫苑が一人で全てのロウソクを消した。
パンッ!パパンッ!パパパパン!
再度クラッカーの音が鳴り響いた。
「それでは紫苑さま。何か一言お願い致します」
今日はまりやがとことん仕切るらしい……

469 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:21:01 ID:fgafxSqt0
「それでは……本日はわたくしと瑞穂さんの結婚披露宴にお集まりいただき、誠にありがとうございます」
「いや、違うって紫苑……さん……へっくしょん!グスッ……」
「あらあら瑞穂さん……はい、ちーん!」
ちーん!ズルズルズル……
「ご覧の通りわたくしは、瑞穂さんと一緒に幸せになります。皆さん応援よろしくお願い致します」
パチパチパチパチ……
盛大な拍手が巻き起こった。
「それじゃせっかくだから、瑞穂ちゃんと紫苑さまに、ケーキカットをしてもらいましょうか?」
「「「「「賛成(なのですよー)!」」」」」

瑞穂にとって、パーティーは散々なモノになった。

紫苑と2人でのケーキカットは、途中でくしゃみをし、ナイフがすっぽ抜けてまりやのすぐ側を通過した。
「うわっ?!瑞穂ちゃん、あたしに恨みでも有るの?」
「……まりやさんに恨みが無い人なんて、いないと思いますが」
「なんですって貴子?!」

「はい瑞穂さん、あーん!」
「あ、あの、皆が見てるから……」
「あーん!」
「あ、あーん……モグモグ、うん美味しい!由佳里ちゃんまた腕を上げたね」
「えへっ!ありがとうございますお姉さま!」
「……ロウソク垂らしても良いですか瑞穂さん?」
「理不尽ーっ!」

「あらあら瑞穂さん、また鼻ですか?……はい、ちーん!」
ちーん、ズルズル……
症状がひどくなり、判断力が低下した瑞穂は、紫苑に寄りかかって甘えるだけのお子ちゃまと化した。
「へっくしょん!」
「瑞穂さん、わたくしに寄りかかっていれば安心ですからね」
「……はあい」

470 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:24:31 ID:fgafxSqt0
「全く……見てられないですわね」
「圭さんも花粉症になってみませんか?」
「……狙ってなるのは無理……」
「お姉さま方素敵なのですよー」
「本当ね。私があんな状態だったら、無様にしか見えないのだろうけど、お姉さまと紫苑さまは不思議と絵になるわね」
「うーん、目がウルウルした瑞穂ちゃんってカワイイわね。これはこれでアリ!」

夕方にパーティーはお開きとなり、奏と由佳里は後片付け、他のメンバーは帰宅の途についた。
「ううっ……ごめんなさい紫苑」
両手に荷物を抱えて窮屈そうな瑞穂が、紫苑に自分の体たらくっぷりを謝罪した。
抱えた荷物はもちろん、紫苑へのプレゼントである。
奏から送られたピンクのリボンは、紫苑の髪を綺麗に飾っている。
由佳里は『瑞穂が気に入った料理のレシピ集』を、ビクビクしながら紫苑に手渡した。
まりやは「瑞穂ちゃんのおうちに送りましたから」と云って、『瑞穂に着せる服一杯』を紫苑にプレゼントした。
云うまでも無く全て女物である。瑞穂の誕生日にも同じ事をするであろう。
貴子は参考書をプレゼントした。実は貴子が、翔陽大学を受験する時に使用したのと同じ物である。
「翔陽大学でお待ちしております」というメッセージに、瑞穂と紫苑は気付いたであろうか?
圭はお気に入りの劇団のチケットをプレゼントした。ここまでは良かったのだが……
美智子が紫苑に送ったのは、『百合小説&コミック詰め合わせ』だった。
要するに瑞穂が持っているのは、美智子のプレゼントだけである。
(美智子さん思いっきり勘違いしてるよ。僕が悪いんだけどね……)

471 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:28:14 ID:fgafxSqt0
やっとの事で、鏑木邸に帰宅した。
「ただいま楓さん」
「お帰りなさいませ、瑞穂様、紫苑様」
「楓さん、薬は?……へっくしょん!」
「ええっと……それは……」
「瑞穂さん、実はわたくしからプレゼントが有るのですがよろしいですか?」
「紫苑?」
紫苑がバッグから取り出した袋を見て、瑞穂は絶句した。
『鏑木瑞穂様』と書かれた袋は、紛れも無く瑞穂の薬袋だったのである。
「ど、どう云う事紫苑?!」
「これが私の、紫苑様へのプレゼントですわ瑞穂様」
「えっ?楓さん?」
「紫苑様が『薬を飲まない素のままの瑞穂さんを見たい』とおっしゃったので、その様に手配致しました」
「……高島先生が旅行中と云うのは?」
「もちろんウソでございます。鏑木家の主治医が、その様な無責任な事をするはずがありません」
「わたくし悔しかったのです。楓さんしか知らない瑞穂さんの素顔が存在する事が……」
「何もかも包み隠さずさらけ出す。夫婦円満の秘訣ですよ瑞穂様」
「これからも色々瑞穂さんの事を教えて下さいね楓さん」
「もちろんですわ紫苑様」
「……何なんだこのふたり……orz」

『完』

瑞穂は紫苑に指輪をプレゼントしたのだが、それはまた別の話……

472 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/03/24(月) 01:32:12 ID:fgafxSqt0
一応解説
O4G1←オクターブ4の『ソ』の全音符です。Dは『レ』、Bは『シ』です。

以上です。思いっきり出遅れてしまいました。
2〜3レス程度の小ネタにするつもりだったのに、僕は一体何をやっていた?!orz(瑞穂的表現)
相変わらず花粉が飛び続けて、ブルーな日々が続いてます。takayanさん、一緒に頑張りましょう(何を?)
それでは駄文失礼致しました。
遅ればせながら、紫苑さま、おめでとうございます。


473 :名無しさん@初回限定:2008/03/24(月) 12:24:20 ID:aZjD/2aZ0
>>463 gj
mmlとは、ミニアックなものをw


474 :名無しさん@初回限定:2008/03/24(月) 12:30:45 ID:aZjD/2aZ0
xミ→マ 
頭の中が膿んでるようだOTL


475 :名無しさん@初回限定:2008/03/25(火) 00:30:39 ID:aCUxxwMG0
大臣
「見ろ! 人間の常識を超越した樹海の怪物どもを。
こいつらに対し衛士隊の現状戦力は、無力だ…。
エトリアマン抜きではまともに戦う事すらできん!
そんな軟弱な防衛力で、ハイ・ラガードを守りきれるか!
正体も分からぬ冒険者に、この街の未来を任してよいのか!
断じてそんなはずは無い!」

476 :名無しさん@初回限定:2008/03/25(火) 00:31:17 ID:aCUxxwMG0
誤爆orz

477 :おとボクまとめ中の人 ◆OTBKTbDm8M :2008/03/26(水) 00:31:23 ID:QJPwBQv20
>>472
ばんくーばーさん、お見舞いありがとうございます。
ええ、頑張っていますとも、
メガネ(もともとかけている)&マスク&眠くなる薬で完全防備。
たまに仕事中にzzz...となりかけてしまうのはどうにもいけませんが。

SS作品集の件ですが、正式発表は4月にはいってからになります。
いまは期末の修羅場なので、いましばらくお待ちくださいませ。

478 :名無しさん@初回限定:2008/04/01(火) 15:30:12 ID:fb/QzRvV0
ほしゅです

479 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/01(火) 16:20:34 ID:6eb/LT1c0
QDK(急に電波が来たので)エイプリルフールネタを。
貴子ルートにするつもりだったのですが、直前に奏ルートに変更しました。


『メイドはお嬢さまに恋してる』

4月1日朝。
御門まりやは、いつもの様に鏑木家の門をくぐった。
(くくくっ、今日は瑞穂ちゃんで遊ぶ絶好の日よね♪)

「あら?おはようございます、まりや様」
「あ、おはようございます楓さん。瑞穂ちゃんはいますか?」
「瑞穂様でしたら、今お食事中ですよ」
(ほほーっ、それじゃいきなり何か仕掛けましょうかね……)

480 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/01(火) 16:24:05 ID:6eb/LT1c0
「おっはよー瑞穂ちゃん!」
まりやは勢い良く食堂の扉を開けた。
ところが、食堂に入ったまりやは、その瞬間固まってしまった。
「あら?おはようございますまりやさん」
「まりやお姉さま、おはようございますなのですよー」
「あ……え……?瑞穂ちゃん?奏ちゃん??」
まりやが驚いたのは当然だろう。
ピンクのフリフリドレス&ツインテール、そして女言葉、と云う完全装備の瑞穂が食事をしていて、
メイド服&ピンクのリボンで身を固めた奏が、そんな瑞穂を甲斐甲斐しく世話していた。
「奏さん、マーマレードを取ってもらえますか?」
「はいなのですよ、お嬢さま!」
(奏さん?お嬢さま?!)

「み、瑞穂ちゃん?どうしたのその格好……」
「え……似合いませんか?以前まりやさんに買っていただいた服なのですが……」
「あ、いや、凄い似合ってる。やっぱり瑞穂ちゃん綺麗よね」
(あ゛ー違う!あたしが云いたいのはそんな事じゃない!)
「ありがとうございます。まりやさんのお眼鏡にかなえば安心ですわ」
「……ええと、奏ちゃん。奏ちゃんは何をやってるのかな?」
「奏は楓さんに弟子入りしたのです。将来は瑞穂お嬢さまのメイドさんになるのですよー」
「いや、その、瑞穂お嬢さまって……」
瑞穂と奏の様子が、あまりにも自然だったので、まりやは言葉を失ってしまった。
「まりやさんも、一緒にいかがですか?」
「……いや、いいや。あたし用事を思い出したから帰るね……」
食事の誘いを断り、まりやは出て行った。

481 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/01(火) 16:28:30 ID:6eb/LT1c0
「……残念ですわ。ごきげんようまりやさん…………ぷっ!」
完璧にお嬢さまだった瑞穂だが……
「あははははっ!」
「ふふふっ、瑞穂さまイジワルなのですよー」
「あのまりやの顔は傑作だったね」
瑞穂は笑いながら髪を解いた。
「由佳里ちゃんの忠告を聞いておいて正解だったよ。
 ここに入ってきたまりやは、絶対に何かをやろうとする顔だったものね」
「由佳里ちゃんは、まりやお姉さまと遭遇しない様に、今日一日行方不明になるそうなのですよー」
「あははっ、それじゃ僕達も、まりやがここに戻って来る前に行方不明になろうか?」
「はいなのですよー!」

まりやは首を傾げながら帰宅の途についていた。
(あたしの望むシチュエーションだったはずなのに、何でショックを受けてるんだろ……ってあれ?
 あたしは大事な事を忘れている気がする。何だっけ?……ええと、今日は4月1日……!ヤラレタ?!)
まりやは猛スピードで鏑木家にUターンした。
「楓さん、瑞穂ちゃんは?!」
「瑞穂様なら、奏さんと一緒にお出かけしましたよ、まりや様」
「遅かったか……」
「ふふっ、今日はまりや様の負けですね。お詫びに私からコレを差し上げますわ」
「……コレは……ありがとう楓さん!」
楓からある物を受け取ったまりやは、軽快な足取りで去って行った。

482 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/01(火) 16:32:18 ID:6eb/LT1c0
数日後。
「やっほー瑞穂ちゃん!」
「どうしたのまりや?やけにご機嫌だね」
「ふふ〜ん、コレな〜んだ?」
「写真……って、これはーーーっ?!」
まりやが持っていたのは、フリフリドレスで食事をする瑞穂とメイド服の奏が写った写真だった。
「まりや?あの時カメラなんて持ってなかったよね?」
「ああ、コレは楓さんが撮った物よ。楓さん、写真撮影の腕も天下一品よねえ」
「……何故?」
「早速大量に印刷して、聖應の生徒達に一枚千円で提供してきちゃった」
「えーっ!何て事してくれたのまりや?そんなにお金が欲しい?」
「違う違う。お金欲しさにやったんじゃないわよ。今回の収益は、某孤児院に全額寄付してきたんでヨロシク!」
「某孤児院って……まさか」
「そ、楓さんと奏ちゃんがいた孤児院よ。第二第三の奏ちゃんを輩出するための、あたしなりの協力って事」
「……」
「瑞穂ちゃんの女装が人々の役に立てる。こんな嬉しい事はないでしょ」
「ううっ、それじゃ文句を云えないじゃないか……」
「そんな訳でまたよろしくね、瑞穂『お嬢さま』!」
「……(調子に乗り過ぎた)orz」

『完』

タイトル メイドはお嬢さまに恋してる
ジャンル ハートフル・メイドさんAVG
発売日 20008年夏予定
価格 7,875円(税込)
メディア DVD-ROM
ボイス あり
原画 ○り太
シナリオ 嵩夜○や
初回版特典 スー○ーフ○ミコン風 処女はお姉さまに恋してる

483 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/01(火) 16:35:23 ID:6eb/LT1c0
以上です。今回の件で、瑞穂と奏の姉妹関係にヒビが入ったとか入らなかったとか……
まりやは、機先を制されると案外脆いってイメージです。
しばらくの間(永遠に?)SSを投下する予定は無かったのですが、つい魔が差しました。今では反芻してます。
それでは駄文失礼致しました。


484 :名無しさん@初回限定:2008/04/01(火) 17:25:16 ID:jOTM3mVO0
孤児院って閉鎖されたんでなかったけ?

485 :名無しさん@初回限定:2008/04/01(火) 18:39:35 ID:ZK7bnOxt0
野暮なツッコミだなあ
四月一日ですよ

486 :みどりん:2008/04/02(水) 00:11:57 ID:yvm6mjff0
入学式の風景

 四月です。どこの学校も入学式が執り行われています。恵泉女学院も例外ではありません。入学した生徒たちはクラス割を確認して、それぞれの集合場所に向かいます。クラス割の紙には生徒が多数書かれていますから自分の名前を探し出すのが大変です。
 彼女は上から探すほうが効率がよいようです。
「い……い……い…厳島貴子。間違いございませんわ。C組ですか。他にどのような方がいらっしゃるのかしら」
 さて、下から探すほうが効率よい人もいるようです。
「み……み……み…御門まりや。間違いないわ。C組ね。他にどんな子がいるのかしら」
そうして、二人とも他のクラスメートの名前を確認しています。
「御門まりや!!」
「厳島貴子!!」
二人はすぐそばに立っていたので、お互いの声が聞こえました。二人ともC組の名簿の前にいるのですからそばに立っているのは何の不思議もありません。そして、お互いに顔を見合わせます。
「あなた、高校に入れたのですか。あの学力で……」
貴子の先制パンチがまりやを襲います。メガトン級の一撃必殺に近いパンチでしたが、まりやはどうにか倒れないでいることができました。
「う、うるさいわね。あんたに比べれば悪いけど、普通でしょ?ふ つ う!」
「そうですか。2〜3教科補習があるのは普通ですか。ふ〜ん」
貴子の容赦ない攻撃が続きます。
「そ、そうよ……」
まりやはもうKO寸前です。
「運動ばかりしているから、栄養がぜ〜んぶ足にとられてしまったのではないですか?きっとそうですわ。足に栄養がとられたので、胸も平らなのですわね」
そういって、貴子は自分の胸をこれ見よがしに揺すって見せます。このころはまりやの胸はまだ平らにちかい状態でした。それに対し、貴子は既に大きな胸を持っていました。
まりやは黙って怒りに耐えていましたが、貴子が「ほ〜ら、ほ〜ら」と胸を揺すっているのを見てとうとう切れてしまいました。
「ムッキーーー!!」
そして二人で取っ組み合いのけんかを始めてしまいました。高校に来て、より仲がわるくなったようです。

 その後、二人のクラスは別々になりました。恵泉史上最速のクラス替えでした。こうして二人の高校生活が始まりました。その2年後、二人が仲良くなることがあるとはお天道様も知らなかったことでしょう。

おしまい

487 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 13:29:40 ID:Vb3H+TUQ0
>>483
エイプリルフールネタ、お疲れ様でした。こちらも楽しませていただきました。
私のそれはやはり投下するのが早すぎたでしょうか……。

>>486
またみどりんさんの作品が見れて嬉しいです。

私も、以前言っていた時代劇ネタが完成しましたので、投下させていただきます。
よろしくお願いします。


488 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 13:36:33 ID:Vb3H+TUQ0

〜暴れん坊エルダー〜

 今から約300年の昔、東京が江戸と呼ばれており、そこに幕府があった頃、その江戸幕府、別名聖央幕府に、
天下に名高い名将軍がいた。
 紀州藩藩主だった頃、その類稀なる慈悲と寛容の精神を持って、行きづまっていた藩を立て直し、その政治手腕を認められて
聖央幕府8代得多安(エルダー)大将軍に就任した、徳川瑞穂(某コミックの悪党とは無関係です。念のため)、その人である。
 彼は乱れきった幕府を立て直すべく、南町奉行の厳島越前守貴相(えちぜんのかみたかすけ)、
御側御用取次の十条紫郎左衛門(しろうざえもん)とともに、享保の改革と呼ばれる様々な改革を断行してきた。
 また、庶民の暮らしを知るために旗本の三男坊、鏑木宮之助(みやのすけ)として
町火消、薫五郎(くんごろう)の所に身を寄せ、庶民の目でものを見、数々の腐敗した権力者に立ち向かっていったのである。


489 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 13:40:51 ID:Vb3H+TUQ0
 そして瑞穂は今、天皇に拝謁するため、京の都に来ていた。
「しかし、京でも見えないところで乱れているかもしれぬ。このようなところであぐらをかいているわけにも……」
「お姉さま、またお忍びで街へお出かけになるつもりでは……」
「紫郎左……この場合は上様と呼ぶべきでしょう?」
 “じい”と呼ぶと紫郎左衛門が怒るので、瑞穂はあえてこう呼んでいる。
「いいえ、あなた相手にはお姉さまとお呼びするのが一番あっておりますから」
「そうですとも。自然にお姉さまと出てきますから、仕方ありません」
 厳島越前もそれに賛同。
 ガーン!!
 “お姉さまと呼ぶのが一番”“自然に出てくる”
「ううう……」
「あらあら、また落ち込んでしまわれたようですね」

490 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 13:45:24 ID:Vb3H+TUQ0
 そして瑞穂は、厳島越前と十条紫郎左衛門をお供に連れて、お忍びで街に出かけた。
「それにしても、このあたりでも、お姉さまをモデルにした、浄瑠璃や芝居がはやっているようですね」
「ああ。『処女男姉恋愛物語』ですか? 確かに本の売れ行きもすごいようですし」
 処女男姉恋愛物語とは、徳川瑞穂をモデルにした恋物語である。
 女学校に女装して潜入した男の子が、そこにいる女の子たちの憧れの的となり、様々な問題を体当たりで解決しながら、
何人かの女の子と恋に落ちていく話である。
 現在書かれたり演じられたりしている物語は5種類で、瑞穂の相手役は厳島越前をモデルにした貴子、
十条紫郎左衛門をモデルにした紫苑、そして奏、まりや、幽霊の一子の5人である。
「こんな形で描かれても……」
「まあ、これも八代将軍瑞穂さまの人気の賜物ということで……」

491 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 13:50:32 ID:Vb3H+TUQ0
 そんなこんなて、しばらく街を散策していた時……。
「待ちやがれ!!」
「逃がしゃしねえぞ、このアマ!!」
 1人の町娘が、数人のやくざ風の男たちに追われていた。
「ふええ……助けてくださいなのですよ!」
 瑞穂はそれを見て、その町娘を自分の後ろにかくまい、男たちの前に立ちふさがる。
「なんだてめえは!」
「関係ねえヤツはすっこんでろ!」
「いや、か弱き女1人を相手に男数人での乱暴、見過ごせぬな。それなりの事情があるならば聞いてやらんでもないが?」
 瑞穂が男たちにそう言うと、
「うるせえ!」
「やっちまえ!」
 男たちは瑞穂に襲いかかってきた。やはり男たちは悪者のようだ。
 瑞穂はそれらを軽くいなしていく。
「くっそー! 覚えてやがれ!」
 男たちは、お決まりの捨てゼリフを吐いて逃げていった。

「ありがとうございますのですよ。えっと……」
 町娘は、頭をぺこりと下げてお礼を言った。
「ああ、私は鏑木宮之助という旅の者。えっと……」
「あっ、申し遅れましたのですよ。私は海産物問屋、周防屋の娘で、奏と申しますのですよ」
「奏さんですか。可愛らしい」
 紫郎左衛門はそう言って奏に歩み寄り、愛情いっぱいに抱きしめた。
「はややっ!!」
 奏はしばらくもがいていたが、やがて解放されてしばらく休んでいた。

492 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 13:55:28 ID:Vb3H+TUQ0
 その後、瑞穂たちは奏の家である周防屋にお世話になることになった。
「それにしても、あいつら一体何者なの?」
「呉服問屋、毬屋紋五郎(まりやもんごろう)の手のものなのですよ」
「毬屋?」
「はいなのです。毬屋は、いろんなところから人をさらっているのですよ。大坂(昔はこう書きました)でも、
看板娘のお桃さんがさらわれかけたと聞きましたのです」
「そう言えば、大坂町奉行の黒澤隼人正(はやとのしょう)が助けた娘と結婚したと聞いてるけど、そのこと?」
「はいなのです。でも、それだけではないのですよ……毬屋は、挽肉の抜け荷をしていて、経営する料亭で挽肉焼き定食を
出しているのです。それが売れに売れて、そのせいで奏たち海産物問屋の商売はさっぱりなのですよ……」
 奏は涙を流しながら訴えるのだった。
「こんな可愛い奏ちゃんを泣かせるなんて、許せぬ」
 紫郎左衛門は、奏を抱きしめながらそう言った。
「そうだね」
 瑞穂と越前はそれに同意した。
「でも、そんなに悪いことをしているのに、一致団結して戦わないの?」
「それが、毬屋に逆らった方は過去にいましたのですけど、とんでもない見せしめを喰らわされてしまったのですよ」
 瑞穂が聞くと、奏は全身を震わせて答えた。
「見せしめ?」
「はいなのです。逆らった男たちは全員……」
「全員?」

493 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:00:23 ID:Vb3H+TUQ0
「無理やり女装させられて、その写真を街中にばらまかれてしまったのですよー!」
 奏は、苦渋に満ちた声で話す。
「な、なんてひどいことを……!!」
 その話に、瑞穂が激しい憤りを示した。
「そんなこと、同じ男として絶対に許せない!!」
「はややっ、鏑木さま、もしかして本物の男の方なのですか?」
 一方、奏はそれを聞いて驚いていた。
「もしかしなくても本物の男だよ」
「か、奏、てっきりどこかのお姫さまが幕府の目を逃れるために男装しているのかと思っていたのですよお……」
 その言葉に、瑞穂は唖然とする。
「奏の感覚がおかしいのでしょうか?」
「いや、奏さんの感覚は至って正常ですよ。そうですよね、十条さま」
「ええ。それが普通の感覚です」
 ガーン!!
「僕が女と思うのが……普通の……感覚……」
「あわわ、鏑木さまが落ち込んでしまわれたのですよお……」

494 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:05:38 ID:Vb3H+TUQ0
「お姉さま、ただちに証拠を集めて毬屋を捕らえましょう」
 再び奏を抱きしめている紫郎左衛門を置いて、瑞穂と越前は周防屋の裏口の方で話し合っていた。
「待って! 白昼堂々娘たちをさらったり、抜け荷したものを目立つ料亭で売りさばくやり口、
一介の商人の力だけで出来るものとは思えない。おそらく幕府重臣の誰かが手を貸しているはず……」
「幕閣の誰かが!? それは一体……」
「圭蔵! 美智!」
 瑞穂はそう言ってお庭番2人の名を呼ぶ。
「お呼びですか、お姉さま?」
「圭蔵は毬屋の悪事の証拠を、美智は、毬屋とつながっている幕府重臣の正体を探ってほしいんだ」
「承知……」
「わかりましたわ、お姉さま」
 2人の庭番は、そう言って早速目的を果たしに行った。

495 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:10:17 ID:Vb3H+TUQ0
 5日後……。
「お姉さま……任務終了……」
 瑞穂のもとに、調査を終えたお庭番の圭蔵と美智が帰ってきた。
「これが……毬屋の不正の証拠……」
 圭蔵は、そう言って南蛮との抜け荷の時に使う割符を差し出した。
「お姉さま、毬屋の裏で糸を引いている黒幕の正体がわかりましたわ」
「何者が……?」
「畿内(現在の京都南部、大阪、奈良)代官、上岡安芸守(あきのかみ)ですわ。
そして役人や浪人、ヤクザたちの指揮を取っているのが、その腹心で代官所手代の皆瀬初之進(はつのしん)です」
 瑞穂は、いよいよ悪と戦う決意を固めた。
「ご苦労さまでした。それではみんな、今夜畿内代官所に乗り込むよ!」
「はい!」
 こうして瑞穂は、厳島越前、十条紫郎左衛門、圭蔵と美智を連れて畿内代官所を目指すのだった。

496 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:15:29 ID:Vb3H+TUQ0
 畿内代官所……。
 そこでは、代官の上岡安芸守、代官所手代の皆瀬初之進、呉服問屋の毬屋紋五郎が密会していた。
「お代官様、これで我らに逆らうものもほぼいなくなりました。お代官様の慰み者にする女たちも、十分です。
どうぞお納めください」
 毬屋は、そう言って安芸守に菓子折りを差し出した。
 安芸守が蓋を開けると、1段目から数個の切り餅(小判25両を紙で束ねたもの)が、
2段目からは挽き肉焼きと大人のおもちゃが……。
「ふふふ、毬屋、そちも悪よのお」
「いえいえ、お代官様ほどでは……」
 そういって2人は笑いあう。
「初之進、そなたにも色々働いてもらっておるからのう。褒美じゃ。受け取るがよい」
 安芸守はそう言って初之進に切り餅を1つ投げ渡した。
「はっ、ありがたき幸せにございます」
 初之進は投げられるとビクッとして身を縮こまらせたが、すぐにそれを懐に入れた。
「2人とも、これからもよろしく頼むぞ」
「こちらこそ、これからもよろしくお願いします」
「もうこれからはないぞ!」
 その会話に、突如外からエコーのかかった声が横槍を入れてきた。
「何者じゃ!」
 毬屋と初之進はふすまを開けた。安芸守も立ち上がる。
 そこには、鏑木宮之助と厳島越前守貴相、十条紫郎左衛門、そして圭蔵と美智が3人を睨んでいた。

497 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:21:04 ID:Vb3H+TUQ0
「話は全て聞かせてもらったぞ!」
「何……?」
「畿内代官、上岡安芸守! その方、己の欲望のため、そこな毬屋紋五郎、皆瀬初之進と結託し、抜け荷や人さらい、
さらに、逆らうものは女装させてさらし者にするとは言語道断! それでも慈悲と寛容を旨とする聖央幕府の役人ですか! 
恥を……恥を知りなさい!!」
「ええい、言わせておけば! 名を名乗れ!」
 謎の侍の断罪に、安芸守は怒ってそう怒鳴りつけた。
「安芸守、余の顔を見忘れたか」
「余の顔……?」
 安芸守はそう言って侍の顔を覗き込んでいたが、途端に江戸城の将軍、徳川瑞穂の顔がフラッシュバックした。
「………!! お、お姉さま!!」
 安芸守たちは庭に下りてははーっ、とひれ伏した。
「その方らの罪状、明白! 断じて許しがたい。潔く腹を切れ!」
 瑞穂が言うと、3人は立ち上がった。
「もはやこれまで! お姉さま、お手向かいいたします! 出会え出会え!!」
 安芸守が号令をかけると、周りから侍たちが数十人登場した。
「お姉さまの名を騙る不届き者じゃ! 斬り捨てい!」
 侍たちが刀を抜くと、瑞穂も刀を抜いた。
 いつもの音楽に合わせてラス立ち開始。瑞穂の側近2人と庭番2人も刀を抜いて応戦する。
 瑞穂たちは峰打ち、庭番たちは刃の方で侍たちを次々と斬っていく。
 福○清三も圭蔵に斬られた。と思ったら、いつの間にか復活していて、瑞穂に峰打ちされて、のけぞり倒れた。
 そして、最後の侍、峰○太郎を倒し(わからない方にはすみません。読み流してください)、残るは首魁3人だけとなった。
「成敗!」
 瑞穂が号令をかけると、圭蔵と美智が刃を振りかざして安芸守たちに突っ込んで行く……。

498 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:26:42 ID:Vb3H+TUQ0
「その成敗、ちょっと待ったあ!!」
 突如響いたその声に、全員固まってしまった。
 毬屋だった。毬屋紋五郎が瑞穂の成敗を制したのだ。
「瑞穂ちゃん、あんたらねえ、ダントツの人気で脚光を浴び続けてきたあんたたちに、
日陰者の苦しみの何がわかるっていうのよ!?」
 毬屋は、ここぞとばかりに反論する。
「攻略対象にも入れてもらえず、どのシナリオでも道化扱い、不幸を笑いものにされ続けてきた由佳里のために、
あたしはあえて由佳里の手先になって、やりたいようにやらせて気分を晴らしてあげてたんじゃないの!」
「そうです! 由佳里お姉さまの悲しみや苦しみを知ろうともしないで、表面だけで断罪しようなんて、
それが慈悲と寛容を旨とする、聖央幕府の頂点に立つお方のやることですか!?」
 初之進も反論してきた。
「お姉さまの相手役にも選んでもらえなくて、みんなに笑いものにされ続けて悔しかったから、
ちょっとでも幸せをつかみたかっただけなのに! うわああああん!!」
 安芸守はそう言うと号泣した。
「ほら、泣いちゃったじゃない」
 毬屋はそう非難がましい目で瑞穂たちを見る。瑞穂たちは、それを見て申し訳なさそうな顔で話し合った。
「考えてみれば、この娘もかわいそうかもしれませんわね」
「冷遇されて、道化扱いを笑いものにされ続けてきた反動で、こうなってしまわれたのですわね」

499 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:32:00 ID:Vb3H+TUQ0
「わかったわ。処女男姉恋愛物語に、由佳里ちゃんが相手役のお話も作るように頼んでみるから」
「ぐすっ……ほ、本当ですか?」
「ええ。そのかわりそれが出来上がったら、2度と悪さしちゃダメよ?」
「あーん! お姉さまあ……!」
 こうして、処女男姉恋愛物語に、新たに由佳里がヒロインのお話が書き加えられ、6つのシナリオになったのであった。
 やがてこのお話は時代を超えて語り継がれ、タイトルも「処女はお姉さまに恋してる」に変えられて、
今も私たちを楽しませてくれている。
 なお、由佳里ルートに設定の説明や他のルートの色が(一子の存在、緋紗子先生の話、卒業式の答辞など)強いのは、
このルートが後から書き加えられたから、でしょう。多分。

Fin

500 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/02(水) 14:39:07 ID:Vb3H+TUQ0
以上です。
最初はシリアスものが書きたかったのに、気がついたらお笑い路線を突っ走っていました。
なんでこうなってしまったのか……。

なお、このSSの設定や解説はすべて私の捏造ですので、くれぐれも真に受けないでください。念のため。

あと、管理人さんへ
おとボクSS作品リスト(作者別、スレ別、掲示板、その他の作品へのリンクがあるページ)でのばんくーばー氏と
ナグルファル氏の作品リストへのリンクが抜け落ちていますので、時期更新時、修正をお願いします。
あと、ナグルファルさんだけ「さん」呼びだと違和感を感じるのですが……。

色々言いたい放題言ってしまいましたが、私はこれにて。お目汚し失礼いたしました。

501 :名無しさん@初回限定:2008/04/02(水) 16:18:43 ID:zIe7a/ya0
管理人様
せっかくなんで、作品リストの登場人物抜けを。

15-025 『トゥーランドット』君枝
15-027 『卒業旅行の貴子ちゃん』一子?
15-033 『由佳里編APPENDIX II 〜シンデレラへのステップ〜』(プロローグ)まりや?
15-036 『驚異の肺活量』瑞穂
15-042 『銀の指輪』由佳里・奏
15-045 『残酷な運命』(初音・奏・由佳里・響姫)?
15-047 『花粉お姉さま(ボク)注意報』貴子・圭・美智子

?は名前だけ出てるとかそんなのです。これ自体も抜けが有る気がしますが


502 :みどりん:2008/04/03(木) 23:58:03 ID:myirn/4b0
もう作品を投稿しないと思っていたのですが、少ないのも寂しいので多少は(?)投稿することにしました。
枯れ木も山の賑わいと思って、ご笑納ください。

503 :みどりん:2008/04/03(木) 23:59:06 ID:myirn/4b0
罠………かな?

注)これはまとめサイトの罠とは全く関係ございません。安心してお読みください。

「由佳里お姉さま」
「な〜に?初音」
夜、由佳里が部屋でくつろいでいると、初音が訪れてきた。
「あの……英語で分からないところがあるので、教えていただきたいのですが」
「う………私に勉強のことを聞く!」
「でも、他に頼れる人がいないんです。明日でもいいですから教えてください……」
そういって、うるうるとした表情で由佳里を見つめる。
「わ、わかったわ。明日までに何とかするわ。それで、何が分からないの?」
可愛い妹の頼みである。由佳里もいやとは言えない。
「ええ」
それから、初音は分からないところを由佳里に説明する。
「結構、長いのね………」
初音に示されたところは長文読解で、案外長い範囲に亘っていた。
「申し訳ありません………」
初音は恐縮そうに言う。
「まあ、泥舟に乗った気持ちで待ってなさい。ハッハッハ……ハァ...」
由佳里はため息交じりで笑い飛ばす。
「お願いします、由佳里お姉さま。"大"船に乗った気持ちで待ってます」
そう言って初音は部屋に戻っていった。

504 :みどりん:2008/04/03(木) 23:59:30 ID:myirn/4b0
 それから、由佳里はすぐに電子辞書を携えて奏の部屋に向かう。
「奏さん、助けてぇ〜」
「どうしたのですか?由佳里さん」
「英語で分からないところがあるから教えてもらいたいの」
「由佳里さんが勉強を聞きにくるなんて珍しいですね」
由佳里はさっきの出来事を奏に説明する。
「そうですか。それは由佳里さん、期待に応えないといけませんね。それで、どこかわからないのですか?」
それから、由佳里は奏に何度も何度も聞きながら分からない箇所を調べあげていった。奏も勉学がよく出来る、というほどではないのだが、由佳里と一緒に自分の勉強を兼ねて勉強をする。
「ふぅ〜〜〜疲れたぁ〜。ありがとう、奏さん」
「どういたしまして。また、いつでもどうぞ。私も勉強になりますし……」
「いやぁ〜〜、あんまり勉強すると熱が出そうで……」
「ふふ……」
「アハハ……」

505 :みどりん:2008/04/04(金) 00:00:04 ID:myirn/4b0
 そして次の晩………
「初音ぇ、昨日の質問の話だけど……」
「ええ、由佳里お姉さま………」
それから由佳里は奏に教えてもらった内容を初音に伝える。
「よく分かりました!由佳里お姉さま。流石ですね!!」
「い、いやぁ、それほどでも。アッハッハ」
「また、分からないところがあったら教えてくださいね!」
「ま、まっかせっなさ〜い!!」
由佳里は冷や汗をかきながらも、そう答えるのであった。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

「ありがとうございます、初音さん」
「何でもありません、奏お姉さま。少し難しいですが、私にも勉強になりますし、それに由佳里お姉さまに赤点とってもらいたくないですし……」
「初音さん、演劇部でも十分やっていけるくらい演技が上手でしたわ」
「いえ、由佳里お姉さま相手だから出来ることです。舞台なんてとても出来ません」
「それでね、次は数学なんですけど」
「ええ…」

罠………奏!

おしまい

506 :名無しさん@初回限定:2008/04/04(金) 12:32:32 ID:WXtn85L/O
GJ!
奏ちゃんなんという孔明ww
みどりんさん、これからもどんどん投下して下さいね
楽しみに待ってますよ!

507 :名無しさん@初回限定:2008/04/04(金) 20:12:46 ID:iwvCX/JmO
GJです。
みどりんさん、これからも楽しみにしています。

508 :名無しさん@初回限定:2008/04/04(金) 21:17:12 ID:KQVbCjVJ0
>>6
2ch.pop.tcが無くなったので別サイトに登録しました。次スレは以下のものを使ってください。


★過去スレのミラーです★(処女はお姉さまに恋してるSSスレ)

第1話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1108774069/
第2話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1110222716/
第3話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1110659167/
第4話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1111234071/
第5話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1111757700/
第6話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1112791250/
第7話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1115118638/
第8話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1117971026/
第9話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1143304515/
第10話 http://pantomime.jspeed.jp/test/read.cgi/monament6/1156178671/
第11話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1164204810&ls=all
第12話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1171703000&ls=all
第13話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1176527097&ls=all
第14話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=pie.bbspink.com&bbs=erog&key=1185672661&ls=all
第15話 http://p2.chbox.jp/read.php?host=set.bbspink.com&bbs=erog&key=1197634344&ls=all

509 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/05(土) 19:19:03 ID:VoEi9iA70
こんにちは。東の扉です。
このスレも、もう残り15KBになったので、新しいスレを立てさせていただきました。

↓こちらです。
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第16話
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1207387243/

初めて作ったのですが、その作業の大変さを思い知らされました。
新しいスレでSSを投下させていただきたかったのですが、疲れたのでまた次の機会にします。
このスレの方もどなたか埋めネタ、お願いいたします。(私のSSでは途中でとぎれてしまうかもしれないので……)
それでは、私はこれで失礼いたします。皆さん、次スレでも投稿&閲覧、よろしくお願いします。

510 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/06(日) 09:48:35 ID:9cSjUMoh0
『鏑木京エイリアン』

春休みの鏑木家。今日も瑞穂のプライベートファッションショーが開かれていた。
「さっすが瑞穂ちゃん。あたしじゃこう云うカワイイ服は着こなせないもんねー。
 ほら貴子!鼻血鼻血。瑞穂ちゃんに見とれるのは良いけど、気を付けなさいよ」
「わかってますわよまりやさん……はぁ、瑞穂さん綺麗……」
「うふふ、今日はゴスロリですかまりやさん?」
「はい紫苑さま。でもそれだけじゃ面白くないので、今回は少し女王様チックなアレンジをしてあります」

観客三人のちっぽけな空間。それでもその場の面々は幸せなはずだったのだが……
「あ゛ーーーっ!もうやだ、こんな服はやだ!もうやってられないよ!」
「み、瑞穂ちゃん?」
「あらあら、瑞穂さん落ち着いて……」
「紫苑さんは黙ってて下さい!」
三人を睨みつけると、瑞穂は部屋から出て行ってしまった。
「あっちゃー、瑞穂ちゃんキレちゃったよ」
「全く……まりやさんがやりたい放題するからこの様な事になるのです」
「何云ってんのよ貴子、あんただって楽しく観賞してたんだから同罪よ!」
「そ、それは……」
「まりやさん、貴子さん、とりあえずは瑞穂さんを落ち着かせる方法を考えましょう」
「……そうですね」「……そうですわね」

511 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/06(日) 09:52:09 ID:9cSjUMoh0
瑞穂本来の(?)普段着に着替えた瑞穂が、大量の衣類(女物)を抱えた状態で私室から出てきた。
「瑞穂ちゃん?」
今まで見せた事が無い様な瑞穂の形相(でも美しい)に、三人はかけるべき声を失ってしまった。
瑞穂は三人には目もくれず、一直線に庭へ向かって行った。
庭に出た瑞穂は、無造作に立て掛けてあった園芸用のスコップを手に取ると、無言のまま地面を掘り出した。
「瑞穂ちゃん、何やってるの?」
まりやの言葉に耳を傾ける様子は無い。ただ黙々と地面を掘り続ける……
約10分後、巨大な穴を開けた瑞穂は、その中に女物の服を次々と放り込んだ。
「ちょっと瑞穂ちゃん?!」
「何をなさるのですか瑞穂さん?!」
「あらあら……」
穴に服を放り込んだ瑞穂は、無言のまま再びスコップを握り、上から土をかけていった。
「あーっ!何て事するのよ?!あたしが厳選した服がーーーっ!」
瑞穂から放たれている怒りの波動を感じ取った三人は、瑞穂の事を止めることが出来ない。
結局瑞穂は、誰にも邪魔される事無く、女物の服の処分に成功した(?)。

「瑞穂ちゃん、いくらなんでもひどいんじゃない?」
「まりやさんは兎も角、服には罪は無いでしょう……」
「せっかくの瑞穂さんにお似合いの服が……勿体無いですわ」
何とか我に返った三人が、瑞穂に対して控えめに文句を云った。
「まりやだけなら兎も角、貴子さんも紫苑さんもいい加減にして下さい!
 僕は着せ替え人形じゃありません。それとも、僕には女装しか取り得が無いって云うんですか?」
「「「……いえ(いや)、その……」」」
「……もういいから、みんな出て行って下さい!」

「……どうやら今のわたくし達では、瑞穂さんのお怒りを静めることは出来ない様ですね。
 また改めて出直しましょうか……」
「そうですね紫苑さま」「ええ、仕方が無いですわね」
三人は小声で語り合うと、すごすごとその場から退散した。

512 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/06(日) 09:55:10 ID:9cSjUMoh0
その日の深夜。
普段の瑞穂は寝付きが良いのだが、今日に限って眠れないでいた。
それでも何とか眠りに入ろうとしたその時……
「みずほ……みずほ……」
遠くで何者かが瑞穂を呼ぶ声がした。
「みずほおねえさま……」
(どこから聞こえるのだろう?って僕はもうお姉さまじゃないのに……)
妙に声が気になってしまったため、声の出所を探ってみることにした。
「みずほ……みずほ……」
半分寝ぼけたまま、瑞穂は声の方向に向かっていた。
気が付くと、瑞穂は庭に出ていた。無意識の内に靴まで履いていた様だ。
「おねえさま……助けて……」
「?」
庭の隅っこに、少し土が盛り上がっている場所がある。そこで瑞穂は、信じられない光景を見た。
「な、何これ……」
いきなり土の中から、『にょき』っと手が生えてきた。
いや、良く見るとそれは手ではなく、服の袖だけが土の中から飛び出してきたのだ。
「みずほ……どうしてわたしをうめてしまったの?」
「おねえさま……もうわたしのこと、きてくれないの?」
「ねえ、もういちど、わたしをきて、ふぁっしょんしょーをしようよ」
土の中から複数の声が聞こえた。一本だけだった袖が、二本……三本……と増えて行き、
がさがさがさ……と云う音と共に、土の中から服の大軍が甦った。

513 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/06(日) 10:01:49 ID:9cSjUMoh0
「うわーーーっ?!」
瑞穂の理性の糸が切れた。
「みずほ……みずほ……」
「おねえさまおねえさまおねえさまおねえさまーーーっ!」
「みずほ……おねえさま……」
「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」
服の大軍が、まるでゾンビの様に、瑞穂に向かって歩いてきた。
さりげなく聞き慣れた声が混じっていたのは気のせいだろうか?
ざっざっざっざっ……
「わーーーっ!ごめんなさいーーーっ!」
(ええと、ロケットランチャーは……持ってきてないや……)
既に瑞穂の思考回路はマヒしている。側に落ちていたスコップを手に取ると、瑞穂は服の大軍に突っ込んで行った。
「いやーーーーーーっ!!」
まるで日本刀を扱うが如く、スコップでゾンビ(?)を薙ぎ倒して行く。
特に抵抗する素振りも見せず、服ゾンビはバタバタと倒れて行った。
数分後、辺りは沈黙に包まれた。正気を失っている瑞穂は、服を集めると、もう一度上から土をかけなおした。
「終わった……」
全てが埋まったのを見届けると、瑞穂はスコップを放り出し、その場から逃げ出した。
自分の部屋に戻った瑞穂は、扉と窓に鍵をかけ、ブルブル震えながら毛布を被った。
緊張の糸が切れたのか、急激な睡魔に襲われて、瑞穂は眠りに落ちた。

514 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/06(日) 10:07:22 ID:9cSjUMoh0
がばっ!
早朝、瑞穂はいきなり飛び起きた。
「……夢か」
パジャマの下は、寝汗でグッショリだった。
(何で、あんな夢を見たんだろう……)
とりあえずパジャマを脱いで、タオルで寝汗を拭った。(絵でお見せできないのが残念です)
そして上半身裸のまま、瑞穂はクローゼットを開けた。
不本意な事に、クローゼットの過半数は、まりやが持ってきた服(女物)が占めていた。
Tシャツを取り出し袖を通したのだが、瑞穂はクローゼットの中に違和感を覚えた。
女物の服にだけ、不自然な汚れが付着していたのである。
瑞穂は、近くに有ったフリフリのワンピースを手に取ってみた。
「これは……土?」

『完』

515 :ばんくーばー ◆dRSEVGhpDg :2008/04/06(日) 10:10:45 ID:9cSjUMoh0
以上です。埋め&みどりんさんごめんなさい企画と云う事で、即興で書き上げました。
タイトル没案は『瑞穂のホレホレ大作戦』『ドレスハザード』等です。
やっぱり今の自分はダメみたいです。花粉がいなくなるまで、しばらく大人しくしてようと思います。
それでは駄文失礼致しました。

516 :名無しさん@初回限定:2008/04/08(火) 09:51:09 ID:ZjaEu1mI0
GJ!怒ってる瑞穂ちゃんは珍しいですね
ところでばんくーばーさんて作品のタイトルから考えると
同世代っぽいんですが…w
花粉症仲間としても勝手にシンパシーを感じてたんですが
なんか良い感じに親近感が沸いてきましたw
では花粉症お大事に&これからも頑張って下さい!

517 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/11(金) 11:25:29 ID:Avm3+RXQ0
15話スレの埋めネタ、投下させていただきます。

注意
オリキャラが登場します。
由佳里ちゃんがネタキャラとして扱われています。
ので、それらがお嫌いな方は、パスをお勧めします。

それでは、よろしくお願いします。

518 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/11(金) 11:31:54 ID:Avm3+RXQ0
〜被害妄想〜

「うわあっ! こんなエロ写真に瑞穂ちゃんの顔貼り付けて……由佳里ってますますエロに磨きがかかってるわね」
「ま、まりやお姉さま……毎回毎回、いい加減にしてください! 人のプライバシーを勝手に……」
 今日もまりやは、由佳里の部屋に勝手に入り込み、由佳里の秘密を粗探ししていた。
「だって、面白いんだもん。エロボケ極めたエッチゆかりんのプライバシー見るの」
「か、勝手に変なステイタスとあだ名をつけないでください!」
 まりやは、まだ懲りずに由佳里の部屋を重箱の隅をつつくように調べていた。
「もう! 他に用がないなら出てってください!!」
 由佳里はまりやに掛け布団を投げつけた。
「あはは。怒った顔も可愛いわよ、エッチゆかりん」
「そんなこと言われても、全然嬉しくありません!」
「ま、あんまり怒らせるのもなんだから、今日はこれぐらいにしとくか。おやすみ、エッチゆかりん。
あたしはエッチゆかりんがどんなエロい夢見るのか考えてるから」
「だからゆかりんじゃありません! エロい夢も見ません!」
 由佳里が文句を言った時には、すでにまりやはドアを閉めて出て行った後だった。
「うーっ……まりやお姉さま、毎回毎回人のことバカにしてーっ!!」
 由佳里は、怒りをぶつける場所もなく、腹いせに枕をドアに投げつけた。


519 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/11(金) 11:35:59 ID:Avm3+RXQ0
 翌日……。
「聞きました? 今日から転校生の方が来られるそうですわよ?」
「どんな方かしら? お友達になってくださるとよろしいのですけど……」
 由佳里のいる教室では、今日から転校してくる生徒の話題で持ちきりだった。
 そうこうしているうちに、担任の教師が転校生を連れて教室に入ってきた。
「静かに! みなさん、本日からこの学院に転入することになった……」
「越中果凛(えっちゅう かりん)と申します。よろしくお願いします」
 転校生は、満面の笑顔で自己紹介する。
「………!! 転校生まで私のことバカにするんですかーっ!!」
 その名前を聞いて、由佳里は暴れだしたのだった。


520 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/11(金) 11:41:54 ID:Avm3+RXQ0
 その日の放課後……。
「あなた、越中果凛さん?」
 転校生のところに、このことを聞いたまりやが訪ねてきた。
「そうですけど……どなたですか?」
「あたしは御門まりや。寮と部活での由佳里の姉……まあ転校生にわかる言い方をすれば、先輩ね」
「まりや先輩……由佳里さんひどいんですよお……なんにもしてないはずなのに、いきなり机をぶつけてきたんですよ……」
 果凛は、そう言って泣き出した。
「ああごめんごめん、由佳里も悪気があったわけじゃないから……」
「じゃあどうして?」
「あたし、調子に乗って由佳里をからかいすぎてたみたいで、あんたの名前が、たまたまその時のセリフに似てたんだわ。だから……」
「自己紹介の時、由佳里さんはそのセリフと聞き間違えたってことですか?」
 果凛はまだ目に涙を浮かべながら、そうつなげる。
「うん。多分そうだと思う。あたしもこれからは気をつけるからさ、由佳里のこと許してあげて」
「わかりました……」
 そして翌日、果凛は由佳里と和解した。


521 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/11(金) 11:48:48 ID:Avm3+RXQ0
 まりやは、由佳里をからかい続けていたことを瑞穂にきつくしかられ、
その日から由佳里の性的なことに関する話題に触れるのはタブーとなった。
 それから約半月後……。
「ふぁあああんっ!! お姉さまあ、もっと、もっと激しくうん!!」
「うーっ……由佳里のヤツーっ! 調子に乗ってえ……!」
 まりやは、隣の由佳里の部屋から聴こえてくる嬌声を、時に手の爪で壁を引っかき、時に壁をドンドンと叩きながら聞いていた。
 あれから由佳里は、まりやに追及される心配がないからと、安心して欲求不満の時には部屋で瑞穂を想いながら、
ひとり励むようになった。
(あーっ!! からかいたいからかいたいからかいたいーっ!! こんなとっておきのネタを
からかえないなんて、それこそヘビの生殺しだよ!)
 一方まりやは、からかいたくて仕方ないのにそれを禁止されてることに、欲求不満がパンパンに膨れ上がってしまっていた。
「ふぁあああああっ! イく、イく、イっちゃうよお! お姉さまあ!!」
(だーっ!! 瑞穂ちゃん! いい加減からかうの解禁にしろーっ!!)
 そして、瑞穂がいつまでたっても禁止を解かないので、この後まりやは瑞穂にそれを当り散らすのであった。

Fin


522 :東の扉 ◆FVKSJZ0PUs :2008/04/11(金) 12:02:02 ID:Avm3+RXQ0
この話は以上です。お目汚し失礼いたしました。
あと4KB……いや、もしかしたらこのレスで3KBになるかも……。
とにかく、どなたか残りお願いします。


523 :名無しさん@初回限定:2008/04/11(金) 20:33:54 ID:A63wxMwl0
|`ヽミ   l:.:./|! _l:/|.. :.\/1 /l.  | lイ±リl| iトlム仕ミ|   ト_j||. / 、 .', . ! !',  ',. ',、ヽヽ ' ,
|ィト,/`  lノ  ´/ レ.. :.\..| |  ゝ1!())Vレ:.(()}|   |トーソ/, ', !',、 ',  !! rナ ̄!`T', ヽヽ
|ソ,/         ___  ''' :\:!.  ',: ̄ ..::,:.   ̄ / | |ヽ./! 「! ̄ト',ヽ N ,i! !! !_」_」弋ヽ、
|`............      /,、 ̄`_ヽ|:./\  ヽ:::::::t_ァ  .:/ i | /  ! ル」从、ヽヽ ソl/ フ rソ;;;; !ヾl `
|    :::::::....  ,ト!(:.:rテ'/ ´ /:.:.:.\  | 丶、::_:// /.,! .! .! ',《ヽソ;ヽ        L彡ン "! !ヽ うめなのですよ
|    '   ::::..ヾニ_ /  /'ノl:.:.  \∧∧∧∧/ ! . ! ト .! ',. ゞ┘         !. ! ,l
ヽ ヽ 、_          /_' -‐':: < の .う > .! .! .!  ', ヽ .,,.   '    "" /!  ,! リ
` \  ̄        ィ‐':.:.|:.:.:.:.  <    め >  リ !  リ,  ヽ、   ー‐    イ ..!  ソ
─────────────< 予 .な >────────────────
     .      う         <    の > .:.:! i ィiナ/ 7⌒`   ヾ⌒ヽマ ヾx.:.:.:.:.:.i
   , -‐―‐‐-、  め      .< 感 で >.:.:i.:.i.:.オ' /       リ  ヽ.:iハ、.:.:.:.:.|
  /   ,    ヽ  る      <   .す > .:i.:.i':.:.v,.ォ=ァ丶     r==ァミV}}.:.:.:.:.:.|
  l */_ノ/ヽ)ノ..   \ .  / ∨∨∨∨ \ ::i.:.i;ゞ i :::::: i      i :::::: i ヌ;:':.:.:.:.:.i うめなのです
  | (| | ┰ ┰|l |       /    !::: :::リイ"  V\:.  ヾ_;;;ソ      ヾ_;;ソ/イj:.:.:.:.:.,'
  l ∩、''' - ''ノ∩     /:ハ:! (   )ヾノ (   ) / \   .,,,   '    .,,,. /.://.:./:/
  | ヽ}| {介} |{/..   / :::. k_ヽ││"   "| │ハ::.::: \      ー‐     /〃ソ/
(_ノ_,ノ く_/_|_j_ゞ!し /ノ!:!ヽ:: .:ト::ゝ! rー-‐‐、| !イ7: :/ヽ!:!.\ 、     イフ"/'
     (__八__)         うめなのですよ〜

処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第16話
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1207387243/

524 :名無しさん@初回限定:2008/04/12(土) 13:41:13 ID:WJfSkE5L0
            , ' ´ ⌒V/'' 一_-、
          /  /        `ヽ,` 、
         / / / /  i     ヽヽ ヽ. \
        /  i i ./ / .ハ   i i i .i ヽ`、 ゙ 、
.        l / i  iイハi i i i iリi i  i i ヽヽ i
        l/ i  i斗ェ士Iト;/ //__iリ  i i ハ ',
        l バ|  〈.{゚:::::i}゙ レノ/,ィメミト  i  i i.l.l i
       l i ハ  i.辷ソ  " .{:::ソ〉i / .レ .| i
       l i  ハ  ヽ:::::  _ ' :::゙"/ / レノノi.l
      l i  i ト ヽ \  _ , イ イ ハノノ 埋めますよ
.      l i  i  i  「`゙''ー゙r"T// i/ i i
      l__i_, 斗‐へ ___ ィL/`ー- i_i iヽ
     /  } }  <´  ∧+.ト、`ヽ  } }  ヽi ヽ
   /     } }  _〉 :: :∧゙ヽ 〈  } i   ヽ ヽ
  /       V´ | , イ ハヽ、 ハ`' く     '、ヽ
. /       /  ノイ/ .H ヽ ヽ,〉  ヽ    ヽ \
〈        i   ムr-i^'|ウレ イへi  i     .〉  \
. \      ト、:::::::::::::::::::i「o]i|::::::::::::::...ノ     .人   ヽ
  / に_ >'i. `' -----┴┴-----イ  < イ ヽ \
  /< ̄7" i ハ             |ハ こ イ i\\ \
. /    V  i iハ            ,iハ   .i i ヽヽ  ヽ
/ ⌒ヽ〈  i i i .ト、          ii  { ー イ  iヽ ヽヽ  ヽ
|     V i i 〉ヽ、         | i  i   .i  iヽ ヽ ヽ 
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/ /へ  レ'   〉、_,, --、_ー    /  i i .i    i  i ヽ ヽヽ
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